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月刊バイオインダストリー 2006年10月号

特集:食品酵素の最新利用技術

商品コード: I0610

  • 発行日: 2006年9月12日
  • 価格(税込): 4,860 円
  • 体裁: B5判
  • ISBNコード: 0910-6545

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目次

特集:食品酵素の最新利用技術


特集にあたって
井上國世(京都大学 大学院農学研究科 食品生物科学専攻 酵素化学研究室 教授)


微生物起源トランスグルタミナーゼの食品タンパク質加工への応用
―課題と改質例―
Improvement of Food and Food Protein by Microbial Transglutaminase
添田孝彦(九州共立大学 工学部 生命物質化学科 教授)

 GlnとLysの側鎖間でのペプチド結合を可能とするタンパク質架橋重合化酵素transglutaminaseのゲル形成能について紹介する。ゼラチンおよびWPCは熱に弱いという食品利用上の課題を有している。また蓄肉練製品には現状以上のゲル形成能が求められている。さらには蓄肉小片肉は蓄肉加工分野では有効利用されていない。これらの肉を本酵素により接着し、一枚肉に仕上げられれば蓄肉くず肉の食料資源の有効利用の面から貢献できる。

【目次】
1. はじめに
2. MTGとは
3. MTGの機能性
4. 食品タンパク質の改質と食品利用の具体例
4.1 WPC(乳ホエイタンパク質)
4.2 ゼラチン
4.3 蓄肉ゲル
4.4 蓄肉片の接着
5. おわりに


細菌ラクターゼの乳製品加工における利用
Application of Bacterial Lactase on Processing of Milk Product
多田周作(大和化成(株) 技術部 開発課)

 食品産業には種々の微生物(細菌、酵母およびカビ)を起源とするラクターゼ製剤が利用されている。しかし、その起源により酵素の性質は様々である。本稿では、細菌Bacillus circulans起源ラクターゼ製剤の特長を中心として、食品として非常に価値の高い乳製品の加工における利用例を紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 牛乳・乳製品の食生活における重要性
3. ラクターゼ処理による乳製品加工の意義
4. 大和化成ラクターゼと他社ラクターゼの比較
5. ガラクトオリゴ糖の製造(ビオラクタ(R)の応用)
6. ラクターゼ処理牛乳の製造
6.1 低乳糖牛乳(ラクトレス(R)の応用)
6.2 オリゴ牛乳(ビオラクタ(R)の応用)
7. おわりに


微生物アミラーゼを用いるデンプン加工工業の問題点と今後の課題
Problems and Perspectives of Starch Manufacturing by Bacterial Amylases
長谷川信弘(サンエイ糖化(株) 生産課 技術係)
井上國世(京都大学 大学院農学研究科 食品生物科学専攻 酵素化学研究室 教授)

【目次】
1. はじめに
2. 日本におけるデンプン加工および甘味料製造の歴史
3. デンプン加工工業の歴史
3.1 デンプンからの水飴製造
3.2 デンプンの分解法
4. アミラーゼ利用
4.1 アミラーゼの歴史
4.2 日本国内のアミラーゼの需要量 
4.3 アミラーゼの種類と利用法
4.3..1 水飴・ブドウ糖製造用アミラーゼ
4.3.2 各種オリゴ糖製造用アミラーゼ
5. アミラーゼ利用上での問題点
5.1 アミラーゼ利用の現状
5.2 アミラーゼ利用の問題点
5.2.1 原料デンプン
5.2.2 デンプン乳濃度
5.2.3 液化液のDE(dextrose equivalent;還元糖をグルコースとみなして、他の固形分に対する比率)と糖化液糖組成
5.2.4 液化液pHと糖化液糖組成
5.2.5 糖化酵素添加量
5.2.6 異性化酵素
6. 今後の課題
6.1 加水分解酵素としての利用
6.1.1 食品素材としての水飴・ブドウ糖の製造:コスト削減、生産性向上
6.1.2 バイオマスの分解
6.1.3 機能性食品(三次機能:生体調節機能)としてのオリゴ糖の製造
6.2 異性化酵素と異性化糖の製造(高果糖化)
6.3 糖転移酵素の利用
6.3.1 不安定物質の安定化・徐放性:医薬、化粧品、食品
7. おわりに


ガラクトマンナナーゼを用いたコーヒー製品の品質改善
Quality Improvement of Coffee Products by Using Galactomannanase
岩井和也(UCC上島珈琲(株) R&Dセンター)
福永泰司(UCC上島珈琲(株) R&Dセンター 課長)

 コーヒー濃度の高い製品では、コーヒー由来の濁りや沈殿が発生する可能性が高く、その一因として多糖類が考えられる。そこで酵素、特にガラクトマンナナーゼに着目、各種コーヒーの製造方法について研究を重ねた。その結果、経時的な保存における沈殿の発生を防止し、製品の品質改善につながる製造方法が確立できた。

【目次】
1. はじめに
2. 酵素の利用
3. コーヒー濃度と酵素添加量の関係
4. 酵素とアルカリ剤の併用
5. 膜濃縮工程への応用
6. 香気成分の損失が少ない沈殿防止方法
7. ディスペンサー用濃縮コーヒーへの応用
8. おわりに


プロテアーゼによるダイズタンパク質の消化分解と特性の改変        
Protease-catalyzed Digestion of Soy Proteins and Modification of the Protein-chemicalProperties of Soy Proteins
井上國世(京都大学 大学院農学研究科 食品生物科学専攻 酵素化学研究室 教授)

【目次】
1. はじめに
2. 方法
2.1 実験材料および試薬
2.2 SPIのプロテアーゼによる分解反応の観察
2.3 SDS-PAGE
2.4 トリクロロ酢酸(TCA)沈殿法によるSPI分解活性の測定
2.5 目視による凝固時間(clotting time)の測定
2.6 分光光度計による濁度変化の測定
3. 結果
3.1 プロテアーゼによるSPIの低分子化に伴いゲル化と凝集物形成が起こる
3.2 SPIのプロテアーゼによる加水分解に伴う凝集物形成の経時変化
3.3 凝集物形成は第2相で生じるペプチド断片により起こる
3.4 SPI分解活性の測定
4. 今後の課題


温州みかんの酵素処理によるβ-クリプトキサンチンの高濃度化
Concentration of β-Cryptoxanthin by Enzymatic Processing of Satsuma Mandarin
向井克之(ユニチカ(株) 中央研究所 マネージャー)
高柳勝彦(ユニチカ(株) 中央研究所 主任研究員)

 温州みかんの搾汁残さにβ-クリプトキサンチンが多く含まれることを見出し、さらに食品加工用酵素で処理することによりβ-クリプトキサンチンを高濃度化する技術を開発した。この酵素処理温州みかんを経口摂取したところ、温州みかんの生食に比較してβ-クリプトキサンチンの取り込み効率の向上が認められた。さらに、β-クリプトキサンチンによる美白・骨粗鬆症予防・耐糖能改善への効果について検証した。

【目次】
1. はじめに
2. β-クリプトキサンチンとは
3. 温州みかんの酵素処理によるβ-クリプトキサンチンの高濃度化
4. 健常人への酵素処理温州みかんの投与によるβ-クリプトキサンチンの血中への移行
5. β-クリプトキサンチンの美白作用
6. 酵素処理温州みかんによる骨粗鬆症予防
7. 酵素処理温州みかんによる耐糖能改善
8. おわりに


α-グルコシダーゼによるニゲロシル-オリゴ糖の合成
The Production of Nigerosyl-oligosaccharides by α-Glucosidase
山本健(日本食品化工(株) 研究所 研究一課 第2チーム チームリーダー)
藤本佳則(日本食品化工(株) 研究所 研究一課 第1チーム チームリーダー)
山本幹男(日本食品化工(株) 研究所 所長) 

 発酵食品など飲食物の芳醇なコク味を形成する重要な糖質として古くから知られているニゲロシル-オリゴ糖を、アクレモニウム属のα-グルコシダーゼの糖転移反応を有効に利用しデンプンから工業的に製造することが可能になった。アクレモニウム属のα-グルコシダーゼは、α-1,3-グルコシド結合に特異的な極めてユニークな酵素であった。

【目次】
1. はじめに
2. α-グルコシターゼとオリゴ糖合成
2.1 ニゲロシル-オリゴ糖を形成するα-グルコシターゼ
2.2 ニゲロシル-オリゴ糖の生成機構
2.3 ニゲロシル-オリゴ糖の工業的生産方法
3. おわりに


シクロデキストリン分解酵素の酵素化学と食品科学技術への応用
Enzyme Chemistry of Cyclodextrin Hydrolase and Its Application to FoodScience and Technology
朴官和(ソウル大学 食品生命工学科 教授)
李守馥(延世大学 食品栄養学科 準教授)

【目次】
1. 酵素化学
1.1 シクロデキストリン分解酵素の生化学的特性(基質特異性と作用機構)
1.2 シクロデキストリン分解酵素の三次構造およびオリゴマー化機構
1.2.1 N-末端ドメインが別に存在
1.2.2 二量体と多量体の存在
1.2.3 酵素の活性部位のアミノ酸残基および幾何学的形態
1.3 糖転移反応
2. 産業的応用
2.1 イソマルトオリゴ糖の製造
2.2 アミロースの選択的分解による米デンプンの改変
2.3 アカボース(Acarbose)誘導体の合成
2.4 イソフラボンの糖転移


BIO R&D

二酸化炭素経皮吸収剤「エコツージェル」
―炭酸ガス療法の夜明け―
Carbon Dioxide Transdermal Absorption Agent “eCO2 GEL”―The Dawn of CO2 Therapy―
田中雅也(ネオケミア(株) 代表取締役)

 水に溶解した二酸化炭素が経皮吸収されやすい性質を利用し、高粘度のゲル内でこれを発生させ、ゲルの水に溶解させて経皮吸収される二酸化炭素経皮吸収剤技術を開発した。二酸化炭素はヘモグロビンの酸素解離を促進し、組織細胞が利用可能な酸素量を増大させることにより、創傷治療や部分痩せ効果等を発揮すると考えられる。

【目次】
1. 二酸化炭素経皮吸収剤開発の目的
2. 二酸化炭素経皮吸収剤の効果
2.1 美容効果
2.2 治療効果
3. 経皮吸収二酸化炭素の作用メカニズム
3.1 血管拡張作用
3.2 組織中酸素分圧上昇作用
4. エコツージェルの二酸化炭素経皮吸収機構
5. エコツージェルの製剤学的特徴
6. 二酸化炭素経皮吸収技術の比較
7. 二酸化炭素経皮吸収技術の今後の展開
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