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月刊機能材料 2025年8月号

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【創刊44周年記念特集】高分子材料の耐候性向上のための取り組み

★高分子材料は様々な環境下で活用されていますが,太陽光や温度,湿度などのストレスに晒されることで材料の劣化につながります。劣化によるトラブルを避けるためにも,原因の解析・評価に加えて劣化しにくい材料の開発も求められております。本特集では物性評価に加え,材料開発の取り組みを紹介します。

※こちらは雑誌版(紙媒体)の商品注文ページです。
※月刊機能材料は「雑誌版(紙媒体)」と「電子版(DL版)」の2プランにて販売しております。電子版 (税込4,620円)をお求めの方は 電子書籍専用販売サイト「CMCeBook」 よりご注文ください。電子版のご注文は コチラ(別サイトに移動します)

商品コード:
M2508
発行日:
2025年8月7日
体裁:
B5判
ISSNコード:
0286-4835
価格(税込):
4,950
ポイント: 45 Pt
関連カテゴリ:
新刊・近刊
月刊誌・定期刊行物
月刊誌・定期刊行物 > 月刊機能材料
新材料・新素材 > 高分子・プラスチック

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著者一覧

佐藤圭祐  (一財)化学研究評価機構
高橋邦宜  三菱ケミカル(株)
大杉亮輔  SPACECOOL(株)
末光真大  SPACECOOL(株)
山川裕  (株)サクラクレパス
日本電気硝子(株)
上乾智  積水成型工業(株)
田畑章  ゴイク電池(株)
田畑英志  ゴイク電池(株)
高岡浩實  ゴイク電池(株)
仲田宗弘  ゴイク電池(株)

目次 +   クリックで目次を表示


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【創刊44周年記念特集】高分子材料の耐候性向上のための取り組み

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屋外暴露や促進耐候性暴露によるプラスチックの耐候性評価
Weathering Evaluation of Plastics by Exposure to Solar Radiation or Artificial Accelerated Weathering

 プラスチック製品は,使用期間に応じて適切な耐候性の設計が必要であり,その際に耐候性試験は有効な手段である。ここでは,ポリプロピレンをベースとしたプラスチックに光安定剤を添加した試料で耐候性試験を行った事例を示した。屋外暴露と促進耐候性暴露の相関性は複雑でプラスチックの寿命を1 つの試験だけで判断するのはリスクが大きい。耐候性試験は時間がかかるので,試験は効率的,効果的に進めることが重要である。

【目次】
1 はじめに
2 促進耐候性暴露試験
3 プラスチックの耐候性評価事例 光安定剤を配合したポリプロピレンの耐候性試験
 3.1 モデル材料の作製
 3.2 屋外暴露と促進耐候性暴露
 3.3 シャルピー衝撃試験
 3.4 ケミルミネッセンス測定
 3.5 試験結果
4 まとめ

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テファブロック TM CP の開発と特徴
Development and Characteristics of Tefabloc TM CP

 テファブロック TM CP は,透明性に優れる非晶性ポリオレフィンの一種で,従来の透明樹脂にはない耐候性や耐薬品性のバランスを持つ新素材であり,主な特徴は以下の通りである。①可視光領域において,高い透明性を有する代表的な非晶性ポリオレフィンであるCOP と同等の光線透過率を有する(高い透明性)。②ポリマー中に反応部位がなく,紫外線による劣化が少ない構造を持ち,添加剤によりさらに耐候性を強化したグレード(CP102R)や紫外線透過グレード(CP103R)も展開。促進耐候試験では,黄変や透明性の劣化が少なく,PMMA に匹敵する耐候性を示す(優れた耐候性)。③ PMMA より吸水性が低く,耐薬品性にも優れているため,吸水による寸法変化やクラック発生のリスクが低減される(低吸水性・高耐薬品性)。④ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)など他のポリオレフィン材料と熱融着が可能で,インサート成形やヒートシール,振動溶着,レーザー溶着など多様な接合方法に対応出来る(熱融着性)。⑤紫外線吸収剤を使わずに紫外線を透過しつつ耐久性を確保したグレード(CP103R)は,UV-A やUV-B 領域で高い透過率を持ち,滅菌に用いられるUV-C 領域の一部波長も透過可能。石英ガラスより軽量で成形自由度も高いことから,紫外線利用分野での新たな用途展開が期待される(紫外線透過性と耐久性の両立)。まとめると,テファブロック TM CP は高透明性と耐候性,耐薬品性を兼ね備え,他のポリオレフィンとの接合も容易な素材であり,特に紫外線透過と耐久性を両立する点で従来の透明樹脂にはない特徴を有する。これにより,機能性とコストの合理化を図りつつ,幅広い用途展開が可能な新素材として注目されている。

【目次】
1 はじめに
2 テファブロック TM CP の特徴
 2.1 透明性について
 2.2 耐候性について
 2.3 吸水性,耐薬品性について
 2.4 接着性について
 2.5 テファブロック TM CP の特徴まとめ
3 紫外線領域におけるテファブロック TM CP の特徴
 3.1 紫外線領域の透過性について
4 まとめ

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放射冷却素材SPACECOOL® の耐久性向上による社会実装の拡大と脱炭素社会への貢献
Expanding Social Implementation and Contributing to Carbon Neutrality through Durability Improvements of SPACECOOL®

 放射冷却素材SPACECOOL® は直射日光下で外気より低温となる素材であり,建築外皮や屋外設備などへの応用が期待されている。本稿では,その原理について紹介するとともに,社会実装の拡大のための高耐久化の取組を紹介する。さらにSPACECOOL® の建築分野での実装事例,特に屋上防水シートへの展開を通じて,本技術の社会実装や,脱炭素社会への貢献について概観する。

【目次】
1 はじめに
2 放射冷却素材の冷却原理
3 放射冷却素材の性能
4 耐久性の向上
5 耐久性の向上による社会実装の拡大
6 省エネルギー性の評価
7 結言

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[Material Report-R&Dー]

プラズマインジケータ TM PLAZMARK® の特性および応用例
Characteristics and Applications of the Plasma Indicator TM PLAZMARK®

 プラズマ技術は半導体,環境,医療など幅広い分野で応用されており,プロセス制御にはプラズマの評価技術が不可欠である。プラズマインジケータは,プラズマ処理の効果を色調の変化として可視化することで,処理強度を簡便に評価可能な技術である。本稿では,その特性と評価事例について解説する。

【目次】
1 はじめに
2 プラズマインジケータについて
 2.1 プラズマインジケータの特性と変色度合の評価
 2.2 プラズマインジケータの種類と用途
 2.3 プラズマインジケータの変色原理
3 プラズマ評価事例
 3.1 既存評価技術との相関
 3.2 混合ガスプラズマの評価
 3.3 面内分布の評価
 3.4 活性種挙動の可視化
4 おわりに

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20 万回の繰り返し曲げ試験に合格!モトローラのrazr 50・razr 60 シリーズに“日本製”ガラスが採用
Passed 200,000 Bending Tests! Japanese Glass Adopted in a Foldable Smartphone

 モトローラの折りたたみスマホrazr 50・razr 60 シリーズに,日本電気硝子の超薄板ガラス「Dinorex UTG®」が採用されている。このガラスは厚さ0.035 mm と紙よりも薄く,20 万回の繰り返し曲げ試験をクリアする高い耐久性を持つ。 また,高い平坦性によりディスプレイの精細さを維持し,折りたたみスマホ市場の成長を支えている。

【目次】
1 折りたたみスマホ市場は急成長中,2028 年には8 倍に
 1.1 クリアさのカギは「ガラス」
2 なぜガラスが曲がるのか?割れないのか?
 2.1 ハンマーで叩いても割れないガラス
 2.2 紙より薄いガラスで「曲げ」を実現
 2.3 20 万回の繰り返し曲げ試験をクリア
 2.4 ディスプレイの精細さを支える高い平坦性
3 MADE IN JAPAN のDinorex UTG®の可能性

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[Market Data]

有機ゴム薬品工業の市場動向

 2023 年の有機ゴム薬品の生産量は,2018 年を基準に考えると14.0%減と,長く減少傾向が続いている。ユーザー企業の海外シフトという構造的な問題が続いており,生産量は2009 年以来減少傾向が止まらず,低迷している。

【目次】
1 需要動向
2 新ゴムの需給動向
3 有機ゴム薬品の輸出入推移
4 メーカー動向・製品開発

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電池用材料ケミカルスの市場動向

 2023 年の一次電池・二次電池の合計出荷数量は約36.5 億個で,前年より微減となった。二次電池は環境負荷軽減の要請が高く,HV,EV車需要の拡大などによる需要の増加が期待されている。一方,一次電池は環境負荷軽減や二酸化炭素排出削減対策として,二次電池へのシフトが起こっており,低い水準で推移している。電池用構成材料は,EV向けの需要がより拡大しているリチウムイオン電池向けの構成材料に大きな期待が寄せられている。

【目次】
1 電池市場の概要
2 開発動向と構成材料
3 二次電池構成材料の市場動向
 3.1 リチウムイオン電池構成材料の市場
 3.2 ニッケル水素電池構成材料の市場

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[Material Profile]

フルフリルアルコール
Furfuryl alcohol

メタクリル酸シクロヘキシル
Cyclohexyl methacrylate


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【3誌合同特集】夢と技術の融合:大阪・関西万博 リボーンチャレンジ

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大阪・関西万博「大阪ヘルスケアパビリオン」における高衝撃緩和型薄畳「MIGUSA CARE」出展
Exhibiting at the Healthcare Pavilion of the Expo 2025, Osaka, Kansai, Japan.
MIGUSA CARE: High Performance, Shock Absorbing, Low Profile Tatami Mats

 この度,大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオンの「リボーンステージ」にて,2025年9月2日(火)~8日(月) の期間で,株式会社ウィドゥ・スタイルと共同出展をおこなう。出展のコンソーシアム名は「ウィドゥ・スタイル 積水成型工業 ~和で創る健康寿命 “間 ma”~」としており,出展物の一つとして「高衝撃緩和型薄畳MIGUSA CARE」を展示する。本稿ではこの畳について紹介する。

【目次】
1 はじめに
2 MIGUSA CARE
3 安全性
4 未来の生活

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バッテリーの循環で脱炭素社会に貢献するLIB 容量の瞬時診断技術
Technology for Instant Diagnosis of Lithium-ion Battery Deterioration

 脱炭素社会に向けて,リチウムイオンバッテリー(LIB)を中核として電気自動車(EV)をはじめ多く使用されており,その傾向は急激に増加している。しかし,LIB をリサイクルするためには多額のコストがかかること,資源が海外流出することなど多くの課題を有している。その中で,資源循環社会を実現するためにLIB 容量の瞬時診断が必要になることを複数の協議会等が提唱している。本稿では,取組の中の一つである大阪・関西万博にて展示した「バッテリーを簡単・瞬時に診断する技術」の内容や展望を記載する。

【目次】
1 展示内容
2 まとめ

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[連載企画]

大阪・関西万博 大阪ヘルスケアパビリオン「リボーンチャレンジ」
MOBIO の取り組み【第4回】

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