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月刊ファインケミカル 2026年6月号

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【特集】 金属クラスターの精密設計と機能開拓

★金属クラスターは、数個から数十個の金属原子から構成され、その精密な構造設計により特異な触媒機能や光物性を発現する次世代のナノ材料として大きな注目を集めています。本特集では、金属クラスターの基礎学理から合成、さらには高活性触媒の創製や次世代光エネルギー変換への応用展開に至るまで、その最前線を牽引する研究者の皆様にご寄稿いただき、最新の研究成果と今後の展望を紹介します。

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商品コード:
F2606
発行日:
2026年6月15日
体裁:
B5判
ISSNコード:
0913-6150

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キーワード:

金ナノクラスター / 超原子 / 超原子分子 / 電子構造 / 光学特性 / 金属ナノクラスター / 触媒 / 光触媒 / 超分子 / 水素結合 / 三重項 / フォトンアップコンバージョン / 光エネルギー変換 / 銅クラスター / 触媒機能設計 / 電気化学的二酸化炭素還元反応 / 発光 / 励起状態制御 / イオン間相互作用 / 円偏光発光 / 間隙空間 / 希土類 / 結晶内反応 / 非クーロン性イオン固体 / 水和イオン伝導 / 金属クラスター / 酸化物クラスター / 結晶 / ガス吸着 / イオン吸着 / ケイ素架橋配位子 / 触媒的水素化 / 固定化触媒 / 挿入反応

著者一覧

東北大学 根岸雄一
東京大学 伊藤駿
東京大学 佃達哉
京都大学 磯﨑勝弘
立教大学 三井正明
奈良先端科学技術大学院大学 石井航
大阪公立大学 中嶋琢也
大阪大学 吉成信人
東京大学 内田さやか
東京大学 平井遥
東京大学 原口直哉
東京大学 砂田祐輔
日本カラー工業(株) 西辻宏彰

目次   クリックで目次を閉じる

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【特集】 金属クラスターの精密設計と機能開拓

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特集にあたって
Preface

 金属クラスターは,数個から数十個の金属原子から構成されるナノスケール物質であり,分子と固体の中間に位置する特異な物質群である。この領域では電子準位が離散化し,構造と電子状態が強く結びつくため,原子数や幾何構造,配位子環境のわずかな変化が物性および反応性に本質的な影響を及ぼす。本特集では,このような金属クラスター研究の進展を背景に,合成化学から機能開拓,さらには応用展開に至るまで,各分野の最前線で活躍する研究者による最新の成果を体系的に俯瞰する。

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化学修飾金超原子を基盤とする物質化学
Materials Chemistry Based on Chemically-Modified Gold Superatoms

 我々は,配位子で保護された金ナノクラスターを化学修飾超原子と捉え,新しい人工原子としての体系化に取り組んでいる。本稿では,超原子の構造因子が電子構造や物性に及ぼす影響,さらにそれらを構成単位とした擬似的な分子や集積体への展開について紹介する。

【目次】 
1 はじめに 
2 超原子とは 
3 金超原子の構造因子が物性に与える効果 
3.1 形状 
3.2 組成 
4 超原子を構成単位とした物質創製 
4.1 超原子分子 
4.2 超原子の集積体 
5 おわりに

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超分子化学を活用した高活性金属ナノクラスター触媒の創製
Accelerated Gold Nanocluster Catalysts Enabled by Supramolecular Chemistry

 複数の水素結合部位を有する樹状配位子を用いることで,金ナノクラスター表面に水素結合の結合-解離平衡に基づいて基質を動的に捕捉・放出する超分子反応場を構築できる。本稿では,このような超分子反応場を活用した金ナノクラスター光触媒反応,および触媒反応の高効率化手法に関するこれまでの研究成果をまとめる。

【目次】 
1 はじめに 
2 ペプチドデンドロンチオラート修飾金ナノクラスターの合成と動的挙動 
3 光触媒酸化反応に対する反応加速効果 
4 触媒的環化付加反応に対する反応加速効果 
5 二重触媒作用に対する反応加速効果 
6 おわりに

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金属クラスターが拓く次世代光エネルギー変換 -フォトンアップコンバージョンへの展開-
Metal Nanoclusters for Next-Generation Light Energy Conversion:Toward Advanced Photon Upconversion

 金属クラスターは,離散的な電子構造に基づく分子様の励起状態緩和を示し,励起三重項状態が光物理プロセスにおいて重要な役割を果たす。本稿では,金属クラスターにおける三重項生成の学理から,増感剤としてのフォトンアップコンバージョンへの展開に至るまで,筆者らの研究成果を中心に最新の進展を概説する。

【目次】 
1 はじめに 
2 金属クラスターにおける三重項生成 
3 金属クラスターを用いた三重項増感とフォトンアップコンバージョン 
3.1 三重項-三重項消滅に基づくフォトンアップコンバージョン(TTA-UC) 
3.2 三重項増感剤としての金属クラスター 
4 おわりに

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銅クラスターの精密設計による触媒機能制御 ―配位子・構造・欠陥・次元性の統合設計―
Integrated Design of Copper Clusters for Controlled Catalysis
― Coupling Ligands, Structure, Defects, and Dimensionality ―
 
 銅クラスターにおいて,配位子・構造・欠陥・次元性を統合的に設計することで,電子状態と反応場を同時制御し,電気化学的二酸化炭素還元反応の生成物選択性を精密に制御できることを示した。さらに,構造-機能相関を明確化し,原子レベル設計に基づく触媒開発の新たな指針を提示する。

【目次】 
1 はじめに 
2 配位子設計による電子状態制御 
3 構造制御(核数・幾何)による活性制御 
4 欠陥導入による機能開拓 
5 配位子×構造の相互作用による機能制御 
6 次元性設計による機能開拓 
7 統合的設計原理 
8 今後の展望 
9 おわりに

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金属ナノクラスターの発光特性制御の新展開
Recent Developments in the Control of Photoluminescence Properties of Metal Nanoclusters

 金属ナノクラスターは離散的な超原子軌道を含む軌道間の電子遷移に由来する特異な光学特性を示す。なかでも発光特性はナノクラスターの励起状態の性質をはじめとする物性に関する基礎学理の解明,および機能材料としての応用展開の両面を動機として精力的に研究されてきた。本稿では,金属ナノクラスターのイオン対形成に着目した励起状態制御手法について紹介する。

【目次】 
1 はじめに 
2 イオン対形成による近赤外発光増強 
3 イオン対形成による円偏光発光増強 
4 おわりに

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結晶の間隙空間を利用したクラスターの鋳型合成
Template Synthesis of Clusters Using Interstitial Space of Crystals

 本稿では,希土類水酸化物クラスターを合成するための新たな手法として,水和カリウム超イオン伝導体K-NCISを反応鋳型とする結晶浸漬法を紹介する。この手法では,鋳型結晶を希土類イオンを含む溶液に浸すだけで合成が完了する。内部空間サイズによってクラスター成長が制限されるため,希土類4核クラスターのみが選択的に形成される。

【目次】 
1 はじめに 
1.1 酸素架橋金属クラスターの合成 
1.2 本稿のねらい 
2 金属クラスター集積体の間隙空間設計と水和イオン伝導 
2.1 K-NCISの構造設計 
2.2 K-NCISにおける水和イオン伝導 
2.3 水和イオン伝導体としての機能展開 
3 間隙空間を利用したクラスター鋳型合成 
3.1 K-NCISを用いた希土類水酸化物キュバンクラスターの形成 
3.2 ホスト結晶の改変による間隙空間設計の精密化 
3.3 キュバンクラスターの機能 
4 まとめと展望

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無機クラスターの配列制御による 結晶内ナノ空間の設計と機能創出
Design and Functionalization of Crystalline Nanospace through Controlled Assembly of Inorganic Clusters

 金属酸化物クラスター(POM)を構成ユニットとする多孔性イオン結晶の設計に基づき,二酸化炭素の選択吸着,プロトン伝導,カチオン共役電子移動(CCET)およびPOMの還元電子を利用した配位子フリー銀クラスターの原子数制御合成を実現した研究例を紹介する。これらを通じて「無機人工超酵素」の概念につながる材料設計指針を提示する。

 【目次】 
1 はじめに 
2 酸化物クラスターの空間配列制御による多孔性イオン結晶の構築とガス吸着特性 
3 レドックス活性を有するPOMを構成ユニットとしたPICsの機能
4 レドックス活性なPOMからの電子移動を利用した金属クラスターの生成 
5 おわりに

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有機ケイ素部位により架橋された 金属クラスターの合成と触媒応用
Synthesis and Catalysis of Discrete Metal Clusters Bridged by Organosilicon Ligands

 分子性金属クラスターは,合目的的に設計・合成することで,高機能触媒としての性能を発現しうることが知られている。本稿では,複数のSi-Si結合から構成されるオリゴシラン類を鋳型としSi-Si結合への金属種の連続挿入を鍵過程とするクラスター分子の合成と水素化触媒としての応用に関する我々の最近の成果について紹介する。

【目次】 
1 はじめに 
2 平面状パラジウム4核クラスターの合成とアルケン選択的水素化 
3 パラジウム6核クラスターの合成と高次構造化・水素化触媒としての応用 
4 おわりに

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[研究開発情報]

造粒プロセスによる粒子表面トポグラフィー設計:粉体加工による多階層粒子構造の設計とアパタイト粒子への応用

 材料の性能は化学組成のみによって決定されるものではなく,粒子表面に形成される凹凸や構造,すなわち表面トポグラフィーが界面現象を通じて材料挙動に大きく影響することが知られている。本稿では,粒子表面トポグラフィー制御という観点から,自然界に存在する構造例や既報研究を概観したうえで,粉体加工プロセスを用いた粒子表面構造の設計指針について整理する。特に,スプレードライ二段造粒法を用いた多階層粒子構造の形成に着目し,アパタイト粒子への適用事例を紹介する。

【目次】
1 はじめに
2 粉体加工プロセスによるトポグラフィー設計の考え方
3 アパタイト粒子への応用
4 おわりに

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[スタートアップインタビュー] Chema Tech News #2

バイオインフォマティクスが導く酵素開発のパラダイムシフト
―digzymeが切り拓くニーズ起点・超高速の酵素デザイン

 化学・素材業界のイノベーションを追う連載「Chema Tech News」第2回は,バイオインフォマティクスを活用し,ニーズから逆算して酵素を設計する独自プラットフォームを展開する株式会社digzymeを取材しました。既存製品から用途を探すのではなく,ユーザーの課題から最適な酵素を導き出す同社の革新性について,代表取締役CEOの渡来直生氏に創業の原点と描く未来像を伺いました。

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[ケミカルプロフィル]

乳酸ブチル
乳酸メチル
硫酸コバルト(Ⅱ)

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[ニュースダイジェスト]

・海外編
・国内編