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月刊バイオインダストリー 2014年11月号

【特集】ドラッグ・リポジショニング(DR)による医薬品開発

商品コード: I1411

  • 発行日: 2014年11月12日発行
  • 価格(税込): 4,860 円
  • 体裁: B5判
  • ISBNコード: 0910-6545

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目次

【特集】ドラッグ・リポジショニング(DR)による医薬品開発

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特集にあたって
Introduction

水島徹 (慶應義塾大学)

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ドラッグ・リポジショニング(DR)の動向
Drug-repositioning

水島徹 (慶應義塾大学)

 最近発売される新薬の数が減少している。この主な原因は、予想外の副作用が発生したり十分な体内動態が得られなかったりして、臨床試験が失敗することである。そこで注目されているのが、ヒトでの安全性と体内動態が十分に確認されている既承認薬の新しい薬理効果を発見し、その既承認薬を別の疾患治療薬として開発する戦略、ドラッグ・リポジショニング(DR)である。DRの利点はヒトでの安全性や体内動態などがよく分かっており臨床試験が失敗するリスクが低いことや、既にあるデータや技術を利用できるので、開発にかかる時間とコストを削減できることなどである。

【目次】
1. 2010 年問題と従来型医薬品開発戦略の限界
2. 安く安全な薬を作る必要性
3. ドラッグリポジショニングとは
4. DRの科学的背景
5. 企業でのDRと用語整理
6. DRのメリット
7. DRの成功例とそのパターン

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ドラッグ・リポジショニングに関するJBA の活動と産官学への提言
Activities of JBA on Drug Repositioning and Recommendations to Industry, Government and Academia

丹羽卓朗 ((一財)バイオインダストリー協会)

 既に広く使用されている既存医薬品あるいは開発を中止した化合物を新たな疾患治療薬として開発する研究、いわゆるドラッグ・リポジショニング(DR)が、短期間に低コストで、かつ、高い成功確率で医薬品を開発し得る手法として期待されている。一方、製薬企業にとってはビジネス上の課題も多々指摘されている。本稿では、産官学のそれぞれの立場からDRを概観し、DRを推進するための諸施策について提案した。

【目次】
1. はじめに
2. 製薬企業におけるDR
3. アカデミアにおけるDR
4. 行政から見たDR
5. 難病対策としてのDR
6. 難病対策としてのDR推進に関する産官学への提言
7. おわりに

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タンパク質構造情報に基づくインシリコDR
In silico Drug Repositioning Based on Protein Structure Information

広川貴次 ((独)産業技術総合研究所)
 
 構造ゲノミクスやタンパク質立体構造予測技術によるタンパク質立体構造情報の増加と、インシリコ創薬技術が相俟って、タンパク質立体構造情報とドッキング技術を活用したインシリコDRが注目されている。本稿では、いくつかの先行研究を概説しながら、タンパク質構造情報に基づくインシリコDRの課題や今後の展望について述べる。

【目次】
1. はじめに
2. タンパク質-リガンドドッキング計算
3. インバースドッキング計算を用いたインシリコDRに関する研究
  : タンパク質-化合物相互作用行列を用いたアプローチ
4. インバースドッキング計算を用いたインシリコDRに関する研究
  : タンパク質立体構造バイオインフォマティクスを用いたアプローチ
5. 構造情報に基づくインシリコDRの課題
6. おわりに

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乗り物酔い薬メクロジンによる低身長治療
Short Stature Treatment with Meclozine, An Over-the-counter Drug for Motion Sickness

鬼頭浩史 (名古屋大学)
松下雅樹 (名古屋大学)

 FGFR3の異常活性化によって生じる軟骨無形成症の新規根本的治療薬を探るべく既存薬を網羅的にスクリーニングしたところ、乗り物酔い薬メクロジンにFGFR3シグナル抑制作用があることを同定した。メクロジンは bone explant culture における骨伸長を促進しただけでなく、内服投与により疾患マウスの長管骨および脊椎の骨伸長を促進して、体長と体重の増加をきたした。

【目次】
1. はじめに
2. ドラッグスクリーニング
3. In vitro, ex vivo におけるメクロジンのFGFR3シグナル抑制能の検討
4. In vivo におけるメクロジンの骨伸長促進効果の検討
5. 考察
6. おわりに

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DR による大腸がん予防の有用性-アスピリンによる大腸ポリープ再発抑制-
Potential of Drug Repositioning for Colorectal Cancer Prevention : Inhibition of Colorectal Polyp Recurrence by Aspirin

武藤倫弘 ((独)国立がん研究センター研究所)
藤井元 ((独)国立がん研究センター研究所)

 有望ながん化学予防剤とその予防介入試験について、これまでの基礎資料を提示し、実現可能性の観点からドラッグ・リポジショニングが今後のがん予防に有用であることを述べる。具体的には、アスピリンのがん予防介入試験を題材にして、試験対象者数や研究デザイン、さらには政策への提言に関して考察する。

【目次】
1. はじめに
2. 基礎研究において予防効果の確認されている大腸がん化学予防剤
2.1 大腸発がん予防効果が確認されている合成低分子化合物
2.2 大腸発がん予防効果が確認されている天然物
3. RCTレベルで予防効果の確認されているがん化学予防剤
3.1 大腸発がん予防効果が確認されている合成
3.2 大腸発がん予防効果が確認されている天然物
4. 想定される段階別の臨床試験方法および対象集団
4.1 がんの高危険群に対するがん予防介入試験
4.2 がんの中危険群に対するがん予防介入試験
4.3 一般集団に対するがん予防介入試験
5. おわりに

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前立腺がん治療への応用が期待されるサブタイプ選択的α1 アドレナリン受容体遮断薬
Drug Repositioning of Subtype-selective α1-adrenoceptor Antagonists for Prostate Cancer Treatment

石井健一朗 (三重大学)
杉村芳樹 (三重大学)

 前立腺がんに対するドラッグ・リポジショニングとして、筆者らは日本企業が開発・販売している前立腺肥大症治療薬のうち、フェニルピペラジン骨格を有する治療薬が前立腺がんの増殖を抑制することを見出した。フェニルピペラジン骨格を有する治療薬による細胞周期阻害作用は本来の標的分子であるα1アドレナリン受容体を介さないオフターゲット効果であることから、前立腺がん以外のがん腫やがん微小環境を構成するがん細胞以外の細胞種に対する増殖抑制効果も期待される。

【目次】
1. はじめに
2. 前立腺がん治療におけるドラッグ・リポジショニング
3. 前立腺肥大症治療薬に関するドラッグ・リポジショニングの歴史
4. サブタイプ選択的α1アドレナリン受容体遮断薬に関するドラッグ・リポジショニング
4.1 CRPCモデル細胞の作製と意義
4.2 サブタイプ選択的α1アドレナリン受容体遮断薬による細胞増殖抑制機構の解明
4.3 サブタイプ選択的α1アドレナリン受容体遮断薬による腫瘍形成抑制機構の解明
4.4 フェニルピペラジン誘導体によるチューブリン重合阻害作用
5. サブタイプ選択的α1アドレナリン受容体遮断薬による前立腺がん治療以外への適応外使用の可能性
6. おわりに

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≪BIO R&D≫
大腸菌を用いた遺伝子組換えタンパク質の分泌発現
Extracellular Production of Recombinant Proteins Using Escherichia coli

柳原芳充 (三洋化成工業(株))

 タンパク質は洗剤から医薬品まで幅広く私達の生活に役立っており、新たに有用なタンパク質も次々と見出されている。このような背景のもと汎用性が高いタンパク質高発現系に対する期待は高まっていると,筆者らは考えている。そこで、当社の基盤技術である界面活性剤技術を応用し、大腸菌を用いた分泌発現系の構築を行った。本稿では、この技術の特長と今後の展望について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. タンパク質発現系開発の狙い
3. タンパク質発現系の現状
4. 大腸菌を用いた分泌発現系
5. 界面活性剤について
6. 界面活性剤の探索
7. 分泌発現
8. 当社発現系の特長
8.1 特長1 ; 発現量が多い
8.2 特長2 ; 精製が容易
8.3 特長3 ; 応用範囲が広い
9. 今後の展望

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部位特異的ヌクレアーゼを利用したゲノム編集
Targeted Genome Editing Using Site-specific Nuclease

山本卓 (広島大学)
坂本尚昭 (広島大学)
佐久間哲史 (広島大学)

 ゲノム編集は、人工ヌクレアーゼなどの部位特異的ヌクレアーゼを用いてゲノム中の目的の遺伝子を改変する技術である。微生物を含む全ての生物で利用可能であることから、ゲノム編集は次世代のバイオテクノロジーとして位置付けられている。筆者らは、高活性型の人工ヌクレアーゼ Platinum TALEN を開発し、哺乳類培養細胞、動物、植物における遺伝子改変を示してきた。Platinum TALEN を利用したゲノム編集は、品種改良や疾患研究など様々な分野での利用が期待される。

【目次】
1. はじめに
2. 部位特異的ヌクレアーゼを基盤とするゲノム編集
3. ゲノム編集で可能な遺伝子改変
4. ゲノム編集による細胞や生物の遺伝子改変
5. ゲノム編集技術の安全性
6. ゲノム編集の産業利用
7. おわりに
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