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月刊機能材料 2006年8月号

【創刊25周年特集】 有機固体の電子物性―現状と展望

商品コード: M0608

  • 発行日: 2006年7月5日
  • 価格(税込): 4,320 円
  • 体裁: B5判
  • ISBNコード: 0286-4835

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目次

【創刊25周年特集】 有機固体の電子物性―現状と展望


序論
Preface
梶田晃示(東邦大学 理学部 教授)


有機物で実現したエネルギーギャップがゼロの半導体
Organic Zero Gap Semiconductor
梶田晃示(東邦大学 理学部 教授)

 エネルギーギャップがゼロの半導体が有機伝導体で実現した。バルクの2次元伝導体としては初めてである。この物質は不純物を添加することなしにゼロギャップ状態ができるという点でほぼ理想的な系であり、したがってゼロギャップ半導体の特徴がその物性にはっきりと現れることが期待される。その一つが、この物質の特異な電気伝導性である。室温から極低温まで温度を下げると、この物質の伝導担体密度は6桁減少する。ところがこの減少の効果は、一方で起こる移動度の上昇によって完全に打ち消されて、ほとんど温度変化のない電気抵抗が観測される。このような物質はほかにはない。

【目次】
1. はじめに
2. 有機伝導体α-(BEDT-TTF)2I3
3. 高い圧力下のα-(BEDT-TTF)2I3―新しい伝導体
4. ゼロギャップ半導体
5. ゼロギャップ半導体と基礎物理
6. おわりに


価数転換を起こすイオン性分子結晶
Ionic(I) Ionic(II) Phase Transition in Molecular Crystals
持田智行(東邦大学 理学部 化学科 助教授 (東邦大学複合物性研究センター兼務))

 1価と2価のイオン性結晶の間で相互転換を起こす有機物質が見いだされた。ジネオペンチルビフェロセンをドナー(D)、F1TCNQをアクセプター(A)とする電荷移動錯体は、室温で1価イオン性結晶(D+A3-)であるが、120K付近で激しい相転移を起こし、低温では2価イオン性結晶(D2+A32-)に転換する。こうした価数転移について平易に解説する。

【目次】
1. はじめに
2. ビフェロセン・TCNQ系錯体の合成と構造
3. イオン性(I)-イオン性(II)転移における磁性変化
4. イオン性(I)-イオン性(II)転移に伴う価数変化
5. イオン性(I)-イオン性(II)転移の機構
6. 電荷移動錯体の価数:中性-イオン性転移との比較
7. イオン性(I)-イオン性(II)相境界の探索と相制御
8. おわりに


有機ラジカル分子固体:量子スピン磁性の舞台として
Quantum Spins on Organic Radical Molecules
田村雅史((独)理化学研究所 加藤分子物性研究室 副主任研究員)

 最近の有機分子磁性研究において、量子スピン効果をキーワードとして、磁性発現の背景にある物理を述べる。特に、奇交互量子スピン系での一重項対形成に伴う非結合電子の生成が強磁性やフェリ磁性をもたらすこと、非交互量子スピン系のフラストレーションが局所的カイラルスピン流によって理解できることを説明する。

【目次】
1. はじめに
2. 量子スピンとは
3. 有機分子間の磁気的相互作用
4. 奇交互系と量子スピンの強磁性・フェリ磁性
5. 非交互系のフラストレーション・スピン流


スピンクロスオーバー挙動を示す配位ポリマー金属シアノ鉄錯体
Iron(II) Cyano Coordination Polymer Compounds with Spin Crossover Behavior
北澤孝史(東邦大学 理学部 化学科 錯体化学教室 助教授)

 外部環境応答性を有するポリマー配位金属錯体スピンクロスオーバー化合物は、光学的および磁性的複合機能性材料として注目されており、化合物に超分子機能を付加することにより、さらに高機能および多機能な材料となる可能性が大きな化合物群である。超分子機能を有することにより、スピンクロスオーバー挙動は、ゲスト化学種の有無およびゲスト化学種により誘起されるホストポリマー金属錯体の微細な構造変化により大きな変化が期待され、さらに微細な制御が可能となると考えられる。筆者らが開発しているシアノ基が架橋配位子と挙動しているFeL2[Ni(CN)4]系について解説した。

【目次】
1. はじめに
2. 八面体6配位場のFe2+錯体
3. 配位ポリマーFeL2[Ni(CN)4]
3.1 多次元構造の構築
3.2 スピン転移温度の変化
3.3 スピンクロスオーバー挙動の変化
3.4 圧力による影響
3.5 [Ag(CN)2]-を含む系
4. 新規材料の創成への課題
5. おわりに


新規なスピンクロスオーバー現象を示す鉄(III)ポルフィリン錯体
Iron(III)Porphyrin Complexes Showing a Novel Spin Crossover Phenomenon
中村幹夫(東邦大学 医学部 医学科 化学研究室 教授) 
大胡惠樹(東邦大学 医学部 医学科 化学研究室 講師)
池崎章(東邦大学 医学部 医学科 化学研究室 助手)

 6配位サドル型ポルフィリン鉄(III)錯体の示す新規なS=1/2とS=3/2間のスピンクロスオーバーについて、(1)スピンクロスオーバーに伴うポルフィリン鉄(III)錯体の物理化学的性質の変化、(2)結晶中でスピンクロスオーバーを起こすために必要な構造的要因、および(3)機能材料としての利用の可能性について述べる。

【目次】
1. はじめに
2. サドル型ポルフィリン鉄(III)錯体におけるスピンクロスオーバー
3. スピンクロスオーバーに伴う結晶および分子構造の変化
4. 結晶中におけるパッキングの重要性
5. 今後の展望


Material Report
R&D
ナノサイズ高分岐ポリマー
Nanosize Hyperbranched Polymers
佐藤恒之(徳島大学名誉教授)

 デンドリマーや高分岐ポリマーなどいわゆるデンドリティックポリマーが、その特異な構造と性質・機能から大きな注目を集めている。高分岐ポリマーの簡便な合成法として、われわれが開発した開始剤組み込みラジカル重合について解説する。重合挙動、生成ポリマーのキャラクタリゼーション、性質および機能などについて述べる。

【目次】
1. はじめに
2. IFIRPのコンセプト
3. IFIRPによる高分岐ポリマーの合成
4. IFIRPによる高分岐ポリマーの特性・機能
5. おわりに


ナノハニカムフィルムの開発・製造とその応用
Development of “Nano-honeycomb Film” Manufacturing Technology
楠浦崇央(SCIVAX(株) 取締役)

 今回紹介する「ナノハニカムフィルム」は、当社が独自に開発した「フィルムへのナノインプリント技術」により開発したもので、40μmのCOPフィルム表面に、線幅250nmのハニカム構造を作製した機能性フィルムである。当社ではこれを用いた細胞培養の研究を行っているほか、顧客と共同で種々のアプリケーションの検討を行っている。本稿ではナノハニカムフィルムの製造技術であるナノインプリント技術を中心に解説を行う。

【目次】
1. ナノハニカムフィルム
2. 超微細化工技術「ナノインプリント」
2.1 ナノインプリントとは
2.2 ナノインプリントのプロセス
2.3 従来成形加工技術との比較
2.4 ナノインプリントを構成する技術
3. 金型技術―金型製造技術の確立
3.1 はじめに
3.2 半導体リソグラフィー技術
3.3 Ni電鋳技術
3.4 型の大面積化―マスターと電鋳
4. 材料技術―物性と転写性
4.1 ナノインプリントと樹脂物性
4.2 多様な材料への対応
5. おわりに―ナノ構造の量産化技術


INRORMATION CORNER
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