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月刊バイオインダストリー 2008年8月号

特集:微生物高機能化の最前線

商品コード: I0808

  • 発行日: 2008年7月12日
  • 価格(税込): 4,860 円
  • 体裁: B5判
  • ISBNコード: 0910-6545

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目次

特集:微生物高機能化の最前線


特集にあたって
小林達彦(筑波大学 大学院生命環境科学研究科 生物機能科学専攻 教授)


放線菌の育種改良に向けた新規遺伝子発現技術の開発
Development of Novel Expression Systems for Actinomyces
橋本義輝(筑波大学 大学院生命環境科学研究科 生物機能科学専攻 講師)
小林達彦(筑波大学 大学院生命環境科学研究科 生物機能科学専攻 教授)

 Rhodococcus rhodochrous J1株において、培地に誘導剤を添加すると、ニトリラーゼが選択的かつ著量に発現する。この強力な誘導発現系を利用して、応用微生物学上重要な菌群であるStreptomyces属放線菌や、Rhodococcus属放線菌で利用可能な新規誘導型大量発現系を開発した。

【目次】
1. はじめに
2. 工業生産菌Rhodococcus rhodochrous J1株のニトリル代謝酵素の誘導発現
3. Streptomyces属放線菌での誘導型新規大量発現系の開発
4. Rhodococcus属放線菌での誘導型新規大量発現系の開発
5. おわりに


細胞表層提示技術を用いた微生物の高機能化と有用物質生産
Production of Fuel and Chemicals utilizing Arming Microorganism
田中勉(神戸大学 自然科学系先端融合研究環 助教)
荻野千秋(神戸大学 大学院工学研究科 准教授)
近藤昭彦(神戸大学 大学院工学研究科 教授)

 地球温暖化を防ぎ、また石油に代わる資源としてバイオマスの有効利用が求められている。本稿では、細胞表層提示技術により高機能化された微生物を用いて、様々なバイオマス資源からエタノールなどの燃料、および有機酸やアミノ酸などの化成品原料の生産プロセス開発について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 細胞表層提示技術
3. エタノール生産
3.1 デンプンからのエタノール生産
3.2 セルロースからのエタノール生産
3.3 ヘミセルロースからのエタノール生産
4. 乳酸生産
5. アミノ酸およびその誘導体生産
6. おわりに


耐熱性ポリリン酸キナーゼを用いたATP再生系と物質生産
ATP Regeneration and Biological Production of Phosphorylated Compounds using Thermostable Polyphosphate Kinase
廣田隆一(広島大学 大学院先端物質科学研究科 分子生命機能科学専攻 助教)
黒田章夫(広島大学 大学院先端物質科学研究科 分子生命機能科学専攻 教授)

 ATPとリン酸化酵素を利用したリン酸化合物生産は、産業的に有用な物質を合成できるバイオプロセスとして注目されている。筆者らは、ポリリン酸と耐熱性ポリリン酸キナーゼを用いたリン酸化合物生産のプラットフォームを構築した。このシステムは、ATP再生反応などリン酸ドナーを必要とした生物学的反応を利用するバイオプロセス構築の可能性を拡げ、同時に大幅なコスト削減をもたらすことが可能である。本稿では、そのシステムの原理と筆者らが実際に行ったリン酸化合物生産の2例について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 耐熱性ポリリン酸キナーゼ(PPKT)を使ったATP再生
2.1 Thermus thermophilus HB27 ppk遺伝子の取得と発現
2.2 PPKT発現大腸菌を利用したATP再生
3. PPKT発現大腸菌とポリリン酸を利用したリン酸化合物生産
3.1 ATP再生系を利用したフルクトース1,6-リン酸(FDP)合成
3.2 ポリリン酸依存性酵素を用いたグルコース1-リン酸(G1P)合成
3.3 反応の効率化にむけて
3.3.1 ATP再生系の改良
3.3.2 酵素発現量のコントロールによる反応系の最適化
4. おわりに


超好熱菌育種技術の開発と水素生産能の向上
Gene Manipulation Technology in Hyperthermophiles and its Application in Hydrogen Production
跡見晴幸(京都大学 大学院工学研究科 合成・生物化学専攻 准教授)
金井保(京都大学 大学院工学研究科 合成・生物化学専攻 助教)
今中忠行(立命館大学 生命科学部 生物工学科 教授)

 至適生育温度が80℃以上の超好熱菌は高温領域における発酵・生物変換・有用耐熱性酵素生産などの宿主として高いポテンシャルを持っている。筆者らは、超好熱始原菌Thermococcuskodakaraensisに対して、遺伝子の機能解明のツールとして、またその宿主としての有用性を高めるために特異的遺伝子破壊・導入系の開発を進めてきた。本稿では、T.kodakaraensisの遺伝子操作系について述べるとともに、それを利用した本菌の水素生産能力向上について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. Thermococcus kodakaraensis KOD1株
3. Thermococcus kodakaraensisの特異的遺伝子破壊系
4. T. kodakaraensisを用いた水素生産
5. 遺伝子組換えによる水素高生産株の育種
6. おわりに


環境汚染物質分解菌の高度利用のための基礎プラスミド学
Plasmid Biology for Innovative Utilization of Xenobiotic Degrading Bacteria
野尻秀昭(東京大学 生物生産工学研究センター 環境保全工学部門 准教授)
高橋裕里香(東京大学 農学生命科学研究科 応用生命工学専攻 修士課程)
内藤邦彦(東京大学 農学生命科学研究科 応用生命工学専攻 修士課程)
松本貴嗣(東京大学 農学生命科学研究科 アグリバイオインフォマティクス人材養成プログラム 特任研究員)
新谷政己(東京大学 生物生産工学研究センター 環境保全工学部門 特任助教)

 難分解性物質分解菌の多くは、分解酵素遺伝子群を接合伝達性プラスミド上に持つ。汚染浄化のために分解菌を使うには、現場で分解菌が働くのかが重要であるが、その環境でプラスミドがどう働くのかが基礎的情報として大きな意味を持つ。本稿では、今まで見過ごされてきたプラスミドの環境中での機能解明の試みを紹介する。

【目次】
1. 微生物への機能追加ツールとしてのプラスミドの重要性
2. 分解プラスミドが宿主に与える“分解力”の変化とプラスミドの運命
3. プラスミドが宿主染色体に与える影響の多様性
4. ナチュラルな機能性プラスミドを上手に使うために


見えない微生物とその機能を刺激する
―普遍的な環境因子との関わりに着目した新しい取り組み―
Stimulating Invisible Microbes and Their Functions―A New Approach Based on The Associations with General Environmental Factors―
上田賢志(日本大学 生物資源科学部 生命科学研究センター 准教授)
高野英晃(日本大学 生物資源科学部 生命科学研究センター 助手)
白鳥初美(日本大学 生物資源科学部 生命科学研究センター 研究員)
アスカー・ダラル(日本大学 生物資源科学部 生命科学研究センター 研究員)
和辻智郎(日本大学 生物資源科学部 生命科学研究センター 研究員)
別府輝彦(日本大学 生物資源科学部 生命科学研究センター 教授)

 生物の機能には特定の環境条件に応答して初めて作動するものがある。微生物の機能を最大限に引き出すためには、それらを培養系に反映させる必要があるが、そうした環境因子に関する知見は乏しく、増殖に必要な条件が不明なために分離さえできていない菌が多数存在する。この問題に対し、筆者らは意外な普遍因子の数々に焦点をあてた新しい取り組みをはじめている。

【目次】
1. 微生物探索における「限界」
2. 普遍的な環境因子に着目した微生物探索
2.1 炭酸ガス
2.1.1 見落とされてきた無機炭素の重要性
2.1.2 カルボニックアンヒドラーゼ欠損変異株に知る
2.1.3 炭酸ガス要求性は実は常識だった
2.1.4 炭酸ガスを要求する菌の探索
2.2 光
2.2.1 光に応答する転写制御因子の発見
2.2.2 光に依存したバクテリアの潜在的機能
2.2.3 三朝温泉の不思議
2.3 鉄イオン
2.3.1 シデロフォアの役割
2.3.2 デスフェリオキサミンの再発見
2.3.3 デスフェリオキサミンに依存する形質を示す菌株の探索
3. おわりに


クォーラムセンシングに基づいた微生物の新機能開発
Recent Development of Control Methods for Bacteria by using Cell-cell Communication in Bacteria
野村暢彦(筑波大学 大学院生命環境科学研究科 持続環境学専攻 准教授)

 細菌は情報伝達物質(シグナル物質)を自ら生産し、菌体外に分泌することによって細胞間でコミュニケーションをとっていることが明らかとなってきた。そのような細菌シグナル物質を利用あるいは制御することで、細菌の遺伝子発現の調節が可能となることがわかってきた。

【目次】
1. はじめに
2. クォーラムセンシング
2.1 グラム陰性細菌の言語
2.1.1 動物への感染におけるクォーラムセンシング
2.1.2 植物への感染におけるクォーラムセンシング
2.2 グラム陽性菌の言語
2.3 共通言語
3. 環境中におけるクォーラムセンシング
3.1 水処理におけるクォーラムセンシング
4. クォーラムセンシングの制御
4.1 シグナル物質の分解
4.2 シグナル物質あるいはレセプターの阻害
5. おわりに


BIO R&D
バイオマスを単一原料とした共重合ポリエステルの微生物合成
Microbial Synthesis of Copolyesters from Single Biomass
福居俊昭(東京工業大学 大学院生命理工学研究科 生物プロセス専攻 准教授)

 微生物が生合成するポリヒドロキシアルカン酸は生分解性バイオマスプラチックとしての利用が期待されているが、その実用化のためには、物性の優れた共重合体を安価な原料から効率よく生産しなければならない。本稿では、遺伝子組換え微生物による糖質を単一原料としたバイオポリエステル生合成について筆者らの取り組みを紹介する。

【目次】
1. 生分解性プラスチックとバイオマスプラスチック
2. ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)
3. 糖質を原料としたポリ(3-ヒドロキシブタン酸-co-3-ヒドロキシヘキサン酸)共重合体の微生物合成
4. 糖質を原料としたポリ(3-ヒドロキシブタン酸-co-3-ヒドロキシプロピオン酸)共重合体の微生物合成
5. 今後の展望


血液脳関門(Blood-brain barrier;BBB)のin vitro再構成系モデルの開発
Blood-Brain Barrier in vitro Reconstruction Model for Centrally-acting Drug Development
中川慎介(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科 薬理学 助教;ファーマコセル(株))
丹羽正美(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科 薬理学 教授;ファーマコセル(株))

 脳に作用する薬の開発には、血液脳関門(Blood-brain barrier;BBB)を越えて脳内へ移行することを確認する行程が必要である。試験管内で薬効が証明された有望な候補薬も、BBBを通過して脳内に移行しなければ治療薬にはなりえない。今回紹介するBBBキットTMは、BBBを構成する3種類の細胞を世界で初めて同時に培養したready-to-useな凍結培養製品(invitro BBB再構成モデル)であり、薬の脳内移行性を定量的に検証することができ、創薬過程の効率化や候補薬の量産化に貢献する。

【目次】
1. はじめに
2. 血液脳関門
2.1 血液脳関門における物質輸送制御
2.2 細胞間クロストークによる血液脳関門機能維持
2.3 血液脳関門と創薬
3. 血液脳関門in vitro再構成系モデル:BBBキットTM
3.1 BBBキットTMの構築
3.2 BBBキットTMの材質
3.3 BBBキットTMの凍結、解凍方法
4. BBBキットTMの使用例
4.1 薬物透過性試験
4.2 病態モデル
4.3 その他
5. おわりに


TOPICS

Suppliers'Day 2008に参加して
島田邦男(日油(株) ライフサイエンス事業部 ヘルスケア部 化粧品原料担当部長)
・Suppliers'Day
・米国化粧品事情


BIO BUSINESS

核酸の市場動向
Market of Nucleic Acids

【目次】
1. 概要
2. 用途
3. 市場規模
3.1 核酸(うま味)調味料の市場
3.2 健康食品用の市場
4. 企業動向
4.1 味の素
4.2 ヤマサ醤油
4.3 武田キリン食品
4.4 林化成
4.5 ジーンデザイン


BIO PRODUCTS

β-クリプトキサンチン
β-cryptoxanthin

【目次】
1. 概要
2. 製法
3. メーカー動向
4. 生理学的性質および有効性
4.1 発がん予防作用(臨床ヒト介入試験)
4.2 骨粗鬆症予防・改善作用
4.3 運動時抗疲労作用
4.4 体内吸収性
4.5 美白作用
5. 価格
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