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最新の自己修復材料と実用例 (普及版)

  • Frontiers of Self-healing Materials and Applications (Popular Edition)
2010年刊「最新の自己修復材料と実用例」の普及版。自己修復技術、材料の研究から実用化・商品化までを幅広く網羅。実用例では、自動車ボディー塗装、自動車タイヤ、インテリジェント触媒、コンクリート分野など10事例を収録しています。

商品コード: B1163

  • 監修: 新谷紀雄
  • 発行日: 2016年4月8日
  • 価格(税込): 5,616 円
  • 体裁: B5判, 326ページ
  • ISBNコード: 978-4-7813-1105-0

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  • 材料損傷 / 修復 / 自動車ボディー塗装 / インテリジェント触媒 / コンクリート / クラック / 繊維強化高分子材料

刊行にあたって

 米国では、クラックなどの材料損傷がダイナミックに、瞬間的に自己修復する技術が研究され、宇宙ステーションやスペースシャトルへの応用が計画されている。我が国では、自動車排気ガス用白金等の触媒の自己修復化による繰り返し使用、自動車やパソコンのコーティングの擦り傷の自己修復化による商品価値の向上など、生活に直結する自己修復材料が実用化・商品化されている。この度刊行する『最新の自己修復材料と実用例』は、欧米におけるプロジェクト研究の最新の成果や我が国における大学等の成果や企業の商品開発をほぼ網羅している。このような自己修復材料の先端研究から実用化・商品化まで幅広く、集録・解説した本は初めてであり、自己修復材料に初めて接する方にも、容易にその全体像、研究の方向、研究や実用化技術の最前線を理解できる。ご執筆頂いた欧米および我が国の第一線の研究者、商品化に成功した技術者に深く感謝したい。
 今は、全ての技術分野において、環境・エネルギーへの配慮が求められている。CO2排出量の低減化、燃費の向上が叫ばれているが、最も効果的で、現実的なのは、材料や機器の耐久性、寿命を伸ばすことであり、それも、壊れないだけでなく、外観を含めた商品としての価値・寿命を飛躍的に伸ばすことである。リサイクル化以前に、材料や機器の自己修復を考えるべきであろう。自己修復化がエコのキーテクノロジーとなり、この分野の技術・実用化が格段に進み、この解説本が早い時期に最新でなくなることを期待したい。
(「刊行にあたって」より)

2010年5月  (独)物質・材料研究機構 新谷紀雄

<普及版の刊行にあたって>

 本書は2010年に『最新の自己修復材料と実用例』として刊行されました。普及版の刊行にあたり、内容は当時のままであり加筆・訂正などの手は加えておりませんので、ご了承ください。

2016年4月  シーエムシー出版 編集部

著者一覧

新谷紀雄   (独)物質・材料研究機構 材料信頼性萌芽ラボ 一次元ナノ材料グループ リサーチアドバイザー
武田邦彦   中部大学 総合工学研究所 教授
Erin B.Murphy  Virginia Polytechnic Institute and State University,Department of Chemistry
Stephen J. Kalista,Jr.  Union College,Department of Mechanical Engineering
Russell J.Varley  CSIRO Materials Science and Engineering
Michael W.Keller  The University of Tulsa,Department of Mechanical Engineering
真田和昭   富山県立大学 工学部 機械システム工学科 准教授
Kathleen S. Toohey  RoseHulman Institute of Technology,Department of Mechanical Engineering
安藤柱    横浜国立大学 工学研究院 機能の創生部門 名誉教授
高橋宏治   横浜国立大学 工学研究院 機能の創生部門 准教授 
中尾航    横浜国立大学 学際プロジェクト研究センター 特任教員(助教)
三橋博三   東北大学大学院 工学研究科 都市・建築学専攻 教授
Henk M.Jonkers  Delft University of Technology,Faculty of Civil Engineering & Geosciences,Department of Materials & Environment
矢吹彰広   広島大学 大学院工学研究科 准教授   
笠井秀明   大阪大学 大学院工学研究科 精密科学・応用物理学専攻 教授
岸浩史    大阪大学 大学院工学研究科 精密科学・応用物理学専攻 特任研究員
山本祥三   日産自動車(株) 車体技術開発部 塗装・防錆開発グループ 主管
石川哲    (有)メタライザーコーポレーション
長屋幸助   群馬大学 名誉教授
上西真里   ダイハツ工業(株) 先端技術開発部 テクニカル・エキスパート
田中裕久   ダイハツ工業(株) 先端技術開発部 エグゼクティブ・テクニカル・エキスパート
中谷雅彦   日本発条(株) 研究開発本部 知的財産部 主管
宮坂明博   新日本製鐵(株) フェロー
細田暁    横浜国立大学 大学院環境情報研究院 准教授
桂修     北海道立北方建築総合研究所 居住科学部 主任研究員 
谷口円    北海道立北方建築総合研究所 生産技術部 技術材料開発科 研究職員 
佐川孝広   日鐵セメント(株) 技術部 研究開発グループ 副主幹研究員 
濱幸雄    室蘭工業大学大学院 工学研究科 くらし環境系領域 教授
植田実    (株)サンクレスト 代表取締役社長

執筆者の所属表記は、2010年当時のものを使用しております。

目次

序論 自己修復材料とは―自己修復材料の機能と目的、国内外の研究と実用化の現状― 
1. 何故、今、自己修復材料なのか
2. どのような損傷がどのように自己修復されるか
3. 欧米における自己修復材料の研究開発
4. 我が国における自己修復材料の研究開発と実用化
5. 今後期待される自己修復材料の役割


第I編 自己修復材料研究の最前線

【高分子編】

第1章 自然や伝統から見た材料の自己修復と分子レベルの基礎現象 
1. 自然に学ぶ劣化と信頼性
1.1 天然材料の寿命と人工物
1.2 防御と修復
1.3 生物の防御機構―能動防御と受動防御
1.4 能動防御の機構
1.5 人工物の紫外線防御
1.6 生物における馴化と総合的な防御
1.7 生物同士の戦いと自然に学ぶ防御系の難しさ
2. 伝統と異種文化に学ぶ
2.1 古い材料が古くならない伝統材料の理由
2.2 アイヌ文化に学ぶ
3. 人工的自己修復高分子材料
3.1 具体例としてのPPEおよびPCの自己修復反応
3.2 自己修復と信頼性

第2章 Remendable Polymer Systems
1. Introduction
2. Remendable Materials
2.1 Reversible Covalent Interactions
2.1.1 Diels-Alder and retro Diels-Alder Systems
2.1.2 Photocyclization Systems
2.2 Reversible Non-Covalent Interactions
2.2.1 Hydrogen Bonding Systems
2.2.2 Ionic Bonding Systems
2.2.3 Metal-Ligand Coordination Systems
2.2.4 Other Labile Bonds
2.3 Methods for Damage Detection and Initiation of Repair
3. Conclusions and Future Outlook

第3章 Ballistic and Other Self-healing Behaviours in Thermoplastic Copolymersand Ionomers
1. Introduction
2. Materials
3. The Ballistic Self-Healing Model
4. Exploring the Healing Mechanism
4.1 Background
4.2 Early studies
4.3 Recent Work
5. Cut-Healing
5.1 Diffusional Healing of Thermoplastic Polymers
5.2 Cut-Healing/Welding in EMAA
5.3 Supramolecular Polymers and Hydrogen Bonding
6. Conclusions

第4章 Encapsulation-Based Self-Healing Materials
1. Healing Chemistries
2. ROMP-Based Chemistries
3. Epoxy-Based Chemistries
4. Siloxane-Based Chemistries
5. Catalyst-Free Systems
6. Microencapsulation Techniques for Self-Healing Materials
7. Mechanical Characterization of Microcapsule-Based Self-Healing Materials
8. Dynamic Environments
9. Outlook and Summary

第5章 繊維強化高分子材料の自己修復
1. はじめに
2. 自己修復性を有するFRPの開発動向
2.1 中空繊維に液体の修復剤を閉じ込める方法
2.2 マイクロカプセルに液体の修復剤を閉じ込める方法
2.3 マトリックスに固体の修復剤を直接分散させる方法
3. 界面剥離自己修復性を有するFRPの開発
3.1 界面剥離自己修復性付与の手法
3.2 強度回復効果の検証
3.3 強度回復効果向上のための微視構造最適化
4. おわりに

第6章 Self-healing with Microvascular Networks
1. Background & Motivation
2. Manufacturing microvascular networks
3. Healing a coating on a vascularized material
3.1 Single Network
3.2 Multiple Networks
3.2.1 Healing Chemistry
3.2.2 Sub-divided network
3.2.3 Interdigitated networks
4. Healing within a vascularized material
5. Healing of a Composite Structure
6. Current and Future Challenges
6.1 Network Design Optimization
6.2 Reinforced Microchannels
6.3 Improved Healing Performance
6.4 Microfluidic Controls
6.5 Concluding Remarks

【セラミックス・コンクリート・金属編】

第1章 高温用セラミックスの表面き裂の自己治癒とその応用による品質保証
1. はじめに
2. ナノ複合材料とマルチ複合材料
3. セラミックスの基本的なき裂治癒挙動
3.1 き裂治癒の基本機構
3.2 き裂治癒挙動の酸素分圧および温度依存性
3.3 き裂治癒挙動および強度のき裂長さ依存性
4. き裂治癒材の高温強度特性
5. 機械加工材のき裂治癒挙動
6. セラミックスの稼働中のき裂治癒挙動
7. 保証試験による内部欠陥に対する品質保証
8. セラミックス要素の全寿命期間における品質保証方法
9. おわりに

第2章 コンクリートの自己修復
1. はじめに
2. 自己修復機構の分類
3. 自己修復コンクリートの開発
3.1 パッシブ型自己修復コンクリート
3.2 アクティブ型自己修復コンクリート;破損部発熱センサーを用いた自己修復コンクリートの開発
4. コンクリートの自己治癒型修復特性とその利用
5. おわりに

第3章 Self-healing of cracks in concrete using a bacterial approach
1. Summary
2. Introduction
3. Viable bacteria as self healing agent
4. Autonomous crack repair of bacteria-based self-healing concrete
5. Discussion and conclusion

第4章 金属材料の機械的損傷の自己修復
1. はじめに
2. アルミニウム合金の疲労損傷の自己修復
2.1 疲労クラックの生成と自己修復の素過程
2.1.1 疲労損傷の生成と形態
2.1.2 疲労キャビティ・クラックの自己修復素過程
2.2 アルミニウム合金の疲労損傷の自己修復メカニズム
2.2.1 析出物の堆積による疲労キャビティ・クラックの閉口
2.2.2 析出に伴う体積膨張による疲労キャビティ・クラックの閉口
2.2.3 析出物の転位上への動的析出による連続的な強化
2.3 アルミニウム合金の疲労キャビティ・クラックの自己修復効果と問題点
2.3.1 アルミニウム合金の疲労損傷自己修復効果
2.3.2 アルミニウム合金の自己修復効果の実用性
3. 耐熱鋼のクリープ損傷の自己修復
3.1 耐熱鋼の破壊原因となるクリープキャビティ
3.2 焼結によるクリープキャビティの自己修復
3.3 クリープキャビティ表面への偏析および析出による自己修復
3.3.1 クリープキャビティの成長メカニズム
3.3.2 クリープキャビティ表面の表面拡散制御のための偏析および析出
3.4 クリープキャビティ表面へのB偏析による自己修復効果
3.4.1 微量元素の偏析
3.4.2 クリープキャビティ表面へのB偏析による自己修復
3.4.3 B偏析自己修復のクリープ破断性質への影響
3.5 クリープキャビティ表面へのBN析出による自己修復効果
3.5.1 真空中加熱による外部表面へのBN析出
3.5.2 引っ張り試験により形成される引っ張りキャビティ表面へのBN析出
3.5.3 クリープキャビティ表面へのBN析出による自己修復効果
3.5.4 クリープキャビティ自己修復によるクリープ破断特性の向上
4. 期待される金属材料の機械的損傷の自己修復

【コーティング・触媒編】

第1章 コーティングによる金属表面の自己修復
1. はじめに
2. 金属の腐食、防食
3. 自己修復コーティング
3.1 コーティングとは
3.2 コーティングによる自己修復
3.3 自己修復コーティングの開発思想
3.3.1 修復剤
3.3.2 コーティングの構造
3.3.3 修復のドライビングフォース
3.4 自己修復の評価方法
4. 自己修復コーティングの開発例
4.1 自己修復性ポリマーコーティング
4.2 フッ素化合物を用いた自己修復薄膜処理
4.3 無機微粒子と有機修復剤による自己修復コーティング
5. 今後の展開

第2章 ナノ粒子自己形成触媒の構造モデルの探索―計算機マテリアルデザイン先端研究事例―
1. 計算機マテリアルデザイン
2. 元素戦略プロジェクト
3. ナノ粒子自己形成触媒とは
4. 固溶・析出によるナノ粒子自己形成触媒の構造変化
5. 貴金属代替材料を見出すためのスクリーニング―固溶・析出に伴う安定性変化の比較―
6. ナノ粒子自己形成触媒による脱貴金属の実現に向けて―NOx還元活性の向上―
7. 総括


【第II編 自己修復材料の実応用化・商品化の事例】

事例1. 自動車ボディーへの自己修復塗装の適用
1. まえがき
2. 自動車ボディー塗装
3. 開発の背景
4. 塗膜設計
5. 検証
6. あとがき

事例2. エンジン内部の鉄の自己修復
1. 不思議な鉱石
2. 金属修復の概要
3. 製品の紹介
4. 今後の展開

事例3. 自己修復自動車タイヤ
1. 自己修復タイヤのニーズ
2. タイヤの構造と自己修復の原理
3. 自己修復パット(シーラント層)の製造方法
4. 基礎的空気漏洩試験
5. タイヤでの実装試験
6. 動的特性

事例4. インテリジェント触媒
1. はじめに
2. インテリジェント触媒の研究開発と実用化
2.1 インテリジェント触媒の設計と耐久性能
2.2 自己再生機能の解明
2.3 インテリジェント触媒の実用化開発
2.3.1 自己再生機能の動的解明
2.4 他の貴金属への発展
3. おわりに

事例5. き裂治癒能力を応用したセラミックばねの品質保証
1. はじめに
2. セラミックばねの種類
3. 「き裂治癒+保証試験」によるセラミックコイルばねの信頼性保証
4. 高温でのセラミックコイルばねの品質保証(保証応力の温度依存性)
5. おわりに

事例6. 自己修復耐食鋼および耐候性鋼
1. はじめに
2. 不動態型耐食材料
3. 耐候性鋼

事例7. コンクリートのひび割れの自己治癒/自己修復
1. 構造材料としてのコンクリートに期待される治癒/修復とは
2. 自己治癒/修復コンクリートの定義
3. 自己治癒/修復コンクリート技術の現状
3.1 自然治癒
3.2 自律治癒
3.3 自動修復
4. コンクリート分野における今後の展開と期待

事例8. フライアッシュを使用した自己修復コンクリートの実用化
1. はじめに
2. 修復対象となるひび割れと自己修復
2.1 修復対象となるひび割れ
2.2 フライアッシュを使用した自己修復コンクリート
2.2.1 修復の機構とセメント、フライアッシュの反応
2.2.2 自己修復コンクリートの調合設計
3. ポテンシャルとしての自己修復性能
4. 実環境での自己修復コンクリート
5. まとめ

事例9. 自己修復遮水シート
1. 遮水シートのニーズ
2. 本シートの自己修復のメカニズム
3. 本シートの基礎的特性試験
3.1 試験片の構造
3.2 ポンチ径と亀裂長さの関係
3.3 本遮水シートの自己修復特性と漏水圧の検討
3.4 穴の自己修復の状態
3.5 吸水ポリマーの乾燥による影響
4. 本シートの実用化への対応
4.1 吸水ポリマーの接着剤による接着法
4.2 吸水ポリマーの熱圧着による接着法
4.3 遮水シートの製作

事例10. 自己修復液晶画面保護フィルム
1. 液晶画面キズ自己修復フィルム(マジックフィルム)
2. マジックフィルムの自己修復メカニズム
3. マジックフィルム開発の経緯
3.1 サンクレスト社(目を守る企業)
3.2 こんにゃくが開発のきっかけ
3.3 マスコミの宣伝効果
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