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ポリマーナノコンポジットの開発と分析技術

Development & Characterization Techniques of Polymer Nanocomposite

★ポリマーナノコンポジットの最新動向を掲載!!
★各種別のコンポジット技術や応用展開を詳述!!
★コンポジット構造の状態、物性を測る分析技術についても解説!!

本書カラー図は以下のURLをご覧ください。
https://www.cmcbooks.co.jp/user_data/colordata/T1022_colordata.pdf

商品コード:
T1022
監修:
岡本正巳
発行日:
2016年9月30日
体裁:
B5判・232頁
ISBNコード:
978-4-7813-1178-4
価格(税込):
70,400
ポイント: 640 Pt
関連カテゴリ:
新材料・新素材
新材料・新素材 > 複合材料・ハイブリッド材料

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キーワード:

ナイロン6/カーボンナノチューブ/セルロースナノファイバー/クレイ/ポリ乳酸/シリカ/PMMA/In Situ合成/X線散乱法/NMR法/AFM/TEMT/TERS/ゾル-ゲル法/ボールミル/有機-無機ハイブリッド

刊行にあたって

本書の前身である『ポリマー系ナノコンポジットの新技術と用途展開』が刊行されて10年余が経過した。その間に起こったナノコンポジット分野の技術革新をまとめ、新たに情報発信する目的から、今回『ポリマーナノコンポジットの開発と分析技術』を出版することとなった次第である。

世界規模で急速な発展を遂げた日本のオリジナルである高分子系クレイナノコンポジットは、新しい用途に展開されつつ、クレイ化学の基本原理を基軸とした新規な研究が創出され始めている。加えて、日本が先導して開発してきたカーボンナノチューブは現実的な応用開発に軸足をおいて、この25年間に着実に産業化へ向けて進展してきている。そして、植物中のセルロースナノファイバーを補強材に利用したナノコンポジット研究が勢いよく発進し、現在さらに進歩のスピードが速まっているように見受けられる。こちらも日本発のアイデアであることは特筆される。これらのアイデアを着実に産業化するところが日本人の強みであることは、読者の皆さんのよく知るところである。

チップ増強ラマン散乱法に代表される、近年の分析手法の発展の恩恵を享受することで、ナノコンポジット研究がこれからも益々発展することが期待される。

ナノコンポジット研究に、多くの日本の研究者、技術者が関わっている。この分野における日本の寄与は目覚ましい。本書の各章はナノコンポジット研究を広くカバーし、そのテーマにふさわしい執筆者により、わかりやすく解説されていると思われる。本書が、ナノコンポジット研究に興味を持つ方々に、少しでもお役に立つことができれば幸いである。
岡本正巳
(本書『刊行にあたって』より)

著者一覧

上田一恵  ユニチカ㈱
岡本正巳  豊田工業大学
棚橋満  名古屋大学
堀内 伸  (国研)産業技術総合研究所
髙嶋洋平  甲南大学
鶴岡孝章  甲南大学
冨田知志  奈良先端科学技術大学院大学
赤松謙祐  甲南大学
芝田正之  大日精化工業㈱
小池常夫  島貿易㈱
藤井 透  同志社大学
大窪和也  同志社大学
仙波 健  (地独)京都市産業技術研究所
陣内浩司  東北大学
西辻祥太郎  山形大学
浅野敦志  防衛大学校
中嶋 健  東京工業大学
尾崎幸洋  関西学院大学
佐藤春実  神戸大学
長尾大輔  東北大学
日髙貴志夫  山形大学
吉本尚起  ㈱日立製作所
西澤 仁  西澤技術研究所
西谷要介  工学院大学
川口正剛  山形大学

目次 +   クリックで目次を表示

【第Ⅰ編 ナノコンポジット材料の開発】
第1章 クレイナノコンポジット
1 ポリアミド系クレイナノコンポジット
 1.1 はじめに
 1.2 ナイロン6クレイナノコンポジットの作製方法
 1.3 ナイロン6クレイナノコンポジットの物性、特長
  1.3.1 軽量で高剛性、高耐熱性
  1.3.2 吸水特性、バリア性能
  1.3.3 色調
  1.3.4 成形性
  1.3.5 リサイクル性
  1.3.6 物性のまとめ
 1.4 NANOCON®の応用例
  1.4.1 軽量高強度用途
  1.4.2 良外観用途
 1.5 今後の展開

2 クレイナノコンポジット材料の現状と将来展望
 2.1 はじめに
 2.2 PCN材料の構造制御と現状の技術課題
  2.2.1 高分子鎖の層間挿入
  2.2.2 層状有機修飾フィラーの層剥離を目的とした研究例
  2.2.3 完全な層剥離型PCN
  2.2.4 メソ構造(ネットワーク)形成
  2.2.5 ポリ乳酸をベースにしたPCNにおける結晶化過程のダイナミクス
  2.2.6 微細発泡体と2次加工
  2.2.7 クレイ化学の基本原理を基軸とした新規な研究
  2.2.8 クレイを使った再生医療・組織工学の研究
 2.3 まとめと展望

第2章 無機材料ナノコンポジット
1 ポリプロピレン/親水性シリカ系ナノコンポジットの簡易調製法と機械的特性
 1.1 はじめに
 1.2 無機ナノフィラーの表面疎水化処理フリーの有機/無機系ナノコンポジットの簡易調製法
  1.2.1 従来のブレンド法
  1.2.2 ナノフィラーの表面疎水化処理フリーの新規ブレンド法の開発戦略と概要
 1.3 新規手法によるポリプロピレン/シリカ系ナノコンポジットの調製
  1.3.1 予備作製した易解砕性シリカナノ粒子弱集合体の特性
  1.3.2 溶融混練により達成されるポリプロピレン中でのシリカナノ粒子集合体の解砕・分散性
 1.4 親水性表面を有するコロイダルシリカが分散したポリプロピレン/シリカ系ナノコンポジットの機械的特性
  1.4.1 対象コンポジット
  1.4.2 本系ナノコンポジットのiPP結晶化度
  1.4.3 静的引張り特性

2 高分子/金属ナノコンポジットの構造制御と機能
 2.1 はじめに
 2.2 昇華性金属錯体を用いたポリマー/金属ナノコンポジットの作製
 2.3 高分子フィルム内部への金属ナノ粒子の集積化・パターニング
 2.4 金属ナノ粒子の集積化による発現機能
 2.5 おわりに
3 金属ナノ粒子分散ナノコンポジット材料
 3.1 はじめに
 3.2 従来プロセスでの金属ナノ粒子/ポリマーナノコンポジットの作製
 3.3 ポリイミドをマトリックスとするナノコンポジットの作製
  3.3.1 マトリックスしてのポリイミド
  3.3.2 ポリイミド樹脂の表面改質を利用する金属イオンの導入
  3.3.3 水素還元処理による金属ナノ粒子の合成
 3.4 ナノ粒子サイズと粒子間距離の制御
 3.5 In Situ合成法の応用
 3.6 おわりに

第3章 カーボンナノチューブナノコンポジット
1 CNT複合導電性プラスチックナノコンポジット材料
 1.1 開発の背景
 1.2 分散処理技術
  1.2.1 分散剤処方
  1.2.2 加工法
 1.3 分散の評価と分散の効果
  1.3.1 分散評価法
  1.3.2 分散の効果:CNTの分散に伴い樹脂物性が向上する例を示す。
 1.4 CNTナノコンポジットの応用事例
  1.4.1 導電性
  1.4.2 成形性
 1.5 今後の展開

2 CNT充填エポキシ樹脂繊維強化複合材料
 2.1 CNT充填エポキシ樹脂繊維強化複合材料について
 2.2 局在化CNT充填エポキシ樹脂繊維強化複合材料
  2.2.1 繊維織物等へのCNTグラフトによる局在化
  2.2.2 層間補強によるCNT/繊維ハイブリッド化手法
  2.2.3 電着法によるCNT/繊維ハイブリッド化手法
  2.2.4 エレクトロスピニング法によるCNT/繊維ハイブリッド化手法
 2.3 あとがき

第4章 セルロースナノファイバーナノコンポジット
1 CNFコンポジットの開発
 1.1 CNFとは
 1.2 CNFの活用
 1.3 エポキシ母材のCNF(物理的)変性によるCFRPの疲労寿命の向上
 1.4 エポキシ母材のCNF変性により、なぜCFRPの疲労寿命が向上するのか?
 1.5 CNFの適量添加により、エポキシ樹脂とカーボン繊維界面の接着強度が増す
 1.6 CNFの活用

2 CNF/熱可塑性樹脂
 2.1 はじめに
 2.2 CNFと熱可塑性樹脂混合における課題
 2.3 セルロースの化学変性
 2.4 セルロースと熱可塑性プラスチックの複合化手法
 2.5 変性CNFの耐熱性樹脂への適用
 2.6 CNF強化樹脂材料のリサイクル特性の評価
 2.7 まとめ

【第Ⅱ編 ナノコンポジット材料の分析】
第5章 電子線トモグラフィによるナノコンポジット三次元観察と解析
1 はじめに
2 電子線トモグラフィ(TEMT)の概要と分解能
 2.1 ナノフィラー含有ゴム材料の三次元観察および解析
  2.1.1 元素識別型電子線トモグラフィによるナノフィラーの識別
  2.1.2 三次元画像の精度と定量性
  2.1.3 ナノフィラー含有ゴム材料の構造解析例

第6章 超小角X線散乱法によるナノコンポジット解析
1 はじめに
2 USAXS法
 2.1 Bonse-Hartカメラ
 2.2 放射光を用いた長距離パスカメラ
3 USAXS法による階層構造の解析
 3.1 Bonse-Hartカメラを用いたUSAXS測定
 3.2 長距離カメラを用いたUSAXS測定
4 さいごに

第7章 固体高分解能NMR法による高分子複合材料の構造解析
1 はじめに
2 PMAA/PVAcブレンドとPK/PAアロイの相溶性解析
3 N6/mmt複合材料(ナノコンポジット)のモルフォロジー解析
4 PVIBE/ε-PL/sapoナノコンポジットの結晶相の融点とラメラ厚
5 最後に


第8章 ポリマー系ナノコンポジットのAFMによる弾性率マッピング
1 はじめに
2 AFMナノメカニカル計測
3 実例1 カーボンブラック充塡ゴム
4 実例2 カーボンナノチューブ充塡ゴム
5 まとめ

第9章 チップ増強ラマン散乱法
1 はじめに
2 TERSの特徴
3 TERS装置とチップの特性
 3.1 TERS装置の光学配置とその特性
 3.2 チップの作製法
 3.3 測定装置
4 TERSによるポリマーナノコンプジットの研究
 4.1 TERSによるポリマーナノコンプジットの研究例1
 4.2 TERSによるポリマーナノコンプジットの研究例2
5 終わりに

【第Ⅲ編 応用】
第10章 高屈折率透明ナノコンポジット薄膜
1 はじめに
2 ゾル-ゲル法による結晶性BTナノ粒子の合成
3 ポリマーとの複合化のためのBTナノ粒子表面修飾
 3.1 ポリメタクリル酸メチルとBTナノ粒子のナノコンポジット薄膜
 3.2 ポリイミドとBTナノ粒子のナノコンポジット薄膜
4 まとめ

第11章 電磁波吸収材料のナノコンポジット技術
1 はじめに
2 ナノコンポジット粒子の開発
3 電磁波吸収ナノコンポジット
4 体積抵抗率測定法
5 電磁波吸収測定法
 5.1 空洞共振法
 5.2 マイクロストリップライン法
 5.3 同軸管法
 5.4 自由空間法
6 おわりに

第12章 ナノコンポジットを用いた難燃材料
1 はじめに
2 ナノコンポジット難燃材料とその特徴
3 難燃材料に使用されるナノフィラーの種類と特徴
4 ナノコンポジットの製造法
5 ナノコンポジット難燃材料の難燃機構とその特性
 5.1 ナノコンポジット難燃材料の難燃機構と難燃性
6 難燃性ナノコンポジットの最近の研究動向
7 従来難燃系とナノフィラーの併用難燃系の研究動向

第13章 ナノコンポジットを用いたトライボマテリアル
1 はじめに
2 ナノコンポジットを用いたトライボマテリアル
 2.1 カーボンナノファイバー充填系
 2.2 ナノ炭酸カルシウム充填系
3 多成分系複合材料
 3.1 多成分系複合材料のトライボロジー的性質
 3.2 多成分系複合材料のトライボロジー的性質に及ぼす混練手順の影響
4 おわりに

第14章 有機・無機ハイブリッドナノ微粒子の創成
1 はじめに
2 微粒子集積法を用いた透明ポリメタクリル酸ブチル-ZrO2ハイブリッドラテックス膜の合成
3 ミニエマルション法によるZrO2内包高分子微粒子の合成
4 おわりに
5 謝辞

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