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月刊機能材料 2004年11月号

【特集】イオン液体-多彩な展開が期待されるイオン液体-

商品コード:
M0411
発行日:
2004年10月5日
体裁:
B5判
ISBNコード:
0286-4835
価格(税込):
4,400
ポイント: 40 Pt
関連カテゴリ:
雑誌・定期刊行物 > 月刊機能材料
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特集:ナノファイバーの評価法
Formation and Characterization of Nanofibers
 ●多彩な展開が期待されるイオン液体・・・・・・・・・・・・・・5
 Ionic Liquids with Variety of Applications

                           大野弘幸

東京農工大学大学院 共生科学技術研究部 ナノ未来科学研究拠点 教授 


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Ⅰ 基礎開発編
 新規イオン液体の設計と特性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
 Design and Properties of Some Novel Fluorohydrogenate Ionic Liquids

                          萩原理加

京都大学大学院 エネルギー科学研究科 助教授 

 本稿はフルオロハイドロジェネート系のイオン液体について,その粘性率や導電率,電気
化学窓などの諸物性に対してカチオンのアルキル側鎖や芳香族性,フルオロハイドロジェネ
ートアニオン中のHF 組成などがどのような影響を与えるか系統的に検討したものである。
電気化学的応用の際に要求される,導電率が高く,電気化学窓の広いイオン液体の開発のた
めの参考になれば幸いである。

 ~目次~
 1.はじめに
 2.イオン液体1,3-ジアルキルイミダゾリウムフルオロハイドロジェネート
 3.イオン液体N,N-ジアルキルピロリジニウムフルオロハイドロジェネート
 4.イオン液体合成原料としてのフルオロハイドロジェネート塩
 5.おわりに


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 イオン性液体の高純度合成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
 High Purity Synthesis of Ionic Liquids

                        小島邦彦 *1  石井信治 *2

*1東洋合成工業(株) 感光材事業本部 エネルギー部 部長 
*2東洋合成工業(株) 感光材事業本部 エネルギー部 研究グループ 主任 

 イオン性液体を使用した応用研究が,電子部品の分野具体的にはキャパシター,コンデン
サー,リチウムイオン二次電池,燃料電池,色素増感太陽電池で多く検討されている。イオ
ン性液体の高純度化は,合成方法,精製方法および分析方法ともに,ますます重要になると
思われる。今回,イオン性液体の高純度化の観点から検討した内容について紹介する。

 ~目次~
 1.はじめに
 2.イオン制液体の合成法
  2.1 第4級アンモニウム系イオン性液体の合成
  2.2 原料由来の不純物
  2.3 金属,金属塩,微粒子などの不純物
 3.イオン性液体の精製
  3.1 疎水性のイオン性液体
  3.2 親水性のイオン性液体
  3.3 着色成分の除去
 4.水分の除去
  4.1 真空乾燥
  4.2 吸着剤使用
 5.不純物の分析方法および分析感度
  5.1 イオンクロマトグラフィー
  5.2 クロマトグラフィー分析
  5.3 水分分析
  5.4 ガスクロマトグラフィー分析
  5.5 サイクリックボルタモグラム
  5.6 その他の分析
 6.イオン性液体の安定性
 7.おわりに


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 イオン性液体を用いた有機電解合成・・・・・・・・・・・・20
 Organic Electrosynthesis using Ionic Liquids

                                   淵上寿雄

東京工業大学大学院 総合理工学研究科 教授 

 イオンのみから構成されているにもかかわらず,常温で液体であるイオン性液体は,不揮
発性・不燃性・化学的安定性・高イオン導電性などの優れた特徴をもち,有機・高分子合成
用の溶媒や電気化学的デバイスなどへの応用が期待されている。本稿では機能材料を指向し
た種々の有機化合物や導電性高分子の電解合成について,筆者らの研究を中心に解説する。

 ~目次~
 1.はじめに
 2.イオン性液体中での有機電解合成
  2.1 α-アミノ酸の電解合成
  2.2 環状カーボナート類の電解合成
  2.3 ベンゾイルギ酸からマンデル酸の電解合成
  2.4 金属錯体触媒による電解還元的カップリング
  2.5 ニトロキシルラジカル固定イミダゾール塩をメディエーターとするアルコール
      の間接電解酸化
 3.イオン性液体中での有機化合物の選択的電解フッ素化
 4.イオン性液体中での電解重合
  4.1 高密度平滑導電性高分子膜の創成
  4.2 耐久性/多機能導電性高分子の電解合成
  4.3 ポリ[3-(4-フルオロフェニル)チオフェン](PFPT)およびポリ(3,4-エチレンジ
      オキシチオフェン)(PEDOT)の電解合成
 5.おわりに


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 イオン性液体中の酵素反応・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27
 Enzymatic Reactions in the Ionic Liquids Solvent System

                                 伊藤敏幸

鳥取大学 工学部 物質工学科 精密合成化学講座 教授 

 高濃度の塩溶液中では酵素反応は不可能と考えられてきたが,室温で液体状態をとるイオ
ン性液体を反応溶媒としてリパーゼ触媒反応が進行し,イオン性液体の特徴を生かした酵素
再利用システムが構築できた。リパーゼのみならず抗体酵素などの反応も起こり,イオン性
液体を生体触媒反応の溶媒として利用できることがわかった。

 ~目次~
 1.はじめに
 2.イオン性液体と生体触媒
 3.イオン性液体溶媒中の酵素不斉触媒反応
 4.イオン液体による酵素の安定化と活性化
 5.イオン性液体の溶媒による生体触媒反応
 6.おわりに


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Ⅱ 応用開発編
 イオン性液体のエネルギー貯蔵デバイスへの展開・・・・・・34
 Application (of Ionic Liquids )to Energy Storage Devices

                                 宇恵 誠

(株)三菱化学科学技術研究センター 電池材料研究所 所長 

 近年,イオン性液体の不揮発・耐熱性および難燃・不燃性を生かして,電気化学デバイス
用の電解質として応用することに関心が高まっている。本稿では,最もポピュラーな1エチ
ル3 メチルイミダゾリウム(EMI)塩系のイオン性液体を,電気二重層キャパシターやリチ
ウムイオン電池に電解質として応用する技術について概説する。

 ~目次~
 1.はじめに
 2.イオン性液体の電解質としての歴史
 3.イオン性液体の基本物性
  3.1 電気伝導率
  3.2 電位窓
 4.イオン性液体のエネルギー貯蔵デバイスへの応用
  4.1 電気二重層キャパシター
  4.2 リチウムイオン電池
 5.おわりに


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 電解質としてイオン性液体を用いた電気二重層キャパシター・・・43
 An EDLC using Ionic Liquids

                                   佐藤貴哉

日清紡績(株) 研究開発本部 事業推進部(現・鶴岡工業高等専門学校物質工学科教授) 

 分子内にメトキシエチル基を有する脂肪族4 級アンモニウムタイプの新しいイオン性液体
の物理化学特性と,そのイオン性液体を電解質として用いた電気二重層キャパシターの諸性
能について報告する。

 ~目次~
 1.はじめに
 2.新しいイオン性液体の特徴
 3.イオン性液体を電解質とした電気二重層キャパシター
  3.1 高温安定性に優れる電気二重層キャパシター
  3.2 低温充放電性能に優れる電気二重層キャパシター
 4.おわりに


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 リチウムイオン二次電池への展開・・・・・・・・・・・・・・・・・50
 Application of Ionic Liquids to Lithium ion Rechargeable Batteries

                                   中川裕江

(株)ジーエス・ユアサコーポレーション 研究開発センター 第六開発部 リーダー 

 分子内にメトキシエチル基を有する脂肪族4 級アンモニウムタイプの新しいイオン性液体
の物理化学特性と,そのイオン性液体を電解質として用いた電気二重層キャパシターの諸性
能について報告する。

 ~目次~
 1.はじめに
 2.イオン性液体のリチウムイオン二次電池への応用に際して予想される課題
 3.イオン性液体の電解質としての基礎特性
  3.1 液体状のイオン性液体の電解質としての基礎特性
  3.2 イオン性液体の電解質としての基本特性
 4.イオン性液体を電解質として用いたリチウムイオン二次電池の特性
  4.1 LiBF4-EMIBF4を電解質として用いたリチウムイオン(ポリマー)二次電池の作製
  4.2 LiBF4-EMIBF4を電解質として用いたリチウムイオン(ポリマー)二次電池の特性  5.イオン性液体の今後の課題
 6.おわりに


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 色素増感太陽電池への展開・・・・・・・・・・・・・・・・・・55
 An EDLC using Ionic Liquids

                                   小野三千夫

富士写真フイルム(株) R&D 統括本部 材料研究本部 デジタル&フォトイメージング材料
研究 所 主任研究員 

 色素増感太陽電池(DSC)の研究において,イオン性液体電解質(ILE)は,揮発性の有機
溶媒電解液(OLE)に起因する電池性能の劣化を改良する目的で研究されている。ILE を用い
たDSCの変換効率は,OLEを用いたDSCにはいまだ及ばない。非効率要因の改良を目的としたILE
の検討,および擬固体化に関する筆者らの研究を中心に述べる。

 ~目次~
 1.はじめに
 2.DSCの原理とILEの構成
 3.光電変換効率にかかわる電解質要因
 4.イオン性液体の分子設計
  4.1 イオン性液体の構造とイオン拡散性
  4.2 イミダゾリウム塩の機能化
 5.ILEの擬固体化
  (1)高分子ゲル化剤
  (2)低分子ゲル化剤
  (3)無機なの粒子ゲル化剤
 6.おわりに


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 イオン液体のトライボロジーへの展開・・・・・・・・・・・・・・・・63
 Application of Ionic Liquids to Tribology

              上村秀人 *1  南 一郎 *2  森 誠之 *3

*1 出光興産(株) 営業研究所 設備油グループ 主任 
*2 岩手大学 工学部 応用化学科 助教授
*3 岩手大学 工学部 応用化学科 教授 

 トライボロジーは摩擦や摩耗など,潤滑にかかわる技術と科学を扱う分野である。トライ
ボロジーを取り巻く環境は,近年の機械技術の進歩,社会環境の変化とともに大きく変わろ
うとしている。新しい機構,過酷な使用環境,多様化する要求特性これらに応えるには,従
来技術の延長上にある潤滑システムだけでは限界がある。将来的な選択肢の一つとして,ま
ったく新しい物質をトライボシステムに適用することも必要である。今回,その試みの一つ
として,液状の塩であるイオン液体を潤滑に適用した例を,最近の研究成果を交えながら紹
介する。

 ~目次~
 1.はじめに
 2.潤滑油とイオン液体
 3.潤滑油としてのイオン液体
  3.1 粘度特性
  3.2 耐熱性
  3.3 摩擦特性
  3.4 イオン液体の摩擦化学反応(トライボ化学反応)
 4.その他の性能
 5.おわりに


Material Report
 相変化メモリーの現状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・69
 Current Status of Phase Change Memory (PRAM )

         中山和也 *1  高田雅史 *2  泉 貴富 *3  北川章夫 *4

*1 金沢大学 医学部保健学科助手 
*2 金沢大学 大学院 自然科学研究科 博士後期課程1年生
*3 金沢大学 大学院 自然科学研究科 博士前期課程1年生 
*3 金沢大学 大学院 自然科学研究科 助教授 

 相変化型メモリー(PRAM)は,カルコゲナイド半導体薄膜の結晶非晶質相変化を利用した
不揮発性メモリーである。結晶状態と非晶質状態では抵抗値が異なり,電気パルスにより上
書き可能である。素子構造は単純であり,相変化膜はスパッターで製膜可能であるなど,大
容量不揮発メモリーやSoC向きのメモリーといえる。

 ~目次~
 1.はじめに
 2.原理
  2.1 記録材料
  2.2 電気伝導度の温度依存性
  2.3 書き込み消去(セット動作,リセット動作)
 3.研究開発動向
  3.1 リセット電池削減の試み
  3.2 大容量化
  3.3 高速化
 4.おわりに


機能材料連載講座:因果化学からみる材料の機能性(9)
 フィードバック化学反応・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・78
 Chemical Reactions including Positive Feedback Processes

                             市村國宏

東邦大学 理学部 先進フォトポリマー研究部門 特任教授 

 非線形な効果を示す化学反応として,フィードバックがかかる化学反応系を取り上げる。
自己触媒反応や自己複製反応はわかりやすい反応例だが,反応活性種を生成させてから二次
的に反応を加速する考え方もある。具体的な例をあげて紹介するが,これらは触媒増幅系と
しての意義をもつ。

 ~目次~
 1.はじめに
 2.酵素と自己触媒的な反応
 3.非線形な有機化学反応
 4.2段階露光型フォトポリマー
 5.光および熱による酸の増殖反応
 6.酸増殖による光発色
 7.おわりに


連載:高分子材料の実用性(5)
 FRP,透明樹脂,抗菌樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・88

                               鴨川昭夫

元・理化学研究所 研究員/元・工学院大学 電子工学科;化学工学科 

 防災のためのFRP(繊維強化プラスチック)と,赤ちょうちんの屋形船,半透明で溶ける
ポリエステルと溶けないポリエステル。現在,清潔上,人が変わるたびに水平に動く抗菌
性のプラスチックの便座が作られている。熱可塑性樹脂であるポリプロピレンの切削が行
われている。金属の代わりにできたプラスチックの弾丸などもある。

 ~目次~
-スキー板素材の進化
-発泡スチロールのリサイクル
-ぬれても透けない白の水着
-透明樹脂の防音壁