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液晶―構造制御と機能化の最前線―

  • Liquid Crystal―Frontier of Structural Control and Functionalization―
★ ディスプレイや光学フィルムへの応用に続く,最新の液晶材料開発に挑む!
★ 構造制御と分子設計により生み出される多彩な機能,その可能性を詳述!

商品コード: T0739

  • 監修: 加藤隆史
  • 発行日: 2010年7月
  • 価格(税込): 70,200 円
  • 体裁: B5判,282ページ
  • ISBNコード: 978-4-7813-0224-9
こちらの書籍については、お問い合わせください。
  • 分子設計と構造制御,電荷輸送,高強度・耐熱性液晶ポリマー,光学機能フィルム,波長可変レーザー,イオン性液晶,有機無機ハイブリッド材料,高(超)分子液晶,液晶性高分子,フォトクロミック材料

刊行にあたって

 液晶という言葉は,テレビやディスプレイで一般にもなじみの深い言葉である。この液晶が発見されて,120年以上が経過した。1960年代にディスプレイ素子への可能性が指摘されてからの発展は,言うまでもなく我々の生活スタイルそのものを変えた。さらには液晶状態を固定化することによる高強度・高弾性率繊維や光学フィルムの成功も目を見張るものがある。このような液晶の発展には必ず材料の進歩が必要である。たとえば,最近のトピックスの一つである九州大学菊池裕嗣教授らによる液晶ブルー相のディスプレイへの応用研究も,高分子と複合化して安定な液晶ブルー相を出す材料となったこと,すなわち材料としての新しい展開が鍵となっている。また,ディスプレイへの応用に限らず,液晶の自己組織性すなわち秩序構造形成能を活用する機能材料の構築に対する期待は高まっている。
 監修者は,2000年に出版された「液晶便覧」(丸善)を代表編集者としてとりまとめた。この時,我が国の液晶研究がいかに,応用・物理・化学・材料などの分野にバランスよく強いかが,実感としてよく理解できた。
 このような状況に鑑みて,本書,「液晶―構造制御と機能化の最前線―」という題目の本書を企画した。材料としての新しい展開を俯瞰するために,関係の気鋭の研究者に原稿執筆をお願いした。いずれも,液晶の興味深い本質を,かい間みせる素晴らしい研究解説となっている。液晶が発見されてから,ディスプレイの応用が報告されるまで,80年が経過した。また,それから40年が経過した今,液晶の物性を本質的に活用した新しい機能への展開が,現在,様々な角度から始まっているが,本書がそれを加速することの一助になればと考えている。
(「はじめに」より抜粋)

2010年6月  東京大学 加藤隆史

著者一覧

加藤隆史   東京大学 大学院工学系研究科 化学生命工学専攻 教授
吉澤 篤   弘前大学 大学院理工学研究科 教授
相良剛光   東京大学 大学院工学系研究科 化学生命工学専攻 加藤研究室 日本学術振興会特別研究員(PD)
渡辺順次   東京工業大学 有機・高分子物質専攻 教授
赤木和夫   京都大学 大学院工学研究科 高分子化学専攻 教授
清水正毅   京都大学 大学院工学研究科 准教授
檜山爲次郎  京都大学 大学院工学研究科 教授
彌田智一   東京工業大学 資源化学研究所 教授
沓水祥一   岐阜大学 工学部 応用化学科 分子設計工学講座 教授
齋藤一弥   筑波大学 大学院数理物質科学研究科 物質創成先端科学専攻 教授
西澤かおり  (独)産業技術総合研究所 サステナブルマテリアル研究部門 主任研究員
関 隆広   名古屋大学 大学院工学研究科 物質制御工学専攻 教授
竹添秀男   東京工業大学 大学院理工学研究科 有機・高分子物質専攻 教授
矢貝史樹   千葉大学 大学院工学研究科 共生応用化学専攻 准教授
蟹江澄志   東北大学 多元物質科学研究所 准教授
松原正樹   東北大学 多元物質科学研究所 博士課程前期
村松淳司   東北大学 多元物質科学研究所 教授
西村達也   東京大学 大学院工学系研究科 化学生命工学専攻 助教
島村亜希   東京工業大学 大学院総合理工学研究科 化学環境学専攻 博士後期過程2年
池田富樹   東京工業大学 資源化学研究所 所長;同大学 高分子材料部門 教授
玉置信之   北海道大学 電子科学研究所 教授
清水 洋   (独)産業技術総合研究所(関西センター) ユビキタスエネルギー研究部門 ナノ機能合成グループ 研究グループ長
舟橋正浩   東京大学 大学院工学系研究科 化学生命工学専攻 准教授
安田琢麿   東京大学 大学院工学系研究科 化学生命工学専攻 助教
一川尚広   東京大学 大学院工学系研究科 化学生命工学専攻 博士課程
岸川圭希   千葉大学 大学院工学研究科 共生応用化学専攻 教授
田村 類   京都大学 大学院人間・環境学研究科 教授
内田幸明   京都大学 大学院人間・環境学研究科 日本学術振興会特別研究員(PD)
鈴木克明   京都大学 大学院人間・環境学研究科 博士課程1回生
中西尚志   (独)物質・材料研究機構 ナノ有機センター 主任研究員;(独)科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業さきがけ「構造制御と機能」
平岡一幸   東京工芸大学 工学部 生命環境化学科 教授
渡辺一史   ポリプラスチックス(株) 研究開発本部 研究開発センター グループリーダー主任研究員
菊池裕嗣   九州大学 先導物質化学研究所 教授
山原基裕   住友化学(株) 情報電子化学品研究所 主席研究員
古海誓一   (独)物質・材料研究機構 光材料センター 光波動制御グループ 主任研究員
西川通則   JSR(株) ディスプレイ研究所 LCD材料第二開発室 室長
西田直人   山口東京理科大学 工学部 応用化学科 ポストドクトラル研究員
戸嶋直樹   山口東京理科大学 工学部 応用化学科 教授;同大学 先進材料研究所 所長

目次

【第1編 分子設計と構造制御】
第1章 液晶オリゴマーによる階層構造の発現
1. はじめに
2. 液晶における階層構造
3. 分子内に秩序を持つ液晶オリゴマーの設計
4. 分子内に短距離相関を持つ分子が形成する液晶相
4.1 鎖状分子
4.2 U型分子
4.3 λ型分子
4.4 両親媒性分子
4.5 キラル2軸性分子
5. まとめ

第2章 超分子液晶の分子設計と環境・刺激応答性材料への展開
1. はじめに
2. 環境・刺激応答性材料への展開
2.1 イオンや酸に応答する超分子液晶
2.2 機械的刺激や温度に応答する光機能性超分子液晶
3. おわりに

第3章 主鎖型液晶性高分子における高分子性と液晶性のインタープレイ―分子設計指針と液晶構造制御―
1. はじめに
2. メソゲンの連結による高分子効果と新しい液晶種の発見
3. 液晶場に収まるべき高分子鎖1本の形に関する考察
4. 連結屈曲鎖部の化学種変換による多種、多様な液晶種の調製
5. 液晶のガラス化現象
6. 光をマニュプレートする液晶ガラス・フィルムの開発

第4章 π共役系高分子液晶―光応答性を有する共役系高分子液晶―
1. はじめに
2. 共役系高分子液晶
3. 共役系高分子液晶の光応答性の付与
4. 光応答性共役系高分子液晶の合成
5. 光応答性共役系高分子液晶の性質
6. まとめ

第5章 縮合多環芳香族炭化水素の自在合成
1. はじめに
2. 多官能性縮合多環芳香族炭化水素の合成アプローチ
3. パラジウム触媒を用いる二ホウ素化合物の二重交差カップリングによる縮合多環芳香族炭化水素の精密合成
4. パラジウム触媒を用いる9-スタンナフルオレンの二重交差カップリング反応による縮合多環芳香族炭化水素の直截的合成
5. おわりに

第6章 両親媒性液晶ブロック共重合体の合成とナノ構造
1. はじめに
2. 両親媒性液晶ジブロックコポリマーの垂直配向シリンダー構造
3. シリンダー相構造の超高アスペクト比と超高配向性
4. Roll-to-Roll大面積連続製膜―顕微鏡の視野を超えて―
5. ミクロ相分離構造と液晶特性
6. テンプレート薄膜の転写複合化
7. おわりに―テンプレート物性工学に向けて―

第7章 双連結型キュービック液晶
1. はじめに
2. 双連結型キュービック相を発現する分子の例
3. 二種類の双連結型キュービック相形成に関する普遍的知見
4. 分子凝集構造の解明―アルキル鎖長依存性の利用
5. サーモトロピック系特有のIm3m-Cub相の分子凝集構造の解明―二つの分子凝集構造の存在
6. 機能創出の可能性―まとめにかえて

第8章 液晶性ハイブリッド材料の光誘起物質移動
1. はじめに
2. 液晶性有機無機ナノハイブリッドの光誘起物質移動
2.1 新規な酸化チタン-アゾベンゼン系ナノハイブリッドの合成
2.2 新規な酸化チタン-アゾベンゼン系ナノハイブリッドの液晶性評価
2.3 高感度光誘起表面レリーフ形成
3. レリーフ膜から結晶性チタニアパターン膜への変換
4. おわりに

第9章 バナナ形液晶の物理と化学
1. 形のもたらす物理と化学
2. バナナ形から生まれた新規相
3. 強誘電性と反強誘電性
4. バナナ形液晶とキラリティ
5. まとめにかえて

第10章 超分子化学に基づいた機能性色素の会合制御
1. はじめに
2. 水素結合による色素の会合制御
3. 水素結合による色素の階層的組織化
4. おわりに

第11章 液晶性有機無機ハイブリッド材料の開発
1. はじめに
2. “有機無機ハイブリッド液晶”の創製
3. まとめ

第12章 液晶をテンプレートとした無機結晶成長制御とハイブリッド構造形成
1. はじめに
2. 液晶テンプレートの作製
3. 配向マトリクスを用いた炭酸カルシウム結晶成長実験
4. まとめ

【第2編 機能】
第1章 架橋フォトクロミック液晶高分子を用いた光運動材料
1. はじめに
2. アゾベンゼンを含む液晶の分子配向制御
2.1 低分子液晶
2.2 液晶高分子
3. 架橋フォトクロミック液晶高分子
3.1 架橋アゾベンゼン液晶高分子の光運動特性
3.2 架橋アゾベンゼン液晶高分子の配向制御
3.3 架橋アゾベンゼン液晶高分子の実用化への展開
4. おわりに

第2章 フォトクロミック化合物の液晶へのドープと可逆的光制御
1. はじめに
2. メカニカル機能の創出
3. 新しい光学特性の制御
4. アゾベンゼンを高濃度でドープしたコレステリック液晶
5. 強誘電性液晶の制御
6. 円偏光によるキラリティー誘起
7. 光応答性キラル添加剤
8. ミラーレスレーザーの発振波長の光制御
9. おわりに

第3章 液晶における電荷輸送
1. はじめに
2. 液晶の電荷輸送性:イオン性及び電子性電荷輸送
2.1 イオン伝導
2.2 電子伝導
3. 液晶性半導体:電子的過程による高速電荷輸送とその応用
3.1 カラミチック液晶
3.2 ディスコチック液晶
3.3 高分子系
4. 液晶性電解質:異方的動的空間におけるイオン輸送
4.1 ネマチック液晶のイオン伝導
4.2 超分子系
4.3 柔粘性結晶
4.4 高分子系
5. おわりに

第4章 液晶性有機半導体のナノ構造化
1. はじめに
2. 従来の液晶性半導体の特徴
3. 液晶性半導体へのナノ構造の導入
3.1 ナノ相分離による超構造の導入
3.2 らせん構造を有する液晶性半導体
4. 今後の課題と展望

第5章 イオン性液晶―構造制御と機能発現―
1. はじめに
2. 代表的なイオン性サーモトロピック液晶
3. イオン性液晶の低次元イオン伝導体への展開
3.1 カラムナー液晶を用いた一次元イオン伝導体
3.2 スメクチック液晶を用いた低次元イオン伝導体
3.3 複合型イミダゾリウム塩液晶
4. 双連続キュービック相を発現するイオン性液晶
5. カラムナー液晶性ピリジニウム塩
6. おわりに

第6章 電場応答性カラムナー液晶
1. はじめに
2. 光学活性分子を用いたタイプの電場応答性カラムナー液晶(A-タイプ)
3. カラム軸に平行な分極を有する電場応答性カラムナー液晶
3.1 分子のかたちを利用して分極カラムをつくる試み
3.2 屈曲棒状分子のつくるカラムナー液晶の電場応答(B-タイプ)
4. 分子間相互作用を利用した電場応答性カラムナー液晶
4.1 分子の周囲に複数の水素結合基を有する電場応答性カラムナー液晶(C-タイプ)
4.2 分子中央に水素結合基を有する分子による電場応答性カラムナー液晶(D-タイプ)
5. おわりに

第7章 キラル有機ラジカル液晶の合成と磁気・電気物性
1. はじめに
2. 磁気異方性
3. 反磁性液晶
4. 常磁性金属錯体液晶
5. 有機ラジカル液晶
6. キラル有機ラジカル液晶の設計・合成と磁性
6.1 分子設計と合成
6.2 液晶性
6.3 強誘電性
6.4 磁気的性質
6.5 磁気電気効果
7. 結論

第8章 液晶性フラーレンの合成と機能化
1. はじめに
2. 高配向・高密度のC60液晶
3. 光電導性C60液晶:有機薄膜太陽電池への応用
4. シャトルコック型C60誘導体からなる液晶
5. デンドロン付加C60液晶
6. C60ヘキサ付加体の液晶性
7. おわりに

第9章 液晶エラストマー
1. はじめに―賢人たちの月下氷人―
2. ネマチックエラストマーの自発的・可逆的変形
3. 1次元結晶・2次元液体であるスメクチックエラストマー
4. SmC*エラストマーの対称性と刺激応答
4.1 単結晶SmCエラストマーの相転移に伴う自発変形
4.2 SmC*エラストマーの電場-分極応答
5. 液晶エラストマーにおける応力履歴の記憶
6. おわりに―リオトロピック液晶エラストマーと新たな展開―

【第3編 応用】
第1章 高強度・耐熱性液晶ポリマー
1. 液晶ポリマーの開発の歴史
2. 合成法
3. 構造
4. 耐熱性
5. 電気特性
6. ガスバリア性
7. マテリアルリサイクルと燃焼性
8. 溶融加工特性
9. 電子部品市場の材料ニーズおよびLCPの材料開発
10. おわりに

第2章 液晶ブルー相の安定化とその応用
1. はじめに
2. ブルー相とは
3. ブルー相の構造
4. 高分子安定化ブルー相
5. 電気光学効果と駆動法
6. 競合技術に対する優位性
7. 現状と課題
8. ターゲットとするアプリケーション
9. おわりに

第3章 光学機能性フィルム
1. はじめに
2. 液晶系フィルムの光学機能性化
2.1 重合性液晶化合物の光重合フィルム
2.2 超分子液晶フィルム
2.3 分子配向フィルムの光学特性の特定
3. 位相差フィルム
4. 偏光フィルム
5. 異方性散乱フィルム
6. 液晶レンズ
7. おわりに

第4章 コレステリック液晶を用いた波長可変レーザー
1. はじめに
2. コレステリック液晶の研究動向
3. レーザー発振特性
4. レーザー発振の波長チューニング
5. レーザー発振の光チューニング
6. ガラス性コレステリック液晶によるチューナブルレーザー
7. おわりに

第5章 液晶配向膜
1. はじめに
2. LCDの分類と構成要素
3. LCDの製造プロセス
4. 液晶配向膜への要求特性
4.1 液晶配向性
4.2 プレチルト角
5. 液晶配向膜材料
6. PIの合成方法
7. 液晶配向性
7.1 PI構造が液晶配向性に及ぼす効果
7.2 液晶配向メカニズム
8. プレチルト角
8.1 PI構造がプレチルト角に及ぼす効果
8.2 プレチルト角発現メカニズム
9. 液晶配向膜の今後の課題
10. おわりに

第6章 金属ナノ粒子分散液晶の表示素子への展開
1. はじめに
2. 液晶を分散媒とするコロイド
3. 液晶表示素子と金属ナノ粒子分散液晶ゾル
4. 液晶分子保護パラジウムナノ粒子の粒径の液晶表示素子の特性に及ぼす効果
5. 高分子保護パラジウムナノ粒子の液晶分子配向に対する効果とLCD応答速度改善
6. おわりに
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