著者一覧
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21世紀のバイオハイブリッド物質・・・・・・・・・・・・・・・・5
Bio-hybrid Materials
稲田祐二 *1 西村裕之 *2
*1 桐蔭横浜大学 人間科学工学センター 教授;東京工業大学名誉教授
*2 桐蔭横浜大学 人間科学工学センター 教授
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癌の薬剤耐性機構解明から薬物トランスポーター遺伝子多型の臨床診断へ・・11
Pharmacogenomics of Drug Transporters : From Cancer Research to Clinical Application
石川智久 *1 櫻井亜季 *2 大西裕子 *3 中川 大 *4
*1 東京工業大学 大学院生命理工学研究科 生体分子機能工学専攻 教授
*2 東京工業大学 大学院生命理工学研究科 生体分子機能工学専攻
*3 東京工業大学 大学院生命理工学研究科 生体分子機能工学専攻
*4 東京工業大学 大学院生命理工学研究科 生体分子機能工学専攻 助手
我が国において死因の第 1位は癌であり,抗癌剤に対する耐性が化学療法において障壁と
なっている。薬剤耐性に関与するABCトランスポーターに遺伝子多型の存在が近年報告され,
その機能解析が世界的に注目をあびるようになってきた。今後 ABC トランスポーター等の
遺伝子多型と薬の効果/副作用との関係を解析することが必要である。
~目次~
1. はじめに
2. 癌研究から薬物トランスポーターの発見
3. なぜトランスポーターは創薬に重要か?
4. ABCトランスポーターの遺伝子多型
5. ABCトランスポーターの高速スクリーニング装置開発の重要性
6. ABCB1(P-gp/MDR1)における遺伝子多型の機能解析
7. 基質特異性の定量的解析方法
8. おわりに
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哺乳動物染色体を操作する技術の開発とその応用・・・17
Development and Application of Technology for Manipulating Mammalian Chromosome
富塚一磨 *1 黒岩義巳 *2 掛田 実 *3 石田 功 *4
*1 キリンビール(株) 医薬カンパニー 医薬探索研究所 染色体工学グループ 研究リーダー・主任研究員
*2 キリンビール(株) 医薬カンパニー 医薬探索研究所 染色体工学グループ 研究員
*3 キリンビール(株) 医薬カンパニー 医薬探索研究所 染色体工学グループ 研究員
*4 キリンビール(株) 医薬カンパニー フロンティア研究所 所長
ヒトゲノム配列情報の充実と哺乳動物染色体を改変する技術の進歩は, 配列情報に基づ
いた精密な染色体加工を可能にし,今や望みの領域を含むヒト人工染色体(human artific-
ial chromosome;HAC)を容易に構築できるようになった。 構築された HAC は,培養細胞に
おける遺伝子機能解析や遺伝子改変動物 (マウス,ウシ)の作製,さらには遺伝子治療を含
む様々な領域において,従来のベクター系ではアプローチ不可能であった研究を可能にしつ
つある。基礎生命科学研究だけでなく,医療や産業におけるバイオテクノロジーの活用にお
いても有用なツールとなることが期待される「染色体工学」技術の現状について概説する。
~目次~
1. はじめに
2. Trans-chromosonic(TC)マウスの作製
3. ヒト人工染色体(human artificial chromosome;HAC)の作製
4. HAC導入によるヒトポリクローナル抗体産生ウシの作製
5. 遺伝子治療用ベクターとしてのHAC
6. おわりに
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バイオハイブリッド工学の新展開・・・・・・・・・・・25
-再生医療をめざす細胞マトリックス工学-
New Trend of Bio hybrid Technology-Cellular matrix Engineering for Regenerative
Medicine-
赤池敏宏*1 荻原一隆*2 長岡正人*3
*1 東京工業大学 大学院生命理工学研究科 教授
*2 東京工業大学 大学院生命理工学研究科 博士課程
*3 東京工業大学 大学院生命理工学研究科 助手 (COE)
臓器移植に替わる再生医療をめざすためには,ES細胞・幹細胞を始めとする細胞種の調
製・選択と増殖,さらには錬金術にもたとえられる幹細胞の分化誘導と組織形成等々の細胞
工学技術が不可欠である。とりわけ細胞の接着する足場(マトリックス)の設計と選択が重
要な細胞工学要素となる。細胞特異的接着を誘導する細胞マトリックス工学のアプローチに
より細胞のハイブリッド化,つまり移植用(組織)細胞デバイスが実現することとなる。筆
者らの合成化学・遺伝子工学を利用したマトリックス材料そのもののハイブリッド化の分子
設計アプローチも併せて紹介する。
~目次~
1. はじめに
2. マトリックス工学による細胞機能制御
3. 増殖因子のマトリックス化の意義
4. E-カドヘリンキメラタンパク質の固定化によるES細胞の増殖制御への応用
5. おわりに
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塩基性ペプチドとのハイブリッド化によるタンパク質・薬物の効率的細胞内導入・・・・34
Intracellular Delivery of Proteins and Drugs by Conjugation with Basic Carrier Peptides
二木史朗
京都大学 化学研究所 生体機能設計化学領域 助教授
近年,HIV-1Tatペプチドなどの塩基性ペプチドを用いてタンパク質や薬物を組織・細胞内に
効率的に導入する手法が注目されている。塩基性ペプチドとのコンジュゲーションによって,
様々なタンパク質や薬物の細胞内導入が可能となり,細胞機能が制御できたことが報告されて
いる。本稿では,塩基性ペプチドを用いた細胞内送達の現況とその可能性について概説する。
~目次~
1. はじめに
2. 塩基性ペプチドを用いる細胞内導入法とは
3. ペプチドとのコンジュゲーションと細胞への導入
4. タンパク質・薬物の細胞内導入
5. アルギニンペプチドの膜透過機序
6. 問題点と展望
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国際学会Controlled Release Society(制御徐放学会)の2003年Nagai Innovation Award
for Outstanding Achievement を受賞して・・・・40
Receiving the 2003 Nagai Innovation Award for Outstanding Achievement from International Controlled Released Society
前田 浩
崇城大学 薬学部 教授;(財)バイオダイナミックス研究所 所長;熊本大学 名誉教授
コラム:ウイルスの科学(第3回)
バクテリオファージの科学と応用(その3)
ファージ利用の新展開 ・・・・・・・・・・・・・・43
丹治保典
東京工業大学 大学院生命理工学研究科 生物プロセス専攻 助教授
~目次~
ファージディスプレイ
ファージによる特定細菌の検出
ファージ表層工学
TOPICS
ゲノム科学の進展と創薬(1)・・・・・・・・・・・・・・・・46
ファーマコゲノミクスへの注目と個の医療
清末芳生
ヒューマンサイエンス振興財団 ゲノム科学ワーキンググループ委員/ビジネスコンサルト
~目次~
・ はじめに
・ ヒトゲノム解読
・ バイオインフォマティクスとシステム生物学の進展
・ 比較ゲノミクス
・ noncoding RNA
・ ファーマコゲノミクス
・ ファーマコゲノミクストバイオマーカー
・ Guidance for Industry(Draft),Phamacogenomics Data Submissionsについて
BIO R&D
イオンビーム育種による世界3大花卉新品種の開発 ・・・・・・・55
Development of New Varieties by Ion Beam Breeding in the Three Biggest Flowers
岡村正愛
キリンビール(株) アグリバイオカンパニー植物開発研究所 主任研究員
自然界での宇宙線による突然変異と同じ原理を利用した品種改良技術「イオンビーム育種
」は,炭素などのイオンを光の速度の1/2近くにまで加速して植物の種子や細胞に当て,突然
変異を起こし有用な品種を育成する技術である。ガンマ線などに比べ局所的に大きなエネル
ギーを与える特徴があり,突然変異誘発などの生物効果が高い。しかし品種改良に有効な線
エネルギー付与(LET)をもつ炭素イオンの組織内到達深度は1mm程度であり,実用品種の育
成に至っていなかった。キリンビールで開発したカーネーション微細組織培養系に,日本原
子力研究所高崎研究所(原研高崎)のAVFサイクロトロンにより炭素イオンを照射すること
で,2年という従来法の半分の期間で,カーネーションの実用品種シリーズの育成に成功し
た。イオンビーム育種による世界3大花卉での実用化と今後の展望について紹介する。
~目次~
1. 自然界の進化と品種改良
2. キリンビールのアグリバイオテクノロジー
3. 細胞・組織培養系を利用したイオンビーム育種系
4. イオンビームの生物効果と突然変異の特徴
5. イオンビーム育種の汎用化と今後の展望
レクチャー:バイオベンチャー企業成功のための条件-その1-
研究者がバイオベンチャー企業設立を思いついた時 ・・・・・・62
中村 洋
慶應義塾大学 経営管理研究科(ビジネススクール) 助教授
~目次~
・研究者が直面する別次元の問題
・必要とされる”執念”
・将来を見据えた意志決定
R&D特集:進化する遺伝子増幅法特集
-速く・簡便・正確に-進化する遺伝子増幅 ・・・・・・・・・・・・64
編集部
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ICAN法 ・・・・・・・・・・・・66
Isothermal and Chimeric Primer initiated Amplification of Nucleic Acids (ICAN) 法
向井博之
タカラバイオ(株) 製品開発センター センター長 執行役員
~目次~
1. 反応原理
2. アプリケーション事例
3. 製品紹介
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TRC法 ・・・・・・・・・・・・69
Transcription Reverse-transcription Concerted (TRC) 法
伊藤俊一
Shun-ichi Itoh 東ソー(株) 科学計測事業部 営業部
TRC法は標的核酸と相補結合することにより蛍光増感するインターカレーター性蛍光プロー
ブの存在下で,逆転写酵素とRNAポリメラーゼの協奏的作用により,標的RNAを一定温度で増
幅・リアルタイム検出する測定法である。迅速性と簡便性の特徴を生かして,臨床検査に応
用されるとともに,RNAの直接増幅測定法として新しい用途の開発も期待できる。
~目次~
1. TRC法の特長
2. 反応原理
3. アプリケーション事例:TRC法の標的
4. 製品紹介
5. おわりに
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LAMP法 ・・・・・・・・・・・・72
Loop-mediated Isothermal Amplification (LAMP) 法
米川俊広
栄研化学(株) 研究開発統括部 生物化学研究所 第2部
~目次~
1. LAMP法の特徴(実際の手順,定量的/定性的など)
1.1 実際の手順
1.2 特徴
2. 反応原理
2.1 プライマー設計
2.2 LAMP反応原理
3. アプリケーション事例
4. 製品紹介
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NASBA法 ・・・・・・・・・・・・76
Nucleic Acid Sequence Based Amplification (NASBA) 法
林 司
(株)カイノス 研究所 伊東研究室 室長
~目次~
1. NASBA法の特徴(実際の手順・定量的/定性的)
2. 反応原理
3. アプリケーション事例
4. 製品紹介(単位増幅産物当たりのreaction cost,消費税込み)
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OSNA法による直接遺伝子増幅 ・・・・・・・・79
Direct Gene Amplification by One Step Nucleic acid Amplification (OSNA)
山崎正稔*1 吉本倫子*2 藤本敬二*3
*1 シスメックス(株) 学術部 学術一課 FCM・ゲノムグループ
*2 シスメックス(株) 学術部 学術一課 FCM・ゲノムグループ
*3 シスメックス(株) カスタマーサポート本部 副本部長兼学術部長
~目次~
1. はじめに
2. OSNA法の原理
3. OSNA法の特長
3.1 迅速な遺伝子検出が可能
3.2 高い特異性
3.3 定量的に検出が可能
4. OSNA法による乳がんリンパ節転移迅速判断
5. おわりに
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生体物質由来増幅阻害の中和に基づいた迅速な遺伝子増幅法 ・・・83
The Speedy Gene Amplification Based on Neutralization of Inhibitors in Biological Samples
西村直行
(株)島津製作所 分析計測事業部 ライフサイエンス研究所 主幹研究員
~目次~
1. はじめに
2. 遺伝子増幅阻害中和物質の作用機序およびそれを応用した製品
3. 血液直接PCR
4. ヒト糞便懸濁液からの直接PCR
5. おわりに
BIO PRODUCTS
フォスフォアミダイト ・・・・・・・・・・・・・・・87
Phosphoramidite (PA)
~目次~
1. はじめに
2. PAの物性
3. PA一般的製造方法
4. PAの需要
5. PAの生産および価格
連載:宇宙環境を利用したバイオ技術-身近にある宇宙技術-
魚の飼育水を浄化するバイオフィルター(2) ・・・・・・・・・・・・90
A Spin-off of Space Technology : A Biological Filter to Maintain Fish Tank Water
志村隆二
(株)エイ・イー・エス 宇宙ステーション技術部 計画・管理チーム 専門職
第2次国際微小重力実験室(IML2)において開発された硝化バイオフィルターは,身近に
ある宇宙技術として観賞魚の飼育にスピンオフされている。前稿では,水棲生物の水質浄化
を担う硝化作用の安定化には,複合微生物系としての硝化細菌が有効であり,その水質浄化
作用がIML2の水棲生物実験において実証されたことを概説した。本稿では,スピンオフされ
た複合微生物系による水質の安定化技術ならびに開発によって得られた知見について紹介す
る。
~目次~
1. はじめに
2. 硝化バイオフィルターの開発技術
2.1 硝化反応の安定化
2.2 アンモニアと亜硝酸の安全濃度の維持
2.3 複合微生物での培養条件
3. 複合微生物の硝化細菌の性状
3.1 硝化活性とアンモニア濃度(量)
3.2 硝化活性とPH
3.3 硝化活性と低温
4. 複合微生物系技術の更なるスピンオフ
5. おわりに
連載:バイオベンチャー起業物語<第3話>
光ケミカル研究所
光線力学的療法の治療薬開発で100 億円の市場へ挑む・・・・・・96
小林昭雄
大阪大学大学院工学研究科 応用生物工学専攻 教授
浜松ホトニクスをバックに,岡山県が推進する新産業育成事業の一環であるテクノサポ
ートの地に,いち早く設立されたバイオベンチャー。光線力学的療法の治療薬の開発とい
う非常にユニークな基盤技術をもとに,創設者自らが陣頭に立って指揮し自らの夢の実現
に向かってまっしぐらの岡山発のバイオベンチャー企業として注目されている。
PROFILE こばやし あきお:1968年京都大学農学部農芸化学科卒業,73年同大学院農学
研究科修了。同年4月から76年3月まで,米国ミシガン州立大学植物科学研究所,米国ロー
ドアイランド大学薬学部博士研究員。76年から78年日本学術振興会特別研究員,78年京都
大学農学部食品工学科助手,82年岡山大学農学部総合農学科助教授・教授を歴任。95年大
阪大学大学院工学研究科教授就任,現在に至る。近畿バイオインダストリー振興会議代表
常任理事兼任。
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