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月刊機能材料 2016年8月号

【創刊35周年特集】放熱から蓄熱材料分野へも拡がるサーマルマネージメント材料

商品コード:
M1608
発行日:
2016年8月5日
体裁:
B5判
ISBNコード:
0286-4835
価格(税込):
4,400
ポイント: 40 Pt
関連カテゴリ:
雑誌・定期刊行物 > 月刊機能材料

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著者一覧

上利泰幸 (地独)大阪市立工業研究所
能村貴宏 北海道大学
秋山友宏 北海道大学
加藤之貴 東京工業大学
田中耕太郎 芝浦工業大学
大石知司 芝浦工業大学
佐久間洋司 大阪大学
浅谷学嗣 大阪大学
田川聖一 大阪大学
三宅淳 大阪大学
鷲尾裕之 特許戦略/ポリマー技術コンサルタント

目次 +   クリックで目次を表示

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【創刊35周年特集】放熱から蓄熱材料分野へも拡がるサーマルマネージメント材料

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特集にあたって
Introduction

 電子機器が高密度化および軽薄短小化する中,急激に進歩した放熱材料への要求がさらに進化し,最近ではCOP21 やスマートシティー構想,次世代自動車などに対応するため,熱を制御する(サーマルマネージメント)材料が望まれるようになった。ここでは,蓄熱材を特集した後,他のサーマルマネージメント材料の現状も紹介した。

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高熱伝導性潜熱蓄熱材料の開発状況
Recent Advance on Development of High Thermal Conductivity Latent Heat Storage Material

 PCM(相変化物質:Phase Change Material)を用いた潜熱蓄熱技術は,PCM の固液相変化潜熱を利用するため,顕熱蓄熱技術と比べて高密度に蓄熱可能な点で注目されている。しかし,熱入出力特性の点で多くの課題が残っている。本稿では,潜熱蓄熱技術における熱入出力特性向上の鍵となる,PCM の高熱伝導化を目的とした材料開発状況を紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 潜熱蓄熱技術概説
 2.1 潜熱蓄熱の作動原理
 2.2 使用可能なPCM
 2.3 熱交換器
3. PCM の高熱伝導化対策
 3.1 概論
 3.2 プレス成型法
  3.2.1 手法
  3.2.2 手法の特徴
  3.2.3 試行されたフィラー材料の種類
  3.2.4 事例紹介
 3.3 含浸法
  3.3.1 手法
  3.3.2 手法の特徴
  3.3.3 試行されたフィラー材料の種類と物性
 3.4 金属・合金PCM 利用
  3.4.1 手法
  3.4.2 手法の特徴
  3.4.3 試行された金属PCMの種類と物性
  3.4.4 事例紹介
4. 総括

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熱利用の高度化に向けた化学蓄熱材料の開発
Development of Thermochemical Energy Storage Material for Unused Heat Utilization

 省エネルギーにおいて排熱の回収,有効利用技術は重要であり,特に200 〜 400℃域の中温熱の活用は国規模で量的な効果がある。化学蓄熱は中温熱有効利用に可能性を持っている。化学蓄熱は従来の蓄熱,熱利用技術にない広い操作温度域,長時間熱貯蔵性などを持ち,排熱回収に柔軟に対応できる可能性がある点で有用である。この温度域では酸化マグネシウム/水系化学蓄熱の利用が期待できる。化学蓄熱装置の実用化においては材料と熱交換機のパッケージ化の必要であり,包括的な熱交換性能向上が重要である。このための高伝熱性化学蓄熱材料の開発事例を示した。膨張化グラファイトと水酸化マグネシウムの複合は,既存水酸化マグネシウム単体材料より材料の高伝熱性,水蒸気拡散性を高め反応性が向上した。これらの研究事例から化学蓄熱の可能性を示した。

【目次】
1. 緒言
2. 蓄熱ハイブリッド型エネルギーシステムの提案
3. 化学蓄熱向けの反応系の探索
4. 酸化マグネシウム系化学蓄熱材料の開発事例
 4.1 繰り返し反応耐久性の向上
 4.2 高熱伝導度化
 4.3 高熱伝導度化材料を用いた化学蓄熱充填層試験
5. まとめ

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ケミカルヒートポンプを用いた熱エネルギーの高度利用技術
Advanced Use of Thermal Energy with Chemical Heat Pumps

 ケミカルヒートポンプの一方式である電気化学圧縮式ヒートポンプを紹介する。このヒートポンプは,電気化学反応による作動媒体の圧力差を利用し,蒸発・凝縮過程により昇温を行う点を特徴としている。作動媒体に液体金属Na を使用すると,中・高温域で逆カルノーサイクルの約半分の高い成績係数(COP)が可能となり,将来の燃焼加熱の代替技術として期待できる。現在まで実際の作動例はないが,予想できる性能,材料開発と実現性など,今後の展望を含めて紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 電気化学圧縮式ヒートポンプの原理
3. β”アルミナ固体電解質を用いるNa 蒸気圧縮式ヒートポンプ
4. 期待できる性能
5. 今後の性能向上と課題
6. おわりに

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サーマルマネージメント材料の最新動向―放熱やその他の分野では―
Trend in Thermally Managing Materials in the Fields of Heat Releasing Materials etc.

 電子機器がより高性能で小型化するだけでなく,省エネルギー問題が深刻化し,サーマルマネージメントの必要性がますます高まる中,その材料が大きく進歩してきた。そのため今号では,蓄熱材を中心に解説されてきたが,この章では他のサーマルマネージメント材料である,放熱材や熱遮熱材,熱輻射材,断熱材の最近の進歩について概説した。

【目次】
1. はじめに
2. 高熱伝導性高分子材料
 2.1 高分子自身の高熱伝導化
3. 高分子材料の複合化による熱伝導率の向上
 3.1 影響因子を踏まえた高熱伝導化方法
 3.2 最近開発された改善方法
  3.2.1 充填材の連続体形成量をさらに増大するために充填材を連続相に
  3.2.2 充填材の接触面を増大し,完全な連続相に
  3.2.3 ダブルパーコレーションの利用
  3.2.4 充填材の熱伝導率の増大
  3.2.5 多種の粒子の利用
  3.2.6 複合液晶性高分子材料の熱伝導率
4. 遮熱材
5. 熱輻射材
6. 断熱材
7. おわりに

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[ Material Report -R&D- ]

グリオキシル酸銅錯体膜へのレーザ照射による大気中での銅微細配線形成
Laser Direct Writing of Copper Wire in Atmosphere Using Glyoxylic Acid Copper Complex

 グリオキシル酸銅錯体膜へのCO2 レーザ照射により大気中でも安定に銅微細配線を形成する手法を開発した。この銅錯体は安定であり溶媒に可溶なため,各種印刷法による薄膜作製が容易である。レーザ照射部に析出した銅の性質は,レーザの照射出力,掃引スピードなどの照射条件及びレーザ種に依存する。また,非レーザ照射部はエッチングにより除去できるため,簡便に銅配線の形成が可能である。

【目次】
1. はじめに
2. グリオキシル酸銅錯体について
3. 錯体膜へのCO2 レーザ照射
4. レーザ照射による銅微細配線形成
5. レーザ出力がCu 膜の表面状態及び抵抗に及ぼす影響
6. レーザ照射による銅析出メカニズム
7. フレキシブル基板上への銅配線形成及びマイクロコンタクトプリンティングによる銅配線形成
8. おわりに

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ディープラーニングの世界―新たな人工知能による産業の躍進に向けて― 第3回

実世界に向けた深層学習の取り組み
Deep Learning for the Real World

 画像認識や音声認識などの課題で他の手法を圧倒する性能を示した深層学習であるが,その可能性は一つのモダリティにとどまらず,様々な情報を統合することで人間のような高い認識能力を持つことが期待されている。本稿では各企業の具体的な試みについて触れながら,画像や音声など複数の情報を統合したマルチモーダル学習,その汎用的な能力を利用した深層強化学習などの取り組みを紹介し,深層学習の実世界への応用の可能性を探る。

【目次】
1. はじめに
2. 深層学習の成果と限界
3. 実世界における深層学習
 3.1 マルチモーダル学習
 3.2 ロボティクスにおける強化学習
 3.3 転移学習,学習結果の共有
 3.4 発達ロボティクス
 3.5 2次元画像の認識から3次元画像の認識へ
 3.6 躍進するDeep Learning産業
4. おわりに

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知的財産情報から見る熱可塑性エラストマー(オレフィン系,スチレン系)組成物の開発と利用 第2回

熱可塑性エラストマー(オレフィン系,スチレン系)組成物
Thermoplastics Elastomer Composition (TPS, TPO)

 今回は,スチレン系エラストマー組成物(TPS),オレフィン系エラストマー組成物(TPO)の基本配合の概略と各成分について説明する。これらの基本配合は,ゴムとポリオレフィン系樹脂とオイルとの混合物(ポリマーアロイ)であることから極めて複雑なモルフォロジー(ポリマーアロイしたときの混ざり具合いや結晶構造の分布形態)を示す。そのため,各成分の選定には最終的な組成物としてどんな性能を要求するかにより大きく異なるため細心の注意が必要である。

【目次】
1. TPS,TPO に使用されるゴムについて
 1.1 スチレン系のゴム
 1.2 オレフィン系ゴム
  1.2.1 エチレン・プロピレンゴム(EPR)
  1.2.2 エチレン・プロピレン・非共役ジエン化合物共重合体(EPDM)
  1.2.3 線状低密度ポリエチレン(LLDPE)
  1.2.4 その他のオレフィン系のゴム
2. TPS・TPO に使用される流動相(樹脂)成分
 2.1 ポリプロピレンホモポリマー(ホモのPP)
 2.2 ランダム共重合体(ランダムPP)
 2.3 ブロック共重合体(ブロックPP)
 2.4 ランダムブロック共重合体
 2.5 リアクターTPO
3. TPS・TPO で使用される軟化剤成分
4. まとめ

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[ 機能材料マーケットデータ ]

フラットパネルディスプレイの市場動向
Market Trend of Flat Panel Display

【目次】
1. フラットパネルディスプレイ市場
2. 液晶ディスプレイ市場
3. プラズマディスプレイパネル市場
4. 有機EL 市場
5. 電子ペーパー市場

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[ 機能材料マーケットデータ ]

タッチパネルの市場動向
Market Trend of Touch Panel

【目次】
1. 概要
2. 市場動向
3. 材料・開発動向
4. 企業動向

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価格(税込): 55,000 円