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テラヘルツ波新産業(普及版)

  • New Terahertz Industry(Popular Edition)
2011年刊「テラヘルツ波新産業」の普及版!光源などの基盤技術から、新規機器の開発、センシング・イメージング・情報通信など応用分野まで幅広く網羅し、テラヘルツ波の技術動向を解説!!

商品コード: B1188

  • 監修: 斗内政吉
  • 発行日: 2017年1月16日
  • 価格(税込): 6,048 円
  • 体裁: B5判、280ページ
  • ISBNコード: 978-4-7813-1130-2

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  • 産業応用 / テラヘルツ時間領域分光法 / テラヘルツ波光源 / 電子デバイス光源 / テラヘルツ波検出技術

刊行にあたって

 我が国は,GDPが世界トップクラスであるにも関わらず,未来への不安が増大している。我が国は少資源国であり,その再生には科学技術開発を基盤とした知的活動が最も重要である。そのため,1995年科学技術基本法が制定され,研究活動への投資が始まった。しかしながら,巨額の研究費が費やされたにもかかわらず,我が国の産業に大きく貢献する成果はほとんど挙げられていない。残念ながら,我が国の問題として,理念と実施のミスマッチが常に存在し,誤った予算投資がその背景にある。高度成長期を支えてきたのは,我が国の技術革新力であり,常に明確な研究ターゲットが存在した。一方,90年代からは自らが道を切り開く立場になるべき時代であり,科学技術基本法で支えるべき対象は,独創性であった。しかしながら,予算は結果が想定される既存分野や欧米追従型の新規研究が中心であり,チャレンジングなテーマへの研究開発投資は僅かである。次世代のための研究開発は,新しい分野への投資が重要であり,30代,40代の若手研究者の独創的かつ自由なものや,産学連携を中心とした新規応用分野の開拓へシフトされるべきである。そのような分野の代表としてテラヘルツ分野がある。テラヘルツ分野は,新しいセンシング機能ならびに情報通信技術を提供し,情報通信・生命・医療・安全・健康・産業・環境・宇宙・科学分野において多くの応用が想定される。本分野は,我々が中心となり将来ビジョンを取りまとめ世界に発信することで,世界的な研究を創造している分野であり,まさに,チャレンジングかつ独創的分野であり,多くの可能性を秘めている。
 電波と光の間にあるテラヘルツ電磁波は,長く未開拓領域と呼ばれ,産業応用が難しい周波数帯である。近年の様々な技術革新により,その周波数帯の産業利用が見えてきた。その基盤となったのは,時間領域分光法,量子カスケードレーザー,高効率光テラヘルツ波変換ならびにミリ波通信技術などである。特に,時間領域分光法はテラヘルツ帯の分析を容易にし,様々な応用の可能性を提供し続けている。本書では,応用に関する基盤技術の最近の動向と様々な応用研究の事例を取りまとめた。本書が,具体的なテラヘルツ産業研究の扉を開き,産学連携による我が国の国際競争力の向上に一役買うことを願っている。

(巻頭言『産学連携で新しい産業創成を』より)

<普及版の刊行にあたって>

 本書は2011年に『テラヘルツ波新産業』として刊行されました。普及版の刊行にあたり、内容は当時のままであり加筆・訂正などの手は加えておりませんので、ご了承ください。

2017年1月  シーエムシー出版 編集部

著者一覧

斗内政吉   大阪大学 
深澤亮一   (有)スペクトルデザイン 
南出泰亜   (独)理化学研究所 
水津光司   名古屋大学 
永井正也   大阪大学 
吉村政志   大阪大学 
伊藤弘   北里大学 
寳迫巌   (独)情報通信研究機構 
浅田雅洋   東京工業大学 
尾辻泰一   東北大学 
神代暁   (独)産業技術総合研究所 
北岸恵子   大塚電子(株) 
今村元規   (株)アドバンテスト 
土井厚志   オリンパス(株) 
小田直樹   日本電気(株) 
安井武史   徳島大学 
林伸一郎   (独)理化学研究所 
川瀬晃道   名古屋大学 
大谷知行   (独)理化学研究所 
福永香   (独)情報通信研究機構 
松本徹   浜松ホトニクス(株) 
尾内敏彦   キヤノン(株) 
小川雄一   京都大学 
紀和利彦   岡山大学
竹家啓   大阪大学 
平川靖之   久留米工業高等専門学校 
田中耕一郎  京都大学 
笠井康子   (独)情報通信研究機構
永妻忠夫   大阪大学 
久々津直哉  日本電信電話(株) 
岡部聡   日本放送協会 
中山稔啓   (株)フジテレビジョン
西川寛   (株)フジテレビジョン 
門勇一   京都工芸繊維大学 

執筆者の所属表記は、2011年当時のものを使用しております。

目次

【第1編 総論】
第1章 テラヘルツ波の産業応用に向けて
1. はじめに
2. テラヘルツ波工学の新展開
3. テラヘルツ技術が拓く新産業
4. 産業化技術の現状と課題
4.1 光源開発
4.2 検出器
4.3 分析機器開発
4.4 非破壊検査・分析応用
4.5 センサーチップとケミカル顕微鏡
4.6 安全安心への基盤技術
4.7 テラヘルツ無線に向けて
5. まとめ

【第2編 テラヘルツ基盤技術】
第2章 テラヘルツ時間領域分光法
1. はじめに
2. テラヘルツパルス波の発生
2.1 光伝導アンテナ素子による発生
2.2 非線形光学結晶を用いた発生
3. テラヘルツパルス波の検出
3.1 光伝導アンテナ素子による検出
3.2 電気光学結晶を用いた検出
4. テラヘルツ時間領域分光法(THz-TDS)
4.1 波形計測技術
4.2 分光測定の実際
5. 非破壊検査ツールとしてのテラヘルツパルスエコー法
6. 装置の開発動向
7. おわりに

第3章 テラヘルツ波光源
1. 波長可変パラメトリック光源
1.1 テラヘルツ波パラメトリック光源
1.2 テラヘルツ波パラメトリック発振器
1.3 光注入型テラヘルツ波パラメトリック発生器
2. 差周波混合
2.1 差周波混合の原理
2.2 DAST結晶を用いた差周波混合
3. チェレンコフ放射
3.1 チェレンコフ放射
3.2 チェレンコフ放射角
3.3 プリズム結合チェレンコフ位相整合(PCC-PM:Prism Coupled Cherenkov Phase Matching)
3.4 チェレンコフ放射によるテラヘルツ波発生例
4. 超短パルス光励起での角度波面整合放射
5. 超短パルス光励起でのプラズマガスからの放射
6. 非線形光学結晶
6.1 はじめに
6.2 無機結晶
6.3 有機結晶

第4章 電子デバイス光源
1. 単一走行キャリア・フォトダイオード(UTC-PD)
1.1 フォトミキシングを用いたテラヘルツ波の発生
1.2 単一走行キャリア・フォトダイオード(UTC-PD)の特徴
1.3 実装技術
1.4 UTC-PDを用いた高周波電磁波の発生
1.5 まとめ
2. テラヘルツ量子カスケードレーザとその応用
3. 共鳴トンネルダイオード
3.1 はじめに
3.2 RTD発振器の構造
3.3 発振特性
3.3.1 発振周波数
3.3.2 高出力化のための構造
3.3.3 周波数制御と変調
3.4 まとめ
4. 二次元プラズモン
4.1 はじめに
4.2 二次元プラズモンの物理
4.2.1 分散関係
4.2.2 プラズモン不安定性
4.2.3 グレーティングカップラによる電磁波との結合
4.3 二次元プラズモン共鳴型エミッター
4.3.1 二重回折格子ゲート構造
4.3.2 テラヘルツ電磁波放射特性
4.3.3 コヒーレント放射に向けて
4.4 テラヘルツ帯分光計測への応用
4.5 おわりに

第5章 テラヘルツ波検出技術
1. はじめに
2. 検出方式 
2.1 直接検出法
2.2 ヘテロダイン法
2.3 ホモダイン法
3. 代表的検出器
3.1 直接検出器
3.1.1 ゴーレイセル
3.1.2 パイロメータ(焦電検出器)
3.1.3 冷却半導体ボロメータ
3.1.4 室温ボロメータ
3.1.5 ショットキーダイオード
3.1.6 超伝導転移端検出器(TES)
3.1.7 超伝導トンネル接合(SIS)検出器
3.2 ヘテロダイン検出器(ミキサ)
3.2.1 ショットキーミキサ
3.2.2 超伝導トンネル型(SIS)ミキサ
3.2.3 超伝導HEBミキサ

【第3編 新規機器開発】
第6章 テラヘルツ分光イメージング装置
1. 広帯域テラヘルツ時間領域分光装置
1.1 はじめに
1.2 複数のテラヘルツ波源搭載による広帯域化
1.3 広帯域THz-TDS
1.4 テラヘルツ波源,検出器の選択
1.5 おわりに
2. ファイバー結合型小型TDSイメージング装置
2.1 はじめに
2.2 ラスター走査型テラヘルツイメージング装置
2.2.1 分散補償
2.2.2 イメージング用小型ヘッド
2.2.3 システム化
2.3 ラスタースキャン型テラヘルツイメージング装置の性能評価と適応例
2.4 まとめ
3. 3Dテラヘルツ時間領域分光装置
3.1 はじめに
3.2 TAS7000のしくみ
3.3 TAS7000による3D解析事例
3.3.1 3D分光CTイメージング例
3.3.2 3D 非破壊解析例
3.4 まとめ
4. テラヘルツ顕微鏡
4.1 はじめに
4.2 テラヘルツ波近接場イメージングの原理 
4.3 リアルタイムテラヘルツ近接場顕微鏡 
4.3.1 装置構成
4.3.2 測定例
4.4 おわりに
5. テラヘルツ放射顕微鏡
5.1 はじめに
5.2 LTEM
5.3 LTEM観測例
5.4 新しい展開
5.5 まとめ
6. テラヘルツカメラ
6.1 はじめに
6.2 非冷却THz-FPAの画素構造と検出原理
6.2.1 THz吸収膜付きTHz-FPA
6.2.2 誘電体カバー付きTHz-FPA
6.3 THz透過材料
6.4 ハンディTHzカメラ
6.5 おわりに

第7章 周波数コムを基準としたテラヘルツ周波数標準技術
1. はじめに
2. 周波数コムを用いたコヒーレント周波数リンク
3. THz帯スペクトラム・アナライザー(THzスペアナ)
4. THz帯周波数シンセサイザー(THzシンセ)

【第4編 テラヘルツセンシング・イメージング応用】
第8章 イメージング応用
1. 新規産業応用
1.1 はじめに
1.2 テラヘルツ波によるイメージング応用
1.3 テラヘルツパルスを用いた飛行時間型断層撮像法
1.4 メタルメッシュセンサー
1.5 まとめ
2. 違法薬物・危険物質の非破壊検査
2.1 はじめに
2.2 テラヘルツ波による薬物検査の原理検証
2.3 検査装置の開発
2.3.1 スクリーニング部
2.3.2 分光検査部
3. 文化財の非破壊調査への応用
3.1 はじめに
3.2 テラヘルツ波を用いた絵画材料の分光
3.3 テラヘルツ波を用いた文化財の内部構造の非破壊検査
3.4 おわりに
4. LSI故障解析装置
4.1 はじめに
4.2 LSI故障解析の必要性
4.3 非プロービング故障解析
4.4 装置構成
4.5 LTEM検出例
4.5.1 OPアンプの断線検出例
4.5.2 無バイアスでのMOSFETの不良検出例
4.5.3 テストチップのテラヘルツ放射特性の観測例
4.5.4 実回路チップの断線・短絡の検出例
4.6 まとめ

第9章 バイオセンシング
1. 新規バイオ応用の展望と課題
1.1 はじめに
1.2 生体関連分子の分光分析
1.2.1 分析方法
1.2.2 対象となる分子と応用
1.2.3 展望と課題
1.3 バイオセンサーチップ
1.3.1 センシング方式
1.3.2 伝送線路型センサーチップ
1.3.3 展望と課題
1.4 生体組織のイメージング
1.4.1 THz波イメージングの特徴
1.4.2 トモグラフィックイメージング
1.4.3 展望と課題
2. リガンド探索のためのバイオセンシング応用
2.1 はじめに
2.2 干渉を利用した低分子アレイ-タンパク質の画像検出 
2.2.1 測定原理および実験装置
2.2.2 メンブレンを用いた低分子アレイ
2.2.3 ビオチンアレイおよびジゴキシンアレイの測定結果
2.2.4 競合結合実験
2.3 おわりに
3. バイオセンシングプレートの開発と応用
3.1 はじめに
3.2 バイオセンシングプレート
3.2.1 検出の原理
3.2.2 装置構成
3.3 TCMを用いた生体関連物質検出例
3.3.1 タンパク質結合検出
3.3.2 イオン反応検出
3.3.3 TCMによるμ-TAS可視化応用
3.4 まとめ

第10章 様々な分光分析応用
1. 生体関連低分子化合物
1.1 はじめに
1.2 糖類
1.3 核酸
1.4 アミノ酸
1.5 有機酸
1.6 おわりに
2. テラヘルツ光によるガスハイドレートの観測
3. ゴム製品の非破壊・迅速評価への応用
4. 高輝度テラヘルツ波を用いた非線形分光
4.1 はじめに
4.2 液体におけるテラヘルツ光カー効果
4.3 半導体における動的Frantz-Keldysh効果と励起子イオン化
4.4 半導体におけるキャリアのバンド内加速
4.5 非調和振動子系での「階段駆け上がり」
4.6 まとめ
5. サブミリ波分光を用いた地球大気衛星観測
5.1 サブミリ波と衛星観測
5.2 国際ステーション搭載センサJEM/SMILES

【第5編 情報通信応用】
第11章 テラヘルツ波の情報通信応用
1. 高速無線のニーズ
2. 無線の高速化に向けたテラヘルツ波の利用
3. テラヘルツ無線のアプローチと研究開発事例

第12章 120GHz帯無線
1. 無線送受信装置
1.1 フォトニクス技術を用いた無線システム
1.2 InP HEMTデバイスによる無線システム
1.3 おわりに
2. 超高速映像伝送用誤り訂正符号化装置
2.1 はじめに
2.2 超高速映像伝送用誤り訂正符号化装置の構成
2.3 超高速映像伝送用誤り訂正符号化装置
2.4 室内実験
2.5 野外実験
2.6 おわりに
3. 放送現場での検証
3.1 はじめに
3.2 北京オリンピックでの検証
3.3 120GHz帯無線システムを放送局内回線に接続した場合の検証
3.4 まとめ

第13章 300GHz超の無線技術と課題

第14章 テラヘルツ無線の新しい応用
1. 情報通信市場変化と将来望まれる通信環境
1.1 情報通信市場の変化
1.2 ユースケースと求められる無線通信速度
2. 将来ニーズに応える短距離大容量無線通信
3. まとめ
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