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カルコゲナイド系層状物質の最新研究

  • Frontier of Layered Chalcogenide Materials Research
★ポストグラフェンの最有力であるカルコゲナイド系層状物質の基礎的事項を網羅し、バルク単結晶や薄膜の形成法、構造制御法を詳説!
★原子薄膜材料としての特性を活かしたトランジスタや光電変換素子、水素発生触媒等、応用展開についても解説!!

商品コード: T1012

  • 監修: 上野啓司、安藤淳、島田敏宏
  • 発行日: 2016年7月28日
  • 価格(税込): 75,600 円
  • 体裁: B5判、286ページ
  • ISBNコード: 978-4-7813-1166-1

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  • カルコゲナイド系層状物質 / 遷移金属ダイカルコゲナイド / グラフェン / 原子薄膜材料 / 種類 / 構造 / 基礎物性 / 合成・構造制御 / 応用 / ARPES法 / 光学物性 / 電界誘起超伝導 / ラマン分光 / 単結晶成長 / ヘテロ接合形成 / CVD法 / プラズマCVD法 / スパッタ成長 / 液相単層剥離 / エッジ効果 / MOSFET / エレクトロニクス / トランジスタ / 電気二重層 / 光電変換 / スピントロニクス / 熱電変換 / 水素発生触媒 / トライボロジー

刊行にあたって

 遷移金属ダイカルコゲナイドに代表されるカルコゲナイド系層状物質は、例えば天然のMoS2が固体潤滑剤や触媒材料として実用に供される一方、酸化物高温超伝導体発見以前のHigh-Tc超伝導体としての研究、電荷密度波(CDW)研究、あるいはインターカレーションによる新規物性発現研究の対象として、1980年代までは物性物理分野において盛んな研究が行われていた。2004年にグラフェンの絶縁性基板上への形成手法が開発され、その後膨大な数の研究が展開されてきたが、その一方でカルコゲナイド系層状物質の単層~数層試料も「機能性原子薄膜材料」として再度注目を集めることとなった。現在、次世代ナノエレクトロニクス材料としての様々な応用研究が世界中で精力的に進められており、我が国においても研究が活発化している。
 このような状況下において、現在国内で精力的に進められている様々な研究をまとめ、本材料系に注目している研究者諸氏に情報提供を行うことは意義あることと考え、本書籍を企画するに至った。本書が本物質系研究者の情報源として活用され、新しい研究者参入のきっかけとなり、我が国における研究のより一層の進展につながれば、監修に携わったものとして望外の喜びである。(「刊行にあたり」より一部抜粋)

著者一覧

上野啓司  埼玉大学
安藤淳  産業技術総合研究所
島田敏宏  北海道大学
小間篤  秋田県立大学
柳瀬隆  北海道大学
グエンタンクン  物質・材料研究機構
岡田晋  筑波大学
菅原克明  東北大学
高橋隆  東北大学
神田晶申  筑波大学
松田一成  京都大学
上野和紀  東京大学
山本真人  大阪大学
塚越一仁  物質・材料研究機構
守谷頼   東京大学
北浦良   名古屋大学
小椋厚志  明治大学
石原聖也  明治大学
若林整   東京工業大学
加藤俊顕  東北大学
金子俊郎  東北大学
吾郷浩樹  九州大学
小林佑   首都大学東京
宮田耕充  首都大学東京
阿澄玲子  産業技術総合研究所
野内亮   大阪府立大学
林賢二郎  (株)富士通研究所
實宝秀幸  (株)富士通研究所
大淵真理  (株)富士通研究所
佐藤信太郎 (株)富士通研究所
森貴洋   産業技術総合研究所
中払周   物質・材料研究機構
蒲江    早稲田大学
竹延大志  名古屋大学
毛利真一郎 立命館大学
河本邦仁  (公財)豊田理化学研究所
万春磊   清華大学
田若鳴   (公財)豊田理化学研究所
藤田武志  東北大学
平岡尚文  ものつくり大学

目次

巻頭言

【第1編 カルコゲナイド系層状物質の種類、構造、基礎物性】

第1章 層状物質とは:その種類と構造、基礎物性
1 はじめに
2 層状物質とは
3 層状物質の基礎物性
4 層状物質の種類
4.1 遷移金属ダイカルコゲナイド
4.2 13族カルコゲナイド
4.3 14族カルコゲナイド
4.4 ビスマスカルコゲナイド
4.5 銅酸化物からなる高温超伝導体
4.6 水酸化2価金属
4.7 ハロゲン化金属
4.8 層状ケイ酸塩(フィロケイ酸塩鉱物)
4.9 層状酸化物
4.10 単原子層状物質と類似化合物

第2章 カルコゲナイド系層状物質の構造と物性
1 はじめに
2 カルコゲナイド系層状物質の主な構造
3 カルコゲナイド系層状物質の固体化学―なぜ層状構造で安定なのか?―
4 電子物性と機能
4.1 valleytronics
4.2 トポロジカル物質
4.3 その他の電子応用
5 触媒機能その他

第3章 電界下印加による二硫化モリブデン薄膜の電子構造変調
1 はじめに
2 計算手法
3 電界下の二硫化モリブデン薄膜の電子構造
4 まとめ

第4章 遷移金属ダイカルコゲナイド原子層薄膜の電子状態
1 はじめに
2 角度分解光電子分光法
3 MBE法による遷移金属ダイカルコゲナイド単層膜の作製
4 MoSe2およびWSe2単層膜の高分解能ARPES
5 WSe2単層膜のスピン分解ARPES
6 今後の展望

第5章 超伝導層状カルコゲナイド/グラフェン接合
1 はじめに
2 超伝導体/グラフェン接合におけるアンドレーエフ反射:理論的側面
3 超伝導体/グラフェン接合におけるアンドレーエフ反射:実験的側面
3.1 電子/ホールだまり
3.2 超伝導体からの電荷ドープ
4 超伝導層状カルコゲナイド/グラフェン接合
5 まとめと今後の展望

第6章 単層遷移金属ダイカルコゲナイドの光学的性質
1 はじめに
2 遷移金属ダイカルコゲナイドの電子状態
3 バルクから単層遷移金属ダイカルコゲナイドの電子状態
4 遷移金属ダイカルコゲナイドの光学スペクトル
5 単層MoS2のバレー分極現象
6 単層遷移金属ダイカルコゲナイドの光吸収特性
7 単層遷移金属ダイカルコゲナイドの発光特性
8 化学ドーピングによる単層遷移金属ダイカルコゲナイドの光学制御
9 単層遷移金属ダイカルコゲナイドの発光効率
10 まとめ

第7章 電場誘起超伝導
1 はじめに
2 電場誘起によるキャリアドーピングと超伝導
2.1 電気二重層トランジスタ
2.2 電気二重層トランジスタを用いた層状化合物半導体の電場誘起キャリアドーピング
2.3 キャリアドーピングによる超伝導
3 層状物質の電場誘起超伝導
3.1 ZrNCl の電場誘起超伝導
3.2 MoS2 の電場誘起超伝導
3.3 その他の遷移金属ダイカルコゲナイドの超伝導

第8章 遷移金属ダイカルコゲナイドのラマン分光
1 はじめに
2 結晶構造と振動モード
3 ラマンシフトの層数依存性
4 ラマン活性の層数依存性
5 おわりに


【第2編 合成・構造制御】

第1章 カルコゲナイド系層状物質の単結晶成長とその応用
1 はじめに
2 TMDCの構造
3 TMDCのバルク単結晶成長
3.1 石英アンプルの準備
3.2 原料と輸送剤の準備
3.3 石英アンプルへの原料真空封入
3.4 管状炉での石英アンプル加熱
3.5 加熱後の冷却、試料取り出しと洗浄
4 TMDC単結晶からの原子層FET形成
5 ファンデルワールス・エピタキシー
6 おわりに

第2章 カルコゲナイド系層状物質単結晶の劈開と転写によるヘテロ接合形成
1 はじめに
2 歴史
3 劈開
3.1 ①テープの上に層状物質の結晶をのせる
3.1.1 バルク結晶の結晶粒の大きさ
3.1.2 テープを選ぶ
3.1.3 テープの上への結晶ののせ方
3.2 ②テープで結晶を劈開し薄片化する
3.3 ③基板にテープを押し付ける
3.3.1 基板の表面処理
3.3.2 テープのこすりつけ方
3.4 ④テープを剥がして結晶を劈開する
3.5 テープを使用しない劈開法
4 転写法
4.1 乾式転写法(Dry transfer)
4.2 乾式剥離法(Dry release)
4.3 スタンピング法(Stamping)
5 まとめ

第3章 カルコゲナイド系層状物質薄膜のボトムアップ成長
1 はじめに
2 CVD法によるTMDCの成長
3 ツーステップCVD法によるTMDC原子層の成長
4 ワンステップCVD法によるTMDC原子層の成長
5 hBN基板へのTMDCのCVD成長
6 TMDCのMBE成長

第4章 カルコゲナイド系層状物質薄膜のスパッタ成長
1 はじめに
2 スパッタMoS2の膜構造
3 スパッタMoS2の電気特性
4 スパッタMoS2の結晶性と化学状態
5 スパッタMoS2の硫黄欠損補填による膜質向上
6 おわりに

第5章 単層単結晶遷移金属ダイカルコゲナイドの大結晶合成とプラズマ機能化
1 はじめに
2 単層単結晶TMDの大結晶合成
3 不純物添加TMDにおける局在励起子の観測
4 マイルドプラズマ機能化による二層TMDの発光強度増大
5 まとめ

第6章 グラフェン上でのカルコゲナイド系層状物質のCVD成長
1 はじめに
2 グラフェン上でのNbS2のCVD成長
3 グラフェン上でのMoS2のCVD成長
4 グラフェンナノリボン上でのMoS2のCVD成長
5 MoS2/グラフェンのヘテロ構造のデバイス応用
6 MoS2によるグラフェンのグレイン構造の可視化への応用
7 おわりに

第7章 カルコゲナイド系層状物質薄膜を用いた層内/層間ヘテロ接合形成
1 はじめに
2 TMDC原子層の化学気相成長
3 TMDC原子層/グラファイト層間ヘテロ接合の作製と光学的性質
4 Mo/W系TMDCの層内/層間ヘテロ接合の作製
5 Nb/W系TMDCの層内ヘテロ接合の作製
6 おわりに

第8章 液相単層剥離によるカルコゲナイド系層状物質原子層形成
1 はじめに
2 試薬を用いたインターカレーションによる単層剥離法
3 電気化学的なインターカレーションによる剥離法
4 極性有機溶媒や界面活性剤を用いた単層剥離法
5 前駆体を用いたナノシートの液相合成法
6 まとめ

第9章 金属/カルコゲナイド系層状物質接合形成におけるエッジ効果
1 はじめに
2 Schottky障壁高さの実験的抽出
2.1 抽出方法
2.2 抽出過程の例:多層MoS2へのCr/Au電極接合
2.3 チャネル幅依存性によるエッジ効果の確認
3 エッジ効果のモデル化
3.1 バンドの曲がりの定式化
3.2 計算結果の例:多層MoS2への電極接合
4 おわりに

第10章 Al2O3(0001)面上のMoS2成長と理論的考察
1 はじめに
2 多結晶Al2O3基板を用いたMoS2の優先的成長の観察
3 Al2O3(0001)面基板上に成長したMoS2のモルフォロジー
4 おわりに


【第3編 応用】

第1章 カルコゲナイド系層状物質の極薄ボディMOSFET応用
1 MOSFET技術
2 カルコゲナイド系層状物質MOSFET
3 カルコゲナイド系層状物質MOSFETにおける散乱要因
3.1 音響フォノン散乱
3.2 光学フォノン散乱
3.3 フォノン散乱への高誘電率ゲート絶縁膜の影響
3.4 帯電不純物散乱
3.5 ラフネス散乱
4 実験による散乱要因検討
4.1 電界効果移動度の温度依存性評価
4.2 実効移動度評価
5 まとめ

第2章 遷移金属ダイカルコゲナイド半導体α-MoTe2のトランジスタ極性制御
1 はじめに
2 遷移金属ダイカルコゲナイド(TMDC)半導体のトランジスタ応用の利点と課題
3 α相二テルル化モリブデン(α-MoTe2)の新しいトランジスタへの応用
4 α相二テルル化モリブデン(α-MoTe2)ショットキー接合の両極性キャリア注入
5 まとめ

第3章 カルコゲナイド系層状物質を用いた電気二重層トランジスタ
1 はじめに
2 遷移金属ダイカルコゲナイド(TMDC)薄膜
3 電気二重層トランジスタ(EDLT)
4 イオンゲルを用いたTMDC EDLT
4.1 大面積単層TMDC EDLT
4.2 フレキシブル・ストレッチャブルTMDC EDLT
4.3 フレキシブル単層TMDCインバータ
5 EDLTによる新機能素子
5.1 熱電変換機能の制御
5.2 単層TMDCフォトダイオード
5.3 単層TMDC発光ダイオード
6 まとめ

第4章 光電変換材料としての遷移金属カルコゲナイド
1 はじめに―光電変換材料としての遷移金属カルコゲナイド―
2 遷移金属ダイカルコゲナイドを利用したヘテロ構造太陽電池とその光電変換特性
2.1 CVD法による大面積MoS2薄膜合成とその特性評価
2.2 熱剥離テープによる薄膜転写技術
2.3 グラフェン/MoS2/n-Si太陽電池作製手順
2.4 グラフェン/MoS2/n-Si太陽電池の特性測定
2.5 グラフェン/MoS2/n-Si太陽電池の発電機構
3 今後の展望

第5章 カルコゲナイド系層状物質のスピントロニクス応用
1 はじめに
2 層状物質とスピントロニクス
3 層状物質強磁性体
4 まとめ

第6章 カルコゲナイド系層状物質を用いた熱電変換素子
1 はじめに
2 TiS2
3 電気化学インターカレーションによるTiS2/有機複合超格子の構築
4 TiS2/有機複合超格子の組成と構造
5 極性有機分子の静電遮蔽効果によるキャリア移動度のチューニング
6 大誘電率の極性分子H2OのインターカレーションによるZTの向上
7 キャリア濃度の低減による高ZT化
8 フレキシブルn型熱電変換材料の熱電応用

第7章 カルコゲナイド系層状物質の水素発生触媒としての展開
1 はじめに
2 リチウムを利用した化学剥離
3 透過電顕による原子分解能観察
4 水素発生触媒
5 おわりに

第8章 カルコゲナイド系層状物質のトライボロジー応用
1 固体潤滑剤としてのカルコゲナイド系層状物質
2 潤滑剤としての性質
2.1 潤滑メカニズム
2.2 雰囲気の影響
2.3 温度の影響
3 用法
3.1 粉体
3.2 被膜
3.2.1 焼成被膜
3.2.2 スパッタリング膜
3.2.3 ショット処理
3.2.4 その他
3.3 添加剤・充てん剤
3.3.1 潤滑油への添加
3.3.2 樹脂等への充てん
3.4 潤滑油添加剤からの生成
4 応用例

第9章 カルコゲナイド原子膜半導体におけるキャリアの注入と散乱
1 はじめに
2 原子膜伝導における電気伝導の原子層数依存性
2.1 本研究のために作製した試料と計測
2.2 電流注入の層数依存性に関して
2.3 伝導の層数依存性に関して
3 考察と対策
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