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月刊バイオインダストリー 2010年7月号 PDF版(CD-ROM)

  • 【こちらはCD-ROM配送のPDF版です。】
【特集】 ヒト幹細胞の産業応用―創薬・食品業界を例に―

商品コード: N1007

  • 発行日: 2010年6月12日(PDF版発売日:2012年9月)
  • 価格(税込): 4,860 円
  • 体裁: B5判、PDF

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目次

【特集】 ヒト幹細胞の産業応用―創薬・食品業界を例に―


特集にあたって
谷口英樹(横浜市立大学 大学院医学研究科 臓器再生医学 教授)


ヒト細胞治療薬の開発と創薬支援技術
Development of Human Cell Therapy Products and New Technology using Human Cells for Evaluation of Safety and Efficacy
山口照英(国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部 部長)

 画期的な医療技術として注目されている再生医療・細胞治療は、様々な難病や致死的疾患の治療に有用な治療手段になると期待されている。本稿では、主として薬事法のもとでのヒト幹細胞等を用いた細胞治療薬の開発において求められる要件と、これらのヒト幹細胞等を用いた創薬支援技術への応用について概説する。

【目次】
1. はじめに
2. 再生医療・細胞治療
3. ヒト細胞治療薬の開発と求められる要件
3.1 ヒト細胞治療薬のウイルス安全性
3.2 製法工程開発と恒常性評価
3.3 加工した細胞の特性解析
3.4 細胞治療薬の非臨床安全性試験
3.5 細胞治療薬の効能または性能を裏付ける試験
4. ヒト幹細胞等を用いた創薬支援技術開発
4.1 想定される創薬支援技術
4.2 ヒト幹細胞等を用いた病態モデル開発
5. おわりに


わが国におけるヒト臓器・組織・細胞を用いた医薬品開発研究の抱える問題
The Practical Application of Research and Development in the Pharmaceutical Industry using Human Biomaterials in Japan
鈴木聡(特定非営利活動法人HAB研究機構 附属研究所 主任研究員)

 ワクチンや人型タンパク質、そして分子標的薬など近年開発された医薬品はヒト組織・細胞を利用して創製されている。がん細胞に発現している特定のタンパク質を標的とする分子標的薬が次々と開発されているが、わが国はこの分野で大きく遅れをとっている。優れた医薬品を開発するためにはヒト臓器・組織・細胞を用いねばならず、法律・インフラ整備が早急に行われなければならない。

【目次】
1. はじめに
2. バイオ医薬品の開発とヒト肝細胞研究
2.1 ワクチン
2.2 ヒト型タンパク質
2.3 分子標的薬
2.4 肝細胞の開発研究での必要性と欧米の供給体制
3. 問題と今後の課題
3.1 法律の整備と研究振興
3.2 市民への情報発信


ヒト組織幹細胞の創薬産業への応用
Application of Human Somatic Stem Cells to the Bio-industry
谷口英樹(横浜市立大学 大学院医学研究科 臓器再生医学 教授)

【目次】
1. はじめに
2. 肝臓における組織幹細胞の分離
3. ヒト肝幹細胞の分離・同定
4. ヒト組織幹細胞の産業利用
5. おわりに


多能性幹細胞を用いた創薬技術
Pluripotent Stem Cell Derived Functional Cell-based Assay Technology in Drug Development

淺井康行((株)リプロセル 取締役CTO)
饗庭一博(NPO法人幹細胞創薬研究所 主任研究員)
中辻憲夫(京都大学 物質-細胞統合システム拠点(iCeMS) 拠点長;京都大学 再生医科学研究所 発生分化研究分野 教授(幹細胞医学研究センター長))

 多能性幹細胞由来機能細胞の有用性を示すデータは多いが、産業利用するためには、効率の上昇や再現性の改善を行う必要がある。ただ、現在創薬研究に根付いている方法論も、提唱当時には同じ課題を抱えていて、それを研究者があるときは競争し、またあるときは共創して克服してきた。多能性幹細胞の創薬応用においてもまだ始まったばかりである。多くの研究者の努力と工夫により、進歩を遂げて創薬研究になくてはならない根幹技術となるであろう。

【目次】
1. はじめに
2. 創薬研究における幹細胞の必要性
3. 多能性幹細胞由来のモデル細胞を用いた創薬研究
3.1 心筋細胞
3.1.1 心筋と心電図QT延長
3.1.2 薬剤誘発性QT延長スクリーニング系への応用
3.1.3 多能性幹細胞の創薬研究への産業化例―QT延長アッセイ系QTempo
3.2 神経細胞
3.2.1 神経変性疾患の創薬研究のための疾患モデル細胞
3.2.2 多能性幹細胞から機能的な分化細胞への分化誘導系の確立
3.2.3 疾患モデル細胞作成のための疾患特異的多能性幹細胞
3.3 遺伝子加工によって作成される疾患特異的多能性幹細胞
3.3.1 ゲノム部位特異的遺伝子挿入法
3.3.2 神経変性疾患モデル細胞
4. おわりに


ヒト腸管上皮細胞を用いた食品機能・安全性評価
The Evaluation of Food Function and Safety using Human Intestinal Epithelial Cells
薩秀夫(東京大学 大学院農学生命科学研究科 助教)
清水誠(東京大学 大学院農学生命科学研究科 教授)

 腸管上皮細胞は消化管の最前線に位置し、外界と生体内を隔てる場かつやりとりする場として極めて重要である。本稿では、腸管上皮細胞における食品成分の吸収・透過評価、および腸管上皮細胞の様々な生理機能(栄養素吸収、免疫系、解毒排出系)に対する食品成分の機能性・安全性評価について、主としてヒト腸管上皮モデル細胞株を用いた研究例を紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. ヒト腸管上皮細胞を用いた食品成分の腸管上皮細胞透過機構評価
3. 腸管上皮トランスポーターに対する食品成分の作用評価
4. 腸管上皮細胞が産生するサイトカインに対する食品成分の作用評価
5. ヒト腸管上皮細胞と免疫系細胞との複合培養系を用いた食品成分の機能性評価
6. ヒト腸管上皮受容体型転写因子に対する食品成分の作用評価
7. ヒト腸管上皮細胞を用いた食品中に混入する有害物質に対する安全性評価
8. おわりに


ヒト肝細胞を用いた食品機能・安全性評価
Development of Human Hepatocyte Culturing System for Food Functionality and Food Safety
日下部守昭(東京大学 大学院農学生命科学研究科 食の安全研究センター 先端技術開発研究室 特任教授)

 食品管理モニタリングは、食の流通のグローバル化に伴いその必要性が注目されている。現在、残留農薬、食物毒素、微生物、環境汚染物質、残留動物薬品など食品に含まれる多くの危害因子に対する基準は、実験動物を用いた検査法によって設定されている。しかしながら、筆者らは、ヒトの寿命を比較した場合、たとえ基準以下の低用量の摂取でも長期に渡る摂取が、体質を変化させ、がんがプロモーションされるリスクを持っていると考えている。そのため、健康食品などに含まれる有効成分やカビ毒などの健康危害物質の生体影響リスクを広汎に評価する培養ヒト肝細胞システムの開発を目指している。本稿では、筆者らが開発中の三次元肝組織培養法について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 食の安全・安心への取り組みと健康食品
3. 生体肝臓の構造・機能を維持する仕組みと肝細胞培養への応用
4. 培養下で正常な肝機能を発揮させるための要件とは?
5. 肝細胞機能発現に必要な肝臓の分子背景
6. シルクフィブロインスポンジ(SFS)を用いた3次元培養システムの開発
7. おわりに


ヒト幹細胞の産業応用における法と指針
Compliance in Industrial Use of Human Stem Cells
絵野沢伸(国立成育医療研究センター 臨床研究センター 先端医療開発室 室長;東京医科大学 外科学第三講座 客員教授)

 幹細胞生物学の応用分野である再生医療は単に新しい医療としてだけでなく、産業の新規発展分野としても期待されている。しかしながら、未知の領域が多く、また研究開発の初期段階から人を対象とすることから、開発には慎重さが求められる。遵守事項は法や指針として規定されており、もし違反すると刑事罰、行政指導、社会的制裁などを受け、最悪の場合、開発中止を余儀なくされかねない。本稿では、規制理解の一助になるようにわが国における法や指針の大枠を概説する。

【目次】
1. はじめに―なぜ再生医療研究に慎重を期するのか
2. 医療として認知されるまでの2つのルート
3. 医学研究に関わる法と指針と再生医療研究との関係
3.1 基礎研究段階に関わる法、指針
3.2 遺伝子組換え生物に関する規制との関係
3.3 再生医療の臨床研究段階に関わる法、指針
3.4 ヒトiPS細胞に関わる法、指針
4. 知っておくべきしくみ、ことばについて
4.1 倫理審査委員会
4.2 介入研究と観察研究
4.3 個人情報と匿名化
4.4 医師主導の治験
5. 審査、許認可を成功させるには―おわりにかえて―


BIO R&D

放射光円二色性分光法による蛋白質の溶液構造解析と医薬分野への応用
Analysis of Protein Solution Structures by Synchrotron Radiation Circular Dichroism Spectroscopy and Application to Medical Fields
松尾光一(広島大学 放射光科学研究センター 日本学術振興会特別研究員)
月向邦彦(広島大学 大学院理学研究科 特任教授)
生天目博文(広島大学 放射光科学研究センター 教授)
谷口雅樹(広島大学 放射光科学研究センター 教授)

 近年、生命現象に関わる新規蛋白質が次々と発見されているが、X線結晶学や核磁気共鳴法では構造解析が困難なものが多く、その機能が未解明のまま残されている。本稿では、このような構造未知蛋白質の溶液構造を高精度で解析できる放射光円二色性分光法について紹介し、最新のバイオインフォマティクス技術を組み合わせることで明らかになった蛋白質の変性構造や、糖蛋白質と生体膜の相互作用機構について述べる。

【目次】
1. はじめに
2. 真空紫外円二色性による蛋白質の構造解析
2.1 蛋白質のVUVCDスペクトル
2.2 VUVCDによる二次構造含量と本数の解析
2.3 VUVCDによるアミノ酸配列レベルでの二次構造部位予測
3. 真空紫外円二色性による非天然蛋白質の構造解析
3.1 変性蛋白質
3.2 生体膜と相互作用した蛋白質
4. おわりに


廃棄性サケ白子DNAの有効活用によるDNAプロテクターの創製
Development of the UV Protector with Discarded Salmon Milt DNA
佐々木義晴((株)ファイン 開発課 主任研究員;甲南大学 先端生命工学研究所(FIBER) 特別研究員)
杉本直己(甲南大学 先端生命工学研究所(FIBER) 所長;同大学 フロンティアサイエンス学部(FIRST) 教授・学部長)

 紫外線による皮膚やDNAへの損傷を防ぐために、ベンゾフェノン系化合物、酸化チタン、酸化亜鉛などの紫外線防止剤が広く使用されているが、近年、その生体や環境に対する安全性が問題となっている。一方、食用DNAとしての利用も検討されているサケ白子の大部分は産業廃棄物として破棄されるため、新たな用途の開拓が切望されている。本稿では、サケ白子DNAを紫外線防止剤としての新たなツールとして提案し、独自の方法によって開発したDNAプロテクターについて、その研究状況と成果を紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 紫外線防御剤としてのDNAの活用
3. 紫外線照射サケ白子DNAのUVB防御能
4. 紫外線照射サケ白子DNAのUVA防御能
5. 紫外線照射サケ白子DNAの機能
5.1 抗酸化活性の向上
5.2 美白効果の向上
6. おわりに
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