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月刊機能材料 2015年9月号

【特集】ポリイミドの機能化と応用に向けた取り組み

商品コード:
M1509
発行日:
2015年9月5日
体裁:
B5判
ISBNコード:
0286-4835
価格(税込):
4,400
ポイント: 40 Pt
関連カテゴリ:
雑誌・定期刊行物 > 月刊機能材料

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【特集】ポリイミドの機能化と応用に向けた取り組み
Approach to Functionalization of Polyimides, and their Applications

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ポリイミドの機能化の特集にあたって
Upon Special Issue of Polymer Design of Functionalized Polyimides

後藤幸平 (後藤技術事務所)

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ポリイミドの機能化高分子設計
Polymer Design for Functional Polyimide

後藤幸平 (後藤技術事務所)

 “ポリイミドらしさ”を表現しているCT錯体, イミド基やその濃度, 剛直性・屈曲性組成などの化学的・物理的結合や構造を意識し, 要求特性から高分子構造制御への考察を経て, 合成反応を駆使してポリイミドの機能化設計は行われる。その他にも, 最終的な材料形態や用途を意識した重合法の工夫などを活用した機能化設計の考え方を分類して解説する。

【目次】
1. はじめに
2. ポリイミド構造と特性の関係
 2.1 ポリイミドの構造因子
  2.1.1 物理的・化学的因子(高次構造)
  2.1.2 化学構造因子(一次構造)
3. ポリイミドの機能化高分子設計
 3.1 CT錯体化抑制
  3.1.1 無色透明化
  3.1.2 加工性
 3.2 ポリイミド固有の構造要因から考えた機能設計
  3.2.1 イミド環の構造(芳香族, 非芳香族)
  3.2.2 イミド基濃度
  3.2.3 できあがりの形態に意味がある機能設計
  3.2.4 高分子の相構造による機能向上
4. おわりに

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無色透明な脂環式ポリイミド合成における新展開
Progress in Synthesis of Colorless Alicyclic Polyimide

松本利彦 (東京工芸大学)

 高いガラス転移温度(Tg)と低熱膨張係数とを併せもつ無色透明樹脂はフレキシブルデバイスの基板などとして注目されている。高Tgポリイミドの強靭フィルムを作製するためにはTg近傍での焼成が必要であり, 通常は高温酸化によって黄変する。本稿では, 筆者らが開発した, 化学・熱イミド化併用法という低温焼成新手法を紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 芳香族ポリイミド着色の起源
3. 脂環式ポリイミド合成における新展開
 3.1 脂環式ポリイミドの研究開発背景
 3.2 多脂環構造テトラカルボン酸二無水物の合成
 3.3 脂環式ポリイミドフィルムの作製
4. 脂環式ポリイミドのキャラクタリゼーション
 4.1 脂環式テトラカルボン酸二無水物の反応性
 4.2 イミド化温度と分子量および成膜性との相関
5. 脂環式ポリイミドの基本特性
6. おわりに

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感光性ポリイミドの分子設計と屈折率制御技術
Photosensitive Polyimide: Its Molecular Design and Refractive Index Control Technologies

富川真佐夫 (東レ(株))

 感光性ポリイミドは半導体の保護膜だけでなく, イメージセンサーのレンズ材料などに適用されるようになってきた。感光性ポリイミドの最近の開発トレンドである低温硬化性とイメージセンサー適用に向けて要求される屈折率制御について, ポリイミドの分子設計, フィラー添加などの手法を, 最近の文献, 特許情報からまとめた。

【目次】
1. 感光性ポリイミド
2. イメージセンサー用材料
3. ポリイミドの屈折率制御
4. 感光性ポリイミドの高屈折率化例
5. 今後の動向
 5.1 屈折率制御
 5.2 感光性耐熱材料
6. まとめ

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湿式無電解めっきを可能にするポリイミドのシリカハイブリッド化による両面フレキシブルプリント回路基板への応用
Application to Double‒sided Flexible Printing Circuits by Silica‒hybrid Polyimidewith Wet Electroless Plating Processes

濱澤晃久 (荒川化学工業(株))

 ポリイミドのシリカハイブリッド化により湿式無電解めっきへの適用が可能となり, 無電解めっき+電解銅めっきによる両面FCCLの製品化に成功している。銅厚みは容易に調整可能なためファインピッチ回路形成に適し, 加えて導電性スルーホール付き両面FCCLによるプロセスコストの低減を提案する。

【目次】
1. はじめに
2. シリカハイブリッドポリイミドフィルム「ポミラン」
3. シリカハイブリッドポリイミドフィルム「ポミラン」の特長
 3.1 寸法安定性
 3.2 金属密着性
 3.3 めっき密着発現機構
4. シリカハイブリッドポリイミドフィルム「ポミラン」の応用
 4.1 RtoR 無電解ニッケルめっき+電解銅めっきによる両面FCCL
 4.2 導電性スルーホール付き両面FCCL を用いた省プロセス, 低コスト化の提案
 4.3 「ポミラン」BT
5. まとめ

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ポリイミドからのグラファイト作製と応用
The Physical Properties of the Graphite Made from Polyimide, and its Application

村上睦明 ((株)カネカ)

 ポリイミドの分子構造, 配向性, 炭素化・グラファイト化プロセスなどを制御することで高品質, 高配向性のグラファイトが得られる。このグラファイトシートは優れた熱伝導性, 電気伝導性などの物性を有し, 熱拡散フィルムとして携帯電話などの小型電子機器にその用途が広がっている。

【目次】
1. はじめに
2. ポリイミド(PI)からのグラファイト膜作製
 2.1 炭素材料と高分子
 2.2 PIの熱分解
 2.3 炭素化反応と炭素前駆体構造
 2.4 グラファイト化反応
3. グラファイトの物性
 3.1 グラファイト単結晶の物性
 3.2 高品質グラファイトシートの物性
4. 高品質グラファイトシートの応用
 4.1 熱拡散効果
 4.2 冷却効果(冷却源と接続した場合)
 4.3 層間熱接合材料
5. おわりに

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ポリイミドガス分離膜の現状と開発指針
Current State of Polyimide Gas Separation Membrane and Guideline for Development

風間伸吾 (国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)

 ポリイミドガス分離膜は, 窒素リッチガスの製造, 圧縮空気の除湿や水素回収などの用途で工業的に実用化されている。膜性能をさらに高めることで, 地球温暖化対策技術としての二酸化炭素回収などの新規市場の開拓が可能となる。高性能な分離膜を得ることを目的に, 溶解・拡散モデルの視点からポリイミドの化学構造の設計指針を述べる。

【目次】
1. はじめに
2. 高分子膜のガス透過モデル
3. 実用化されているポリイミド膜
 3.1 窒素富化
 3.2 炭酸ガス分離
 3.3 除湿
 3.4 水素分離
4. 膜材料としてのポリイミド
5. ポリイミドの分離性能
6. ポリイミド膜の分離性能向上
 6.1 拡散係数(D)の増大
 6.2 架橋構造の導入による拡散係数(D)の制御
 6.3 溶解係数(S)の向上
 6.4 他素材とのハイブリット化とその他の方法
7. 用途ごとの開発指針
 7.1 酸素富化空気の製造:O2/N2分離
 7.2 地球温暖化対策技術としてのCO2分離
8. おわりに

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ものづくりの“ 奥義” を見極める―伝統技術の科学的解明と未来展望― 第3回

薄茶点前における動作解析と茶筅の影響
Analysis of Motion by Using Several Kinds of Tea Whisk on the Way of Tea

後藤彰彦 (大阪産業大学)

 これまで, 茶道における一連の所作を分割し, 特定の所作に着目して, 被験者の動作解析を進めてきた。ここでは, 点前の振幅動作に着目して述べることとする。そこで, 異なる形状を有する茶筅を用いた薄茶の仕上がり過程だけでなく, 経験年数の違いによる茶筅の持ち方, 茶筅の動かし方の1つの見解について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 薄茶の仕上がり過程
3. 実験方法および解析手順
 3.1 被験者および対象とした茶筅
 3.2 仕上がり過程の解析手順
4. 仕上がり過程における泡の分布状態
5. 茶筅の外観形状の特徴
6. 熟練者の点前による茶筅の動き
7. 超熟練者の茶筅の持ち方
8. 茶筅の振幅動作
9. 茶筅の動かし方の特徴
10. おわりに

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タッチパネル関係の材料技術トレンド(2)

ガラス代替材料と光学貼り合わせ材料
Glass Alternative Materials and Optical Bonding Materials

鵜飼育弘 (Ukai Display Device Institute)

 ガラス代替材料としての新規材料と光学貼り合わせ材料の最新技術を紹介する。タッチパネル用基板材料としてガラス代替プラスチックを取り上げる。次に, カバーガラス代替材料としてプラスチックを取り上げガラスとの比較を行う。さらに, ディスプレイおよびタッチパネルの視認性改善のための新規材料を紹介する。ここでは, 光学貼り合わせ材料とプロセスに関する最新技術動向について述べる。

【目次】
1. はじめに
2. 投影型静電容量方式タッチパネルの構造
3. ガラス代替材料とタッチパネル
 3.1 フィルムセンサ
 3.2 カバーガラス一体型
 3.3 カバーガラス代替プラスチック
  3.3.1 新日鉄住金化学「SILPLUS」(シルプラス)
  3.3.2  日本合成化学「ORGA」(オルガ)
  3.3.3 リケンテクノス「REPTY」(リプティ)DC100
  3.3.4 三菱化学「DURABIO」(デュラビオ)
4. 光学貼り合わせ材料とプロセス
 4.1 接着剤と粘着剤
 4.2 OCAへの要求事項
 4.3 UV硬化樹脂
 4.4 OCRへの要求事項
 4.5 新規材料とプロセス
  4.5.1 デクセリアルズのハイブリッドSVR(HSVR)
  4.5.2 旭硝子の樹脂付きカバーガラス
5. おわりに

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