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マグネシウム合金の成形加工技術の最前線

★マグネシウム合金展伸材に関する内容が充実!
★変形機構,塑性加工プロセス,および研究開発動向に関する章も設けた!
★マグネシウム合金の実用化を推進していくうえでの最新レポート!

商品コード:
T0430
監修:
鎌土重晴・小島陽・小原久
発行日:
2005年2月
体裁:
B5判・387頁
ISBNコード:
978-4-88231-486-8
価格(税込):
77,000
ポイント: 700 Pt
関連カテゴリ:
新材料・新素材
新材料・新素材 > 無機・金属材料
新材料・新素材 > 製造・加工プロセス

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キーワード:

マグネシウム合金産業の動向/材料特性/ マグネダイカスト成形/射出成形/塑性加工/切削加工/接合/表面処理/塗装/安全対策/リサイクル/輸送機器/電子・電気部品/日本市場/中国市場特許動向

刊行にあたって

 マグネシウムは構造用実用金属材料の中で最も密度が小さく,アルミニウム合金とほぼ同密度の強度を有し,かつリサイクルが容易であることから,環境に優しい21世紀のキーマテリアルとして期待されている。その歴史をみると,アルミニウムとほぼ同時期に発見され,かつ純金属への製錬に成功しながら,アミニウムは自動車,建築,航空機等へと大きく羽ばたいているのに対して,マグネシウムは他金属,特にアルミニウム合金への添加剤,還元剤あるいは脱硫剤など非構造物的用途が主であった。その理由として,燃えやすく,腐りやすいという先入観があったことが大きい。そのため,1990年以前には防衛庁向け航空機およびヘリコプター部品,自動車用シリンダーヘッドカバー,業務用ビデオカメラの筐体等の特殊な部材にしか使用されていなかった。今日では,不純物としてのFe,Cu等をppmオーダーまで少なくすることにより耐食性が大幅に改善され,1990年代初頭から国内ではミニディスク,携帯電話,デジタルカメラ,ノートパソコン等の電子機器の筐体へ,欧米ではインスツルメントパネル,シートフレーム,サンルーフ枠,トランスミッシュンケース等の大型自動車部品など,民生用部品への適用が飛躍的に伸びてきた。
 その需要増に対応するように,より高性能な部材創製を目指した研究開発も産業界,大学等の研究機関で積極的に進められている。ドイツでは1995年からSFB390プロジェクト,「マグネシウムに関する特定領域研究」の支援のもと2大学を拠点として全体で56の大学が参画し,重点的に研究が進められた。その後もマグネシウム合金の合金開発,素材製造プロセス,ダイカスト技術,塑性加工プロセス,接合,切削加工,表面処理に至る実用化・事業化を目指した広範囲な産学官連携研究開発プロジェクトが,ドイツ連邦教育・研究省(BMBF),ドイツ学術協会(DFG),欧州全体からの支援のもとにそれぞれ16件,16件および12件,合計44件も立上り,そのうち約半分は今なお継続中である。その成果もあり,自動車部品へのマグネシウム合金ダイカスト材,展伸材の応用は最も進んでいると言える。一方,米国では2003年にThe US Automotive Materials Partnershiip(USAMP)の中で,エンジンブロック,トランスミッションケース,オイルパン等のエンジン周りの部品に絞り,新規に共同開発する耐熱・耐食ダイカスト用マグネシウム合金を用いて設計・製作するためのMagnesium Powertrain Cast Conponents Project(MPCC)を材料供給メーカー7社,ダイカストメーカー10社,リサイクルメーカー2社を含め,合計42社+2団体(国際マグネシウム協会,北米ダイカスト協会)が立上げ,強力な連携のもとに研究開発を推進している。
 国内でも,世界に先駆けて1991年に日本マグネシウム協会を設立し,業界への地道な支援活動を続けてきた。さらに,1999年には今後の地球規模の環境問題解決という社会要請に答えるべく文部科学賞科学研究費特定領域研究として「高性能マグネシウムの新展開」を立上げ,応用展開を見据えた基盤的研究を11大学・研究機関が連携し,マグネシウムの本質的理解から始まり,高性能マグネシウム合金の発見,アップグレードリサイクルをも包含した固相合成等のプロセス技術等のシーズを生み出した。その成果を生かすべく,文部科学賞,経済産業省,新エネルギー・産業技術総合開発機構,中小企業総合事業団,科学技術振興機構等の産学官連携による開発研究のための競争的資金を数多く獲得し,更に広がりのある展開研究がなされてきている。これらの内容は,前述したドイツにて継続的に進められている研究開発内容にもほぼ一致するが,基礎研究からのシーズを基に計画されており,その成果は短期間で達成されるものと予測され,実用化が大いに期待できる。
 シーエムシー出版では21世紀を見据え,世に先んじて「マグネシウム合金の応用と成形加工技術」と題して2001年に発刊した・その内容はそれまでの時代背景を反映し,合金開発・評価,鋳造プロセス等が主であった。ここ3年間で立上がったマグネシウム合金に関する産学官連携プロジェクトは20件以上と多く,その大半はマグネシウム合金伸材に関するものであり,スラブ,ビ等の素材製造プロセスから圧延,押出し,引抜き,プレス等のプロセス技術までの広範囲に亘り,その成果として一部には既に実用化・事業化されている例もある。大型プロジェクトが進みつつある中,既に世界トップレベルの品質を実現しつつあり,量産化に伴うコスト削減を図れば,その相乗効果により電子機器筐体,自動車産業への需要増も高望みではないような気がしている。

 以上のような時背景を踏まえ,本書「マグネシウム合金の応用と成形加工技術の最前線」では,既存のマグネシウム合金およびその成形加工技術の展開に加え,マグネシウム合金展伸材に関する内容も充実させることとし,マグネシウム合金の変形機構,塑性加工プロセス,応用およびその研究開発動向に関する章も設けた。我が国の第一線の研究者および技術者がそれぞれの専門分野を担当し,材料,成形プロセス,設計という基礎から応用まで多面的な角度から執筆いただいた。これを機にマグネシウム合金に関する研究開発はさらに活性化し,応用範囲が一層拡大することを期待する。
 終わりに,お忙しい中,ご協力いただいた執筆者各位に厚く御礼申し上げるとともに,企画,編集,出版にあたり,ご尽力いただいた(株)シーエムシー出版部の各位に感謝する。 
2005年2月 長岡技術科学大学 鎌土重晴

著者一覧

鎌土重晴   長岡技術科学大学 機械系 教授
二宮隆二   三井金属鉱業(株) 総合研究所 企画室 室長補佐
武谷健吾   (株)日本製鋼所 マグネシウム事業部 開発担当課長
小池淳一   東北大学 大学院工学研究科 知能デバイス材料学専攻 教授
高津正秀   大阪府立大学 大学院工学研究科 材料工学分野 講師
伊藤荿   伊藤技術士事務所 技術士
渋谷将行   (株)住友金属直江津 技術部 技術開発室 参事
村井勉   三協アルミニウム工業(株) マグネシウム事業推進室 テクニカルマネージャー
大石幸広   住友電気工業(株) エレクトロニクス・材料研究所 ナノマテリアル研究部 主査
山崎栄一   新潟県工業技術総合研究所 企画管理室 専門研究員
原田雅行   寿金属工業(株) 開発技術部 課長
長谷川収   東京都立工業高等専門学校 機械工学科 講師
木村茂樹   日本工作油(株) 技術部 取締役技術部長
小川誠   芝浦工業大学 工学部 機械工学第二学科 教授
宮下幸雄   長岡技術科学大学 工学部 機械系 助手
高谷松文   千葉工業大学 工学部 機械サイエンス学科 教授
平島保雄   (株)軽銀 代表取締役
永井修次   東京都立工業高等専門学校 機械工学科 教授
馬渕守   京都大学 エネルギー科学研究科 教授
千野靖正   (独)産業技術総合研究所 サステナブルマテリアル研究部門 研究員
讃井宏   大陽日酸(株) ガス利用技術部 応用技術課 副参事
神戸洋史   日産自動車(株) パワートレイン技術開発試作部 鋳造技術主管
小池俊勝   ヤマハ発動機(株) 研究創発センター コア技術研究室 材料グループ グループリーダー
笹嶋幹雄   (財)次世代金属・複合材料研究開発協会 複合材料技術部 兼 金属材料技術部 主幹研究員
白土清   松下電器産業(株) パナソニックAVCネットワークス社 ITプロダクツ事業部 テクノロジーセンター 機構設計チーム チームリーダー(参事)
山下紘治   サンアローモバイルデバイス(株) 取締役 技術部長
三戸部邦男   東北パイオニア(株) スピーカ事業部 統括技術部 開発技術部 部長
佐藤政敏   東北パイオニア(株) スピーカ事業部 統括技術部 開発技術部 課長
富山博之   東北パイオニア(株) スピーカ事業部 第一設計部 設計3課
平賀仁   (財)新潟県中央地域地場産業振興センター 総務部 アクションプラン推進室 課長
小原久   日本マグネシウム協会 専務理事
孟樹昆   中国マグネシウム協会(CMA)
呉秀銘   中国マグネシウム協会(CMA)
井藤忠男   ENKEI ALUMINIUM PRODUCTS(CHINA) CO.,LTD(上海在住)
虫明守行   森村商事(株) 金属1部 テクニカルマネージャー
吾孫子輝一郎   (有)JET総合研究所 代表取締役

目次 +   クリックで目次を表示

I編 総論

第1章 マグネシウム合金産業の動向(鎌土重晴)

1. はじめに
2. マグネシウムの需要と供給
3. 日本におけるマグネシウム製錬
4. マグネシウムの製品開発
5. おわりに

第2章 マグネシウム合金の材料特性(鎌土重晴)
1. はじめに
2. マグネシウムの特徴
2.1 物質的性質
2.2 化学的・電気的性質
2.3 その他の性質

第3章 マグネシウム合金の種類と用途(鎌土重晴)
1. はじめに
2. 構造用マグネシウム合金の特性と用途
2.1 鋳造用マグネシウム合金
2.1.1 砂型および金型鋳造用マグネシウム合金
2.2 展伸用材料
3. その他の用途例
3.1 添加剤
3.2 金属還元剤
3.3 防食用アノード
3.4 水素吸蔵合金
3.5 その他

第4章 マグネシウム合金の応用(鎌土重晴)
1. 携帯用電子機器への応用
2. 自動車用部品への応用

II編 マグネシウム合金の加工技術

第1章 マグネダイカスト成形技術(二宮隆二)
1. 高圧ダイカスト法
2. その他のダイカスト法
2.1 ノルスク法
2.2 差圧鋳造法
3. ダイカスト製品例

第2章 チクソモールディングによるマグネシウム合金の射出成形技術(武谷健吾)
1. はじめに
2. 射出成形機と付帯設備
3. 射出成形作業
4. 金型
5. 成形品の特徴
6. 欠陥とその対策
7. 新技術の適用
7.1 ホットランナ
7.2 ロングノズル
8. 今後の展望

第3章 塑性加工技術
1. 塑性変形機構(小池淳一)
1.1 はじめに
1.2 転位すべり
1.3 ミクロ降伏とマクロ降伏
1.4 双晶と破壊
1.5 粒界すべり
1.6 おわりに

2. 成形性とその評価(高津正秀)
2.1 n値,r値で評価できない理由(延性金属材料との違い)
2.2 展伸材の組織と特性
2.3 プレス成形性(板金プレス)とその評価
2.4 その他の成形法と成形性

3. 造塊技術(スラブ・ビレットの製造)(伊藤?普j
3.1 はじめに
3.2 溶解
3.2.1 溶解炉,ルツボ材質および加熱法
3.2.2 介在物,金属間化合物の物離沈降
3.2.3 メタル移送
3.2.4 結晶微細化処理
3.2.5 脱鉄処理
3.3 造塊
3.4 鋳塊の欠陥

4. 圧延(渋谷将行)
4.1 はじめに
4.2 合金種
4.3 スラブ
4.4 熱間圧延
4.5 仕上げ圧延
4.6 圧延条件と品質

5. 押出加工法(村井勉)
5.1 はじめに
5.2 マグネシウム合金ビレット
5.3 押出設備と押出加工の操業上の注意点
5.4 マグネシウム合金の押出用ダイス
5.5 マグネシウム合金の押出条件と内部組織
5.6 押出形材の例と押出形材の塑性加工

6. 引抜き加工(大石幸広)
6.1 引抜き加工
6.2 マグネシウム合金の引抜き
6.3 ワイヤ引抜き
6.4 パイプ引抜き
6.5 引抜き材の用途

7. プレス加工(山崎栄一)
7.1 はじめに
7.2 温間絞り加工
7.3 温間絞り用金型
7.4 マグネシウム合金の温間絞り加工
7.5 絞り加工用マグネシウム合金
7.6 温間絞り加工の潤滑
7.7 マグネシウム合金のプレス加工による試作例

8. 鍛造加工(原田雅行)
8.1 鍛造用材料
8.2 鍛造設備
8.3 鍛造方法
8.4 鍛造作業
8.5 検査

9. 曲げ加工(長谷川収)
9.1 曲げ加工方法
9.2 曲げ加工限界
9.3 円官の曲げ加工事例

10. 潤滑剤(木村茂樹)
10.1 はじめに
10.2 マグネシウム合金板のプレス加工の問題点
10.3 潤滑剤の種類
10.4 マグネシウム合金板のプレス加工に適した潤滑剤
10.5 まとめ

第4章 切削加工技術(小川誠)
1. マグネシウム合金の切削特性
1.1 切削における切りくず生成
1.2 マグネシウム切りくずの生成形態
2. 施削・バイト切削加工
2.1 切りくずの燃焼
2.2 仕上げの再性状
3. ドリル切削

第5章 接合技術(宮下幸雄)
1. はじめに

2. マグネシウム合金の溶融溶接
2.1 MIG溶接
2.2 TIG溶接
2.3 レーザ溶接
2.4 レーザ・アークハイブリッド溶接
2.5 溶融溶接における予熱,溶接後の熱処理および接合体の特性
3. 固相接合
4. ろう接合
5. 機械的締結法
6. 接着
7. 異種金属接合

第6章 マグネシウムの表面処理技術(高谷松文)
1. はじめに
2. マグネシウムの腐食
3. マグネシウムの純度と組成による腐食
4. 表面処理技術
4.1 マグネシウムの表面処理
4.2 前処理および酸洗
4.3 化成および陽極酸化処理
4.3.1 ノンクロム化成処理
4.3.2 陽極酸化処理
4.4 その他の表面処理
5. おわりに

第7章 Mg合金を活用した塗装技術(平島保雄)
1. はじめに

2. 素材(成形)の表面欠陥(凹凸)の修正方法について

3. 代表品目(携帯,パソコン,デジカメ)の塗装について
3.1 携帯電話機
3.2 パソコン筺体
3.3 デジタルカメラ部品点数3点
4. 代表品目(携帯電話,パソコン,デジカメ)による塗装条件
5. まとめ

4. おわりに

第8章  マグネシウム合金に関する研究開発動向(鎌土重晴)
1. はじめに
2. ダイカスト用耐熱マグネシウム合金
3. 温間拘束強加工を用いたマグネシウム合金の結晶粒細化+動的析出による高強度・高延性化および超塑性の発現
4. 高強度ナノ結晶Mg97Y2Zn1合金
5. 反復式塑性加工を利用した固相反応プロセスによる高性能化
6. 展伸材におけるMn添加量の最適化

III編 マグネシウム材料の安全対策とリサイクル

第1章 安全対策(永井修次)
1. はじめに
2. 各種機械加工を安全に行うための留意点
2.1 取扱い場所の環境整備
2.2 機械加工を行う留意点
2.3 微粉に対する留意点
3. 微粉,切粉の取り扱いおよび保管
3.1 微粉
3.2 切粉
4. マグネシウム切粉と微粉の燃焼
5. 消化作業
5.1 消化剤
5.1.1 水(使用厳禁)
5.1.2 粉末
5.1.3 消化器
6. 細菌の事故例を見て

第2章 リサイクル
1. 液相リサイクル(伊藤?普j
1.1 はじめに
1.2 スクラップの再生事業
1.3 スクラップ源
1.3.1 成形工程からのスクラップ再生
1.3.2 廃車などからのスクラップ再生
1.3.3 パソコンからのスクラップ再生
1.4 再生法
1.5 品質評価法
1.6 品質管理

2. 固体リサイクル(馬渕守,千野靖正)
2.1 はじめに
2.2 チクソキャストスクラップの固体リサイクル
2.3 切削屑の固体リサイクル
2.4 おわりに

第3章 新マグネシウム合金溶湯用カバーガス(讃井宏)
1. はじめに

2. Fluorokentonesの一般性状
2.1 化学構造
2.2 基本物性
2.3 環境特性
2.4 SF6代替物質との比較

3. 新カバーガス「エムジーシールド」について
3.1 供給方法
3.2 特長

4. 評価実績
4.1 試験方法
4.2 試験手順
4.3 試験結果
4.4 ガス分析

5. エムジーシールドの導入にあたって
5.1 希釈ガス
5.2 ノズル
5.3 巻き込み空気量の削減

6. おわりに

IV編 応用

第1章 輸送機器への応用
1. 自動車部品への応用(神戸洋史)
1.1 自動車を取り巻く状況と軽量化の流れ
1.2 マグネシウム合金ダイカストの特徴
1.3 従来から適用されているマグネシウム部品
1.4 最近マグネシウム合金の適用が増加してきた部品
1.5 今後の方向と課題

2. 二輪車への応用(小池俊勝)
2.1 はじめに
2.2 二輪車へのマグネシウム部品の適用例
2.3 二輪車へのマグネシウム部品使用上の留意点
2.3.1 耐食性
2.3.2 高温特性
2.4 おわりに

3. 航空機部材への応用(笹嶋幹雄)
3.1 はじめに
3.2 機体材料へのニーズ
3.3 航空機材料としてのマグネシウムの適用状況
3.4 マグネシウム合金航空機用部材の開発
3.4.1 マグネシウム合金航空機用鋳造部材の開発
3.4.2 次世代マグネシウム粉末合金部材の開発
3.5 おわりに

第2章 電子・電気部品への応用
1. マグネシウム合金のノートパソコンへの応用(白土清)
1.1 はじめに
1.2 Panasonicのノートパソコン設計コンセプト
1.2.1 堅牢ノートパソコン「Tough Book」シリーズ(Field Mobile PC Design Concept)
1.2.2 軽量・長電池駆動のノートパソコン「Let's note」シリーズ
1.3 マグネシウム合金のPanasonicノートパソコンへの活用
1.3.1 マグネシウム合金の特徴と活用思想
1.4 具体的な軽量化設計技術への応用
1.4.1 軽量化目標の設定(薄肉筺体での軽量化推進)
1.4.2 Panasonicノートパソコンの軽量化設計と耐久設計を両立させる筺体構成
1.5 Panasonicノートパソコンにおけるマグネシウム合金筺体薄肉化への歩み
1.6 ダイキャスティングによる超薄肉筺体の量産化推進
1.6.1 超薄肉化への具体的な設計配慮
1.7 プレスフォーミングによる超薄肉筺体の量産化事例
1.7.1 マグネシウムプレス工法の開発理由と設計上のポイント
1.7.2 プレス用ワーク材の製造工程
1.7.3 プレスフォーミング加工について
1.8 おわりに

2. 携帯電話への応用(山下紘治)
2.1 はじめに
2.2 携帯電話の市場動向
2.3 携帯電話への応用
2.3.1 マグネシウム合金を使った初期の携帯電話
2.3.2 マグネシウム合金を使った携帯電話の変遷
2.3.3 最近の携帯電話における各社の利用例
2.3.4 筺体材料としてのマグネシウム合金の特徴
2.4 軽量化,小型化,高信頼性の実現技術
2.4.1 携帯電話の技術体系
2.4.2 最適設計
2.5 ものづくり技術
2.5.1 成形―整形システム化
2.5.2 製造プロセスとその対応
2.6 今後の展望と課題
2.6.1 生産数量増大への対応
2.6.2 低コスト化
2.6.3 現行のダイカスト,チクソモールディングによる,ものづくり軽視の問題
2.6.4 マグネシウムのプレス品への移行の課題
2.7 おわりに

3. マグネシウム材料のスピーカへの応用(三戸部邦男,佐藤政敏,富山博之)
3.1 はじめに
3.2 スピーカ振動板へ要求物性とは
3.3 マグネシウム振動板への目標設定
3.4 マグネシウム素材の音響的長所
3.5 マグネシウム振動板の実用化の課題
3.5.1  薄肉部品成型と腐食防止
3.5.2  薄膜化技術とプレス加工
3.5.3  防錆処理の開発
3.5.4  量産化振動板の実現
3.6 マグネシウム採用ツイータの特徴
3.7 マグネシウム振動板の今後の取組み-高性能化と普及化-
3.8 スピーカの他の部品展開

第3章 その他(工具,車いすなど)(平賀仁)
1. 新潟県県央地域でのマグネシウム合金塑性加工の取り組み
2. マグネシウム軽量ペンチ((株)涌井製作所)
3. マグネシウムラチェットレンチ((株)トップ工業)
4. 介助用車いす

V編 市場

第1章 日本市場の動向(小原久)
1. はじめに
2. マグネシウムの需給動向
2.1 マグネシウムの需要推移
2.2 マグネシウムの供給
2.2.1 マグネシウム地金メーカー
2.2.2 マグネシウム展伸材メーカー
2.2.3 マグネシウム鋳造・射出成形メーカー
3. 主要なマグネシウム需要分野の動向
3.1 自動車部品マグネ化の現状
3.2 携帯機器マグネ化の現状
4. おわりに

第2章 中国におけるマグネシウム応用市場の進展(孟樹昆,呉秀銘,井藤忠男 訳)
1. 中国マグネシウム産業の進展状況と主な問題点
1.1 マグネシウム生産と輸出(2003年)
1.2 急激な発展時における新しい局面
1.3 主要課題(問題点)
1.3.1 製品品質の不安定;技術低レベル
1.3.2 エネルギー問題(エネルギー調整)
1.3.3 製造技術及び応用の遅滞
1.3.4 環境保護,特に排出規制に対する意識欠如
2. 中国マグネシウム産業は輸出に頼ってはならない
2.1 一次マグネシウム製品の長期的大量輸出は中国マグネシウムの発展方向ではない
2.2 近年一次マグネシウム製品輸出は減少し,一次加工品マグネシウム製品の輸出が増加している
3. 中国マグネシウム応用市場の有望先行開発
3.1 一次Mg製造は技術,プロセス,装置,技術指標の新しい近代化のために,科学技術進歩が必要とされている;先行国内マグネシウム応用,安定性と信頼性の高いマグネシウム粒状物質の提供
3.2 製品構成調整と新製品開発(関連産業への応用に対しての選択,淘汰)
3.3 中国および外国における各種領域へのマグネシウム合金の応用と拡大
3.4 外国製ダイカストマシン導入,国産マグネシウム合金ダイカストマシン開発及び技術支援によるマグネシウム応用の拡大
3.5 政府方針と大局的政策(マグネシウム合金応用と生産促進への開発ロードマップ)
3.6 中国マグネシウム応用と産業化プロセスのスピードアップのために中国マグネシウム企業と共創する外国企業を歓迎

第3章 欧米の自動車部品その他へのマグネシウム合金利用の動向(虫明守行)
1. マグネシウムダイカスト品の生産量及び予測

2. マグネシウムの自動車への応用

3. エンジン部品
3.1 エンジンブロック
3.2 シリンダーヘッドカバー
3.3 インテイクマニフォールド

4. ミッション部品
4.1 オートマチックトランスミッション
4.2 マニュアルトランスミッション/クラッチハウジング

5. 内装部品
5.1 ハンドル
5.2 インストルメンタルパネル
5.3 シートフレーム/シートバック
5.4 ハンドブレーキレバー

6. ボディー部品
6.1 インナドアフレーム
6.2 ハッチバックドア
6.3 フロントエンド
6.4 リフレクター

7. まとめ

第4章 マグネシウム合金の特許動向(吾孫子輝一郎)
1. 概要
2. 抽出案件リスト