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フィルム成形のプロセス技術

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★フィルム成形技術のバイブルと呼ぶべき書籍が完成!
★基本的な考え方と実際の製品を製造するための成形技術・材料の両方を理解することにより、さらに興味と理解が深まる内容!
★この分野を専門とする企業、技術者の為に作られた当書籍は物性を考える上で重要な高次構造解析について、各部門の一線で活躍する方々により執筆された、世界最高レベルと呼べるフィルム成形の技術指南書!

商品コード:
P0703
発行元:
(株)AndTech
発行日:
2016年1月29日
体裁:
B5判,444ページ 
ISBNコード:
978-4-9907931-6-6
価格(税込):
66,000
定価価格(税込):
66,000
ポイント: 600 Pt
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マーケット情報・業界動向・その他

Review

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キーワード:

押出機 / ダイ / Tダイキャスト法 / インフレーション法 / 二軸延伸法であるテンター法 / 二軸延伸法であるチューブラー法 / 二次加工 / 添加剤 / 高次構造解析

刊行にあたって

プラスチックの35%以上がフィルム用途として使用され、フィルムの材料、成形技術、二次加工技術が非常に重要な位置づけにある。
近年、フィルム技術の集大成というべき液晶の薄型高精細なTVが各家庭に普及してきた。しかし、液晶TVの生産は韓国のSamsungやLG、中国の多くの企業がこの分野に参入してきたため、コスト競争が激化し、TVの生産現場は日本から海外にシフトしている。液晶に使われるフィルムの枚数の削減と製造コストの削減が要求され、部材の統合化、低コスト材へのシフト、光学設計による機能の統合化、プロセスの低コスト化が進んでいる。そういった状況で、差別化した製品を製造するには、高度な技術の総合力、つまり設計技術、基盤技術、素材の合成技術、超精密加工技術と成形・設計CAE技術を磨き上げていく必要がある。
素材、複合化技術、精密加工技術、微細転写技術や二次加工技術が確立されて初めて我々が良く見る製品に仕上げられているが、これらの技術はもともと日本が得意とする技術であり、技術立国として日本が生き残るには今後もリードしていく必要がある。
高度な製品を生み出すために部材の製造技術が必須であるが、その加工現場はまだまだ泥臭い経験に頼った世界が多いが、高分子加工の考え方の基本をしっかり把握しておけば、材料の性質、物性の発現やいろいろな不良現象の理解と対策、そして高分子材料の特性に合った加工条件を見出し、優れた品質を有する製品を生み出すことができる。そういった意味で、この分野のレオロジーの基礎知識、成形加工、高次構造、物性を結びつける理論的な理解が必要である。
そこで、本書はフィルム成形の成形技術を中心に、この分野を専門にしている方々にフィルムの基礎技術を修得できるように、押出機、ダイ、Tダイキャスト法、インフレーション法、二軸延伸法であるテンター法およびチューブラー法、さらに二次加工、添加剤や物性を考える上で重要な高次構造の解析に関する内容について、各部門の一線で活躍されている方々に執筆をお願いした。フィルム成形の基本的な考え方と実際の製品を製造するための成形技術・材料の両方を理解することにより、さらに興味と理解が深まると思っているので、これらの観点から本書を活用してもらえたら、幸いである。

(”はじめに”より抜粋  監修 KT Pokymer 代表 金井俊孝)

著者一覧

金井俊孝 KT Polymer 代表 工学博士(京都工芸繊維大学 特任教授)
田村幸夫 (株)日本製鋼所 広島製作所 樹脂加工機械部 技術アドバイザー
板持雄介 (株)日本製鋼所 広島製作所 樹脂加工機械部
辰巳昌典 (株)プラスチック工学研究所 技術部長
谷藤 眞一郎 (株)HASL 代表取締役社長 工学博士
Dr.J.Breil Bruckner社 研究開発部長
(第7章 翻訳)渡辺 陵司 株式会社 AndTech 技術アドバイザー
高重真男 元出光ユニテック(株) 工学博士
伊藤浩志 山形大学 大学院 理工学研究科 機能高分子工学専攻 教授 工学博士
松本宏一 松本技術士事務所 代表 技術士(経営工学)
田中義勝 出光ユニテック(株) 取締役 商品開発センター所長

目次 +   クリックで目次を表示

第1章 高分子加工の概要とレオロジー
 ─ 序 論─    
 1 高分子加工とは
 2 重合からプラスチック製品までの必要な解析技術
 3 高分子溶融体の流動性
  3.1 剪断流動の構成方程式
 4 成形性とは
 5 剪断流動性の評価法
  (1) メルトインデックス(MI)
  (2) キャピラリーレオメーター
  (3) コーン&プレートレオメーター
  (4) 樹脂性状とレオロジーの関係
  (5) ダイスウェル
  (6) スパイラルフロー
 6 伸長流動特性
  6.1 伸長粘度
  6.2 溶融張力
 7 剪断粘度および伸長粘度の関係
  7.1 ニュートン流体(線形粘性流体)
  (1) 剪断流動
  (2) 一軸伸長流動
  (3) 二軸伸長流動

第2章 単軸押出機およびスクリュ設計
 はじめに
 1.フィルム・シート成形で使用される押出機
 2.単軸押出機の構造
 3.押出機の機能と特性
  3.1 第1のポンプ:固体輸送
   3.1.1 Darnell&Molの理論
   3.1.2 Chan. I. Chungの理論
  3.2 第2のポンプ:可塑化溶融
  3.3 第3のポンプ:計量・昇圧
  3.4 スケールアップ
 4.各種単軸押出機の構造と機能
  4.1 フルフライトスクリュでの樹脂の溶融形態
  4.2 バリヤ型スクリュの溶融形態
  4.3 バリヤ型スクリュ設計上の留意点
  4.4 バリヤ型スクリュの開発事例
  4.5 非円形シリンダ(HMシリンダ)を持つ押出機の溶融形態
 5.単軸押出機に必要とされる副機能
  5.1 樹脂温度の均一性
  5.2 押出安定性圧力
   5.2.1 巻き付き現象
   5.2.2 ベント押出機における押出変動
  5.3 混練・分散性
  5.4 気泡発生の防止
  5.5 樹脂劣化防止
  5.6 摩耗防止、摩耗性向上
   5.6.1 ブレークアップ現象によるスクリュとシリンダ間でのかじり現象
   5.6.2 オイルホワール現象(スクリュの振り回り)によるスクリュとシリンダ間の摩耗現象
   5.6.3 無機質などの充填原料による土砂摩耗
 6. 押出機下流の装置に関する注意事項
  6.1 フィルタ、スクリーンチェンジャでの注意事項
  6.2 接続管設計上の注意事項

第3章 二軸押出機&ダイス
 はじめに
 1 二軸押出機
  1.1 押出機の歴史
 2 二軸押出機における混練技術
 3 分配と分散
 4 一括投入と逐次投入
 5 二軸押出機の基本用途
 6 超臨界流体を利用したコンパウンド事例
  6.1 超臨界流体(Super Critical Fluid、SCF)
  6.2 超臨界流体利用技術概要
  6.3 ステレオコンプレックスポリ乳酸(sc─PLA)
  6.4 カーボンナノチューブコンポジット技術
  6.5 CAEにおけるミキシングセクションの三次元流動解析
 7 ダイス
  7.1 概要
  7.2  多層押出における溶融樹脂の粘度差における問題点
  7.3 流路断面形状における構成変化(2次流れの発生)
  7.4 層表面及び層界面におけるメルトフラクチャー
  7.5 金型加工精度と温度ムラによる製品厚み精度への影響
  7.6 ダイ下流装置による影響
  7.7 ドローレゾナンスによるMD方向の厚み精度不良
  7.8 Tダイ内流動解析
 8 二軸押出機を利用したフイルム・シート成形技術

第4章 フィルム成形用押出装置の解析理論とその応用展開
 はじめに
 1.解析理論
  1.1 Hele─Shaw流れの定式化
  1.2 フィルム肉厚最適化解析法
 2.フィルム成形用押出装置の数値シミュレーション
  2.1 3Dシミュレーションの限界
  2.2 コートハンガーダイ
   2.2.1 解析モデル作成法
   2.2.2 材料物性設定法
   2.2.3 コートハンガーダイ内樹脂流動解析
   2.2.4 コートハンガーダイ最適化解析
  2.3 スパイラルマンドレルダイ
   2.3.1 解析モデル作成法
   2.3.2 スパイラルマンドレルダイ内樹脂流動解析
   2.3.3 トレーサ粒子運動解析を利用したウェルド評価法
  2.4 多層ダイ
   2.4.1 多層押出解析の技術的問題点
   2.4.2 多層マルチマニフォールドダイ
   2.4.3 多層フィードブロックダイ
 おわりに

第5章 Tダイキャスト成形
 はじめに
 1 ポリマーの性質と成形性
 2 Tダイキャストの変形理論
  (1)歪み速度と応力
  (2)力のバランス及びエネルギーバランス
  (3)粘度式
  (4)理論と実験
 3 成形性の評価法
  (1)成形安定性と樹脂特性
  (2)成形安定性と成形条件
  (3)成形中の破断現象
  (4)ネックイン
 4 冷却
  4.1 シャークスキンおよびメルトフラクチャーにより引き起こされる表面荒れ
 5 フィルムの物性
  5.1 成形条件の影響
  5.2 樹脂特性の影響
  (1)キャストフィルム
  (2)フィルムの衝撃強度
  (3)ヒートシール温度
  (4)フィルムの開口性・ブロッキング性とスリップ性
  (5)透明性
  (6)成形性と樹脂デザイン
  (7)フィルム物性のまとめ
 6 スケールアップ
 7.おわりに

第6章 インフレーションフィルム成形法
 はじめに
 1 樹脂のレオロジー特性
  (1)剪断粘度
  (2)伸長粘度
 2 インフレーション成形の冷却
 3 インフレーション成形の理論
  (1)歪み速度と応力
  (2)力のバランスおよびエネルギーバランス
  (3)粘度式
  (4)理論と実際
 4 インフレーション成形の大型化
 5 フィルム物性
  (1)成形条件とフィルム物性
  (2)PE樹脂のフィルム物性
 6 インフレーション成形の成形性
  (1)成形安定性
  (2)延伸切れ
 7 ダイス
  (1)単層ダイス
  (2)多層ダイス
 おわりに

第7章 二軸延伸フィルム技術
 はじめに
 1 二軸延伸フィルムライン
  1.1 逐次二軸延伸フィルムライン
   1.1.1 押出
   1.1.2 キャスティング装置
   1.1.3 縦延伸装置(MDO)
   1.1.4 横延伸装置(TDO)
   1.1.5 引取設備
   1.2 同時二軸延伸ライン
 2 プロセス制御
 3 二軸延伸フィルムの開発環境
 4 二軸延伸フィルムの市場

第8章 チューブラー延伸技術
 はじめに
 1 チューブラー延伸システム
 2 チューブラー延伸システムの理論解析
  2.1 理論解析 加熱・冷却
 3 変形挙動の解析
  3.1 ポリオレフィン樹脂の変形挙動の解析
 4 フィルム特性
 5 チューブラー延伸とテンター二軸延伸試験機との比較
  5.1 バブル変形挙動と延伸応力
  5.2 LLDPEにおけるチューブラー延伸とテンター二軸延伸の物性比較
 6 ポリオレフィンのための樹脂設計
  6.1 ポリエチレン
  6.2 ポリプロピレン
 7 ポリアミド6樹脂の変形挙動並びにフィルム厚み精度
  7.1 ポリアミド6樹脂のバブル変形挙動と延伸応力の解析
  7.2 フィルム厚み精度(支配要因解析)
 8 高付加価値商品開発への応用展開〈特殊応用技術〉
 9 スケールアップ理論解析
 10 異なる延伸プロセスでの性能比較評価
 まとめ

第9章 延伸性評価技術
 はじめに
 1 一軸延伸による延伸性評価
 2 テーブルテンター試験機による延伸性評価
 3 高次構造同時計測可能な二軸延伸試験機による延伸性評価

第10章 高次構造解析
 はじめに
 1.光学的異方性の概念
 2.赤外(Infrared;IR)吸収分光法による分子配向
 3.ラマン分光法による分子配向評価
 4.広角X線回折や密度による結晶化度評価
  4.1 X線回折法
  4.2 密度法
  4.3 熱分析
 おわりに

第11章  ラミネート加工方法の種類と各部でのポイントおよびトラブル対策
 はじめに
 1. 各種ラミネート加工方法の種類と加工工程
  1.1 サーマルラミネーション(thermal lamination)
  1.2 ホットメルトラミネーション(hot melt lamination)
  1.3 ノンソルベントラミネーション(non─solvent lamination)
  1.4 ウエットラミネーション(wet lamination)
  1.5 ドライラミネーション(dry lamination)
  1.6 押出コーティング・ラミネーション(extrusion coating lamination)
  1.7 共押出コーティング・ラミネーション(co─extrusion coating lamination)
 2. 各種ラミネート加工方法の各部での加工上の主なポイント
 3. 各種ラミネート加工方法の主な塗工方法
 4. 印刷・ラミネート製品の巻芯シワの原因と対策
  4.1 巻取部のスタートで考えるべき基本的対策
  4.2 巻取部での最適巻取設定条件の求め方(巻取条件8要因)
  4.3 巻取スタート時の巻取張力とタッチロール圧の最適条件の設定
  4.4 印刷原反のシワ不良対策の一例
   4.4.1 LLDPEフィルムの印刷製品のスリット加工での巻芯シワの低減
   4.4.2 印刷原反の弱巻き製品に、次工程(ラミネート)で
         巻締りシワの発生源になっているその対策
 5.ラミネート加工における接着の発生
  5.1 濡れ
  5.2 表面張力
  5.3 アンカー・ファスナー効果
  5.4 溶解度パラメーター(SP solubility parameter)
  5.5 吸着と拡散
 6. ラミネート部の接着および剥離現象
 7. 各種ラミネート加工方法の主なトラブルと対策
 おわりに

第12章 添加剤
 はじめに
 1.中和剤
  1.1 金属セッケン
  1.2 DHT─4A(ハイドロタルサイト類)
  1.3 その他の中和剤
  1.4 DHT─4Aによる厚み精度の向上
 2.酸化防止剤
  2.1 自動酸化反応
  2.2 酸化防止剤の種類
   2.2.1 ヒンダードフェノール系酸化防止剤
   2.2.2 リン系酸化防止剤
   2.2.3 イオウ系酸化防止剤
  2.3 自動酸化反応と安定化
  2.4 添加剤処方事例
   2.4.1 LLDPE用処方
   2.4.2 HDPE用処方
   2.4.3 PP用処方
 3.アンチブロッキング剤
  3.1 アンチブロッキング剤の働きと種類
  3.2 合成シリカの取り扱い注意
  3.3 合成ゼオライトの屈折率と透明性の関係
 4.スリップ剤
  4.1 スリップ剤の種類と働き
  4.2 スリップ剤表面移行の考え方
   4.2.1 2段階移行モデル
   4.2.2 添加剤のブリード実験
   4.2.3 2段階移行モデルを用いたスリップ剤のブリート解析
  4.3 ドライラミ後の滑り性低下原因と対策
 5.帯電防止剤
  5.1 帯電防止剤の働き
  5.2 帯電防止剤の種類
  5.3 帯電防止性能への影響因子
  5.4 帯電防止性能の測定方法
 6.光安定剤(耐候剤)
  6.1 光安定剤の種類とその作用機構
   6.1.1 紫外線遮断剤(UV Screener)
   6.1.2 紫外線吸収剤(UV Absorbers)
   6.1.3 消光剤(Quenchers)
   6.1.4 HALS
  6.2 フィルム用光安定剤
 7.造核剤
  7.1 造核剤の働きと作用機構
  7.2 造核剤の種類と特徴
   7.2.1 リン酸エステル金属塩類
   7.2.2 ベンジリデンソルビトール類
   7.2.3 カルボン酸金属塩類
 8.加工助剤
  8.1 12─ヒドロキシステアリン酸マグネシウム(EMS─6P)
  8.2 フッ素系ポリマー添加剤(DynamarTM PPA)

第13章 高機能性フィルムの最近の開発動向
 はじめに
 1.最近のフィルム開発動向
 2.機能性フィルム用途
  2.1 自動車・モバイル用フィルム
  (1)セパレーター
  (2)ソフトパッケージ
  (3)コンデンサー用極薄フィルム
  2.2 太陽電池用フィルム・シート
  (1)封止材
  (2)太陽電池用バックシート
  2.3 包装用および医療用フィルム・シート
  (1)PE、PP の包装用延伸フィルム
  (2)バリアフィルム
  (3)高透明PP シート
  (4)易裂性ナイロンフィルム
  (5)医療用フィルム
  (6)コート、蒸着
  (7)チャック袋 易開封性、再利用
  2.4 環境対応フィルム
  (1)PLAの耐熱化
  (2)遮熱フィルム
  2.5 IT・ディスプレイ用フィルム
  (1)位相差フィルム:斜め45 度フィルム
  (2)WVフィルム
  (3)タッチパネル用部材
  (4)有機無機ハイブリッド超バリアフィルム
 3.高機能化技術(光学設計、表面制御)
  3.1 光学評価・設計
  3.2 微細表面凹凸制御
  (1)モスアイ構造
  (2)高精細表面技術および多層光学フィルム
  (3)クレーター構造
 最後に