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月刊機能材料 2014年3月号

【特集】誘導ナノ構造科学

商品コード:
M1403
発行日:
2014年3月5日
体裁:
B5判
ISBNコード:
0286-4835
価格(税込):
4,400
ポイント: 40 Pt
関連カテゴリ:
雑誌・定期刊行物 > 月刊機能材料

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【特集】誘導ナノ構造科学
Directed Nanostructure

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特集にあたって
Introduction

竹中幹人(京都大学大学院)
中川勝(東北大学)

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誘導ナノ構造科学の概念
Concept of Directed Nanostructure Science

松井真二(兵庫県立大学)

サブ10nmサイズのシングルナノ領域において、ナノチューブ、グラフェンをはじめとするナノ材料の新規物性が報告・予見されている。他の様々な機能性ナノ材料に対しても、シングルナノ領域において新物性発現の可能性があり、「誘導ナノ構造科学」の新概念を導入し、現状のナノ加工では達成できない10nm 以下の機能性ナノ構造形成・位置制御を可能にすることにより、新物性探索・デバイス研究が可能となる。

1. 誘導ナノ構造科学とは
2. 誘導ナノ構造科学研究の現状
3. 誘導ナノ構造科学研究の科学および社会への波及効果
4. まとめ

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化学的界面制御による金属ナノ粒子の単層配列形成とその高機能デバイス応用
―ウエハースケールでのテラナノドット/平方インチ級配列膜形成を目指して―
Promoting of Monolayer Metal Nanoparticle Arrays by Chemical Surface Control and Application to Advanced Devices

蜂巣琢磨(早稲田大学)
水野潤(早稲田大学)
庄子習一(早稲田大学)
逢坂哲彌(早稲田大学)

ナノ粒子のバルク的な材料特性とそのナノサイズ効果を利用した高機能デバイス開発は、デバイスに応じた粒子設計による粒子合成と配列技術の確立なくしては実現し得ない。本稿では、特に、ウエットプロセスによるナノ粒子合成と化学的界面制御による単層状の自己組織的配列形成制御、ウエハーレベルへのスケールップ展開を見据えた我々の取り組みを紹介する。

1. はじめに
2. 金属ナノ粒子の化学的合成
3. 自己組織的配列による合成金属ナノ粒子の固定化前処理
4. 塗布成膜プロセスとガイドパターンによる配列制御
5. おわりに

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無電解メッキによるナノギャップ電極作製とナノデバイス創製
Nanogap Electrodes made by Electroless‒Gold Plating and Fabrication of Nanodevices

真島豊(東京工業大学)

5nm以下のサイズで動作するナノデバイスをボトムアップ手法により作製するためには、ナノギャップ電極を高精度に収率よく作製する手法が不可欠である。本稿では、ナノデバイスを作製するためのプラットフォームとしてのナノギャップ電極を無電解メッキにより作製する手法について概説する。また、ナノギャップ電極を用いたナノデバイス作製手法として自己組織化を用いたデバイス作製手法について紹介する。

1. はじめに
2. 無電解金メッキによるナノギャップ電極作製技術
2.1 ナノギャップ電極の作製技術
2.2 ヨウ素無電解金メッキ法によるナノギャップ電極の作製
3. ナノギャップ電極間にナノ粒子を選択的に導入した単電子トランジスタ
3.1 ナノギャップ電極単電子トランジスタ
3.2 単電子トランジスタのパッシベーション
4. まとめ

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誘導ナノ構造科学による3次元極微細酸化物エレクトロニクスデバイスの創製
3D Ultra‒small Functional Oxide Nanoelectronics Devices Constructed Artifi cially Directed Nanostructures

田中秀和(大阪大学)
服部梓(大阪大学)
岡田浩一(大阪大学)

ナノリソグラフィーにより良く規定されたナノテンプレートへパルスレーザ蒸着法を適用し、自己組織化相分離、薄膜結晶成長を位置を規定して誘導することにより、位置・形状を人工的に精密制御した3次元ナノ構造体(コア・シェルナノドット、ナノボックス、ナノウォール/ワイヤ、ヘテロナノウォール)が創製可能である。本稿では、誘導ナノ構造科学による3D機能性酸化物ナノ構造体の作製プロセスとナノエレクトロニクスへの展開について紹介する。

1. はじめに
2. 遷移金属酸化物ナノ構造形成
3. 3次元誘導自己組織化成長法による機能性酸化物ナノ構造形成
  ―自己組織化ナノコンポジット生成とトップダウンリソグラフィー融合―
3.1 強磁性Fe‒LaSrFeO4 ナノ相分離系
3.2 強磁性半導体(Fe, Zn)3O4 ―強誘電体BiFeO3ナノ相分離系
4. 3DナノテンプレートPLD法による機能性酸化物ナノ構造形成
  ―ナノテンプレートへの直接薄膜結晶成長―
4.1 ナノボックス,ナノウォール細線
4.2 エピタキシャル機能性酸化物ナノウォール
5. 3次元酸化物ナノ構造デバイス
6. まとめ:機能性酸化物ナノ構造の展望

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誘導組織化による高導電性分子ワイヤの創製
Improved Electrical Conductivity in Directed‒Assembled Polymeric Nanowires

若山裕((独)物質・材料研究機構)

誘導組織化によるπ共役系高分子ワイヤの作製と導電率の飛躍的な向上を報告する。本研究では陽極酸化法で作製したポーラスアルミナ(Anodized aluminum oxide:AAO)を鋳型として用い、そのAAO基板にある細孔の中で高分子ナノワイヤを形成した。その結果、ナノチャネル効果による高分子鎖の高配向化や毛細管現象による高濃度化学ドーピングが実現でき、最高4桁の導電率の向上を達成した。

1. はじめに
2. ナノチャネル効果による高分子鎖の配向
3. 毛細管現象による高濃度化学ドーピング
4. まとめと今後の展望

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トップダウンナノ加工のシミュレーションとナノ空間創生
Simulation and Computational Factory for Top‒down Nano Fabrication

安田雅昭(大阪府立大学大学院)
多田和広(富山高等専門学校)
平井義彦(大阪府立大学大学院)

任意のデザインどおりのナノ構造を加工するトップダウン加工は、多様なサイズとパターン形状が要求される半導体作製はもとより、フォトニック結晶やメタマテリアルなどの高精度の加工が要求されるナノ光学素子には、不可欠な技術である。ここでは、計算機シミュレーションによるナノインプリント加工の実際と、ビーム加工によるバーチャルファクトリーへの取り組みを紹介する。

1. はじめに
2. 連続体力学によるナノインプリント加工のシミュレーション
2.1 形状解析
2.2 粘弾性モデルによる大面積解析
2.3 粘性流体モデルによる樹脂の流動解析
2.4 流体モデルによる大面積解析
3. 分子動力学法によるナノインプリント加工のシミュレーション
4. 分子動力学法による電子線リソグラフィシミュレーション
5. 分子動力学法によるナノカーボン材料の電子線加工シミュレーション

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ヘリウムイオン顕微鏡技術を用いたナノデバイス材料の観察,評価および加工
Imaging, Characterization and Fabrication of Nano‒device Materials
using Helium Ion Microscopy Technology

小川真一((独)産業技術総合研究所)

ヘリウムイオン顕微鏡が数年前に実用化され、現在は応用技術の研究開発が世界20数ケ所で行われている。タングステンチップ尖端に吸着させたヘリウム原子を電界蒸発させ、尖端三原子で形成されるトライマーの一つを選択しプロービングビームとして試料に照射し、発生する二次電子を用いた観察・評価、加工などを行う顕微鏡であり、ここでは研究開発中の応用技術を概説する。

1. はじめに
2. HIM技術の観察,評価,加工への応用
2.1 Low-k膜パターン試料の観察
2.2 絶縁膜中に埋め込まれたCu配線の観察
2.3 W(CO)6ガスを用いたタングステン堆積
2.4 堆積タングステンの電子線トモグラフィーマーカーへの応用
2.5 グラフェン膜の電子特性制御
2.6 イオンビーム照射によるルミネッセンス発光の可能性検討
3. まとめ

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Material Report -R&D-

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簡易計測技術による離床判定用圧電センサ
Piezoelectric Sensors for Bed-Leaving Detection with Simple Measurement Technology

間所洋和(秋田県立大学)
下井信浩(秋田県立大学)
佐藤和人(秋田県立大学)

本稿では、筆者らが試作開発した離床判定用の新しいセンサを紹介する。本センサは、ベッドのマットに敷くパッド型ピエゾ変位センサと転落防止柵に敷設する挿入型ピエゾ振動センサから構成される。前者はピエゾフィルム、後者はピエゾケーブルを用いて製作した。いずれのセンサも後付け可能であり、簡易かつ低価格にもかかわらず、信頼性と耐久性が確保されている。

1. はじめに
2. センサシステム
2.1 パッド型ピエゾ変位センサ
2.2 挿入型ピエゾ振動センサ
2.3 センサ配置構成
3. 評価実験
3.1 判定対象パターン
3.2 実験条件
3.3 計測データ
3.4 判定結果
4. むすび

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乳酸を原料とした新しい耐熱性構造制御高分子材料の開発
Development of Lactic Acid‒Based New Heat‒Resistant Polymer Materials with Controlled Structure
田中 均(徳島大学)

循環型社会を目指すカーボンニュートラルの考えが深く浸透し,高分子材料の開発においてもこれに基づいた分子設計が求められている。近年、この分野の世界市場規模は急拡大しており、今後も毎年20〜30%と高い成長が見込まれ、日本においても、バイオマスニッポン総合戦略が2002年閣議決定され、高分子材料の分野においても既に種々のタイプのバイオベースポリマーが実用化されている。本稿では、従来のポリ乳酸と異なる新しいタイプの耐熱性構造制御高分子を乳酸を原料にして開発したので紹介する。

1. はじめに
2. グリーン・プラスチックスの始まり ―生分解性高分子―
3. 乳酸を原料とするモノマー
4. 構造制御された新しい耐熱性ポリ乳酸
4.1 モノマー1の合成と重合
4.2 ポリマーの立体構造制御
4.3 ポリマーの分子量・分子量分布制御 ―リビングラジカル重合―
4.4 高分子反応による官能基変換
4.5 材料特性
5. おわりに

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