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グラフェンの機能と応用展望 II

  • Graphene : Functions and Applications II
★ 前書から3年、ノーベル賞受賞後の最新研究動向を徹底解説 !
★ 製品化に向け、グラフェンの大面積での量産を可能とする合成法も次々と開発 !
★ 新たな電子デバイスとしてのグラフェンの可能性を追求する1冊 !

商品コード: T0882

  • 監修: 斉木幸一朗
  • 発行日: 2012年12月発行
  • 価格(税込): 73,440 円
  • 体裁: B5判、271ページ
  • ISBNコード: 978-4-7813-0677-3

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  • グラフェン/グラファイト/ナノカーボン/グラフェンエッジ/量子ホール効果/半導体/CVD/透明導電膜/太陽電池/キャパシタ

刊行にあたって

 2009年7月に本出版社から上梓された「グラフェンの機能と応用展望」は、国内では初めてのまとまったグラフェン関連の成書ということもあって好評のうちに迎えられた。その後2010年には最初の論文発表からわずか6年目にしてグラフェンを世に出したGeimとNovoselovにノーベル物理学賞があたえられて社会的な認知度も上がり、さらに広範な分野からも興味をもたれるようになっている。国内の関連分野の学会においても、多くのシンポジウムやワークショップが企画され、グラフェン熱はいまだ収まるところを知らず続いている状況である。このような状況下において、現時点でその後の進展をまとめることは意義あることと考え、「グラフェンの機能と応用展望Ⅱ」を企画するに至った。
 第I編の理論では前回は基礎的な事項を中心としたが、今回は光学応答特性、ナノリボン、窒素ドープ系の電子状態などその後の発展を所載した。第II編の成長法は今回特に項目を増やし、電子素子、太陽電池、タッチパネル、触媒、などの応用を目指して世界中で研究が大展開しているグラフェンの成長法について網羅した。第III編ではグラフェン合成における高品質化のために必要な成長観察手法について記載した。第IV編では機能・物性に関する輸送特性の最近の展開とともに、将来の応用の種となるナノメッシュ、ナノグラフェンの磁性について記述している。第V編では前書の応用例に加えて太陽電池、蓄電デバイスへの応用を記載した。
 各項目の執筆には、我が国の代表的な研究者の方々にお願いしてお引き受けいただいた。お忙しい中を短い執筆期限の中で原稿を仕上げていただいた点にはこの場を借りて深甚なる感謝を申し上げたい。本書が初学者のみならず、グラフェン研究に既に携わっている研究者同士の情報源となり得れば、監修に携わった者として望外の喜びである。

2012年11月
斉木幸一朗

著者一覧

斉木幸一朗  東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授
森本高裕  (独)理化学研究所 古崎物性理論研究室 基礎科学特別研究員
青木秀夫  東京大学 大学院理学系研究科 物理学専攻 教授
若林克法  (独)物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 独立研究者
寺倉清之  東京工業大学 大学院理工学研究科 有機・高分子物質専攻 特任教授;北陸先端科学技術大学院大学 シニアプロフェッサー
HOU, Zhufeng  東京工業大学 大学院理工学研究科 有機・高分子物質専攻 研究員
WANG, Xianlong  愛媛大学 地球深部ダイナミクスセンター 研究員
池田隆司  (独)日本原子力研究開発機構 量子ビーム応用研究部門 研究主幹
吾郷浩樹  九州大学 先導物質化学研究所 准教授
佐藤信太郎  (独)産業技術総合研究所 連携研究体グリーン・ナノエレクトロニクスセンター グループリーダー
山田貴壽  (独)産業技術総合研究所 ナノチューブ応用研究センター ナノ物質コーティングチーム 研究員
石原正統  (独)産業技術総合研究所 ナノチューブ応用研究センター ナノ物質コーティングチーム 主任研究員
長谷川雅考  (独)産業技術総合研究所 ナノチューブ応用研究センター ナノ物質コーティングチーム 研究チーム長
楠 美智子  名古屋大学 エコトピア科学研究所 教授
乗松 航  名古屋大学 大学院工学研究科 助教
田中 悟  九州大学 大学院工学研究院 教授
小幡誠司  東京大学 大学院新領域創成科学研究科 助教
川澄克光  名古屋大学 大学院理学研究科 博士課程3年
伊丹健一郎  名古屋大学 大学院理学研究科 教授
梅野正義  中部大学 総合学術研究院 客員教授;名古屋産業科学研究所 上席研究員
上野啓司  埼玉大学 大学院理工学研究科 物質科学部門 准教授
日比野浩樹  日本電信電話㈱ NTT物性科学基礎研究所 部長
本間芳和  東京理科大学 理学部 物理学科 教授
長田俊人  東京大学 物性研究所 准教授
長汐晃輔  東京大学 大学院工学系研究科 マテリアル工学専攻 准教授
鳥海 明  東京大学 大学院工学系研究科 マテリアル工学専攻 教授
塚越一仁  (独)物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 主任研究者
中払 周  (独)産業技術総合研究所 連携研究体グリーン・ナノエレクトロニクスセンター 最先端研究開発支援プログラム研究員
山本倫久  東京大学 大学院工学系研究科 物理工学専攻 助教
樽茶清悟  東京大学 大学院工学系研究科 物理工学専攻 教授
春山純志  青山学院大学 大学院理工学研究科 機能物質創製コース 准教授
榎 敏明  東京工業大学 大学院理工学研究科 化学専攻 名誉教授
白井 肇  埼玉大学 大学院理工学研究科 教授
笘居高明  東北大学 多元物質科学研究所 助教
三谷 諭  東北大学 多元物質科学研究所 産学連携研究員
本間 格  東北大学 多元物質科学研究所 教授

目次

【I 理論】

第1章 グラフェンの光学特性  
1 はじめに
2 グラフェンとディラック電子
3 光学応答と光学伝導度
4 グラフェンにおけるファラデイ回転
5 多層グラフェンにおける磁気光学応答
5.1 2層グラフェン
5.2 ABA 3層グラフェン
5.3 ABC 3層グラフェン
6 ゼロ磁場中グラフェンにおける光誘起ホール効果
7 おわりに

第2章 ナノグラフェンの特異な電子物性 
1 はじめに
2 グラフェンの電子構造
3 グラフェンのナノスケール効果
4 グラフェンのエッジ・スピン効果
5 まとめ

第3章 グラフェンへの窒素ドーピング:構造と電子状態 
1 はじめに
2 グラフェン内部での窒素ドープと構造欠陥
2.1 完全なグラフェンにドープされた窒素
2.2 単一原子空孔(MV)
2.3 単一原子空孔(MV)と窒素ドープ
2.4 2原子空孔(DV)と窒素ドープ
2.5 Stone-Wales (SW) 欠陥と窒素ドープ
3 グラフェンエッジでの窒素ドープ
4 ドープされた窒素のX線光電子分光の解析
5 おわりに


【II グラフェンの成長法】

第4章 グラフェンのエピタキシャルCVD成長  
1 はじめに
2 ヘテロエピタキシャル触媒によるCVD
3 CVDグラフェンの方位制御
4 CVDグラフェンの大ドメイン化
5 おわりに

第5章 化学気相成長法によるグラフェンの合成 
1 はじめに
2 グラフェンのCVD合成
3 鉄膜を利用したグラフェンの合成
3.1 ホットフィラメントCVD法によるグラフェン、CNTの選択合成
3.2 熱CVD法によるグラフェンの合成
4 銅膜を触媒としたグラフェンの合成
5 銅双晶上のグラフェンナノリボン形成
6 おわりに

第6章 マイクロ波プラズマCVD法によるグラフェンのロールツーロール成膜
1 大面積グラフェン成膜技術の現状と量産連続成膜技術開発の課題
2 ロールツーロール・マイクロ波プラズマCVD装置の開発
3 グラフェンのロールツーロール成膜
4 グラフェン透明導電フィルムの作製
5 まとめ

第7章 SiC上グラフェン成長と電子顕微鏡観察 
1 はじめに
2 SiC表面分解法によるナノカーボン構造の形成
3 Si面上に形成されるグラフェン
3.1 Si面上平滑グラフェン形成―SiO2マスク法
3.2 グラフェン/SiC(0001)界面構造
3.3 ABC積層構造の選択的形成
4 SiC(000-1)C面上グラフェンの形成
4.1  C面上グラフェン形成―高圧Arガス法
5 おわりに

第8章 SiC上グラフェンの成長と電子物性
1 はじめに
2 SiCについて
3 SiC表面熱分解によるグラフェンの成長
4 SiCオフ基板の熱分解グラフェン
4.1 実験方法
4.2 グラフェンの構造評価
4.3 電子物性評価
5 おわりに

第9章 酸化グラフェンの合成と還元 
1 はじめに
2 酸化グラファイトの合成と酸化グラフェンの単離
3 酸化グラフェンの還元法
4 酸化グラフェンの還元過程
5 酸化グラフェンを用いた金属基板上でのグラフェン生成
6 今後の展望

第10章 ナノグラフェンの化学合成 
1 はじめに
2 オリゴフェニレンを前駆体とする方法
3 光環化反応を用いた合成例
4 ビアリールアセチレンの求電子環化反応
5 PAH炭素-水素結合の直接変換によるボトムアップ合成
6 鈴木-宮浦カップリングによるグラフェンナノリボンの化学合成
7 金属表面上の化学反応を利用したグラフェンナノリボンのボトムアップ合成
8 今後の展望

第11章 ショウノウ(樟脳)からのグラフェン合成
1 はじめに
2 ショウノウの熱CVD法によるグラフェンの成膜
3 ショウノウのマイクロ波表面波プラズマCVDによるグラフェンの成長
4 おわりに

第12章 グラフェン類似層状物質 
1 はじめに
2 層状物質の分類
2.1 遷移金属ダイカルコゲナイド
2.2 層状13族カルコゲナイドの構造と物性
3 カルコゲナイド系層状物質単層試料の作製手法
3.1 カルコゲナイド系層状物質バルク単結晶の形成手法
3.2 粘着テープ剥離法による単層形成
3.3 インターカレーションによる単層剥離法
3.4 極性有機溶媒中での超音波照射による単層剥離法
3.5 ファンデルワールス・エピタキシー法
4 カルコゲナイド系層状物質の新奇物性探索
4.1 単層MoS2の物性変化に関する研究
4.2 トポロジカル絶縁体Biカルコゲナイド
5 層状物質のデバイス応用例
5.1 太陽電池への応用例
5.2 薄膜FETへの応用例
6 おわりに

第13章 グラフェン格子へのヘテロ原子ドーピング
1 はじめに
2 ドーピングの方法
2.1 金属基板上でのドープグラフェンの直接成長
2.2 事後処理によるグラフェンへのドーピング
2.3 化学反応によるドープグラフェン・グラファイトの成長
3 ドーピングの評価法
3.1 ドープ位置の分類
3.2 ドープ原子の検出法
4 ドープグラフェンの応用
5 まとめ


【III 新しい評価法】

第14章 LEEMによるグラフェン成長観察 
1 はじめに
2 金属基板上のグラフェン成長のLEEMその場観察
3 グラフェン層数評価とSiC基板上でのグラフェン成長過程
4 暗視野LEEM法によるグラフェンのドメイン構造解析
5 おわりに

第15章 SEMによるグラフェン成長観察 
1 はじめに
2 グラフェンの二次電子像
2.1 絶縁体上
2.2 金属上
3 グラフェン成長のその場観察
3.1 単層グラフェンの成長過程
3.2 2層目以降の成長過程
3.3 結晶面方位の影響
4 おわりに


【IV 機能・物性】

第16章 グラフェンの量子ホール伝導 
1 はじめに
2 グラフェンの電子構造と量子ホール効果
2.1 単層グラフェン
2.2 2層グラフェン
3 量子ホール現象の鮮鋭化
3.1 グラフェンの高移動度化
3.2 対称性の破れによる量子ホール状態
3.3 分数量子ホール効果
4 量子ホール接合系のエッジ伝導
4.1 半導体2次元電子系の量子ホールエッジ状態
4.2 グラフェンの量子ホールエッジ状態
4.3 グラフェン接合系における量子ホールエッジ伝導
5 おわりに

第17章 SiO2上グラフェンの輸送特性の予想限界と現状 
1 はじめに
2 様々な基板上グラフェンの移動度の予想限界値
3 3種類のSiO2の表面構造と相互作用
4  SiO2上グラフェンの電子輸送特性
5 まとめ

第18章 グラフェンの伝導電荷極性制御と素子化の試み
1 はじめに
2 グラフェン極性制御素子の試作と動作検証
2.1 グラフェンチャネルの作製
2.2 ナノリボン形成された単層グラフェンを用いた伝導電荷極性制御p-i-n接合素子
2.3 2層グラフェンを用いた伝導電荷極性制御によるp-i-n接合形成とトンネル伝導
3 おわりに

第19章 3層グラフェンの電子状態と電気伝導  
1 はじめに
2 3層グラフェンの積層構造とバンド構造
3 試料作成
4 電気伝導測定
4.1 垂直電場の影響
4.2 量子ホール効果
5 おわりに

第20章 グラフェンエッジが創出するスピン物性―グラフェンナノメッシュ磁石―
1 はじめに:エッジ原子配列と物性
2 ノンリソグラフィック法による低欠陥ナノ細孔アレイの創製
3 磁性とその構造依存性,細孔zigzagエッジの同定
4 強磁性の発現機構
5 ホウ素終端グラフェンナノメッシュ,磁気抵抗特性
6 おわりに

第21章 ナノグラフェンの磁性 
1 はじめに:グラフェンの電子構造
2 グラフェンの磁性はなぜ発生するか
3 理論から見たエッジ状態の磁性
4 実験からみたナノグラフェンの磁性


【V 応用】

第22章 塗布形成グラフェン導電膜の有機薄膜太陽電池,有機FETへの応用
1 はじめに
2 グラフェン透明導電膜の形成手法
3 グラフェン透明導電膜の可能性
4 グラファイト単結晶の単層剥離,可溶化
5 酸化グラフェン塗布膜形成と還元
6 塗布形成グラフェン透明電極を用いた有機薄膜太陽電池
7 酸化グラフェンの正孔輸送層への応用
8 塗布形成グラフェン透明電極を用いた半透明有機薄膜電界効果トランジスタ
9 おわりに

第23章 酸化グラフェン―シリコンへテロ接合太陽電池― 
1 はじめに
2 c-Si/有機ハイブリッド太陽電池の作成
3 GOのc-Si系太陽電池応用
3.1 正孔輸送層・透明電極層としてのGO
3.2 電子輸送層としてのGO
3.3 低圧プラズマによるRGO形成
4 まとめ

第24章 グラフェンの量産化技術と蓄電デバイスへの応用 
1 はじめに
2 グラフェンの量産化技術
2.1 Modifed Hummers法によるグラフェン合成
2.2 超臨界法でのグラフェン作製
3 グラフェンのエネルギーデバイス応用
3.1 電気二重層キャパシタ応用
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