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リチウム空気電池の最前線

  • Advanced Technology of Lithium-Air Battery
★国内外でプロジェクトが進む、未来の大容量電池・リチウム空気電池の研究動向に迫る!
★リチウム空気電池が抱える現状・構造・特徴・問題点とは?
★国内第一線の研究者が最新開発動向を解説!

商品コード: T0903

  • 監修: 周豪慎
  • 発行日: 2013年8月20日
  • 価格(税込): 64,800 円
  • 体裁: B5、177ページ
  • ISBNコード: 978-4-7813-0801-2

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  • リチウム空気電池 / マンガン系空気極 / ペロブスカイト型酸化物 / 炭素系材料 / グラフェンナノシート / リチウム金属負極 / 計算シミュレーション / 空気亜鉛電池 / アルミニウム空気電池 / 鉄空気電池 / 光空気電池 / 酸素ロッキング電池 / 市場

刊行にあたって

 産業技術の発展にともない、人類の社会活動と生活に便利な移動型、あるいは携帯型電気製品が続々登場し、普及している。たとえば電気自動車や4G(=第4世代)移動通信システムに対応するためには、従来の蓄電池ではエネルギー密度不足が問題である。より高いエネルギー密度を有する蓄電池へのニーズが高まっている。
 現在あるクリーンな蓄電池の中で、重量あたりのエネルギー密度と体積あたりのエネルギー密度が一番高いのは、リチウムイオン電池である。しかしながら、そのリチウムイオン電池でも、現状のエネルギー密度は約120~160Wh/kgであり、電気自動車の長距離ドライブ、あるいは4G携帯電話の長時間使用にはまだ不足であると言われている。
これらのニーズに答えるために、リチウムイオン電池に、大幅なエネルギー密度の向上の可能性はあるのだろうか?
 リチウムイオン電池のエネルギー密度は、おもに正極の容量に制約されている。今開発している正極の活物質から考えると、リチウムイオン電池の理論エネルギー密度の限界は約250 Wh/kgになると言われている。極端に容量が大きな活物質は、現在のところ、まだ開発されていないため、大幅なエネルギー密度の向上には制約がある。
 そこで、正極材として空気中の酸素を用いるリチウム空気電池では、活物質である酸素は電池セルに含まれておらず、空気中に無尽蔵に存在するので理論的に正極の容量が無限となり、大容量電池技術として注目されている、その中でも、とくにリチウム空気電池は、近年、日本国内のみではなく、欧米、中国、韓国など海外の大学、研究機関、企業も、エネルギーに関する重要なテーマとして、次々にリチウム空気電池のプロジェクトをスタートし、真剣に研究を行っている。その進展も著しく進んでいる。
 急速に発展する研究環境の中で、リチウム空気電池と金属空気電池の研究開発についてより理解いただくために、リチウム空気電池の現状、構造、特徴、問題点などを本書にまとめた。

2013年8月  周豪慎

(本書「はじめに」より)

著者一覧

周豪慎   (独)産業技術総合研究所 エネルギー技術研究部門 首席研究員,(兼)エネルギー界面技術研究グループ グループ長
石原達己   九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所 主幹教授
蓑輪浩伸   日本電信電話(株) NTT環境エネルギー研究所 研究員
林政彦   日本電信電話(株) NTT環境エネルギー研究所 主任研究員
林克也   日本電信電話(株) NTT環境エネルギー研究所 主幹研究員
小林隆一   日本電信電話(株) NTT環境エネルギー研究所 主幹研究員
劉銀珠   (独)産業技術総合研究所 エネルギー技術研究部門 研究員
金村聖志   首都大学東京 大学院都市環境科学研究科 教授
張涛   (独)産業技術総合研究所 エネルギー技術研究部門 エネルギー界面技術研究グループ
北浦弘和   (独)産業技術総合研究所 エネルギー技術研究部門 エネルギー界面技術研究グループ
高羽洋充   工学院大学 工学部 環境エネルギー化学科 准教授
靳忠效   (株)ネクセル 代表取締役社長
島野哲   住友化学(株) 筑波開発研究所 主任研究員
山口滝太郎   住友化学(株) 筑波開発研究所 主席研究員
中根堅次   住友化学(株) 筑波開発研究所 上席研究員
江頭港   日本大学 生物資源科学部 准教授
阿久戸敬治   島根大学 研究機構 教授
日比野光宏   東京大学 大学院工学系研究科 応用化学専攻 上席研究員
水野哲孝   東京大学 大学院工学系研究科 応用化学専攻 教授

目次

第1章 リチウム空気電池の歴史,分類と特徴  
1 リチウム空気電池の歴史
2 リチウム空気電池の分類,特徴と問題点


第2章 有機電解液を用いるリチウム空気電池

1 反応機構  
1.1 はじめに
1.2  Li2O2とLi2Oの生成の反応機構
1.3 有機電解液が分解する反応機構
1.3.1 溶媒
1.3.2 リチウム塩
1.3.3 添加物

2 空気極の触媒:マンガン系空気極触媒  
2.1 はじめに
2.2 MnO2系酸化物の空気極触媒特性
2.3 メソポーラス構造を有するMnO2の空気極特性
2.4 おわりに

3 空気極の触媒:ペロブスカイト型酸化物触媒  
3.1 はじめに
3.2 ペロブスカイト型酸化物のLi-空気二次電池への応用
3.3 ペロブスカイト型酸化物のLi-水-空気二次電池への応用
3.4 おわりに

4 炭素系材料  
4.1 はじめに
4.2 空気極の構造及び三相界面
4.3 反応層中のカーボン材料
4.4 種々のカーボン材料を空気極に用いたリチウム空気電池の電気化学特性
4.5 有機電解液中での酸素還元特性とカーボンの性状との相関
4.6 おわりに

5 グラフェンナノシート触媒  
5.1 はじめに
5.2 グラフェンナノシート
5.3 有機電解液型リチウム-空気電池におけるグラフェンナノシート空気極触媒
5.4 おわりに

6 リチウム空気電池用の負極  
6.1 はじめに
6.2 リチウム金属負極の現状
6.3 空気電池におけるリチウム金属負極
6.4 非水電解液中でのリチウム金属負極
6.5 イオン液体中でのリチウム金属負極
6.6 高分子固体電解質とリチウム金属負極
6.7 セラミックス系固体電解質とリチウム金属負極
6.8 まとめ

第3章 負極保護型またはハイブリッド型水系リチウム-空気電池

1 反応機構と特徴  
1.1 水系リチウム-空気電池の特徴
1.2 中性およびアルカリ性の電解液を用いたセルの反応機構と電気化学特性
1.3 酸性の電解液を用いたセルの反応機構と電気化学特性
1.3.1 酢酸水溶液を用いた場合
1.3.2 硫酸水溶液を用いた場合
1.3.3 リン酸緩衝液を用いた場合

2 固体電解質層,負極側電解質および負極 
2.1 固体電解質層
2.1.1 LTAP固体電解質
2.1.2 リチウム金属に安定な固体電解質
2.1.3 水系電解液中における安定性
2.2 負極側電解質
2.3 負極

3 空気極触媒  
3.1 はじめに
3.2 アルカリ性水溶電解液に適用する触媒
3.3 酸性水溶電解液に適用する触媒
3.4 おわりに

第4章 全固体型リチウム-空気電池  
1 はじめに
2 全固体型リチウム-空気電池の設計
2.1 全固体型リチウム-空気電池の構成
2.2 リチウム-空気電池用無機固体電解質
2.3 全固体型リチウム-空気電池の空気極
3 電池の電気化学特性
3.1 ポリマー電解質と無機固体電解質を用いた固体型リチウム-空気電池
3.2 無機固体電解質を用いた全固体型リチウム-空気電池
4 おわりに

第5章 リチウム空気電池の計算シミュレーション
1 シミュレーションについて
2 部材の物性シミュレーション
3 電池特性のシミュレーション
4 電極構造についてのシミュレーション

第6章 その他の金属空気電池

1 空気亜鉛電池 
1.1 はじめに
1.2 空気亜鉛電池の原理と内部構造
1.3 空気亜鉛電池の特徴
1.4 空気亜鉛電池の検査項目
1.5 大型空気亜鉛電池の研究開発
1.6 空気亜鉛電池の廃棄と回収
1.7 おわりに

2 アルミニウム空気電池  
2.1 アルミニウム空気電池への取り組み
2.1.1 アルミニウム空気電池のエネルギー密度
2.1.2 アルミニウム空気電池の電極反応
2.1.3 アルミニウム空気電池における克服すべき課題
2.2 アルミニウム電極への高純度アルミニウム適用の効果
2.2.1 アルミニウム空気電池の評価
2.2.2 高純度アルミニウムの放電特性
2.2.3 高純度アルミニウムへのマグネシウム添加の効果
2.3 アルミニウム電極の高純度化およびマグネシウム添加の影響
2.3.1 アルミニウム合金の腐食溶解
2.3.2 アルミニウム合金の分極評価
2.4 まとめ

3 鉄空気電池  
3.1 概要
3.2 鉄-空気二次電池の研究開発の経緯
3.3 鉄/ナノカーボン複合負極の研究開発
3.4 これからの検討課題

4 光空気二次電池  
4.1 はじめに
4.2 光空気二次電池の概要
4.2.1 基本構成と充放電反応イメージ
4.2.2 光充電(再生)の原理
4.3 負極に水素吸蔵合金を用いた電池系における光充放電機能の実現
4.3.1 電池構成
4.3.2 光充放電機能実現への課題
4.3.3 金属水素化物の解離(自己放電)抑制
4.3.4 光充電を実現するエネルギーレベルの形成
4.4 SrTiO3-LaNi3.76Al1.24Hn | KOH | O2系電池の光充放電挙動
4.5 おわりに

5 酸素ロッキング電池の提案と実証  
5.1 はじめに
5.2 Ca0.5La0.5FeOzの電気化学的挙動
5.2.1 塩基性電解液中での安定性
5.2.2 通電電気量と電位の関係
5.2.3 構造変化
5.2.4 鉄の価数変化
5.2.5 CLFOの電気化学反応の繰り返し特性
5.3 おわりに
(補遺)拡散係数の見積もり

付録 電池用材料・ケミカルスの市場  
1 電池市場の概要
1.1 一次電池
1.2 二次電池
2 開発動向と構成材料
2.1 一次電池
2.2 二次電池
3 二次電池構成材料の市場動向
3.1 リチウムイオン電池構成材料の市場
3.1 ニッケル水素電池構成材料の市場
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