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月刊バイオインダストリー 2006年4月号

特集:物質合成の設計図にブレークスルーを
―酵素触媒の活躍と未来―

商品コード: I0604

  • 発行日: 2006年3月12日
  • 価格(税込): 4,860 円
  • 体裁: B5判
  • ISBNコード: 0910-6545

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目次

特集:物質合成の設計図にブレークスルーを
―酵素触媒の活躍と未来―


特集にあたって
須貝威(慶應義塾大学 理工学部 助教授)

 本特集では、長瀬産業(生中博士:プロセス精密化)、メルシャン(有澤博士:酸化酵素ライブラリー)、東大(横島博士、福山教授:全合成と酵素)、岡山県立大(中島博士:ミミズ酵素)、立教大(堀内教授:植物培養細胞)に執筆いただいた。「合成プロセスの中、なぜ、どこで酵素法が切り札?これからの切り札は?」、が全体を貫くテーマで、読者としては主に企業の、最前線で活躍する研究者、技術者を想定し、物作りの新しい設計図のヒントになることを期待している。


酵素触媒を応用したプロセス開発
―化学合成を知って化学合成を越える着想と実践―
Process Development Featuring Enzymatic Catalysis:its Design and Practice to Compete with Chemical Synthesis in the Knowledge of Chemical Synthesis生中雅也(長瀬産業(株) 研究開発センター 所長;主席研究員)

 酵素触媒を用いたプロセス開発について、筆者のかかわった事例(酵素加水分解2例、微生物還元1例)を使い、化学合成との差別化(反応デザイン)、生産性(基質濃度)の向上、化学変換とのシナジー(生成物の単離・精製)について議論する。

【目次】
1. はじめに
2. 鏡像体のリサイクルは効率的に―(R)-THFCの合成
3. Festina lente(ゆっくり急げ)―(R)BocDMTAの合成
4. 金属よりも微生物―ヒドリドのエクアトリアル方向からの付加
5. おわりに


細菌由来シトクロムP450反応アレイの構築と微生物変換スクリーニングへの応用
Construction of Bacterial Cytochrome P450 Reaction Array and Applicationto Biotransformation Screening
有澤章(メルシャン(株) 生物資源研究所 主任研究員)
上松仁(メルシャン(株) 生物資源研究所 主任研究員)

 細菌に分布するシトクロムP450は、その発現特性と機能多様性から微生物変換プロセスに基づく水酸化体の製造への応用が期待できる。未だ十分に産業利用し切れていない多くのシトクロムP450遺伝子の応用機能を効率的に探索するために発現ライブラリーを構築し、反応アレイとして利用するシステムを確立した。本稿では、その意義と応用的評価について述べる。

【目次】
1. はじめに
2. CYP発現ライブラリーの意義
3. 大腸菌での発現方法
4. 細菌CYP発現ライブラリーの構築とCYP反応アレイの調製
5. CYP反応アレイの利用
6. おわりに


天然物合成に役立つ酵素反応
Enzymatic Reactions Useful for Natural Product Synthesis
横島聡(東京大学 大学院薬学系研究科 天然物合成化学教室 助手)
福山透(東京大学 大学院薬学系研究科 天然物合成化学教室 教授)

 近年様々な触媒的不斉合成法の開発が行われているが、それらに左右されることなく、酵素反応は現代の精密有機合成において不可欠なツールである。それは、酵素反応が高い立体選択性を示しながらも、幅広い基質に応用可能なためである。本稿では、当研究室での天然物合成研究における、酵素反応の応用例を紹介したい。

【目次】
1. はじめに
2. アスピドフィチンの合成
3. ストリキニーネの合成
4. ビンドリンの合成
5. カイニン酸の合成:動的速度論的光学分割の例
6. ロイストロダクシンの合成
7. おわりに


有機溶媒に耐性で常温においては自己消化による失活を伴わない「ミミズプロテアーゼ」の物質合成・変換への応用 
Earthworm Serine Protease:Characterization、Molecular Cloning、and Applicationof the Catalytic Functions
中島伸佳(岡山県立大学 地域共同研究機構 産学官連携推進センター 幹事・助教授)

 東洋諸国を中心に漢方薬として用いられ、タンパク源としても貴重なミミズ(Earthworm)は、極めて安定で強力なセリンプロテアーゼを生産しており、その触媒機能として強力な線溶能や難分解性タンパク質などの加水分解作用が確認されたので、本酵素の複数の「アイソザイム」をそれぞれ単離・精製し、それらの遺伝子のクローン化を行うと共に、タンパク質構造と触媒機能を解明した。本稿では、有機溶媒にも耐性で、常温においては「自己消化」による失活を伴わないミミズプロテアーゼ機能の物質合成・変換への応用を中心に紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. ミミズプロテアーゼの酵素化学的特性
3. ミミズプロテアーゼの安定性
4. ミミズプロテアーゼの構造と機能
5. ミミズプロテアーゼの触媒機能の物質合成・変換への応用
6. おわりに


有機金属錯体、金属塩を利用する合成反応から生体触媒に至るまで
To Biocatalyst from Organic Synthetic Reaction Using Organometallic Complexor Metal Salt
堀内昭(立教大学 理学部 化学科 教授)

 酸化触媒反応の多くは、金属触媒を用いるものが知られている。そのほとんどは有機溶媒中での反応である。筆者らの研究室で開発した塩化パラジウム(II)、銅(II)塩やCe(IV)塩を用いた反応としてπアリルパラジウム錯体の合成、その求核置換反応、カルボニル基のα位のヨウ素化について述べ、さらにこのヨウ素化合物の性質を利用する新しい反応についても紹介する。これらの経験を通して「グリーンケミストリー」の視点に立った立場から究極の触媒として生体触媒を求めている筆者の研究例について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 5β-系ステロイドのA環の化学の解明からのステロイドアルフπ-アリルパラジウム錯体へ
3. ヨウ素-銅(II)塩やセリウム(IV)塩を利用する新しい合成反応の開発
4. グリーンケミストリーを指向した「ものづくり」
5. 生体触媒との出会い
6. おわりに


BIO R&D

茶葉の抗アレルギー作用
Anti-allergic Action of Tea(Camellia sinensis)
山本(前田)万里((独)農業・生物系特定産業技術研究機構 野菜茶業研究所 機能解析部 茶機能解析研究室 室長)
立花宏文(九州大学 大学院農学研究院 食糧化学研究室 助教授)

 茶は様々な機能性を有しており、エステル型カテキン、カフェイン、サポニンといった茶葉成分には抗アレルギー作用が報告されている。その中でも強い活性をもつ成分としてメチル化カテキン、ストリクチニンが知られており、メチル化カテキンを多く含む品種である「べにふうき」の研究が進んできた。メチル化カテキンの作用機作は、マスト細胞上の高親和性IgEレセプタ発現を抑制し、情報伝達系を阻害することで脱顆粒を抑制しうることがわかってきた。「べにふうき」緑茶は、渋味の強い香りの良いお茶で、ヒト介入試験で、スギ花粉症軽減効果を示し、特に鼻症状、目のかゆみを改善した。またストリクチニンは、IgE産生を抑制する物質である。このような新たに見出された茶葉中の抗アレルギー成分も含め、茶葉の抗アレルギー作用について概説する。

【目次】
1. アレルギー発症の機序と茶のアレルギー抑制作用
2. 新たな茶葉中抗アレルギー物質
2.1 メチル化カテキン類
2.2 ストリクチニン
3. 「べにふうき」とは?


高精度DNAチップのための塩基識別型蛍光性核酸塩基(BDF塩基)の開発
Design of Highly Selective Fluorescent Nucleobase for SNP Typing:Base-discriminatingFluorescent (BDF) Probe
齋藤義雄(日本大学 工学部 物質化学工学科 専任講師)
岡本晃充(京都大学 大学院工学研究科 合成・生物化学専攻 助手)
齋藤烈(日本大学 工学部 次世代工学技術研究センター 教授)

 遺伝子の情報を医療に活かすテーラーメイド医療が今後数年の間に実現することが予測されており、簡便で、より正確に遺伝子診断ができるDNAチップの開発が期待されている。本稿ではBDFプローブを用いた、より精度の高いDNAチップの開発研究について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 塩基識別型蛍光性核酸塩基(BDF塩基)の開発
3. プレン含有BDF塩基の分子設計
4. 液相系における塩基識別能
5. 高精度DNAチップへ応用可能な長波長で発光するBDFプローブ
6. BDFプローブを搭載したDNAチップ、SNPチップの開発
7. おわりに


植物のホウ素輸送機構の解明とその利用
Analysis of Boron Transport Mechanisms in Plants and Its Application
花岡秀樹(東京大学 生物生産工学研究センター 植物機能工学研究室 研究機関研究員)
藤原徹(東京大学 生物生産工学研究センター 植物機能工学研究室 助教授)

 ホウ素は、植物の生育に必須であるが、高濃度に存在すると毒性を示す。適度なホウ素が供給されることが植物の健康な生育に重要である。筆者らは生物界初のホウ素輸送を担うトランスポーターを植物から同定し、それを契機にホウ素輸送の分子機構とその制御についての研究を行っている。これまでの研究から、植物の生産性向上を実現するための具体的な方策が見え始めている。

【目次】
1. はじめに
2. ホウ素について
3. ホウ素栄養特性を改変する方向性 I
4. 植物におけるホウ素の輸送機構
5. ホウ素栄養特性を改変する方向性 II
6. 今後の展開


近赤外超短パルスレーザーによる生体内タンパク質の機能制御
Control of Protein's Functions by Near-infrared Femtosecond Pulsed Laser
田邉卓爾(京都府立医科大学 細胞分子機能病理学)
NY(s{w@Eq@aw@

 高時間・高空間分解能を持つタンパク質機能解析法であるMP CALI法を開発した。目的タンパク質と緑色蛍光タンパク質(GFP)との融合タンパク質を適当な細胞に発現させ、GFPを2光子励起することで容易に融合タンパク質の機能を特異的に不活性化できる。MPCALI法を用いることにより、詳細なタンパク質機能解析が可能になる。

【目次】
1. 背景
2. 多光子励起
3. MP-CALI法の方法
4. MP-CALI法を用いた実験例
5. MP-CALI法の利点
6. MP-CALI法の今後


イワシ由来ペプチド
Sardine Peptide

【目次】
1. 概要
2. 安全性
3. 製法
4. 市場動向
5. 生理学的性質および有効性
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