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月刊BIOINDUSTRY 2016年5月号

【特集】がん医療の新たな展開

商品コード:
I1605
発行日:
2016年5月12日
体裁:
B5判
ISBNコード:
0910-6545
価格(税込):
4,950
ポイント: 45 Pt
関連カテゴリ:
雑誌・定期刊行物 > 月刊バイオインダストリー

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著者一覧

広津崇亮 九州大学
和氣加容子 久留米大学
山田亮 久留米大学
二見淳一郎 岡山大学
安東敏彦 味の素(株)
門田宰 国立がん研究センター研究所
藤田雄 国立がん研究センター研究所
落谷孝広 国立がん研究センター研究所
伊藤寛晃 昭和大学
一柳敦 キッコーマン(株)
五味恵子 キッコーマン(株)
臼杵豊展 上智大学
藤田正博 上智大学
小島肇夫 国立医薬品食品衛生研究所
中澤慶久 大阪大学
鈴木伸昭 大阪大学
武野真也 大阪大学

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【特集】がん医療の新たな展開

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線虫嗅覚を利用した早期がん検出法
Diagnosis of Early Cancer Using C. elegans Olfaction

従来の人工機器を用いたがん診断法では, 精度とコストを両立させるのが難しいという問題があった。そこで筆者らは, 生物診断という新しいコンセプトに基づいたがん診断法の開発を行っている。本稿では, がんの匂いを線虫の優れた嗅覚で検出することにより可能となった, 低コストで高感度ながん診断技術について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. がんの匂いとがん探知犬
3. 線虫C. elegansの嗅覚と匂いに対する走性行動
4. 線虫のがんの匂いに対する反応
5. 線虫によるがん診断n-noseの精度
6. n-noseの利点, 欠点
7. 今後の発展

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急速に発展する免疫療法:がんワクチンの新展開
Rapid Progress in Cancer Immunotherapy:New Development of Cancer Vaccines

 免疫チェックポイント阻害抗体の登場は, がんワクチンの開発にも大きな影響を与えつつある。本稿では, 筆者らの行っているペプチドワクチンの開発を中心にがんワクチンの開発現状について述べるとともに, 免疫チェックポイント阻害抗体登場後の展望についても述べる。

【目次】
1. はじめに
2. がんワクチンの基礎
2.1 ペプチドワクチン
2.2 その他のワクチン
2.3 アジュバント
3. がんワクチンの臨床
3.1 テーラーメイドがんペプチドワクチン
3.2 膠芽腫に対するテーラーメイドがんペプチドワクチン
3.3 前立腺がん対するテーラーメイドがんペプチドワクチン
3.4 膀胱がんに対するテーラーメイドがんペプチドワクチン
4. 複合免疫療法
5. 世界における個別化ワクチンの開発
6. 今後の展望

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腫瘍免疫応答の活性化を測定する抗体検査技術の開発
Development of Antibody Detection System to Evaluate Activation of Anti-Tumor Immune Response

 がん免疫治療や関連の医薬品開発において, 腫瘍に対する免疫応答のレベルを簡便な血液検査で定量評価ができる診断技術が必要だ。がんに対する免疫応答が亢進している際には, 血液中に様々な抗がん抗原抗体が増加する。この抗体価の定量評価には, 独自開発の変性タンパク質の可溶化技術の活用が強力な手段となる。

【目次】
1. はじめに
2. がん免疫治療は個別化医療
3. がん抗原の種類と構造的な特徴
4. がん抗原・CT 抗原の抗原性
5. 抗がん抗原抗体の上昇と腫瘍免疫応答の活性化との相関
6. 全長・水溶性がん抗原タンパク質を用いた高感度抗体検査試薬の開発
7. Antigen-Spreading測定による腫瘍免疫応答の活性化診断の可能性

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血漿中アミノ酸プロファイルによる, がんリスクスクリーニング法の有用性
Diagnostic Performance and Clinical Utility of Novel Cancer Screening Method Based on the Plasma Free Amino Acid Profile

【目次】
1. 血漿中アミノ酸プロファイルとは
2. 「アミノインデックス技術」を用いたがんリスク・スクリーニング法(AICS)
2.1 「アミノインデックス技術」とは
2.2 がん患者でのアミノ酸プロファイル変化とAICS(R)の開発
2.3 AICS(R)検査結果の表示方法とランク別リスク
2.4 AICS(R)の各種がんに対する感度と特徴
3. 膵臓がんへの応用
3.1 膵臓がん検診の現状
3.2 AICS(膵臓)臨床研究の概要
3.3 AICS(膵臓)の検査性能
4. おわりに

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マイクロRNAに秘められたがん診療への可能性       
Clinical Applications of MicroRNAs in Cancer

 マイクロRNA は約22塩基の1本鎖RNAであり, 様々な疾患に関与していることが解明されている。がんでも実に多くの知見が集まり, 診断や治療でのブレークスルーになりうると期待されている。本稿では, このマイクロRNAのがん臨床応用の現状と今後の展望について, 特にバイオマーカーとしての役割と治療に焦点を当て概説する。

【目次】
1. はじめに
2. がんにおけるmiRNAの関与
3. miRNAによるがん診断
4. miRNAによる予後予測と治療反応予測
5. バイオマーカーとしてのmiRNAの問題と今後の展望
6. miRNAによるがん治療
7. おわりに

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循環がん細胞研究の最近の知見と将来展望
Circulating Tumor Cells:Recent Discoveries and Expectations

 循環がん細胞研究はがんの早期発見, 予後推定, 治療選択, 治療効果判定などへの有用性が期待されてきた。近年のテクノロジーの進歩により, 循環がん細胞と上皮間葉転換, がん幹細胞, そして遊離核酸との関連と転移形成能に関して新たな知見が積み重ねられ, がんの転移メカニズム解明や新規治療開発という次の段階に進もうとしている。循環がん細胞研究の最近の知見と将来展望を述べる。

【目次】
1. はじめに
2. 循環がん細胞の概念
3. 循環がん細胞検出技術
4. 循環がん細胞研究の展望

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BIO R&D

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糖尿病診断マーカーHbA1c酵素測定法の新たな展開
Recent Development on Enzymatic Assay of Hemoglobin A1c for Diabetes Diagnosis

 糖尿病診断において糖化ヘモグロビン(HbA1c)の測定数が増加している。HbA1cの酵素測定法は迅速・正確・簡便な手法であることから, 徐々に市場が広がっている。我々は, 次世代のHbA1c酵素測定法の開発に取り組み, プロテアーゼによるHbA1c分解が必要ないHbA1c測定法「ダイレクト測定法」を開発に成功した。

【目次】
1. はじめに
2. HbA1c酵素測定法 「ジペプチド法」 の開発
3. HbA1cに直接働く酵素の開発
4. プロテアーゼを必要としないHbA1c酵素測定法の開発
5. おわりに

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植物由来天然有機化合物のイオン液体抽出・単離法
Extraction of Plant Natural Products Using an Ionic Liquid

 セルロース溶解性イオン液体を利用することによって, 植物葉より生物活性天然有機化合物を従来法よりも効率的に抽出・単離可能な方法を開発した。本稿では, イチョウ, サツマイモ, およびレモンマートルの葉に含まれる有用な天然有機化合物のイオン液体抽出・単離法について報告する。

【目次】
1. はじめに
2. イチョウ葉からshikimic acid
3. サツマイモ葉からCQAs
4. レモンマートル葉からcitral
5. おわりに

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BIO BUSINESS

動物実験代替法の現状と課題
Current Situations and Issues on Alternative to Animal Testings

 動物福祉の観点から, 動物実験代替法の開発を求める機運が高まっている。安全性評価を行う場合, 試験法ごとに異なる特徴や適用限界を把握して動物を用いない代替法であるin silico, in vitro試験法を選択せねばならない。しかし, それらの試験法は大きな問題を抱えており, まだ安全性評価に耐えられる状況にはない。

【目次】
1. 動物実験に関する国際動向
2. 代替法の公定化
3. 代替法に関した安全性試験に関する国内外の動向
4. in vitro試験の問題点

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TOPICS

トチュウの樹が秘める新たな可能性―トチュウエラストマー―
New Possibility of the Eucommia Biomass, Development of Eucommia Elastomer

 トチュウエラストマー(EuTPI)とは, 薬用植物のトチュウに含まれるトランス型ポリイソプレンである。戦前から注目されてきた天然樹脂の一種である。しかし, トチュウバイオマスの安定供給手法や効率的な抽出技術がなく未利用の素材であった。本稿では, このEuTPIの開発に至った経緯を紹介し, 産学連携で取り組む植物由来機能性素材のイノベーションについて紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. トチュウエラストマー開発までの経緯
3. 産学連携によるイノベーション
4. トチュウエラストマーの用途と将来展望
5. おわりに