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高性能セラミックリアクターの開発と応用―燃料電池の高効率化と環境対応―

  • Development and Application of Efficient Ceramic Reactor―Highly Effective and Environment Fuel Cells―
★ 燃料電池普及の鍵を握るセラミックリアクターの最新技術
★ 低温作動,小型高効率化,さらに耐久性と機動性の向上を実現
★ 国家プロジェクト「革新的部材産業創出プログラム」および「新エネルギー技術開発プログラム」としての開発成果を詳述

商品コード: T0753

  • 監修: 淡野正信
  • 発行日: 2010年8月
  • 価格(税込): 70,200 円
  • 体裁: B5判,224ページ
  • ISBNコード: 978-4-7813-0257-7

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  • 省エネルギー,モジュール,燃料電池,体温作動,コージェネシステム,ミクロ集積化,モバイル機器

刊行にあたって

 化石燃料の使用による地球温暖化の加速を抑制すべく,省エネルギー技術開発や新エネルギー導入の必要性が叫ばれ,様々な取り組みが進められている。燃料電池もその高効率性から新しいエネルギー供給手段として期待され,特に近年では固体高分子形(PEFC)の実用化への取り組みが急速に進んで,家庭用コジェネレーションシステムとしては市場化の端緒が開かれたところである。
 固体酸化物形燃料電池(SOFC)についても,従来にも増して研究開発に力が注がれているが,特に最近では,従来型SOFCの大型・高温連続運転での実用化から,小型高効率性や(従来は弱点であった)急速起動停止性能および低温作動化を実現させ,新規ニーズに合致するべく高性能かつ汎用性を高めるための試みが進められている。家庭用コジェネシステムなどへの適用を主な対象として,あるいは自動車など輸送機関の補助電源(APU:AuxiliaryPower Unit)への適用可能性の検討では,世界的にも期待が高まっている。特に,SOFCの次世代自動車への適用を想定して,チューブ型SOFCをミリサイズに小型化して急速起動を実証したり,チューブバンドルとしてコンパクトな電源モジュールとして実用化を目指した取り組みなど,活発な研究開発が展開しているところである。
 日本は元々,セラミックス材料技術で世界トップレベルに有り,SOFCに関しても材料開発や部材化技術における優位性から,アセンブリ技術によるモジュール・システム化においても,ここ10年程の小形定置用の開発で存在感を示している。また,家庭用コジェネや自動車APUに限らず,移動体(例えば電動車椅子など)や小型ポータブル(あるいは電子機器用)電源など,多方面への応用も期待される。
 本書では,革新的なマイクロSOFCである「セラミックリアクター」実現を目指した最近の取り組みについて,NEDOプロジェクト「セラミックリアクター開発」による成果を中心に紹介する。
 材料開発から部材化および集積モジュール化の製造プロセス技術開発や評価実証の取り組みと成果により,燃料電池分野での新たな展開が拓けることを期待し,エネルギー・環境問題の解決と同時に,同分野における将来の産業競争力強化に繋がることを強く願うものである。
(「巻頭言」より抜粋)

2010年7月  淡野正信

著者一覧

淡野正信   (独)産業技術総合研究所 先進製造プロセス研究部門 副研究部門長
武田保雄   三重大学 工学研究科 分子素材工学専攻 教授
村田憲司   ホソカワミクロン(株) 粉体工学研究所 環境・エネルギー材料開発室 室長
高坂祥二   京セラ(株) 総合研究所 部責任者
藤代芳伸   (独)産業技術総合研究所 先進製造プロセス研究部門 機能集積モジュール研究グループ 研究グループ長
菊田浩一   名古屋大学 工学研究科 結晶材料工学専攻 准教授
山口十志明  (独)産業技術総合研究所 先進製造プロセス研究部門 研究員
清水壮太   ファインセラミックス技術研究組合 技術部
鈴木俊男   (独)産業技術総合研究所 先進製造プロセス研究部門 主任研究員
舟橋佳宏   ファインセラミックス技術研究組合 技術部;日本特殊陶業(株) 技術開発本部 開発センター
須田聖一   (財)ファインセラミックスセンター 材料技術研究所 エレクトロ・マテリアルグループ エレクトロ・マテリアルグループ長 主席研究員
Nigel Sammes  Colorado School of Mines、Department of Metallurgical and Materials Engineering、Professor
水谷安伸   東邦ガス(株) 技術研究所 主席
岡田文男   東邦ガス(株) 技術研究所 ソリューション技術 課長
荒木拓人   横浜国立大学 工学研究院 准教授
菊地哲郎   (株)デンソー 技術企画部 主任
藤井 章   (株)デンソー セラミック技術部 技術企画室 グループリーダー
恩田和夫   豊橋技術科学大学 名誉教授;客員教授
森 昌史   (財)電力中央研究所 材料科学研究所 上席研究員
山本 治   三重大学 工学部 名誉教授

目次

序章 セラミックリアクター開発の背景と研究開発の全体像
1. はじめに
2. セラミックリアクターの開発目標と研究内容
3. 研究開発終了後の実用化展開について
4. セラミックリアクター開発における研究成果の概要
5. 国内外の開発動向とセラミックリアクター開発の位置づけ
6. おわりに

【第1編 セラミック燃料電池の低温作動化の電極・電解質材料】
第1章 マイクロSOFC用の革新的な新規電極材料―含浸修飾による電極性能の向上―
1. はじめに
2. 含浸法によりLSM-YSZ電極に担持させたCo3O4/CeO2微粒子の電極特性に及ぼす効果
3. LSCF電極へのAg微粒子の担持とその安定化
4. Coリッチ組成のペロブスカイトによるLSCF電極の表面修飾
5. 今後の実用化展開について

第2章 ナノ構造制御による高活性材料開発と部材化
1. はじめに
2. 電極材料への粒子複合化技術の適用
2.1 アノード材料の開発
2.2 カソードの開発
3. セリア系電解質を用いたセル構造の開発
4. 集電体の開発
5. セル発電試験による性能実証
5.1 GDC系電解質セルによる作動温度500℃での性能実証
5.2 ScSZ系電解質セルによる作動温度650℃での性能実証

第3章 マイクロSOFC用電極・電解質材料の安定性
1. はじめに
2. 空気極/電解質界面の部材化における安定性
2.1 YSZ電解質/空気極界面の反応の確認
2.2 ScSZ電解質/空気極界面の反応の確認
2.3 GDC電解質/空気極界面の反応の確認
2.4 YSZ電解質/空気極界面の反応防止層の介在効果の確認
2.5 ScSZ電解質/空気極界面の反応防止層の導入効果の確認
3. 燃料極/電解質界面の部材化における安定性
4. 低温作動電解質材料の選定と部材化
4.1 電界質材料の選定
4.2 YSZ電解質・電極組み合せにおける部材化データ
4.3 ScSZ電解質・電極組み合せにおける部材化データ
4.4 GDC電解質・電極組み合せにおける部材化データ
4.5 空気極の焼付け温度を変化させた時の効果
4.6 燃料極を作製するときに用いるGDCの粒子径を変化させた時の部材化データ
4.7 燃料極の組み合せ変更による効果の確認

【第2編 セラミック燃料電池のマイクロ化の革新製造プロセス】
第1章 総論
1. はじめに
2. セラミック燃料電池のマイクロ化の革新製造プロセスでの開発ターゲット
2.1 ミクロ集積化プロセス技術の開発
2.2 セル集積およびモジュール構築連続プロセス技術の開発
2.3 ミクロ集積化におけるミクロハニカム構造化プロセスの開発
3. マイクロSOFC製造のための集積化プロセス技術開発
3.1 ミクロ集積化製造プロセス技術の開発
3.2 ミクロハニカム型電気化学構造集積化モジュール作製技術の開発
3.3 セルキューブ集積およびモジュール構築連続プロセス技術の開発
4. まとめ

第2章 革新的な機能部材化プロセスの基盤技術
1. はじめに
2. マルチディップ法によるミクロチューブセルの作製
3. ミクロチューブセルの性能と電極構造
4. 非接触印刷法のSOFC作製への応用
5. まとめ

第3章 ミクロ集積化およびセルスタックモジュール化製造プロセス
1. ミクロハニカム燃料電池型リアクター
1.1 研究背景
1.2 ミクロハニカム燃料電池型リアクターの設計
1.3 ミクロハニカム燃料電池型リアクターの製造プロセス開発と評価
1.4 ハニカム型SOFCのスタック化の検討と評価
1.5 まとめ

2. チューブセルの高集積化による小型高効率マイクロSOFC製造プロセス
2.1 はじめに
2.2 チューブ型マイクロSOFCの製造技術
2.3 チューブ型マイクロSOFC(セリア系)の性能
2.4 ジルコニア電解質を用いたチューブ型マイクロSOFCの性能向上
2.5 チューブ型マイクロSOFCのバンドル・スタック化
2.6 まとめ

3. プロトタイプ実証用モジュール作製と基本性能
3.1 はじめに
3.2 マイクロチューブ型SOFCの集積
3.3 モジュールの作製
3.4 モジュールの特性評価
3.5 まとめ

第4章 マイクロSOFCのインターコネクト材料開発とインターフェース構築
1. はじめに
2. 絶縁シール部材
2.1 高温用ガスシール材料
2.2 ガラス/セラミック複合ガスシール材料
2.3 シール材複合化の効果
2.4 ガス透過率評価
2.5 融着条件の最適化
2.6 耐熱衝撃性
2.7 耐水性の改善
3. 導電シール部材
3.1 銀系合金による導電部材
3.2 Agペーストの最適化
4. 2種類の部材を用いた導電パス内蔵インターフェース
5. まとめ

【第3編 セラミック燃料電池の多様な用途への適用性の実証】
第1章 マイクロSOFCに対する新しい評価技術
1. 緒言
2. マイクロチューブ型SOFCの電気化学特性評価
3. マイクロチューブ型SOFCの機械特性評価
4. まとめ

第2章 マイクロSOFCの小型コージェネレーションシステムへの適用性
1. マイクロSOFCと家庭用燃料電池コージェネレーションシステム
1.1 家庭用燃料電池コージェネレーションシステム
1.2 マイクロSOFCを用いた家庭用コージェネレーションシステムの可能性

2. マイクロSOFCの性能評価と改良
2.1 はじめに
2.2 マイクロチューブSOFC単セルの評価と改良
2.3 マイクロチューブSOFC集積モジュールの評価と改良

3. マイクロSOFCを用いた家庭用システムの性能予測
3.1 家庭用システムのサイクル計算の仮定と運転条件
3.2 システム効率解析の結果と考察
3.3 三次元温度分布と起動特性の解析

第3章 マイクロSOFCの自動車用電源用途への適用性
1. 自動車用補助電源(APU)のニーズと背景
2. 商用車における、商品性と市場規模
2.1 大型バス
2.2 中型・マイクロバス
2.3 トラック
2.4 冷凍車
2.5 建設車両
2.6 特装車・特種車
3. APUに使用する燃料についての考察
4. APUシステム構成の概念設計
4.1 改質方式
4.2 循環方式
5. セラミックリアクターを用いた3kW APUのシステムと性能予測
6. 起動性の考察

第4章 マイクロSOFCの水素製造への応用
1. はじめに
2. 水蒸気電解の理論
3. 水蒸気電解用セラミックリアクター
4. SOFC特性
5. 水蒸気電解特性
6. 300 Nm3/hの水素製造システムの検討
7. 作動温度による水素製造システムの比較
8. 加圧電解システムの優位性
9. おわりに

終章 将来展望
1. はじめに
2. 固体酸化物燃料電池開発の変遷
3. 固体酸化物燃料電池実用化に向けての研究すべき課題
4. 究極な燃料電池システム
5. おわりに
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