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接着剤と接着技術
(2002年『新世紀の接着剤と接着技術』普及版) |
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| およそ7000年に及ぶ接着剤の歴史のなかで近代接着剤の誕生と発展は,ここ1世紀に満たない。なかでも合成高分子接着剤の進歩は過去半世紀といってもよく,用途の広がりや環境変化につれて新規機能をもつ接着剤の開発が絶え間なく進行している。接着剤の進歩とともに接着技術も変化する。使用者側から見れば接着剤の選択が最初の課題であろう。そのためには個別の接着剤の特徴(長所と短所)を理解し,接着剤の性能を十分発揮できるような作業環境を整え,管理された接着工程を経て接着製品を得ることを心掛けるのが一般的な手順である。ところが最近は選択の第一段階に環境・安全・健康に関する要求事項が設けられるようになった。使える接着剤の中から要求性能を満足するものを選び,それに伴って関連する接着技術を駆使するように変化してきている。 本書では網羅的に接着剤及び接着技術を取り上げることは適当でないと考え,最近の動向から主要な接着剤と注目する機能を中心に,それらを支援する現在の周辺技術を紹介することとした。構成の背景,すなわち企画の考え方は次のようである。 接着の基本を成す接着剤の中から成長株であるものを抽出する。これらは原料ポリマーの創製や改質,配合技術,性状調製などさまざまな技術を駆使して新製品が開発されている。このような最近の技術動向,接着剤の設計と機能をI,II編に配置した。従来,応用面として用途別の章を設けるのが通例であるが,今回は接着剤のなかにゆだねることにした。業界の統計区分では合板,二次合板,木工,建築(現場用),建築(工場用),土木,製本,ラミネート,包装,紙管,繊維,フロック加工,自動車,その他の輸送機,靴・履物,ゴム製品,電機,家庭用,その他,輸出となっている。この中で出荷量構成比で二桁を占めるのは首位の合板及び建築(現場用+工場用)に次いでその他が位置する。その他とはメーカーの立場から用途区分が困難なものを指しており,需要市場が多様化していることを反映している。したがって応用面の最新事情を取り上げることが実務的に難しいと判断したからである。 接着を確実なものとするための表面処理技術が果たす役割の重要性は論を待たない。標準化も進みISOやJISで規格が制定されている。しかし,ここでも標準化に先行する技術進歩が実用上の情報を提供してくれる。III編はそのような括りである。さて接着剤の使い勝手のなかで塗布のしやすさは無視できない。はけ,へら,筆などの用具を用いる手塗布,容器自体が塗布具となっているもの,混合機構をもつハンドガンなどから機械塗布さらに自動化された塗布設備まで被着材や使用環境に応じて適切な塗布方法が選択される。IV編に塗布技術をとりあげたのは,接着剤の選択に欠かせない要因であり,生産性に直結する技術だからである。この分野にはほかにも多くの方法があるが細分化すると接着剤が限定されるため見送らざるをえなかった。塗布は接着性能に影響する接着層の厚さの制御にも関係するため重視しなければならない。接着剤の機能を高めるにはその機能を評価する方法を開発する必要がある。国内外における現状について標準化を含めてまとめてみた。接着剤を取り巻く環境問題は規制面から紹介し,全体をしめくくりとした。 執筆者はそれぞれに権威者である。多忙であることは承知のうえでお願いし,寄稿頂いたことに感謝申し上げたい。読者各位には21世紀初頭における接着技術の最新情報を実務に役立たせることを期待してやみません。 |
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2002年8月 東京都技術アドバイザー 永田宏二 |
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| 本書は2002年に『新世紀の接着剤と接着技術』として刊行されました。普及版の刊行にあたり,内容は当時のままであり加筆・訂正などの手は加えておりませんので,ご了承ください。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2007年10月 シーエムシー出版 編集部 |
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執筆者の所属表記は,注記以外は2002年当時のものを使用しております。 |
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| 【第I編 接着剤の設計】 第1章 ホットメルト(駒峯郁夫) 1. はじめに 2. ホットメルト接着剤の概要 3. 接着剤の設計と品質保証 3.1 企画書 3.2 品質設計書 4. ホットメルト接着剤の配合設計・分子設計 4.1 EVA系ホットメルト接着剤の設計 4.2 ポリオレフィン系ホットメルトの設計 4.3 熱可塑性エラストマー系ホットメルトの設計 4.4 ポリアミド系ホットメルトの設計 4.5 ポリエステル系ホットメルトの設計 4.6 ウレタン系ホットメルト 5. ホットメルト接着剤の新製品と狙いの設計 5.1 ポリオレフィン用耐熱ホットメルト接着剤 5.2 ポリオレフィン用反応性ホットメルト接着剤 5.3 衛生材料用ホットメルト接着剤 5.4 エラストマー系ホットメルト接着剤 6. 今後,期待されるホットメルト接着剤 6.1 環境適応形ホットメルト接着剤 6.2 新反応形ホットメルト接着剤 7. おわりに 第2章 エポキシ(越智光一) 1. はじめに 2. 高性能・高機能性エポキシ樹脂接着剤 2.1 仮止め可能の構造用接着剤 2.2 ゴム弾性を示す接着剤 2.3 無機物との複合化による接着剤 2.4 屈折率をコントロールした接着剤 2.5 メソゲン基を骨格とする液晶性エポキシ樹脂 3. おわりに 第3章 ウレタン系接着剤(山口幸一) 1. はじめに 2. PU系接着剤の分類,原料,製造 2.1 PU系接着剤の分類 2.2 PU系接着剤の原料 2.3 PU系接着剤への各種配合剤 2.4 PU系接着剤の製造方法 3. 各種接着剤 3.1 溶剤形接着剤 3.2 水性形接着剤 3.3 反応形接着剤 3.4 反応性ホットメルト形接着剤 4. おわりに 第4章 ゴム系接着剤(山口幸一) 1. はじめに 2. ゴム系接着剤の分類 3. 溶剤形接着剤 3.1 組成 3.2 各論 (1) 天然ゴム系溶剤形接着剤 (2) クロロプレンゴム系溶剤形接着剤 (3) アクリロニトリル・ブタジエンゴム系溶剤形接着剤 (4) スチレン・ブタジエンゴム系溶剤形接着剤 (5) スチレン系熱可塑性エラストマー系溶剤形接着剤 (6) その他ゴム系溶剤形接着剤 4. ゴム形水性形接着剤 4.1 組成 4.2 各論 (1) 天然ゴム系水性形接着剤 (2) クロロプレンゴム系水性形接着剤 (3) スチレン・ブタジエンゴム系水性形接着剤 (4) アクリロニトリル・ブタジエンゴム系水性形接着剤 (5) その他ゴム系水性形接着剤 5. ホットメルト形接着剤 6. おわりに 第5章 アクリル系接着剤(田口広一) 1. はじめに 2. 第二世代アクリル系接着剤の種類 3. 第二世代アクリル系接着剤の特徴 3.1 無溶剤である 3.2 常温速硬化である 3.3 接着性,耐衝撃性,耐熱性などに優れる 3.4 油面接着が可能である 3.5 二液の配合比や混合の簡便性と作業性の良さ 4. 第二世代アクリル系接着剤の接着特性 5. 用途例 5.1 エポキシ接着剤の代替 5.2 溶接の代替 5.3 土木用途 6. 新しい第二世代アクリル系接着剤 7. おわりに 【第II編 接着層の機能―硬化接着物を中心に―】 第1章 力学的機能(池上皓三) 1. はじめに 2. 力学的機能に及ぼす接着条件の影響 2.1 表面処理 2.2 表面粗さ 2.3 接着剤層の厚さ 2.4 接着面圧 2.5 硬化温度 3. 接着接合部の形状,材質と強度 3.1 円筒突き合わせ継手 3.2 重ね合わせ継手 3.3 スカーフ継手 3.4 軸継手 4. 負荷条件と接着接合部の強度 4.1 繰り返し負荷に対する継手の強度 4.2 衝撃荷重に対する継手の変形 5. おわりに 第2章 熱的特性(古川信之) 1. 接着剤の熱的特性 2. 耐熱接着剤 2.1 無機系耐熱接着剤 2.2 有機系耐熱接着剤 2.3 難燃性接着剤 3. 耐熱接着材料の用途と要求特性 3.1 構造接着剤 (1) 自動車用構造接着剤 (2) 航空宇宙用構造接着剤 3.2 電子材料用接着材料 (1) プリント回路基板用接着材料 (2) 半導体組立工程用接着材料 4. 耐熱性樹脂の技術開発動向 4.1 ポリイミド系樹脂 4.2 ポリベンゾオキサゾール類 4.3 熱硬化性樹脂 4.4 分子複合材料 5. 今後の展望 第3章 光学的機能(澤本健之) 1. はじめに 2. 光学用接着剤の要求性能 3. 光学的機能 3.1 光透過性 3.2 屈折率 4. 固定精度 5. おわりに 第4章 電気的機能(柳原榮一) 1. はじめに 2. 接着剤の電気的機能 2.1 絶縁特性 2.2 誘電特性 2.3 導電性 2.4 その他 3. 接着剤での具体例 3.1 エポキシ樹脂 3.2 紫外線硬化接着剤(UVA) 3.3 シリコーン接着剤 3.4 ホットメルト接着剤(HMA) 3.5 ポリイミド(PI) 4. 導電性接着剤 5. おわりに 第5章 生体適合性(林壽郎) 1. はじめに 2. 医療用材料の生体適合性 2.1 医療用材料の安全性 2.2 医療用材料の生体機能性 2.3 医用材料の生体適合性 3. 医療用粘着剤・接着剤の基本的要件 4. 皮膚・粘膜用粘着剤 5. 経皮吸収治療システム(TTS) 5.1 TTSの設計 5.2 TTSの実例 6. 軟組織用接着剤・止血剤 6.1 フィブリン糊 6.2 ゼラチン糊 6.3 シアノアクリレート系接着剤 6.4 ウレタン系接着剤 7. 硬組織用接着剤 7.1 歯科用接着剤 7.2 骨組織用接着剤 8. おわりに 第6章 制御機能(小川俊夫) 1. 接着力の発生 2. 表面状態と接着強度 3. 接着方法の改善 4. 接着阻害因子 第7章 接着層の複合機能(宮入裕夫) 1. はじめに 2. 界面の機能 3. 接着界面の力の伝達 4. 複合材料のエネルギ吸収能 5. 接着界面と耐摩耗性 6. 接着界面の熱的及び音響特性 6.1 断熱特性と緩衝性 6.2 音響特性 (1) オーディオ機器 (2) 楽器関係 7. あとがき 【第III編 表面処理技術】 第1章 光オゾン法(菊池清) 1. はじめに 2. 光オゾン法の基本 3. UVとオゾン 3.1 UV 3.2 オゾン 4. 光オゾン法による接着力向上 4.1 有機化合物の結合エネルギーとUV 4.2 改質と接着力向上 4.3 ぬれ指数と接着力の関係 4.4 改質効果の多様性と選択性 4.5 洗浄と接着力向上 5. UV光源 6. 表面処理の実施例 第2章 コロナ表面処理(櫻井行平) 1. はじめに 2. コロナ放電処理 3. コロナ放電処理の諸問題と解決方法 4. ガス雰囲気中でのコロナ放電 5. おわりに 第3章 プラズマ処理(入山裕) 1. はじめに 2. プラズマ表面改質の基礎 3. プラズマ処理効果の持続性 4. 化学反応性官能基の付与による接着性の改善 5. 粗面化による接着性の改善 6. クリーニングによる接着性の改善 7. 短時間処理 8. プラズマ重合 9. 大気圧プラズマ 10. おわりに 第4章 プライマー(八塚剛志) 1. はじめに 2. プライマーの役割 2.1 プライマーの具体例 2.2 接着性の向上 2.3 防食 3. プラスチック用プライマー 3.1 磁気テープ用アンカーコート 3.2 耐ブロッキング性の改良 4. 金属用プライマー 4.1 加工性の向上 5. 今後の展開 【第IV編 塗布技術】 第1章 ロールコーター(上北廣一) 1. はじめに 2. グラビアコーター 3. キスコーター 4. リバースロールコーター 5. 5本ロールコーター 6. コンマコーター 7. リップコーター 8. おわりに 第2章 スクリーン印刷(佐野康) 1. はじめに 2. スクリーン印刷のメカニズムの理解 2.1 ローリングのメカニズム 2.2 吐出のメカニズム 2.3 版離れのメカニズム 2.4 レベリングのメカニズム 3. プロセスの適正化の方法 3.1 印刷条件の適正化 3.2 スクリーン仕様の適正化 3.3 接着剤のレオロジの適正化 4. 実際の印刷工程でのプロセス適正化の手順 4.1 均一性の確保 4.2 寸法精度の維持 4.3 解像性の向上 4.4 膜厚の整合 5. スクリーン印刷技術の応用例 5.1 ベタ印刷 5.2 パターン印刷 5.3 微小ドット印刷 5.4 穴埋め印刷 5.5 積層印刷 6. おわりに 第3章 スプレー塗布(小田耕太郎) 1. はじめに 2. スプレー方式の種類と特徴 2.1 エアースプレー方式 2.2 エアレススプレー方式 3. 機種選定について 3.1 基本的な選定の目安 3.2 接着剤種類からの選定の目安 3.3 接着剤粘度からの選定の目安 4. 接着剤のスプレー塗布と温度 5. スプレー塗布機器の一例 5.1 カップ式エアースプレーガン 5.2 圧送式エアースプレーガン 5.3 エアレスハンドスプレー 5.4 圧送式自動エアー(エアレス)スプレー 6. スプレー作業上の注意点について 6.1 エアーホースの選定 6.2 吹き付け距離の注意 6.3 有機溶剤を排出するための局所排気 6.4 機器のメンテナンス 7. おわりに 第4章 ディスペンサー(富山和照) 1. はじめに 2. 接着剤の定量吐出における問題点 2.1 吐出量の再現性 2.2 液ダレの防止 2.3 自動化における問題点 2.3.1 液ダレによる吐出量の変化 2.3.2 水頭差の影響 2.4 供給圧力の変動 2.5 粘度変化 2.5.1 温度による粘度変化 2.5.2 経時的な粘度変化 2.5.3 不規則な粘度変化 2.6 脱泡 2.7 周辺機器の影響 2.8 多量の液剤を用いる場合の注意 2.9 メカニカルディスペンサー 3. 接着剤の塗布形状における問題点 3.1 クリアランスの影響 3.2 液切れ 3.3 描画システム 【第V編 評価技術】 第1章 塗布性の評価(宮本勲) 1. はじめに 2. 塗布性とレオロジー 3. 粘度測定の目的と意義 4. 粘度の定義 5. 流動特性 5.1 流動曲線 5.2 粘度曲線 6. 粘度測定方法 7. 各種の作業時におけるずり速度 8. チクソトロピー性 9. 粘度の温度依存性 10. 降伏値の評価 11. 垂れとたるみの流動挙動について 12. 塗布性と粘度 13. ビード塗布による垂れ特性と粘度 13.1 ビード塗布による垂れ特性と粘度 13.2 ガラス板ビード塗布による垂れ特性と粘度 14. プラグフォーマーによる垂れ特性と粘度 14.1 プラグフォーマーによる垂れ特性(温度および攪拌による影響) 14.2 木材フロア仕上用接着剤の粘度特性 第2章 拡散VOC(吉田弥明) 1. ホルムアルデヒドを含むVOCによる室内空気汚染の現状と接着剤 2. 汚染化学物質と健康影響 2.1 短期暴露における健康影響 2.2 長期微量暴露における健康影響 3. 接着剤からのVOC放散評価 3.1 MSDSによる評価 3.2 放散速度による評価 4. 今後の方向 第3章 接着試験法(小野昌孝) 1. はじめに 2. JISの試験・測定方法 2.1 接着強さの試験・測定方法 2.2 その他の試験・測定方法 3. 接着剤,シーリング材・コーキング材及び粘着テープ類の規格 4. JISとISO,CENその他の海外規格について 5. 粘着剤等と環境問題 6. その他 |
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