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難水溶性薬物の経口製剤化技術最前線

Leading Edge Technologies for Oral Delivery of Poorly Soluble Drugs

★上市されている医薬品の約40%,候補化合物に至っては約70%が難水溶性という現在,求められる難水溶性薬物の製剤化技術!
★難水溶性薬物製剤化のための開発戦略,原薬物性評価,共結晶や非晶質固体分散体,ナノ結晶製剤など最新の製剤技術を詳述!
★製薬メーカーはもとより,医薬品添加剤,粉砕機器メーカーなど製剤技術に関わる方々にお薦めの一冊!

商品コード:
T1014
監修:
川上亘作
発行日:
2016年7月6日
体裁:
B5判・250頁
ISBNコード:
978-4-7813-1169-2
価格(税込):
72,600
ポイント: 660 Pt
関連カテゴリ:
ファインケミカル
ファインケミカル > 医薬

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キーワード:

難水溶性薬物/ジェネリック医薬品/非晶質固体分散体/ナノ結晶製剤/物性評価/熱分析/結晶多形/共結晶/塩形成/経口吸収性/溶解挙動/溶解性/過飽和/可溶化/添加剤/水溶性高分子/セルロース誘導体/溶融押出法/噴霧乾燥法/粉砕機/ビーズミル

刊行にあたって

近年の医薬品開発において,難水溶性薬物の製剤化は,各製薬企業が共通して頭を抱える問題である。しかしながらそれに特化した教科書が国内には存在せず,その役目を果たすべくまとめたのが,2010年に本シリーズ書の一冊として出版した「難水溶性薬物の物性評価と製剤設計の新展開」であった。その発売から6年が経過したが,本分野においてはその後も世界中で盛んに技術開発が進んでいる。中でも特に技術革新が顕著な製剤技術に焦点を絞り,その続編としてまとめたのが本書である。
 この6年の間に存在感を大きく高めた製剤技術の筆頭として,共結晶を挙げることができる。世界初の厳密な意味での共結晶製剤として,イプラグリフロジン/L-プロリン製剤が,2014年に日本より発売された。その一方で,2013年にはFDA(米国食品医薬品局),2015年にはEMA(欧州医薬品庁)から,それぞれ共結晶の開発上の扱いに関するガイドラインが相次いで示されたが,その内容が大きく異なることが波紋を呼んでいる。共結晶が本当に医薬品開発に有用であることが示された一方で,その物性評価等に対する高度な知識も必要とされているのが現状と言える。
 また非晶質固体分散体に関する理解も,この6年間で飛躍的に進んでいる。非晶質状態の利用で達成される過飽和溶解は,単純に高濃度の分子が溶解しているものと考えられていたが,多くの場合相分離を伴うことが分かってきた。そのような溶解挙動を正しく把握することによって,溶出試験からの経口吸収性予測が可能になるものと期待される。また保存中の物理安定性についても,これまでは全く予測不可能であったが,各薬物の結晶化速度は意外にも統一的に説明がつくことが分かってきた。定量的な予測は難しいにしても,安定性に見当をつけることは現状,さほど困難ではない。
 前書に続き,本書でもこれらの分野において第一線で活躍している先生方に執筆をお願いした。第1章では,難水溶性薬物の開発戦略や経口吸収に関わる一般論について,近年ますます重要性を増しているジェネリック医薬品の話題を交えて解説する。第2章は原薬物性に関する話題を集めているが,特に研究の進展が目覚ましい共結晶には多くのページを割いた。第3章は非晶質固体分散体,中でも特に溶解挙動に注目しており,また各調製法(溶融押出法・噴霧乾燥法)についても,それぞれ著者を変えての解説とした。またナノ結晶製剤も難水溶性薬物のための選択肢として確実に進歩を続けており,第4章で扱っている。以上の構成により,技術革新によって前書では既に物足りなくなったテーマが手厚く更新されている。本書が日本の医薬品開発に貢献できれば幸いである。
(「はじめに」より)

著者一覧

川上亘作  (国研)物質・材料研究機構
菅野清彦  東邦大学
片岡 誠  摂南大学
野沢健児  沢井製薬㈱
竹内 達  沢井製薬㈱
瀬田康生  東京薬科大学
米持悦生  星薬科大学
深水啓朗  明治薬科大学
伊豆津健一  国立医薬品食品衛生研究所
山本克彦  武田薬品工業㈱
山下博之  アステラス製薬㈱
平倉 穣  アステラス製薬㈱
上田 廣  塩野義製薬㈱
尾上誠良  静岡県立大学
尾崎俊亮  エーザイ㈱
小久保宏恭  信越化学工業㈱
植田圭祐  千葉大学
森部久仁一  千葉大学
小川法子  愛知学院大学
山本浩充  愛知学院大学
永禮三四郎  ㈱奈良機械製作所
井上皓介  ㈱奈良機械製作所
小嶋 竜  アステラス製薬㈱
保地毅彦  アステラス製薬㈱
東顕二郎  千葉大学
橋本直文  摂南大学
髙木和行  みづほ工業㈱
石井利博  アシザワ・ファインテック㈱

目次 +   クリックで目次を表示

第1章 難水溶性薬物の経口製剤化戦略
1 難水溶性薬物の開発戦略
 1.1 はじめに
 1.2 Brick DustとGrease Ball
 1.3 原薬形態の変更による溶解性改善
 1.4 可溶化溶液製剤
 1.5 非晶質固体分散体
 1.6 ナノ結晶製剤
 1.7 おわりに
2 難水溶性化合物製剤化のためのフレームワーク思考
 2.1 フレームワーク思考とは?
 2.2 製剤開発のフレームワーク
 2.3 経口吸収のフレームワーク1—Biopharmaceutics classification system—
 2.4 経口吸収のフレームワーク2—Developability classification system—
 2.5 経口吸収のフレームワーク3―律速段階分類―
 2.6 経口吸収のフレームワーク4—Fa classification system—
 2.7 Fa式およびFaCSに基づく粒子径設定
 2.8 FaCSとGUT framework
 2.9 終わりに―コンピュータはフレームワークの夢を見るか?―
3 難水溶性薬物の吸収性予測
 3.1 はじめに
 3.2 難水溶性薬物の経口吸収率の決定要因
 3.3 Dissolution/permeation system(D/Pシステム)の概要
 3.4 難水溶性薬物の経口吸収率予測
 3.5 難水溶性薬物の製剤化による吸収改善効果の予測
  3.5.1 脂質製剤を用いた経口吸収改善
  3.5.2 微粒子製剤を用いた経口吸収改善
  3.5.3 過飽和製剤を用いた経口吸収改善
  3.5.4 製剤添加物による溶解性改善と膜透過性変化
 3.6 胃内薬物溶解過程を反映したD/Pシステム
 3.7 おわりに
4 難水溶性薬物のジェネリック医薬品開発戦略
 4.1 ジェネリック医薬品の製剤化戦略
  4.1.1 ジェネリック医薬品を取り巻く環境
  4.1.2 難溶性薬物の定義と生物学的同等性について
  4.1.3 難溶性薬物の製剤開発事例
  4.1.4 まとめ
 4.2 ジェネリック医薬品開発における消化管内溶出性評価方法
  4.2.1 生物学的同等性試験
  4.2.2 BCS sub‒classification
  4.2.3 In Vivo Predictive Dissolution(iPD)methodology
  4.2.4 まとめ

第2章 難水溶性原薬の物性改善
1 難水溶性原薬の物性評価
 1.1 はじめに
 1.2 溶解度と固体相
  1.2.1 DMSO(Dimethyl Sulfoxide)析出法
  1.2.2 フラスコ振盪法(固体溶解法)
  1.2.3 濁度による溶解度の評価
  1.2.4 自動化された機器による溶解性評価
 1.3 溶出速度
  1.3.1 溶出速度評価の目的
  1.3.2 開発初期段階で実施する難水溶性化合物の溶出試験
  1.3.3 溶出試験方法
  1.3.4 回転バスケット法(JP,USP,EP各局方apparatus 1)
  1.3.5 パドル法(JP,USP,EP各局方apparatus 2)
  1.3.6 フロースルーセル法(USP&EP apparatus 4,JP apparatus 3)
  1.3.7 μDISS Profiler(Pion社,Massachusetts,U.S.A.)
  1.3.8 inForm(Sirius Analytical Instruments社,East Sussex,U.K.)
  1.3.9 溶出試験液
 1.4 膜透過性
  1.4.1 創薬段階での膜透過性評価
  1.4.2 Parallel Artificial Membrane Permeability Assay(PAMPA)
  1.4.3 他の膜透過性評価方法
 1.5 難水溶性原薬の固体形態の評価
  1.5.1 固体形態の分類
  1.5.2 原薬の固体形態の評価の流れと評価項目
 1.6 まとめ
2 塩による溶解性改善
 2.1 はじめに
 2.2 塩選択の現状
 2.3 スクリーニングの現状
 2.4 おわりに
3 塩と共結晶の類似点,相違点
 3.1 はじめに
 3.2 塩と共結晶の定義ならびに分類
  3.2.1 学術論文上における議論
  3.2.2 医薬品のレギュレーションにおける議論
  3.2.3 塩と共結晶の区別
 3.3 溶解性と生体吸収性に関する考察
 3.4 おわりに
4 共結晶医薬品の開発と評価
 4.1 はじめに
 4.2 共結晶(コクリスタル)医薬品について
 4.3 共結晶医薬品のレギュレーション
  4.3.1 FDAガイダンス
  4.3.2 リフレクションペーパー
  4.3.3 国際調和と国内における活用への課題
 4.4 共結晶を含む医薬品の特性と評価法
  4.4.1 共結晶の構造
  4.4.2 共結晶形成のスクリーニングと予測
  4.4.3 物性の評価法
  4.4.4 安定性
 4.5 共結晶医薬品の溶出と吸収
  4.5.1 In vitroでの溶解・溶出評価
  4.5.2 溶出後の物理安定性
  4.5.3 消化管内での溶出と吸収
 4.6 共結晶の製造と管理
  4.6.1 溶液からの晶析
  4.6.2 スプレードライおよび凍結乾燥
  4.6.3 乾式または溶媒添加粉砕
 4.7 製剤の特性評価
 4.8 共結晶技術の新薬と既存医薬品での活用
 4.9 まとめ
5 共結晶の探索法
 5.1 共結晶の有用性,探索の必要性
 5.2 共結晶の探索法概説
 5.3 共結晶の探索法詳解
  5.3.1 Saturation counter slurry法
  5.3.2 Cocktail cocrystal grinding法
 5.4 医薬品開発における共結晶探索の妥当なタイミング
6 共結晶の熱挙動
 6.1 はじめに
 6.2 共結晶の相図と共結晶の融点
  6.2.1 共結晶の相図と熱挙動
  6.2.2 共結晶の融点
 6.3 物理的混合物の熱挙動
  6.3.1 二成分の物理的混合物の相図と熱挙動
  6.3.2 昇温速度の影響
  6.3.3 粒子径の影響
 6.4 相図に基づく熱的手法による共結晶探索
  6.4.1 共結晶スクリーニングの方法
  6.4.2 熱的手法によるスクリーニングの優位性と課題点
7 共非晶質:Co‒amorphousの研究動向
 7.1 はじめに
 7.2 共非晶質の定義
 7.3 共非晶質形成による溶解性改善例
  7.3.1 薬物-薬物共非晶質の報告例
  7.3.2 薬物-添加剤共非晶質の報告例
 7.4 塩形成を介した共非晶質形成
 7.5 共非晶質の調製方法
 7.6 共非晶質の物理化学的特性
 7.7 共非晶質形成を利用した固体分散体の設計
 7.8 おわりに

第3章 非晶質固体分散体
1 非晶質技術を利用した医薬品開発の現状
 1.1 はじめに
 1.2 医薬品の特性に応じた可溶化技術選択
 1.3 固体分散体製剤
  1.3.1 定義
  1.3.2 固体分散体製剤技術による薬物動態の改善
  1.3.3 固体分散体製剤技術を用いた製品
  1.3.4 既存薬への固体分散体製剤技術応用
 1.4 新しい固体分散体製剤
 1.5 おわりに
2 非晶質原薬物性の基礎
 2.1 はじめに
 2.2 非晶質状態の機器分析
 2.3 非晶質固体の非アレーニウス性
 2.4 構造緩和
 2.5 結晶化
 2.6 化学安定性
 2.7 溶解度と過飽和溶解
 2.8 おわりに
3 非晶質の溶解度
 3.1 はじめに
 3.2 非晶質の溶解度推定法とその理論的背景
 3.3 非晶質の溶解度に基づく過飽和特性評価と製剤処方設計
 3.4 おわりに
4 固体分散体のための添加剤の設計
 4.1 はじめに
 4.2 固体分散体
 4.3 水溶性セルロース誘導体
 4.4 腸溶性セルロース誘導体
 4.5 まとめ
5 固体分散体の過飽和溶解
 5.1 はじめに
 5.2 固体分散体による薬物過飽和形成
 5.3 薬物過飽和維持機構
 5.4 可溶化
 5.5 過飽和及び可溶化溶解と膜透過性
 5.6 おわりに
6 シクロデキストリンを利用した固体分散体設計
 6.1 はじめに
 6.2 シクロデキストリンの構造と包接特性
 6.3 シクロデキストリンによる薬物の非晶質化と固体分散体化
 6.4 非晶質医薬品の安定性とシクロデキストリン
 6.5 おわりに
7 溶融押出法による固体分散体調製と後工程における粒子の加工技術
 7.1 はじめに
 7.2 エクストルーダーの特長
 7.3 HME法を用いた薬物のアモルファス化
 7.4 溶融品の品質検証
 7.5 後工程における粒子加工技術の紹介
 7.6 おわりに
8 噴霧乾燥法による固体分散体調製
 8.1 固体分散体と噴霧乾燥法の概要
 8.2 噴霧乾燥品の処方設計とプロセス開発
  8.2.1 担体の選択
  8.2.2 溶媒の選択
  8.2.3 製造条件と粉体特性
 8.3 噴霧乾燥品を用いた錠剤設計とプロセス開発
 8.4 噴霧乾燥品および噴霧乾燥品を含む錠剤の評価
 8.5 おわりに

第4章 ナノ結晶製剤
1 ナノ結晶化技術の基礎と医薬品開発の現状
 1.1 はじめに
 1.2 ナノ結晶製剤の特徴
  1.2.1 薬物ナノ結晶化による経口吸収性の増大
  1.2.2 食事の影響の軽減
 1.3 ナノ結晶製剤の調製法
 1.4 ナノ結晶製剤の物性評価法
  1.4.1 ナノ結晶懸濁液中の粒子サイズ・形態・表面状態評価
  1.4.2 ナノ結晶懸濁液中の薬物溶解度・溶解速度
  1.4.3 ナノ結晶懸濁液の分子状態評価
 1.5 ナノ結晶製剤の開発
 1.6 市販の経口投与ナノ結晶製剤
 1.7 おわりに
2 自転/公転ミキサーによる難水溶性薬物のナノ粒子化製剤
 2.1 はじめに
 2.2 ナノ粒子化の利点
 2.3 自転/公転ナノ粉砕機によるナノ粒子化技術の開発
 2.4 自転/公転ナノ粉砕機の機構
 2.5 難水溶性薬物のナノ粒子化
 2.6 難水溶性低融点化合物のナノ粒子化
 2.7 スケールアップ
  2.7.1 スケールアップ―粉砕時の至適薬物濃度
  2.7.2 スケールアップ―薬物粉砕後の粒度分布に及ぼす公転Gの効果
 2.8 難水溶性薬物のナノ粒子製剤の分散性
 2.9 溶出試験および経口吸収性に及ぼすGFナノ結晶粒子の分散安定性の効果
 2.10 おわりに
3 高圧ホモジナイザーによるナノ粉砕
 3.1 はじめに
 3.2 高圧ホモジナイザー
  3.2.1 バルブ式高圧ホモジナイザーと流路固定式高圧ホモジナイザーの違い
 3.3 高圧ホモジナイザーによるナノ粉砕の例
 3.4 医薬品業界における高圧ホモジナイザーの利用
  3.4.1 脂肪乳剤
  3.4.2 脂肪乳剤の処理例
  3.4.3 脂肪乳剤の製造プロセス
  3.4.4 リポソームの製造方法
 3.5 おわりに
4 ビーズミルによる難水溶性薬物のナノ粉砕
 4.1 はじめに
 4.2 ビーズミルの粉砕原理および運転方法
 4.3 ビーズミルの粉砕効率に影響を与える因子
  4.3.1 ビーズ径
  4.3.2 ビーズ充填率およびアジテータ周速
 4.4 ビーズミルでの再現性
 4.5 ビーズミルでのスケールアップ
 4.6 GMP対応ビーズミル
 4.7 おわりに

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