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月刊バイオインダストリー 2006年7月号

特集:良質な眠りを追求する睡眠研究

商品コード: I0607

  • 発行日: 2006年6月12日
  • 価格(税込): 4,860 円
  • 体裁: B5判
  • ISBNコード: 0910-6545

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目次

特集:良質な眠りを追求する睡眠研究


特集にあたって
本多和樹(東京医科歯科大学 生体材料工学研究所 システム研究部門 制御分野 助教授)


睡眠覚醒の基礎的メカニズム
Basic Mechanisms of Sleep-wake Regulation
本多和樹(東京医科歯科大学 生体材料工学研究所 システム研究部門 制御分野 助教授)

 睡眠覚醒調節機構を明らかにするには、睡眠覚醒制御物質の生理的役割を理解することが重要である。睡眠覚醒調節に関与する多くの液性因子が知られ、なかでもオレキシンは覚醒作用と食欲亢進作用を持っている。オレキシンはナルコレプシーの原因物質でもあることから、分子レベルでの詳細な作用機序が解明されることで、睡眠障害における新規治療薬の開発や治療法改善が期待されている。

【目次】
1. はじめに
2. レム睡眠とノンレム睡眠
3. 睡眠覚醒調節の神経機構
4. 睡眠覚醒調節の液性機構
5. オレキシンの覚醒作用
6. おわりに 


アラキドン酸は高齢者の脳機能と睡眠を改善する
Arachidonic Acid Improves Brain Function and Sleep in Elderly People
木曽良信(サントリー(株) 健康科学研究所 所長)

 高齢者では脳内のアラキドン酸量が低下することが知られている。最近、アラキドン酸の1か月間摂取で高齢者の脳機能が改善されることが見出された。また、老齢動物を用いた実験で、アラキドン酸は睡眠と覚醒のリズムの改善に役立つことが明らかにされた。さらに、高齢者においても、アラキドン酸を摂取させることで、全体として覚醒時の活動量が増えていることが確認され、アラキドン酸は日中の活動量を増やし、覚醒の質をよくすることで、夜間の睡眠が改善されたのではないかと考えられる。

【目次】
1. はじめに
2. アラキドン酸は老齢ラットの記憶能を改善する
3. アラキドン酸は高齢者の脳機能を改善する
4. アラキドン酸は老齢ラットの日内リズムを改善する
5. アラキドン酸は高齢者の活動量を高める
6. おわりに


食品長期摂取による睡眠および生活状態に与える効果の調査方法の確立
―発酵乳を使用した健常ボランティアへの検討―
Investigation Model of Long-term Intervention with Food on Sleep and Well-beingin Human:Effects of Lactobacillus Helveticus Fermented Milk on Sleep inHealthy Volunteers熊ノ郷卓之(大阪大学 保健センター 助手)
菅沼仲盛(大阪大学 大学院医学系研究科 精神医学教室)
増山明弘(カルピス(株) 基礎研究フロンティアラボラトリー)
杉田義郎(大阪大学 保健センター 教授)

 食品がヒトの睡眠や健康に与える影響を評価する方法について、発酵乳を使用し、期間、対象、評価項目などの観点から検討した。長期を要する計画となったが、適切な区間を設け、離脱例を少なくし、より確実に正確なデータ収集を行い、安全に施行できる方法を確立した。副次的に、発酵乳の睡眠や健康への改善効果が示唆された。

【目次】
1. はじめに
2. 試験方法
3. 結果
4. 考察


グリシン摂取による睡眠の質の改善効果
Exogenous Glycine Will Improve the Quality of Human Sleep
小野郁(味の素(株) 健康基盤研究所 研究員)
高橋迪雄 (味の素(株) 健康基盤研究所 所長;東京大学 名誉教授)

 睡眠に問題を感じているヒトは5人に1人に上るといわれ、生活の質や健康の基盤として睡眠に対する関心が高まっている。食品による睡眠改善のアプローチとして、近年新たに、生体内で合成され最も単純な構造を持つアミノ酸であるグリシンについて、睡眠の質を向上させる可能性が見出された。

【目次】
1. はじめに
2. 夜間睡眠構造および主観的な睡眠観に対する効果
3. 日中の覚醒度
4. グリシンの作用機序
5. おわりに


快適な睡眠の実現を担う寝具
Bedding to Achieve Better Sleep
松浦倫子(ロフテー(株) 睡眠文化研究所 研究員)

 社会的に睡眠に対する問題意識が高まっている中、寝具業界全体が発展しているとはいいがたい。本稿では寝具に求められる機能と寝具の市場動向について概説するとともに、厳しい状況の中にありながら伸びをみせてきた枕について紹介する。また、今後の発展が期待される寝具を超えた眠具についても触れる。

【目次】
1. はじめに
2. 寝具に求められる機能
3. 寝具をめぐる市場動向
4. 枕の役割と機能
5. 寝具から民具へ


光の非視覚的生理作用を考慮した良質睡眠確保に役立つ照明制御技術
Light Control Methods for Better Sleep Using Non-visual Physiological Effectsof Light
小山恵美(京都工芸繊維大学 大学院工芸科学研究科 デザイン経営工学部門 助教授)
野口公喜(松下電工(株) 照明研究センター 技師)

 良質な睡眠確保に役立つ環境整備は就寝前に限られるものではなく、午前から日中にかけての整備も重要である。目から入る光の非視覚的な生理作用が睡眠に及ぼす影響について概説し、1日の生活時間帯ごとに照明制御要件を提示する。特に、起床前漸増光による覚醒支援と日中の補光による夜間睡眠改善について事例をあげて解説する。

【目次】
1. はじめに
2. 光の非視覚的生理作用と睡眠
3. 光環境の現状と問題点
4. 良質睡眠確保に役立つ照明制御技術
4.1 全般的な考え方
4.2 起床前漸増光
4.3 日中の補光
5. おわりに


睡眠の評価技術
Evaluation Technology of Sleep
榎本みのり(東京医科歯科大学 大学院保健衛生学研究科 生命機能情報解析学分野)
有竹清夏(東京医科歯科大学 大学院保健衛生学研究科 生命機能情報解析学分野)
山崎まどか(東京医科歯科大学 大学院保健衛生学研究科 生命機能情報解析学分野)
川良徳弘(東京医科歯科大学 大学院保健衛生学研究科 生命機能情報解析学分野)
松浦雅人(東京医科歯科大学 大学院保健衛生学研究科 生命機能情報解析学分野)

 本稿では、睡眠の評価技術について、病院・クリニックで行う終夜睡眠ポリグラフ検査、日中の眠気の客観的検査、在宅で行う睡眠状態検査まで、最近の技術進歩を含めて紹介する。在宅で行う簡易検査は閉塞性睡眠時無呼吸症候群についてのものがほとんどであるが、医療経済面からは今後さらに注目されてよいと考えられる。

【目次】
1. はじめに
2. 終夜睡眠ポリグラフ検査
3. その他の睡眠評価指標
3.1 PTT(脈波伝達時間)
3.2 CAP(cyclic alternating pattern)
3.3 アクチグラフ
4. 睡眠状態のホームモニタリング
5. 日中の眠気の客観的評価
5.1 MSLT
5.2 MWT
5.3 OSLERテスト
6. おわりに


腕時計型睡眠モニターの開発
The Development of a Watch-shaped Sleep Stage Monitor
亀山研一((株)東芝 研究開発センター ヒューマンセントリックラボラトリ 主任研究員)
鈴木琢治((株)東芝 研究開発センター ヒューマンセントリックラボラトリ 研究主務)
大内一成((株)東芝 研究開発センター ヒューマンセントリックラボラトリ 主事)
森屋彰久((株)東芝 研究開発センター ヒューマンセントリックラボラトリ 主事)

 睡眠状況を客観的に知るには、医学的には睡眠時の脳波、筋電、眼電等を同時計測し、解析する睡眠ポリグラフ法がスタンダードである。しかし、この方法は病院や睡眠クリニックなど限られた場所で専門医等が行うもので、健常者が自宅で手軽に自分の睡眠を計測する目的には向いていない。そこで筆者らは、睡眠の状態と自律神経の活性状況の間に関連があることに着目し、脈波と体動から睡眠状況を推定する腕時計型システムを開発した。健常者延べ100名で睡眠ポリグラフに基づく睡眠段階判定結果と開発したシステムの睡眠段階の自動推定結果を比較したところ、75%の一致度を得た。本稿では、そのシステムの内容と展望について述べる。

【目次】
1. はじめに
2. システムの概要
3. 睡眠解析方法
4. おわりに


BIO R&D

デンドリマーを用いた新しいドラッグデリバリーシステム
Development of a New Drug Delivery System Taking Advantage of FunctionalizedDendrimers
渡邊総一郎(東邦大学 理学部 講師;同大学 複合物性研究センター)
岩村道子(東邦大学 理学部 教授)

 デンドリマーをキャリアとした新しいドラッグデリバリーシステムを開発した。デンドリマーに光で活性化するプロドラッグを結合することで、外部刺激により薬剤を放出することが可能となり、また細胞認識能をもつ糖により標的細胞に効率良くターゲティングすることができると期待される。本稿では、この新しいドラッグデリバリーシステムの分子設計と合成、およびこれらの性質について述べる。

【目次】
1. はじめに
2. デンドリマー型プロドラッグの分子設計
3. デンドリマー型プロドラッグの合成
4. デンドリマー型プロドラッグの細胞認識能
5. おわりに


光で細胞機能をあやつるケージド化合物
Photo-mediated Regulation of Cellular Functions with Caged Compounds
古田寿昭(東邦大学 理学部 生物分子科学科 教授;同大学 複合物性研究センター 副センター長)

 生きた細胞あるいは個体内で、できるだけ生理的条件を再現したやり方で細胞機能を制御し、その結果起こる反応をリアルタイムで解析することができれば、生命のシステム的理解は飛躍的に深まる。細胞内および細胞間のシグナル伝達を自在に制御する新技術として期待される、ケージド化合物を用いた光制御について、筆者らの最近の研究を中心に紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. ケージド化合物
3. 2光子励起について
4. ケージド化合物の光照射で神経伝達を擬似的に再現する
5. 細胞内シグナル伝達のパスウェイを光で活性化する
6. 遺伝子の機能を光で制御する
7. おわりに


血小板代替物の開発
Development of Platelet Substitutes
武岡真司(早稲田大学 理工学術院 応用化学科 教授)
岡村陽介(日本学術振興会特別研究員;早稲田大学 理工学総合研究センター 客員研究員)

 血小板は、血液凝固系と連動した巧妙でかつ複雑な止血機構を有しており、これらすべてを模倣した人工系の構築は不可能といっても過言ではない。筆者らは、血小板が出血部位を認識して粘着、凝集する機構に関与する分子に着目し、これらの分子を表面に担持させた微粒子を出血部位へ特異的に集積させることにより、出血部位を充填する効果が期待できるとの極めて単純な発想から、慶應義塾大学医学部・池田康夫教授グループの指導を受けながら研究を進めてきた。具体的には、生体投与可能な微粒子(アルブミン重合体やリン脂質二分子膜小胞体(リポソーム))を構築し、認識部位の候補として血小板膜糖蛋白質の一部の遺伝子組換え体(rGPIbα、rGPIa/IIa)やフィブリノーゲンγ鎖C末端アミノ酸配列(HHLGGAKQAGDV;H12)を微粒子表面に結合させて、invitro、in vivoにて止血能を評価し、その可能性が具体的に見えてきた。

【目次】
1. はじめに
2. 止血のメカニズムと血小板代替物の設計
3. 血小板代替物の研究動向
4. 微粒子の製造方法
5. 血小板代替物の機能評価
6. 今後の展開と課題


連載 バイオベンチャー起業物語<第12話>
研究室から社会へ、産学連携の理想を求めて
民谷栄一(北陸先端科学技術大学院大学 教授)
牛島ひろみ((有)バイオデバイステクノロジー 企画部長)

 有限会社バイオデバイステクノロジーは、北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)の民谷栄一教授のこれまでの産学連携の数々の経験と研究成果の社会への還元の長年の夢を基盤に、賛同する6人のJAIST教員の出資によって設立された大学発ベンチャーである。大学の人材と知的基盤を活かし、大学とも連携しながら企業の研究開発に関する様々な相談の窓口としてのコンサルティング業務を軸に、大学発のシーズを製品化する事業へ展開し、最近、待望のオリジナル製品を上市した北陸の一番星のバイオベンチャーである。
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