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【電子版】月刊機能材料 2026年11月号

【特集】ハイエントロピー合金の研究動向

★ハイエントロピー合金は,5種類以上の金属元素を高濃度に含む多元系合金であり,新たな材料設計指針として注目されています。優れた特性の発現が期待されることから構造材料,生体材料,触媒をはじめとする分野で研究開発が進められています。本特集では,開発および活用に向けた研究事例を紹介し,今後の展望を探ります。

商品コード:
DM2611
発行日:
2026年11月7日
体裁:
ISSNコード:
0286-4835

本書のテーマ・関連分野:

ハイエントロピー合金/触媒/生体材料/組織制御/カクテル効果/焼結/疲労特性/耐久性/逆解析

著者一覧

森 浩亮 大阪大学
松坂匡晃 大阪大学
中野貴由 大阪大学
菊池将一 静岡大学
藤田武志 高知工科大学
丸山隆浩 名城大学
正井博和 (国研)産業技術総合研究所
本間精一 本間技術士事務所

目次 -   クリックで目次を閉じる

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【特集】 ハイエントロピー合金の研究動向

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ハイエントロピー合金ナノ粒子の新規合成メカニズムとその触媒機能

Synthetic Mechanism of High-Entropy Alloy Nanoparticles and Their Catalytic Function
 
本研究では,水素スピルオーバーを還元駆動力として,TiO2 およびCeO2 担持ハイエントロピー合金(HEA)ナノ粒子・サブナノクラスターを合成する新手法を開発した。複数金属イオンの同時還元により均一なHEA 構造を形成し,CO2 水素化やNO 還元反応で高い活性・選択性・耐久性を示した。HEA 特有のカクテル効果と低拡散効果が優れた触媒性能の発現に寄与することを明らかにした。

【目次】
1 はじめに
2 TiO2 担持HEA(Co, Ni, Cu, Ru, Pd)ナノ粒子
 2.1 TiO2 のスピルオーバー水素を利用したナノ粒子合成
 2.2 HEA ナノ粒子の構造解析
 2.3 HEA ナノ粒子の合成メカニズム
 2.4 HEA ナノ粒子のCO2 水素化活性
 2.5 HEA ナノ粒子の構造安定性
3 CeO2 担持HEA(Co, Ni, Cu, Zn, Pd)ナノ粒子
 3.1 ロッド状CeO2 のスピルオーバー水素を利用したサブナノクラスター合成
 3.2 HEA サブナノクラスターの窒素酸化物還元特性
4 おわりに

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金属3Dプリンティングによるハイエントロピー合金の組織制御と高機能化

Microstructural Control for Functional Enhancement of High-Entropy Alloys via Metal 3D Printing

 ハイエントロピー合金の固溶体強化は多元素の単相固溶体化によって発現するが,通常の凝固ではしばしば元素偏析にともなう多相化が生じる。本稿では,筆者らが世界に先駆けて提案した生体用ハイエントロピー合金を対象に,レーザ粉末床溶融結合による超急冷凝固と結晶配向制御が,高い降伏応力,低ヤング率,優れた生体親和性の両立をもたらすことを解説する。

【目次】
1 はじめに
2 BioHEAs の合金設計
3 多相化と高エントロピー化の競合および金属3D プリンティングの適用
4 結晶集合組織の制御による高機能化
5 次世代生体材料のための合金設計指標:VITA Index
6 今後の展開
7 おわりに


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粉末冶金によるハイエントロピー合金(CrMnFeCoNi)焼結体の微視組織制御と疲労特性

Microstructural Control and Fatigue Properties of High-entropy Alloy CrMnFeCoNi Sintered Compacts Fabricated by Powder Metallurgy

 ハイエントロピー合金CrMnFeCoNi は,優れた強度と延性を兼ね備えた材料として注目されている。本稿では,粉末冶金を用いたCrMnFeCoNi 合金の結晶粒径制御技術を概説するとともに,それが疲労特性に及ぼす影響について紹介する。さらに,疲労き裂発生・進展挙動の検討結果に基づき,高い疲労限度が発現する機構について解説する。

【目次】
1 はじめに
2 粉末冶金を用いたCrMnFeCoNi の結晶粒径制御
2.1 供試粉末
2.2 焼結体の微視組織
3 CrMnFeCoNi 焼結体の疲労特性
3.1 S-N 特性
3.2 疲労き裂発生・進展挙動の支配因子
3.3 疲労限度における結晶粒径依存性
4 おわりに

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逆解析を活用した耐酸性ナノポーラス多元素触媒の開発

Development of Acid-Resistant Nanoporous Multi-Element Catalysts through Inverse Analysis

本研究では,耐酸性ナノポーラス多元素触媒の設計に向けて,実使用環境で残存した元素を設計へ反映する「逆解析」という新たな材料設計手法を提案した。逆解析により導出した8 元素高エントロピー合金触媒は,酸性条件下で高い水素・酸素発生反応活性と優れた耐久性を示した。本手法は,AI や計算科学を補完する実験駆動型の新しい材料探索・設計指針として,多様な機能性材料への展開が期待される。

【目次】
1 はじめに
2 脱合金化による多元素ナノポーラス触媒の創製
3 23 元素HEA による逆解析プラットフォームの構築
4 逆解析を活用した耐酸性ナノポーラス触媒の設計
5 おわりに―逆解析が拓く多元素触媒設計の新展開


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ハイエントロピー合金を触媒に用いたカーボンナノチューブの合成

Synthesis of Carbon Nanotubes using High-Entropy Alloy Catalysts

ハイエントロピー合金(HEA)は様々な反応において優れた触媒として働くことが知られている。その高い触媒活性と結晶構造の熱的安定性は,カーボンナノチューブ合成用触媒としても有用である。本稿では白金族5 元素から成るHEA ナノ粒子を触媒に用いた,単層カーボンナノチューブ合成と,その触媒特性について紹介する。

【目次】
1 単層カーボンナノチューブ合成用触媒の課題
2 単層カーボンナノチューブ合成とハイエントロピー合金
3 ハイエントロピー合金触媒による単層カーボンナノチューブの合成
4 まとめと今後の課題

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[Material Report -R&D-]

高いヤング率を呈する酸化物ガラスの創製

Development of Oxide Glasses with High Young’s Modulus

 本稿では,低い作製温度と高いヤング率を兼ね備えたアルミノホウ酸塩ガラスの開発について紹介する。SiO2 をほとんど含まない組成設計により,一般的な溶融法を用いて137 GPa のヤング率を有する透明酸化物ガラスを実現した。本ガラスは高弾性,成形加工性および透明性を兼ね備えており,ガラスファイバや薄板ガラスへの応用が期待される。

【目次】
1 背景
2 高ヤング率酸化物ガラスの設計指針
3 高ヤング率酸化物ガラスの創製
4 まとめ

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[連載講座 プラスチックの実用物性と物性向上技術(11)]

燃焼性

 プラスチックの主要構成元素は炭素(C),水素(H),酸素(O)などからなる有機化合物である。プラスチック製品に酸素の存在下で着炎すると温度上昇しやがて溶融軟化する。更に炎を当て続けると熱分解して分解ガスが発生する。熱分解して一酸化炭素(CO),メタン(CH4)などの可燃性ガスが発生すると引火して燃え出す。プラスチックによって構成元素の種類や数は異なるため燃焼性に差が生じる。また,燃焼時に不燃性ガスを発生するプラスチックや炭化層(チャー)を形成するプラスチックは燃焼が抑制される。

【目次】
1 プラスチックの燃焼特性
2 燃焼性に影響する諸特性
 2.1 熱分解温度
 2.2 引火温度,着火温度
 2.3 燃焼生成物
 2.4 燃焼時の発熱量
 2.5 酸素指数
 2.6 発煙性
3 燃焼試験法(電機関係以外)
 3.1 消防法
 3.2 建築材料
 3.3 鉄道車両材料
 3.4 自動車内装材料
 3.5 航空機内装材料
4 電機・電子機器の燃焼試験規格
 4.1 UL 試験法
  4.1.1 水平燃焼試験
  4.1.2 垂直燃焼試験
  4.1.3 電気的着火性試験
5 プラスチックの燃焼特性
6 難燃性能の向上材料
 6.1 難燃性プラスチック
 6.2 難燃剤添加による難燃性向上
  6.2.1 難燃機構
  6.2.2 難燃剤の種類

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[連載 未来を創る人たち]
ユニチカ株式会社

月刊機能材料 2026年11月号

価格(税込): 4,950 円