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炭素繊維の応用と市場

(2000年『炭素繊維の最新応用技術と市場展望』普及版)

商品コード: B0849

  • 監修: (編著)前田豊
  • 発行日: 2008年6月
  • 価格(税込): 3,240 円
  • 体裁: A5判、226ページ
  • ISBNコード: 978-4-7813-0006-1

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刊行にあたって

 炭素繊維は、その開発から40年の歴史を経て、航空機産業、スポーツ・レジャー産業から建設産業にわたるほとんどすべての工業・民生分野において使用されるまでになった。
 さらに、将来も高い成長が見込まれているのは、この黒い繊維が、単に軽薄短小で象徴される時代の要求に適した材料であるからというにとどまらず、その独自の特徴を生かした用途が、2000年代という新しい時代の開拓の基盤をつくる材料であり、かつまた、鉄、アルミに続く第3の汎用材料として成長すると考えられるからに他ならない。
 炭素繊維は、日常生活で目にふれるスポーツ・レジャー用品からも明らかなように、素材であって最終製品ではない。素材を成品や部材、構造物に仕立てあげるためには、各種の加工が必要となる。
 製品の用途、加工の方法や工程などは、それぞれの製品形態によって大幅に異なり多様であり、より有効な使い方や新しい応用技術が開発できれば、実用化が期待できる新規の用途も大きく広がる可能性がある。
 炭素繊維の製造や利用技術の紹介書はいくつか存在するが、すでに時を経てきており、新たな技術、応用分野が多数生まれてきている。
 本書は、炭素繊維の最新の技術動向を把握し、商品開発を目指す企業や一般技術者のため、最新応用技術と用途開発の展望を紹介することを目的としたものである。
 炭素繊維は、ポリアクリロニトリル系炭素繊維を利用するものが主体となるが、ピッチ系その他、異なる原料を用いた各種炭素繊維(糸)や、耐炎繊維や活性炭素繊維などについても述べる。
 最新の技術資料によって性能、商品形態、特徴などを整理し、あわせて競合ないし、併用もされる補強用繊維との位置付けを明確にしていく。
 各種の中間基材についても、繊維、糸と同様の考えでまとめるとともに、樹脂系複合材料に用いられる母材樹脂や副資材の主なものに関する情報も提供する。
 複合材料の設計、試験方法については概略を紹介するにとどめ、新規用途とその需要動向については具体的な製品についてできるかぎり将来展望が把握できるよう、各種情報を提供する。
 実際に使用する際に便利なように、各社の主なカタログを付録として添付する。
 先進複合材料については、すでに特色のある優れた入門書、実務解説書、専門書等が刊行されているが、本書は特に株式会社シーエムシーから1984年に発行された「炭素繊維の応用技術」をベースとして、最新の応用技術の動向と今後の展望に視点をおいて取りまとめたものである。
 炭素繊維の利用は、まさに新時代を迎え飛躍的拡大が期待されるが、本書がその発展にいささかでも寄与できれば幸甚である。
 なお、本書作成にあたり、炭素繊維協会、三菱レイヨン(株)炭素繊維事業部、(有)エヌーティーアドコ、(米)オムニア社のご援助を給わったことを申し述べ、厚く感謝申し上げます。
(「はじめに」より)

2000年9月  前田豊

<普及版の刊行にあたって>
 本書は2000年に『炭素繊維の最新応用技術と市場展望』として刊行されました。普及版の刊行にあたり、内容は当時のままであり加筆・訂正などの手は加えておりませんので、ご了承ください。

2008年6月  シーエムシー出版 編集部

著者一覧

前田 豊(まえだ ゆたか)

昭和16年   兵庫県出身
昭和42年   大阪大学工学部応用化学科修士課程終了
         三菱レイヨン(株)に入社、中央研究所、富山工場にて各種樹脂・繊維開発に従事
昭和57年   本社新事業開発部、豊橋事業所にて、炭素繊維複合材料の製品開発に従事
         アメリカズカップのCFRP製巨大マストの製造技術開発の責任者
         同開発で1992年度複合材料学会技術賞受賞
平成7年    MRCテクノリサーチ(株)に入社
         炭素繊維複合材料の調査を主に担当
平成14年   前田技術事務所 代表
         技術・情報の調査・発信

目次

第1章 炭素繊維の概観
1. 炭素繊維の開発・工業化の歴史
1.1 PAN系炭素繊維(ポリアクリロニトリル系炭素繊維)
1.2 ピッチ系炭素繊維(CF)
1.3 その他の炭素繊維(CF)
2. 炭素繊維製造の概要
2.1 PAN系CFの製造
2.2 ピッチ系CFの製造
2.3 その他原料の炭素繊維
2.3.1 レーヨン系CF
2.3.2 気相成長CF(VGCF)
2.3.3 その他
3. 炭素繊維の利用の概況

第2章 炭素繊維の特性
1. 炭素繊維の分類
1.1 炭素繊維の分類の背景
1.2 CFの慣用的な分類
1.2.1 汎用グレード
1.2.2 高性能グレード
2. 炭素繊維の形態
2.1 炭素繊維製品の分類
2.1.1 連続繊維
2.1.2 短繊維
2.1.3 ファブリック
3. 市販炭素繊維製品
3.1 グレード別炭素繊維製品例
4. 炭素繊維の性質
4.1 炭素繊維の形状
4.2 炭素繊維の化学組成
4.3 炭素繊維の水分
4.4 炭素繊維の耐薬品性
4.5 炭素繊維の機械的性質
4.6 炭素繊維の熱的性質
4.7 炭素繊維の電気的・電磁気的性質
4.8 その他の性質
5. 炭素繊維周辺繊維の特性
5.1 耐炎繊維
5.1.1 耐炎繊維の化学的特性
5.1.2 繊維物性
5.1.3 耐炎性
5.1.4 耐熱性
5.1.5 耐薬品性
5.1.6 安全性
5.1.7 耐炎繊維の用途
5.2 活性炭素繊維
5.2.1 注目される活性炭素繊維
5.2.2 ACFの製造
5.2.3 構造的特性
5.2.4 吸脱着特性

第3章 炭素繊維・複合材料の概観
1. CF―複合材料用補強材として
1.1 CFの高強度、高弾性率化
1.2 マトリックス樹脂との接着性改良
1.3 高次加工性の改良
1.4 品質の安定化、品質保証
2. CF・複合材料の中間基材
2.1 複合材料中間基材の種類と特性―中間基材I
2.1.1 長繊維
2.1.2 短繊維
2.1.3 ファブリック
2.2 複合材料・中間基材II
2.2.1 プリプレグ
2.2.2 プリミックス
2.2.3 CF熱可塑性樹脂コンパウンド(ペレット)
2.2.4 CFRP用母材樹脂
2.2.5 副資材

第4章 複合材料の設計・成形・後加工・試験検査
1. 複合材料の設計
1.1 複合材料設計の概要
1.2 複合材料設計の特徴
1.3 基本的設計事項
1.4 複合材料の構造設計
2. 複合材料の成形加工
2.1 成形加工技術の概要
2.2 成形法各論
2.2.1 オープンモールド成形
2.2.2 加圧成形
2.2.3 フィラメントワインディング成形法(FW法)
2.2.4 プルトルージョン(引抜成形)
2.2.5 マッチドダイ成型法(MDM)
2.2.6 その他特殊成形法
2.3 成形法の今後の展開
2.4 成形加工機
2.4.1 オートクレーブ
2.4.2 プレス成形機
2.4.3 フィラメントワインディング成形機(FW機)
2.4.4 プルトルージョン成形機(引抜成形機)
2.4.5 レジンインジェクション成形機(RI機)
2.4.6 射出成形機
2.4.7 世界のコンポジット加工機械メーカー・リスト
3. 機械加工
3.1 機械加工の留意点
3.2 切断加工
3.3 切削加工
3.4 穴あけ加工
3.5 研削加工
3.6 プレス加工(打ち抜き加工)
3.7 その他の加工
3.7.1 歯切り加工
3.7.2 ネジ切り、タップ立て
3.8 世界の裁断機(Cutting/Knitting Equipment)メーカー
4. 複合材料の接合
4.1 機械的接合
4.1.1 繊維配向の影響
4.1.2 接合具の影響
4.1.3 形状の影響
4.2 接着接合
4.2.1 接合強さに関与する因子
4.2.2 接着接合の実施例
5. 試験方法

第5章 炭素繊維の最新応用技術の動向
1. PAN系CFの用途・技術開発の動向
1.1 最近の用途開発の方向
1.2 技術開発の方向
1.2.1 炭素繊維の性能向上
1.2.2 マトリックス樹脂の開発
1.2.3 CFRP成形技術の進化
1.2.4 CFRP製品の用途適性向上
1.3 新規用途・新市場の展望
2. ピッチ系CFの最新応用技術の動向
2.1 ピッチ系CFの特徴
2.1.1 製造技術
2.1.2 メソフェーズピッチ炭素繊維(MPCF)の特徴
2.1.3 ピッチ系CF全般の特徴
2.2 ピッチ系CFの用途
2.2.1 MPCFの用途
2.2.2 ピッチ系CFの今後の用途展望
2.3 ピッチ系CFの需要
2.4 将来のMPCFの価格を左右する要因
3. 活性炭素繊維の応用技術と動向
3.1 液相系での応用
3.1.1 浄水関係
3.2 気相系での応用
3.2.1 空気の清浄化(タバコ臭の除去)
3.2.2 有機溶剤の回収
3.2.3 NOx、SOx、オゾンの除去
3.3 その他の利用
3.3.1 生理用品への応用
3.3.2 除湿
3.3.3 防炎(防毒)用マスク
3.3.4 その他

第6章 炭素繊維・複合材料の用途分野別の最新動向
【A 航空宇宙分野】
1. 航空宇宙分野における複合材料の応用の概要
2. 次期超大型旅客機における複合材の適用

【B スポーツ・レジャー分野】
1. スポーツ・レジャー用途コンポジットの要求性能
2. スポーツレジャー用途の各論
2.1 釣竿
2.2 ゴルフシャフト
2.3 テニスラケット
2.4 その他のスポーツ用品

【C 産業・工業分野】
1. 自動車・エネルギー用途
1.1 CNGタンクの動向
1.1.1 CNGタンク使用可能材料
1.1.2 自動車メーカーのCNGタンク採用の動き
1.1.3 CNGタンク使用ベースとなる天然ガス自動車の生産状況と予定
1.1.4 CNGタンクに使用されるCF需要量の試算
1.1.5 CNGタンクのメーカー
1.1.6 CNG自動車普及の背景
1.2 CFRPフライホイールバッテリーの開発
1.2.1 電力一時貯蔵技術
1.2.2 フライホイールバッテリーの開発状況
1.2.3 フライホイールバッテリー市場規模を左右する要因
1.3 燃料電池の技術動向
1.3.1 燃料電池の種類
1.3.2 通産省工業技術院の研究状況
1.3.3 トヨタ自動車の燃料電池自動車の開発状況

2. 土木・建築用途
2.1 土木・建築分野でのCFの利用状況と動向
2.1.1 複合材料の利用技術・開発動向
2.1.2 建設分野で使用される複合材料の形態と利用技術
2.2 長繊維補強材/CFRP棒状体、面材、立体状材料―鉄筋、PC鋼棒代替材料など―
2.2.1 利用される材料の種類
2.2.2 土木分野における立体材料
2.2.3 建築分野における適用事例
2.2.4 CFRP連続繊維補強材の採用の状況
2.2.5 需要拡大への対応
2.3 長繊維補強材/CFシート材料、CFストランド材料
2.3.1 利用されるシート・ストランド材料の種類
2.3.2 シート・ストランド材料の土木分野における適用事例
2.3.3 シート・ストランド材料の建築分野における適用事例
2.3.4 シート・ストランド利用の展望
2.4 短繊維補強材料
2.4.1 利用されるCF短繊維材料の種類
2.4.2 土木分野における短繊維CFの適用事例
2.4.3 CF短繊維の土木建築分野での今後の展望
2.5 今後の需要拡大のための課題と対策

3. 電子・電気・通信分野でのCFの利用状況と動向
3.1 電子・エレクトロニクス機器用途
3.1.1 電子機器
3.1.2 その他電子機器関連
3.1.3 オーディオ機器
3.1.4 その他
3.2 電気機器関連用途
3.2.1 発電関係
3.2.2 蓄電関係
3.2.3 接地、送電材料用途
3.2.4 電気機器
3.3 通信産業用途
3.3.1 宇宙通信・衛星通信関係
3.3.2 その他通信・情報伝達用途
3.4 電子・電気・通信分野市場に関連するCF
3.4.1 PAN系CFの用途
3.4.2 ピッチ系CFの用途
3.5 電磁波シールド(EMC)対策と市場性
3.6 電磁波シールド材料・製品
3.6.1 CFを使用した電磁シールド製品例

4. 海洋分野用途
4.1 オフショア・オイル用途(海洋石油・ガス掘削関係)
4.1.1 オフショア・オイル用途で使用される材料
4.1.2 オフショア・オイル用途のCFRP応用部材
4.1.3 CF需要の展望
4.2 リクレーション用マリーンボート用途
4.2.1 材料と成形技術
4.2.2 マリーン艦船の材料と成形技術
4.3 マリーン構造物(Marine Structures)
4.3.1 マリーン構造物の材料と加工技術
4.3.2 マリーン構造物へのコンポジットの応用
4.3.3 米国のマリーン構造物用途のCF需要展望
4.3.4 日本の海洋分野での研究・開発・応用例
4.3.5 海洋分野におけるCF用途の展望

5. 熱可塑性樹脂系複合材料の革新技術
5.1 長繊維CFRTPの研究開発状況
5.1.1 LCFTPの製造技術および製品の性能、特徴
5.1.2 LCFTPの用途並びに市場
5.1.3 日本のLCFTPの製造技術および製品の性能、特徴
5.1.4 LCFTPの展望
5.2 CF連続繊維・熱可塑性樹脂複合材料
5.2.1 CF連続繊維・熱可塑性樹脂複合材料が注目される背景
5.2.2 熱可塑性樹脂の分類
5.2.3 繊維・樹脂複合化方法・中間材形成の含浸方法
5.2.4 CF連続繊維・熱可塑性樹脂複合材料の性能
5.2.5 CF連続繊維・熱可塑性樹脂複合材料の開発例

6. CF織物の展望
6.1 CF織物の国内全般状況
6.1.1 航空宇宙用
6.1.2 耐震土木構造補強用
6.1.3 一般産業用
6.1.4 スポーツ・レジャー用
6.1.5 その他用途
6.2 国内のCF織物の需要展望
6.3 世界のCFファブリックの利用状況
6.3.1 CFファブリックの需要規模
6.4 三次元織物の需要展望
6.4.1 三次元織物の対象
6.4.2 三次元織物の技術・市場
6.4.3 日本における3-Dファブリックの状況と展望
6.4.4 多軸たて編物(MWK)

7. 炭素系複合材料
7.1 C/Cコンポジットの製造プロセスの改善
7.2 耐酸化性の向上
7.3 C/Cコンポジットの特性
7.4 C/Cコンポジットの用途展望

8. ハイブリッド材料
8.1 有機スーパー繊維(PBO繊維)とCFのハイブリッド材

第7章 炭素繊維・複合材料メーカー・加工業者の現状と動向
1. 炭素繊維メーカー
1.1 PAN系CFメーカー
1.1.1 PAN系CFメーカーの生産能力
1.1.2 PAN系CFメーカーの生産能力の推移
1.2 ピッチ系CFメーカー
1.2.1 ピッチ系CFメーカーの生産能力
1.2.2 ピッチ系CFメーカーの生産能力と特徴
2. 特許からみたCFメーカーの開発動向
2.1 CF・複合材料関連公開特許の状況
2.1.1 概況
2.1.2 CFメーカー別開発動向
3. CF複合材料・中間材加工業者
3.1 織・編物取り扱い業者
3.1.1 織・編物取り扱い業者
3.1.2 国内の織物加工業者の系列の状況
3.1.3 欧米の織布加工業者
3.1.4 ブレーディング(Brading/Knitting/Stiching/Preforming Equipment)
3.2 プリプレグ加工業者(プリプレガー)
4. FRP成形加工業者
4.1 FRP加工の現状
4.1.1 国内の加工の現状
4.1.2 世界の加工法別CFの需要
4.2 CFRPの成形加工業者
4.2.1 CFメーカー系
4.2.2 独立成形加工業者
5. CFRPを取り扱う大手ユーザー
5.1 スポーツレジャー分野
5.1.1 釣竿メーカー
5.1.2 ゴルフシャフトメーカー
5.1.3 マリーン関連業者
5.1.4 その他スポーツ用具メーカー
5.2 航空・宇宙用途部品メーカー
5.3 自動車・車輌用途部品メーカー

第8章 炭素繊維・複合材料の今後の展望―炭素繊維・複合材料の拡大を夢見て―
1. 炭素繊維・複合材料の現状認識
2. 21世紀に生き残る技術体系
3. 炭素繊維・複合材料の市場規模拡大の要件
4. 21世紀の成長への展望
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