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有機薄膜太陽電池の研究最前線

  • Cutting-edge Research in Organic Thin-film Solar Cells
★ 実用化に向け急速に進む有機薄膜太陽電池の最新研究開発動向が俯瞰出来る!
★ 最新の材料開発動向から、有機薄膜中の構造制御に関する研究、解析・評価手法の進展から新しいデバイス構造の作製法までを網羅!

商品コード: T0863

  • 監修: 松尾豊
  • 発行日: 2012年7月
  • 価格(税込): 71,280 円
  • 体裁: B5判、257ページ
  • ISBNコード: 978-4-7813-0600-1

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  • ドナー材料/有機電子供与体/アクセプター材料/有機電子受容体/半導体ポリマー/ローバンドギャップポリマー/フラーレン誘導体/低分子有機薄膜太陽電池/界面構造/モルフォロジ制御/バルクヘテロジャンクション構造/単結晶有機太陽電池

刊行にあたって

 自然エネルギーや再生可能エネルギーに対する社会の関心がますます高まっている。我が国のエネルギー自給率は4%であり、エネルギー原料のほとんどを海外から買っている。また、2011年の大震災を契機に、原子力発電のあり方を見直す議論がなされている。2012年4月に東京電力・福島第一原子力発電所の1~4号機が廃止になり、5月には国内で唯一稼働していた北海道・泊原発も定期検査で停止になった。これで国内の原発50基すべてが停止中である。再稼働の議論はなされなければならないが、エネルギーに関して今まさに国難のときである。
 有機薄膜太陽電池は、まだ若い技術で、エネルギー問題解決に今すぐ貢献できるものではない。しかしながら、ここ10年でその科学と技術は飛躍的に進展した。エネルギー変換効率は10%の大台に乗り、アモルファスシリコン太陽電池や色素増感太陽電池に肩を並べ始めた。世界中で研究開発競争も激化し、研究者人口も増えている。ここで我が国は遅れをとってはならないし、世界を引っ張っていく気概で望むべきである。
 本書はめまぐるしく進展していく有機薄膜太陽電池の研究について、出版の時点での最新の情報をとりまとめたものである。本書では、最近の材料開発のトレンド、有機薄膜中の構造制御へ向けた挑戦、それをサポートする解析・評価手法の進展、さらには新しいデバイス構造の創出へ向けた取り組みについて、述べられている。本書を企画した監修者の専門が材料開発であるためやや材料よりの構成となっているが、ここ数年の変換効率向上は材料の進展による要因も大きく、そのトレンドの中身を知ることは研究を推進していく上で有意義だろう。現在有機太陽電池の研究を行っている研究者にも、これから参入する研究者にも、研究に役立つ情報があれば幸甚である。

2012年6月

松尾 豊

著者一覧

松尾豊   東京大学大学院 理学系研究科 光電変換化学講座 特任教授
尾坂格   広島大学 大学院工学研究院 助教
瀧宮和男   広島大学 大学院工学研究院 教授
前田勝浩   金沢大学 理工研究域 物質化学系 准教授
井改知幸   金沢大学 理工研究域 物質化学系 助教
尾崎雅則   大阪大学大学院 工学研究科 電気電子情報工学専攻 教授
藤井彰彦   大阪大学大学院 工学研究科  電気電子情報工学専攻 准教授
清水洋   (独)産業技術総合研究所 関西センター ユビキタスエネルギー研究部門 ナノ機能合成グループ 研究グループ長
鈴木毅   東京大学大学院 理学系研究科 光電変換化学講座
安田剛   (独)物質・材料研究機構 太陽光発電材料ユニット 有機薄膜太陽電池グループ 主任研究員
松元深   (地独)大阪市立工業研究所 有機材料研究部 研究員
大野敏信   (地独)大阪市立工業研究所 理事(研究担当)
林靖彦   名古屋工業大学 工学研究科 未来材料創成工学専攻 准教授
波多野淳一   東京大学大学院 理学系研究科 光電変換化学講座
平出雅哉   九州大学 大学院工学府 物質創造工学専攻
安達千波矢   九州大学 最先端有機光エレクトロニクス研究センター 主幹教授
平本昌宏   分子科学研究所 分子スケールナノサイエンスセンター 教授
久保雅之   分子科学研究所 分子スケールナノサイエンスセンター       CREST研究員
石山仁大   総合研究大学院大学 物理科学研究科 機能分子科学 博士課程
嘉治寿彦   分子科学研究所 分子スケールナノサイエンスセンター 助教
但馬敬介   東京大学 大学院工学系研究科 応用化学専攻 准教授
櫻井岳暁   筑波大学 数理物質系物理工学域 講師;JSTさきがけ 「太陽光と光電変換機能」研究者 
酒井理沙   大阪大学 太陽エネルギー化学研究センター
松村道雄   大阪大学 太陽エネルギー化学研究センター 教授
中野恭兵   東京工業大学 像情報工学研究所
半那純一   東京工業大学 像情報工学研究所 教授
大北英生   京都大学 大学院工学研究科 高分子化学専攻 准教授;JST さきがけ 研究員
山成敏広   (独)産業技術総合研究所 太陽光発電工学研究センター 先端産業プロセス・低コスト化チーム 研究員
吉田郵司   (独)産業技術総合研究所 太陽光発電工学研究センター 先端産業プロセス・低コスト化チーム 研究チーム長
高橋光信   金沢大学 理工研究域 物質化学系 教授,金沢大学 理工研究域 サステナブルエネルギー研究センター 教授(兼任)
桑原貴之   金沢大学 理工研究域 物質化学系 助教,金沢大学 理工研究域 サステナブルエネルギー研究センター 助教(兼任)
佐伯昭紀   大阪大学大学院 工学研究科 助教
関修平   大阪大学大学院 工学研究科 教授
宮寺哲彦   (独)科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業 さきがけ さきがけ研究者
上野啓司   埼玉大学 大学院理工学研究科 物質科学部門 准教授
溝黒登志子   (独)産業技術総合研究所 ユビキタスエネルギー研究部門 主任研究員
谷垣宣孝   (独)産業技術総合研究所 ユビキタスエネルギー研究部門 デバイス機能化技術グループ 研究グループ長

目次

序章―有機薄膜太陽電池開発の基礎と展望 
1 有機薄膜太陽電池に用いる材料,成膜法と発電メカニズム
2 有機薄膜太陽電池の素子特性
3 有機薄膜太陽電池の変換効率の伸び
4 ローバンドギャップポリマー
5 なぜフラーレンは有機薄膜太陽電池のアクセプターとして好適か
6 有機薄膜太陽電池の今後


第1章 新規ドナー材料

1 縮合多環ヘテロ芳香族を有する半導体ポリマー
1.1 はじめに
1.2 ドナーユニット
1.2.1 架橋型ビチオフェン
1.2.2 アセンジチオフェン
1.2.3 架橋型ビフェニレン
1.3 アクセプターユニット
1.3.1 ベンゾアゾール系
1.3.2 ジケトピロロピロール
1.3.3 チアゾロチアゾール
1.4 まとめ

2 高性能ローバンドギャップポリマー材料の開発
2.1 はじめに
2.2 ベンゾチアジアゾールを用いたローバンドギャップポリマー
2.3 平面性の高いユニットを用いたローバンドギャップポリマー
2.4 チエノピロールジオンを用いたローバンドギャップポリマー
2.5 チエノチオフェンを用いたローバンドギャップポリマー
2.6 おわりに

3 液晶性フタロシアニンを用いた有機薄膜太陽電池 
3.1 はじめに
3.2 液晶性フタロシアニンの半導体特性
3.3 バルクヘテロ型薄膜太陽電池
3.4 三成分バルクヘテロ型薄膜太陽電池
3.5 今後の展望

4 長波長領域の光吸収を示す有機薄膜太陽電池材料 
4.1 はじめに
4.2 長波長光を吸収する低分子材料
4.2.1 ポルフィリノイド
4.2.2 カルコゲナジアゾール類
4.2.3 スクアリン系化合物
4.2.4 フェニレンビニレン及びアゾ化合物
4.2.5 その他の長波長光吸収材料
4.3 長波長光吸収の問題点と改善策
4.3.1 タンデム型太陽電池
4.3.2 増感剤を添加した有機薄膜太陽電池
4.3.3 金属ナノパーティクルによる長波長領域の光の利用
4.3.4 界面制御による開放電圧の改善
4.4 おわりに

5 高信頼性アモルファス薄膜を形成するトリフェニルアミン系ドナー材料 
5.1 はじめに
5.2 トリフェニルアミン系ドナー材料の現状
5.2.1 直線型低分子
5.2.2 スターバースト型分子
5.2.3 高分子
5.3 トリフェニルアミン系ドナー材料の利点と課題
5.3.1 TPA系ドナー材料の利点
5.3.2 TPA系ドナー材料の課題
5.4 まとめ


第2章 新規アクセプター材料

1 高LUMOフラーレンの設計コンセプト 
1.1 はじめに
1.2 フラーレンへの電子供与基の導入による開放電圧の向上
1.3 フラーレンのπ電子共役系の縮小による開放電圧の向上
1.3.1 シリルメチルフラーレン,SIMEF
1.3.2 1,4-ジアリールフラーレン
1.3.3 bis-PCBM
1.3.4 インデンC60ビスアダクト
1.3.5 ジヒドロメタノ基を有する56π共役系フラーレン
1.3.6 ジヒドロメタノPCBM
1.3.7 その他の56π共役系フラーレン
1.4 フラーレンのLUMO準位を下げる分子設計
1.5 おわりに

2 ポリ(3-ヘキシルチオフェン) (P3HT)との相溶化を指向したフラーレン誘導体の設計
2.1 はじめに
2.2 高性能化のための基本設計
2.3 フラーレン誘導体の合成・評価
2.4 薄膜形態の評価
2.5 デバイス性能評価
2.6 新しいコンセプトによるフラーレン誘導体の設計
2.7 まとめ

3 電子吸引性フラーレン誘導体 
3.1 n型溶解性フラーレン誘導体の設計
3.2 ジアリルメタノフラーレン誘導体DopC61bm
3.2.1 DopC61bmの設計・合成
3.2.2 電気化学的測定結果
3.2.3 有機太陽電池への応用
3.3 アルキル鎖による影響
3.3.1 DopC61bmアルキル鎖誘導体の設計・合成
3.3.2 電気化学的測定結果
3.3.3 有機太陽電池への応用
3.4 電子吸引性置換基の影響
3.4.1 DopC61bm電子吸引性置換基誘導体の設計・合成
3.4.2 電気化学的測定結果
3.4.3 有機太陽電池への応用

4 非フラーレンアクセプター材料 
4.1 はじめに
4.2 低分子溶液塗布型非フラーレンアクセプター材料
4.2.1 ペリレンジイミド誘導体
4.2.2 ベンゾチアジアゾール誘導体
4.2.3 ジケトピロロピロール誘導体
4.2.4 ビフルオレニリデン誘導体
4.2.5 ペンタセン誘導体
4.2.6 キナクリドン誘導体
4.2.7 フルオランテンイミド誘導体
4.2.8 BODIPY誘導体
4.3 低分子蒸着型非フラーレンアクセプター材料
4.3.1 金属フタロシアニン・サブフタロシアニン
4.4 高分子溶液塗布型非フラーレンアクセプター
4.5 おわりに


第3章 界面構造に関する研究

1 陽極/ドナー層界面に励起子ブロッキング層を有する低分子有機薄膜太陽電池
1.1 はじめに
1.2 実験
1.3 結果・考察
1.4 結論

2 ドーピングによるpn制御と有機薄膜太陽電池 
2.1 はじめに
2.2 セブンナイン(7N)超高純度化
2.3 有機半導体のドーピングによるpn制御
2.3.1 ドーピング技術の確立
2.3.2 C60のp型化
2.3.3 C60単独膜におけるpnホモ接合の形成
2.4 共蒸着膜へのドーピング効果
2.5 まとめ

3 有機薄膜太陽電池の性能向上に向けたドナー/アクセプター界面構造制御 
3.1 はじめに
3.2 有機薄膜太陽電池の動作原理
3.2.1 光吸収および励起子生成
3.2.2 励起子拡散
3.2.3 電荷移動・電荷分離
3.2.4 電荷輸送および電荷収集
3.3  VOCの起源に関する研究
3.4 有機薄膜太陽電池のデバイスモデル
3.5 二層型有機薄膜太陽電池の界面構造制御とVOC
3.6 フッ素化アルキル基を有する半導体による表面偏析単分子膜
(Surface-Segregated Monolayer: SSM)の形成
3.7 二層型有機薄膜太陽電池の作製と開放電圧の変化
3.8 高いVOCとJSCの両立に向けた界面構造の精密制御

4 有機薄膜太陽電池における界面電子構造評価 
4.1 はじめに
4.2 紫外光電子分光法によるBCP/金属界面の電子構造評価
4.3 金属をドープしたBCP薄膜の電気特性評価
4.4 太陽電池特性の相関
4.5 おわりに


第4章 モルフォロジ制御に関する研究

1 熱処理によるP3HT/PCBM積層素子の傾斜構造制御 
1.1 高分子系薄膜太陽電池の光活性層の内部構造
1.2 塗布法による積層膜形成と熱処理による傾斜構造形成
1.3 傾斜接合構造素子の太陽電池特性
1.4 まとめ

2 液体分子同時蒸発による低分子蒸着系混合膜の結晶化 
2.1 はじめに
2.2 研究の背景
2.3 共蒸発分子誘起結晶化法の考案
2.4 共蒸発分子による有機薄膜太陽電池の短絡光電流密度の向上
2.5 共蒸発分子による混合膜の結晶性と構造の変化
2.6 他の有機半導体分子の組み合わせでの一般性検証
2.7 単一成分膜における結晶粒制御
2.8 おわりに

3 棒状液晶材料を用いたバルクヘテロジャンクション有機太陽電池 
3.1 液晶材料の特徴
3.2 有機薄膜太陽電池材料として見た液晶材料の利点
3.3 棒状液晶材料を用いた有機薄膜太陽電池
3.4 おわりに


第5章 有機薄膜太陽電池における評価手法

1 レーザ分光法による光電変換素過程の解明  
1.1 はじめに
1.2 レーザ分光法
1.3 電荷生成・再結合ダイナミクス
1.3.1 RRa-P3HT/PCBM
1.3.2 RR-P3HT/PCBM
1.4 二分子再結合ダイナミクス
1.5 おわりに

2 有機薄膜太陽電池における特性劣化評価 
2.1 はじめに
2.2 特性劣化の評価
2.2.1 光照射下での劣化
2.2.2 大気中暗所保存での劣化
2.2.3 劣化部位の可視化
2.3 おわりに

3 逆型有機薄膜太陽電池の交流インピーダンス解析法による評価 
3.1 はじめに
3.2 FTO/ZnO、FTO/ZnSおよびITO/TiOx(透明電極/電子捕集層)の準備
3.3 透明電極/電子捕集層/PCBM:P3HT/PEDOT:PSS/Au逆型素子の組立て
3.4 電流電圧測定と交流インピーダンス測定の概略
3.5 ZnO素子のIS挙動
3.6 逆型素子の各構成成分と想定される等価回路との対応
3.7 ZnS素子におけるZnS/PCBM:P3HT界面修飾の効果
3.8 TiOx素子において,光照射開始から素子性能が最大になるまでに時間を要する理由について
3.9 おわりに

4 マイクロ波法によるデバイスレス有機薄膜太陽電池評価 
4.1 はじめに
4.2 D/A混合比率
4.3 P3HT:PCBM = 1:1 でのデバイスとの相関
4.4 局所的電荷キャリア移動度
4.5 不純物・劣化効果
4.6 おわりに


第6章 有機薄膜太陽電池の新しい作製法 

1 単結晶有機太陽電池の作製
1.1 はじめに
1.2 有機単結晶の作製
1.2.1 物理的輸送法
1.2.2 分子線エピタキシー法
1.3 有機単結晶太陽電池の特性
1.4 有機単結晶中の励起子拡散
1.5 おわりに

2 酸化グラフェンを用いた有機薄膜太陽電池  
2.1 はじめに
2.2 グラフェン透明導電膜の形成手法
2.3 グラフェン透明導電膜の可能性
2.4 グラファイト単結晶の単層剥離,可溶化
2.5 酸化グラフェン塗布膜形成と還元
2.6 塗布形成グラフェン透明電極を用いた有機薄膜太陽電池
2.7 酸化グラフェンの正孔輸送層への応用
2.8 おわりに

3 摩擦転写法を用いた分子配向制御技術と有機薄膜太陽電池への応用 
3.1 はじめに
3.2 摩擦転写法によるπ共役系高分子の配向制御
3.3 共役系高分子の配向制御および有機薄膜太陽電池の形成
3.3.1 摩擦転写法およびスピンコート法によるRR-P3DDT薄膜の形成と配向評価
3.3.2 配向が異なるRR-P3DDTからなる有機薄膜太陽電池
3.4 オリゴマーの分子配向制御および有機薄膜太陽電池の形成
3.4.1 摩擦転写法で形成したポリチオフェン上に蒸着したα-セキシチオフェンの配向評価
3.4.2 配向制御したα-セキシチオフェンからなる有機薄膜太陽電池
3.5 おわりに
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