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月刊機能材料 2014年8月号

【創刊33周年特集】有機EL照明の光取り出し技術最前線

商品コード:
M1408
発行日:
2014年8月5日
体裁:
B5判
ISBNコード:
0286-4835
価格(税込):
4,400
ポイント: 40 Pt
関連カテゴリ:
雑誌・定期刊行物 > 月刊機能材料

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【創刊33周年特集】有機EL照明の光取り出し技術最前線

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有機ELの光学デザイン―マルチカソード構造を利用した光学損失の低減―
Optical Design of Organic Light Emitting Devices
―Reduction of Optical Loss by Multi‒cathode Structure―

三上明義 (金沢工業大学)

 有機EL素子の発光効率および光学現象について、有機分子からの放射過程に基づいて取り扱うことで、光取り出し技術に係る主な光学的要因をまとめる。さらに、半透過性金属陰極と光学補償層を積層したマルチカソード構造による表面ブラズモン損失の低減と光取り出し効率の改善例を紹介する。

1. まえがき
2. 有機EL素子の基本構造と動作・発光過程
3. 光取り出し設計技術
4. 長距離伝搬型表面プラズモンを利用したマルチカソード構造有機EL素子
5. むすび

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光取り出し技術と分子配向,分子配向制御した有機EL素子
Out‒coupling and Molecular Orientation for Electroluminescent Devices

谷垣宣孝 ((独)産業技術総合研究所)
石堂能成 ((独)産業技術総合研究所)

 有機EL素子の外部量子効率を上げるためには光取り出し技術が不可欠である。光取り出しに素子薄膜中の発光分子の配向が強く影響することが最近注目されている。屈折率の異方性を考慮する必要があり、さらに発光分子の双極子の配向は放射モードの大小に大きく影響する。分子配向制御した有機EL素子についても述べる。

1. はじめに
2. 光取り出し技術
3. 分子配向の光取り出しへの効果
4. 摩擦転写法を用いた分子配向制御

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プラズモニック構造を用いた光取り出し技術
Light Extraction from OLEDs with Plasmonic Structures

岡本隆之 ((独)理化学研究所)

 有機発光ダイオードにおいて、励起子からの発光エネルギーの半分程度が金属陰極を伝搬する表面プラズモンに散逸する。表面プラズモンは金属と誘電体の界面に局在し,そのままでは素子外部に伝搬光となって放射されることはない。本稿は金属陰極と有機半導体界面に微細な凹凸構造を導入することで、この表面プラズモンのエネルギーを素子外部に光として取り出す技術について紹介する。

1. はじめに
2. 無機LEDにおける表面プラズモン
3. 表面プラズモンへのエネルギー散逸
4. プラズモニック構造による光取り出し
4.1 単色素子の場合
4.2 白色素子の場合
5. おわりに

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OLED 照明の光取り出し効率化に向けた封止材・フィルムの利用
Usage of the Encapsulant and Film to Improve the Optical Extraction Effi ciency of OLED Lighting

越部茂 ((有)アイパック)

 最近、OLED(Organic Light Emitting Diode)が将来の照明装置用光源の有力候補として期待されている。OLEDを用いると超薄型・低発熱の面光源が可能となるためである。OLEDの原理は古くから提唱されていたが、近年になり具体的な商品として実用化されてきた。本稿では、OLEDの封止技術(封止方法、封止部材)および光取り出し効率化に関する封止部材の検討状況を説明する。

1. OLED
1.1 開発経緯
1.2 発光原理
1.3 用途
1.3.1 発光性能
1.3.2 用途
2. OLED の封止技術
2.1 封止方法
2.2 封止部材
2.2.1 無機基材
2.2.2 有機基材
2.3 光取り出し効率の向上
2.3.1 無機基材による検討
2.3.2 有機基材による検討
3. OLED の課題
3.1 価格面
3.2 技術面
3.2.1 OLED
3.2.2 装置構造
3.2.3 封止部材
4. 競合技術
4.1 照明用途
4.2 カラー表示用途
5.まとめ

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ナノインプリントを用いた有機EL光取り出し向上
Improved Outcoupling from OLED using Nanoimprint

井上智晴 ((株)イノックス)

 有機ELの光取り出し効率向上の方法の一つとして、マイクロ・ナノレベルの微細構造によって光を制御する方法がある。この微細構造は、近年注目を集めているナノインプリント技術を活用することで得ることができる。有機EL部材に応用展開可能な微細構造と量産化の要素となる金型や加工方法などについて解説する。

1. はじめに
2. ナノインプリントによる反射防止加工
2.1 多層膜による反射防止
2.2 モスアイ構造による反射防止
2.3 ナノインプリントによる微細加工
2.3.1 ナノインプリントとは
2.3.2 干渉リソグラフィとは
2.3.3 量産加工技術
3. ナノインプリントによる光取り出し効率向上
3.1 光損失
3.2 最表面に配置されたモスアイ構造による影響
3.2.1 臨界角への影響
3.2.2 全反射を加味した光取り出し効果
3.3 最表面に配置されたマイクロレンズ構造などによる影響
4. おわりに

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白色有機ELパネルの生産技術と課題―膜封止による量産性の向上手法―
Film Sealing for Encapsulation Technology

赤星治 ((株)ナノシステムソリューションズ)

 秀逸なアプリケーション性能を有する照明用有機ELは、ようやく量産がスタートし、解決するべきさらなる課題が明らかになった。今後、一般照明用途への普及に向け、さらなる量産技術の向上が望まれている。本稿では、量産効率向上に必要な薄膜封止技術について述べていきたい。

1. はじめに
2. 白色OLED事業を取り巻く環境
3. マーケット拡大に必要な性能課題
4. 生産難易度を上げる技術ポイント
5. 基板大型化とその課題
6. デバイス性能の向上と膜封止技術
7. 膜封止技術採用による材料コスト比較
8. 膜封止プロセスの設備比較
9. 膜封止方式の生産導入
10. おわりに

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塗布型白色有機ELの開発動向 ―自発多層化技術―
Technology Trend in Printable White OLED ― Self‒layered Technique ―

荒谷介和 ((株)日立製作所)

 有機EL照明の普及促進には、有機ELパネルの低コスト化と高効率化が必要である。我々は低コスト化と高性能化を両立するため、一回塗布で積層発光層を形成できる、「自発多層化技術」と光取り出し向上技術を開発してきた。本稿では、これらの技術を用いた高効率塗布型白色有機ELについて述べる。

1. はじめに
2. 自発多層化技術
3. 自発多層化技術を用いた3色発光白色有機ELの高効率化
4. まとめ

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Material Report -R&D-

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含硫黄化合物の添加による樹脂と金属との接着性の向上
Development of Resin‒Metal Bonding Properties by Adding Sulfur‒Containing Compounds

平野寛 ((地独)大阪市立工業研究所)

 電子機器などの小型・軽量・高性能化に伴い、樹脂材料と回路形成金属との接着力向上が強く要望されている。中でも投錨効果などの物理的接着力を利用できない場合には接着力不足となることが多く、化学的接着力の顕著な向上が必要である。本稿では、添加するだけで樹脂の金属に対する接着力を向上させる含硫黄改質剤について検討した著者らの事例を紹介する。

1. はじめに
2. 金属と樹脂の接着性を向上させる一般的な方法
2.1 金属の表面処理
2.2 樹脂の表面処理と樹脂自身の改質
3. 金属と樹脂の接着性を向上させる含硫黄高分子改質剤の検討例
3.1 含硫黄高分子(SCP)の金属への接着性
3.2 含硫黄高分子の改質剤としての性能
4. 含硫黄低分子化合物の改質剤としての利用
4.1 ベンゾオキサジン樹脂への適用例
4.2 エポキシ樹脂への適用例
4.3 ジアリルフタレート(DAP)樹脂への適用例
5. さいごに

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アンチポストペロブスカイト構造を有する超伝導体の発見
Discovery of Superconductor with Anti‒Post‒Perovskite Structure

大串研也 (東北大学)

 地球科学における最新の成果に刺激を受け、アンチポストペロブスカイト型化合物を舞台に物質探索を行った結果、新超伝導体V3PnN(Pn = P, As)を発見した。転移温度は5.6Kと低いものの、今後の微視的メカニズム解明や転移温度向上へ向けた研究が期待される。

1. はじめに
2. 遷移金属化合物A3XY(Y = C and N)の物性
3. アンチポストペロブスカイト型窒化物V3PnN(Pn = P, As)における超伝導
3.1 結晶構造・電子構造
3.2 実験
3.3 超伝導相の物性
3.4 窒素欠損効果
3.5 常伝導相の物性
4. おわりに

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連載 : 最先端科学技術を駆使した新世代大規模植物工場の開設

完全人工光型植物工場の研究拠点

完全人工光型植物工場に特化した大阪府立大学「植物工場研究センター」の概要と活動実績

河口友紀 (大阪府立大学)
小倉東一 (大阪府立大学)
安保正一 (大阪府立大学)

1. 植物工場の意義と研究拠点としての活動実績
2. 大阪府立大学植物工場研究センター(PFC)の活動実績
2.1 共同研究
2.2 植物工場研究センターが目指す栽培植物の品質
2.3 研修・人材育成
2.4 植物工場の普及と展示
2.5 コンソーシアム運営
3. 植物工場の今後の方向性と可能性について

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異分野探訪コラム セレンディピティの種 ―第3回―

巡り合った分子達に導かれて

友村美根子 (明海大学)

・研究の原点, 私のメンター
・肝臓糖新生酵素Serine Dehydratase(SDH)との出会い
・MK(Midkine)との出会い
・カルニチンとカルデクリンとの出会い
・AATYK(Apoptosis-associatedtyrosine kinase)との出会い
・再びのカルデクリンとリナカンチンC

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