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月刊バイオインダストリー 2014年10月号

【特集】病害から作物を守る微生物

商品コード: I1410

  • 発行日: 2014年10月12日発行
  • 価格(税込): 4,860 円
  • 体裁: B5判
  • ISBNコード: 0910-6545

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目次

【特集】病害から作物を守る微生物

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特集にあたって

對馬誠也 ((独)農業環境技術研究所)

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微生物農薬の開発・普及にむけた戦略と課題
Strategies and Problems for the Development and Extension of Biological Control Agents

對馬誠也 ((独)農業環境技術研究所)

 我が国の生物農薬出荷額は総額で2012年約22億円、世界では病害虫合わせて価格レベルで28億ドル(2012)となり、増加傾向にある。しかし、未だに化学農薬の出荷額に対する割合は極めて低い。ここでは、特に病害防除を対象とした微生物農薬について、国内外の普及状況や我が国における微生物農薬の開発・普及上の課題および今後の普及戦略について考察した。

【目次】
1. 生物農薬 日本と海外
2. 我が国の微生物農薬(病害対象)
3. 世界の微生物農薬
3.1 欧州, 北米の生物農薬(biopesticide)市場(病害虫を対象)
3.2 微生物農薬(microbial biopesticide)
4. 我が国における病害対象の微生物農薬の課題
4.1 生物農薬の課題
4.1.1 「微生物農薬は化学農薬に比べ防除効果が低い」
4.1.2 「微生物農薬は化学農薬に比べ防除効果が不安定である」
4.1.3 「保存期間が化学農薬に比べ短い」
4.1.4 「製剤化にコストがかかりすぎる」
4.2 課題克服のための展開
4.2.1 散布処理技術の開発
4.2.2 新しい考え方による利用法の開発
4.2.3 新しい普及・販売戦略の必要性
5. EU における病害虫対策における変化と微生物農薬の課題
6. 今後の展開
6.1 新技術の開発
6.2 新しい微生物農薬利用技術の開発
6.3 さまざまな付加価値の追加
6.4 政策等についての提案
6.5 生産者,消費者への理解増進の取り組み

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タラロマイセスフラバス菌による病害予防
Plant Biocontrol by Talaromyces flavus

森下康行 (出光興産(株))

 出光興産(株)では石川県農業試験場との共同開発により糸状菌 Talaromyces flavus を有効成分とする微生物農薬の開発を進め、現在では4剤まで登録を拡大している。製品化までに対応した技術的課題の内容や、4剤の特性について概説し、最後に T. flavus 剤の開発を通じて見た糸状菌系微生物農薬開発の今後について展望する。

【目次】
1. Talaromyces flavus とは
2. T. flavus の植物病害防除作用
3. T. flavus を有効成分とした植物病害防除剤の開発
4. T. flavus を有効成分とした植物病害防除剤とその特性
4.1 バイオトラスト( タラロマイセスフラバス水和剤)農林水産省登録 第20659 号(失効)
4.2 タフパール(タラロマイセスフラバス水和剤)農林水産省登録 第21919 号
4.3 タフブロック( タラロマイセスフラバス水和剤)農林水産省登録 第21919 号
4.4 タフブロックSP(タラロマイセスフラバス水和剤)農林水産省登録 第23054 号
5. T. flavus 剤の開発を通じて見た糸状菌系微生物農薬開発の今後

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植物の免疫を活性化する細菌エンドファイトと実用性の評価
Selection and Field Application of Rice Symbiotic Bacteria which Activate Plant Immunity

伊沢剛 ((株)前川製作所)

 我々はエンドファイトの農業利用を目的に植物からエンドファイトの探索を実施した。その結果イネから、イネの免疫を活性化し、いもち病抵抗性を付与する細菌エンドファイトが分離された。圃場試験で実用性を評価したところ、効果にばらつきは見られたが病虫害抵抗性の付与が観察され、またイネの生育を促進することが明らかになった。

【目次】
1. はじめに
2. 有用なエンドファイトの探索
3. 病害抵抗性メカニズムの解析
3.1 植物の誘導抵抗性と抵抗性誘導剤
3.2 細菌エンドファイトによる植物免疫の活性化
4. 圃場試験による実用性の評価
4.1 安全性の評価
4.2 圃場栽培試験
5. おわりに

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Bacillus 属細菌による植物の抵抗性誘導
Systemic Resistance in Plants Induced by Bacillus spp.

百町満朗 (岐阜大学)

 植物病害の生物防除エージェントとして知られているBacillus属細菌が植物に全身的抵抗性を誘導することが明らかになってきた。また昆虫の病原細菌として知られている Bacillus thuringiensis が各種の植物病害を抑制することが見出されており、その効果も植物への全身的抵抗性の誘導によることが明らかにされた。本稿では、これらBacillus属細菌による植物への全身的抵抗性誘導に関する知見を紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. PGPRとしてのBacillus属細菌によるISR
2.1 Bacillus 属細菌による各種植物病害防除
2.2 Bacillus 属細菌の根面定着と抵抗性誘導
3. 昆虫病原細菌 B. thuringiensis によるISR
4. おわりに

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作物の虫害と病害の両方に有効な微生物農薬開発の可能性
Implication on the Development of Biopesticides Applicable to Both Agricultural Insect Pests and Diseases

吉田重信 ((独)農業環境技術研究所)

 作物の虫害と病害の両方に有効な微生物農薬は、安全・安心で省力的な農作物の生産に役立つことから、今後はその開発の加速化が期待される。今回筆者らは、微生物殺虫剤として上市されている Paecilomyces tenuipes 製剤が、病害防除にも有効であることを明らかにした。本稿では、これらの成果とともに、虫害と病害の両方に有効な微生物農薬の開発のニーズや可能性等について概説したい。

【目次】
1. 昆虫病原微生物の持つ植物病害抑制ポテンシャル
2. 虫害と病害の両方に有効な微生物農薬の開発ニーズ
3. Paecilomyces tenuipes 製剤のトマト青枯病に対する発病抑制効果
3.1 ポット試験による基本的処理条件および発病メカニズムの解明
3.2 圃場での防除効果
4. おわりに

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植物に生息している細菌の活用に向けて
Bacterial Flora on Leaf Heaths of Plants

篠原弘亮 (東京農業大学)

 有機栽培や減農薬などを組み合わせた特別栽培された農産物への志向が高まるなかで、それらの栽培にも使用可能な農薬の一つとして微生物農薬が挙げられる。さらに微生物農薬は薬剤耐性菌の問題もない。より効果的な微生物農薬の利用に向けて、植物に生息している細菌のフローラを解明して、そこから植物病害の発病を抑制する Herbaspirillum sp. などを見出した。これらの知見や菌株を活用した新たな病害防除法の取り組みを紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 植物に生息している細菌
2.1 植物に生息している細菌のフローラに関する研究事例
2.2 イネに生息している細菌のフローラ解析
2.3 植物に生息している細菌のフローラの比較
2.4 植物に生息している細菌を活用した病害防除に向けて
3. おわりに

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昆虫病原性糸状菌における発芽促進剤の開発
Development of an Adjuvant for a Fungal Pesticide

野田孝博 (熊本県 県央広域本部)
荒木朋洋 (東海大学)

 昆虫病原性糸状菌 Nomuraea rileyi の寄主昆虫の一種であるカイコから発芽促進物質の単離に成功し、その化学構造をD-erythro-C14-スフィンゴシンと決定した。さらに、活性発現のための補助因子成分やタンパク質代謝等を明らかにし発芽促進機構の理解へつなげた。また、本物質により感染効率向上が認められ天敵微生物製剤の補助剤としての利用可能性を示した。

【目次】
1. はじめに
2. 発芽促進物質の探索
3. 補助因子の探索
4. 発芽促進メカニズム解明へ向けて
5. 微生物農薬の効果を最大限活用するための補助剤の開発
6. おわりに

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≪BIO R&D≫

2,4,6-Trichloroanisole(TCA)による嗅覚マスキング
2,4,6-Trichloroanisole is a Potent Suppressor of Olfactory Signal Transduction

加藤寛之 (大和製罐(株))
佐野太郎 (大和製罐(株))

 食品の異臭事故の原因物質となりやすい2,4,6-Trichloroanisole(TCA)の発生の原理や防止方法は確立されたが、臭気変化のメカニズムについては社内外を含め未だ解明されていなかった。大阪大学 倉橋研究室との研究の結果、TCAに微量(1兆分の1)でも食品の香りを人が感じなくなる作用があり、その臭覚神経の伝達動作原理を世界で初めて科学的に証明した。

【目次】
1. はじめに
2. TCAについて
2.1 TCAの性質
2.2 TCAの分析事例
2.2.1 ワインの例
2.2.2 日本酒の例
2.2.3 住環境の例
3.「におう」ということ
4. TCAの嗅覚マスキング
5. おわりに

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≪BIO BUSINESS≫

バイオマス発電における事業化のポイントと落とし穴
Critical Factors in Commercialization of Biomass Power Generation

湯木将生 (三菱UFJ キャピタル(株))

【目次】
1. はじめに
2. 事例分析による事業の落とし穴
3. 事業計画の立て方と参入ポイント
3.1 設置条件の検討
3.2 バイオマス資源の特徴と資源の確保
3.3 固定価格買取制度の考え方
3.4 受入バイオマスに見合った技術特性の把握
3.5 廃棄物の処理および清掃に関する法律における産業系バイオマスの取り扱い
4. 事業採算を検討する上での注意事項
4.1 多面的な事業採算評価の重要性
4.2 シナリオ設定の重要性と事業採算の考え方
5. さいごに
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