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オーラルヘルスケア機能性食品の開発と応用 -アンチエイジングを目指した口腔ケアを中心に-

Oral Health Care and Anti-aging -Development and Application of Functional Food-

★口腔ケアによる生活習慣病を始めとする疾患予防について解説
★歯学研究者が有用食品素材の機能と効果を詳述
★食品、薬品メーカーによる応用製品の紹介

商品コード:
T0926
監修:
坂上宏
発行日:
2013年12月3日
体裁:
B5判・243頁
ISBNコード:
978-4-7813-0926-2
価格(税込):
62,700
ポイント: 570 Pt
関連カテゴリ:
食品
食品 > 保健機能食品

Review

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キーワード:

口腔ケアによる疾患予防/唾液メタボローム/口内炎/漢方薬/口腔ケア食品/プロバイオティクス/ドライマウス/バイオフィルム/歯周病/口臭予防/う蝕予防/有用性評価/タブレット/ポリフェノール/ゲッケイジュ葉/ユーカリ/クマザサ葉

刊行にあたって

歯周病の発症と糖尿病あるいは癌の発症が、関連することが多数の研究論文で報告され、口腔は、全身の健康状態を反映するものと考えられている。また、一般的に、歯の数が多いほど寿命が長く、咀嚼回数が多いほど認知症になりにくいことから、口腔ケアがいかに重要であるかが認識されようとしている。
最近、炎症を抑制することにより抗老化が誘導されるという画期的な研究報告がなされ、もしかしたら、抗炎症効果を有するポリフェノール類が、老化を逆行させる効果を発揮するのではないかという期待を我々に抱かせた。我々の身の周りには、抗加齢(アンチエージング)効果を発揮できそうな物質がポリフェノール以外にもたくさんある。そのような有効な物質を発掘するためには、天然界から抗加齢のある物質をできるだけたくさん網羅的に探索し、抗加齢効果を客観的に評価し、合格したものを市場に出していくといった地道なプロセスを繰り返すことが必要である。
本書は、大学における口腔ケアによる疾患予防、口腔ケア食品素材に関する基礎的な研究から、企業におけるオーラルヘルスケア機能性食品の開発と応用に関する取り組みの現状までを書く先生方にご執筆いただくことにより、今後の研究のあるべき方向性を模索するために企画された。本書が、この趣旨に沿い、この分野に携わる方、あるいは、この分野の研究に興味をお持ちの方に対して少しでもお役に立つことができるのなら幸いである。

(本書「はしがき」より抜粋)

著者一覧

坂上宏   明海大学 
松岡耕二   千葉科学大学 
佐々木啓子  千葉科学大学 
池田幸   昭和大学歯科病院 
村山純一郎   昭和大学 
渡部茂   明海大学 
杉本昌弘   慶應義塾大学 
佐藤和恵   昭和大学 
須永克佳   城西大学 
堀江憲夫   埼玉医科大学総合医療センター 
前原 潔   明海大学 
松岡隆史   (株)フレンテ・インターナショナル  
古賀泰裕   東海大学 
梁洪淵   鶴見大学
橋野恵衣   大阪大学大学院
清浦有祐   奥羽大学 
太養寺真弓   新潟県農業総合研究所 
大坪貞視   新潟県農業総合研究所 
八重垣健   日本歯科大学 
仲野道代   岡山大学大学院
今井奬   鶴見大学 
児玉悠史   (株)ロッテ  
小林隆嗣   江崎グリコ(株) 
田村幸吉   丸善製薬(株) 
山本正次   丸善製薬(株)
増田秀樹   小川香料(株)
田中智子   江崎グリコ(株) 
前田裕一   (株)ロッテ 
楊金緯   (株)常盤植物化学研究所 
上野慶一   (株)明治フードマテリア 
大越絵実可   明海大学 
松田友彦   オーピーバイオファクトリー 
田中庄二   明海大学 
松本勝   明海大学
安井利一   明海大学 
渡邊康一   三宝製薬(株)
北嶋まどか  (株)大和生物研究所 
堀内美咲   (株)大和生物研究所 
賈俊業   (株)大和生物研究所 
大泉浩史   (株)大和生物研究所 
大泉高明   (株)大和生物研究所 

目次 +   クリックで目次を表示

【第1編 口腔ケアによる疾患予防】

第1章 口腔ケアとアンチエイジング  
1 はじめに
2 老化とは
3 寿命に影響を与える因子
4 老化マーカー
4.1 唾液
4.2 歯
4.3 血液
4.4 尿
4.5 腎臓,骨,尿,コラーゲン
4.6 タンパク質
4.7 線虫培養細胞(モデル実験)
5 口腔ケアと抗加齢(アンチ・エイジング)
5.1 毎日の習慣の改善
5.2 口腔ケア
5.3 咀嚼回数の増加
6 抗加齢(アンチエイジング)物質の探索
7 抗炎症によるアンチエイジング

第2章 老化の仕組みと天然ポリフェノールのアンチエイジング効果  
1 個体と細胞の老化の仕組み
2 ポリフェノールのアンチエイジング
3 フラボノイド
3.1 フラバン
3.2 フラボノール
3.3 イソフラボン
3.4 アントシアニン
4 非フラボノイド
4.1 レスベラトロール
4.2 クルクミン

第3章 歯科領域の診療と食品の関わり  
1 はじめに
2 健常者の口腔ケアと食品
2.1 特定保健用食品
3 口腔がん患者の治療と食品
3.1 周術期と食品
3.2 経腸栄養機能食品の成分調整と免疫栄養
3.3 口腔がん術後化学療法,放射線療法施行時の食事
4 口腔ケアと嚥下リハビリテーションと食品
4.1 診断・治療
4.2 嚥下調整食品に必要な条件
4.3 嚥下調整食の段階
4.4 ユニバーサルデザインフード

第4章 口腔の健康と唾液  
1 はじめに
2 唾液の生成
3 唾液分泌
3.1 安静時唾液
3.2 唾液pHの変化
3.3 1日の唾液総分泌量
3.4 臨床診断としての安静時唾液
4 唾液と口腔環境
4.1 唾液クリアランスのメカニズム
4.2 口腔内環境の部位特異性
5 唾液と歯の関係
6 食事と唾液

第5章 唾液のメタボローム解析 
1 はじめに
2 メタボローム解析技術とは
3 唾液のメタボロームを用いた疾患マーカー探索
3.1 口腔がん,乳がん,膵がんの唾液代謝プロファイル
3.2 実用化に向けた取り組み
4 唾液中メタボロームと加齢の関係
5 唾液中メタボロームの今後

第6章 アンチエイジングを目指した芳香療法  
1 はじめに
2 活性酸素と病気
3 ESR法による抗酸化測定の原理
4 アンチエイジングを目指した芳香療法
5 歯周病とアンチエイジング
6 ESR法を用いた精油の抗酸化測定

第7章 健康食品との薬物相互作用  
1 はじめに
2 食品―医薬品相互作用概要
3 薬物動態学的相互作用
3.1 吸収過程での相互作用
3.2 代謝過程での相互作用
3.3 薬物代謝酵素やトランスポーターに対する食品の影響
3.4 分布および排泄過程での相互作用
4 薬力学的相互作用
5 健康食品と医薬品の相互作用
6 おわりに

第8章 口腔疾患と漢方薬:特に立効散について  
1 はじめに
2 口腔疾患と漢方薬
3 立効散
3.1 立効散の概要
3.2 立効散の鎮痛作用
3.3 立効散と口内炎
4 今後の展望・おわりに

第9章 オーラルヘルスケアと咀嚼筋の長さ 


【第2編 口腔ケア食品素材】

第1章 プロバイオティクスによる口腔ケア  
1 プロバイオティクス
2 プロバイオティクスの口腔感染症への応用
3 口腔プロバイオティクス
4 乳酸菌による歯周病原細菌抑制効果
4.1 in vitro試験
4.2 乳酸菌服用による唾液への影響
4.3 乳酸菌服用による歯肉縁下プラークへの影響
4.4 口臭予防効果
5 おわりに

第2章 機能性食品によるドライマウス改善  
1 はじめに
2 ドライマウスとは
3 ドライマウスの原因
4 ドライマウスにおける酸化ストレスの関与
5 ドライマウスの対処
5.1 CoQ10による唾液分泌促進効果の検討
5.2 Astによる唾液分泌促進効果の検討
5.3 イソフラボンによる唾液分泌促進効果の検討
5.4 プロタミン分解産物による唾液分泌促進効果の検討
6 まとめ

第3章 糖アルコールのバイオフィルムへの効果 
1 はじめに
2 糖アルコールの特性
3 う蝕原性バイオフィルム
3.1 キシリトール
3.2 ソルビトール
3.3 マルチトール
3.4 エリスリトール
4 歯周病原性バイオフィルム
4.1 糖アルコールのバイオフィルム微細構造への作用
4.2 エリスリトールによるバイオフィルム形成抑制機構の検討
4.3 エリスリトールによるバイオフィルム形成抑制作用の特異性
5 糖アルコールの歯科における用途
6 おわりに

第4章 ヒノキチオール含有ジェルの抗菌作用  
1 口腔ケアジェルの必要性
2 ヒノキチオール含有口腔ケアジェル
3 ヒノキチオールの抗菌作用
4 ヒノキチオール含有口腔ケアジェルの成分
5 ヒノキチオール含有口腔ケアジェルの特徴
6 ヒノキチオール含有口腔ケアジェルを用いた口腔カンジダ症抑制への試み
7 ヒノキチオール含有口腔ケアジェルの口腔カンジダ症に対する発症抑制作用
7.1 ヒノキチオール含有口腔ケアジェルのCandida albicans定着抑制作用
7.2 ヒノキチオール含有口腔ケアジェルのマウス舌表面の白苔形成に及ぼす抑制作用
7.3 ヒノキチオール含有口腔ケアジェルの炎症性サイトカイン産生抑制作用
8 ヒノキチオール含有口腔ケアジェルの有用性

第5章 機能性タンパク質素材の抗歯周病作用  
1 はじめに
2 ジンジパイン阻害因子の探索と同定
3 ジンジパイン阻害タンパク質の食品素材化と機能性検証
4 ペプチド化によるジンジパイン阻害タンパク質の高機能化
5 おわりに

第6章 口臭予防食品 
1 はじめに
2 口臭の国際診断基準と治療必要性
2.1 口臭症の分類
2.2 治療必要性(TN:Treatment Need)
3 口臭原因物質
3.1 生理的口臭
3.2 歯周炎による口腔由来の病的口臭
3.3 全身由来の病的口臭
3.4 食物による口臭
4 口臭測定法
4.1 口臭測定法の種類
4.2 UBC式官能検査
4.3 口臭検査のための設定条件
5 各種食品の口臭予防効果と研究デザイン

第7章 茶ポリフェノールの齲蝕抑制作用  
1 はじめに
2 茶ポリフェノールの抗菌作用
3 ポリフェノールと唾液タンパクとの相互作用
4 ウーロン茶ポリフェノールの齲蝕抑制作用
4.1 ウーロン茶ポリフェノールの酵素活性阻害作用
4.2 in vitro試験
4.3 動物実験
4.4 ヒト試験
5 おわりに

第8章 口腔ケア食品の有用性評価 
1 はじめに
2 酸産生性の評価
3 エナメル質脱灰性の評価
4 エナメル質再石灰化能の評価
5 細菌制御の評価
6 今後の課題


【第3編 企業の開発動向】

第1章 口臭予防

1 口臭除去素材甜茶抽出物 
1.1 はじめに
1.2 甜茶
1.3 AMSに対する甜茶抽出物の消臭活性
1.4 呈味に優れた甜茶抽出物「ルブス抽出物」の開発
1.5 CH3SHに対するルブス抽出物,ルブス抽出物配合ガムの消臭活性
1.6 おわりに

2 舌ケアタブレットの開発と応用 
2.1 開発のきっかけ
2.2 舌苔(ぜったい)について
2.3 舌苔と口臭
2.4 舌ケアタブレットについて
2.4.1 プロテアーゼ
2.4.2 凹凸の形成
2.4.3 安全性試験
2.5 舌苔除去タブレットのプロテアーゼ配合の有効性の確認
2.6 まとめ

第2章 う食予防

1 甘草ポリフェノール成分による抗う蝕作用  
1.1 はじめに
1.2 う蝕予防の概念
1.3 甘草の抗う蝕作用に関する報告
1.4 甘草ポリフェノール成分の抗う蝕作用
1.5 甘草疎水性抽出物の特性
1.6 最後に

2 ワサビ微量揮発成分の口腔内細菌に対する抗菌効果 
2.1 はじめに
2.2 ワサビ微量揮発成分
2.3 ミュータンスレンサ球菌に対する抗菌効果
2.4 歯周病や口臭に関わる嫌気性グラム陰性菌に対する抗菌効果
2.5 おわりに

3 SPring-8を利用したオーラルケアガムの開発 
3.1 はじめに
3.2 社会背景
3.3 初期う蝕と食品
3.4 高水溶性カルシウム素材リン酸化オリゴ糖カルシウム
3.5 機能性ガムの開発
3.6 SPring-8を活用した再結晶検証
3.7 特定保健用食品許可表示の取得
3.8 研究成果とその意義

第3章 歯周病予防

1 歯周病予防素材「ユーカリ抽出物」について 
1.1 歯周病について
1.2 ユーカリ葉について
1.3 「ユーカリ抽出物」の製法
1.4 ユーカリ抽出物中の効果成分と作用メカニズム
1.5 「ユーカリ抽出物」配合ガムのヒトでの評価
1.6 終わりに

2 ゲッケイジュ葉抽出物「ローレッシュ」  
2.1 はじめに
2.2 ゲッケイジュ葉抽出物「ローレッシュ」の機能性エビデンス
2.3 ローレッシュの安全性と安定性
2.4 おわりに

第4章 ドライマウス対策

1 ポリグルタミン酸の唾液分泌促進効果 
1.1 はじめに
1.2 ポリグルタミン酸とは
1.3 カルシウムの吸収促進作用
1.4 カリウムの体外排出促進作用
1.5 唾液分泌促進作用
1.6 安全性
1.7 ポリグルタミン酸の様々な応用
1.8 おわりに

第5章 ウィルス性疾患の治療

1 クマザサ葉抽出液「ササへルス」配合歯磨剤
1.1 はじめに
1.2 成分分析
1.3 生物活性
1.4 ササヘルス配合歯磨剤の開発
1.5 結論
1.6 おわりに