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脱細胞化組織の作製法と医療・バイオ応用

Preparation and Application of Decellularized Tissues/Organs

★移植用・再生医療用の足場材料・創傷治癒促進材料として注目される「脱細胞化組織/臓器」!
★国内外の動向、脱細胞化組織の作製法、各組織/臓器別の研究・応用事例を詳述!
★欧米ではすでに産業化が進展、日本や中国などでも市場形成に向けた動きが加速!

商品コード:
T1109
監修:
岸田晶夫,山岡哲二,干場隆志
発行日:
2019年4月26日
体裁:
B5判・229頁
ISBNコード:
978-4-7813-1412-9
価格(税込):
88,000
ポイント: 800 Pt
関連カテゴリ:
バイオテクノロジー
バイオテクノロジー > 先端医療(再生医療・細胞治療等)
バイオテクノロジー > バイオマテリアル・バイオミメティクス

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キーワード:

脱細胞化生体組織/脱細胞化臓器/再生医療/足場材料/創傷治癒促進材料/細胞外マトリックス/ECM/ヒト由来/ブタ由来/ウシ由来/同種移植/異種移植/細胞破壊/洗浄除去/滅菌/再細胞化/リモデリング/免疫原性/分解性/次世代医療機器/再生医療等製品/ガイドライン

刊行にあたって

 本書は、我が国の脱細胞化組織研究・開発の現状をできる限り網羅し、これから脱細胞化組織研究に参入しようとする研究者の参考となること、また我が国の脱細胞化研究者の研究内容を紹介し、情報共有を行いながら、脱細胞化組織製品に対する評価体系の構築、規制基準の提案、安全性確保のための知識基盤の構築の端緒とすることを目論んで編集した。第Ⅰ編では脱細胞化組織の現状について、第Ⅱ編では脱細胞化組織に関する共通理解のための基本的な事項についての解説を行い、第Ⅲ編では日本の研究者の個々の研究を紹介していただいた。
 脱細胞化組織研究は日々進歩しており、医療機器としての性能や組織・臓器再構築機能についての評価が定まるのはもう少し時間がかかると考えられる。本書が脱細胞化組織研究に従事する、あるいは従事しようとする研究者諸氏にとって有益な指針や情報源となれば幸いである。

著者一覧

岸田晶夫   東京医科歯科大学
山岡哲二   国立循環器病研究センター研究所
干場隆志   東京都立産業技術研究センター
根岸 淳   信州大学
中岡竜介   国立医薬品食品衛生研究所
加藤玲子   国立医薬品食品衛生研究所
蓜島由二   国立医薬品食品衛生研究所
舩本誠一   大阪工業大学;東京医科歯科大学;物質・材料研究機構
橋本良秀   東京医科歯科大学
木村 剛   東京医科歯科大学
山中浩気   国立循環器病研究センター研究所;京都大学
馬原 淳   国立循環器病研究センター研究所
山本敬史   ㈱JMS
藤里俊哉   大阪工業大学
李鍾國    大阪大学
渕本康史   国際医療福祉大学
土谷智史   長崎大学;東京理科大学
戸部友輔   早稲田大学大学院;東京女子医科大学
清水達也   東京女子医科大学
八木 洋   慶應義塾大学
白木川奈菜  九州大学
坂本裕希   九州大学
井嶋博之   九州大学
鈴木郁郎   東北工業大学
吉政佑之   慶應義塾大学
丸山哲夫   慶應義塾大学
古川克子   東京大学
廣田 泰   東京大学医学部附属病院
吉野 修   富山大学
齋藤 滋   富山大学
大須賀 穣  東京大学医学部附属病院
牛田多加志  東京大学
岩﨑剣吾   大阪歯科大学
森田育男   お茶の水女子大学
森本尚樹   関西医科大学
小林尚俊   物質・材料研究機構
岩﨑清隆   早稲田大学
伊藤匡史   東京女子医科大学
中村奈緒子  芝浦工業大学
川添直輝   物質・材料研究機構
陳国平    物質・材料研究機構

目次 +   クリックで目次を表示

【第I編 総論】
第1章 脱細胞化組織の動向
1 はじめに
2 脱細胞化組織の歴史
3 脱細胞化組織の分類について
 3.1 組織・臓器を脱細胞化してそのまま用いるもの
 3.2 組織・臓器を物理的に加工するもの
 3.3 組織・臓器を化学的に加工するもの
 3.4 組織工学マトリックスを脱細胞化するもの
 3.5 抽出ECMを再構成するもの
4 脱細胞化組織の現状
 4.1 脱細胞化技術について
 4.2 脱細胞化の確認
 4.3 従来の生体組織と脱細胞化組織について
 4.4 脱細胞化組織の特徴
5 脱細胞化組織の医療応用
 5.1 世界の現状
 5.2 日本の現状
6 脱細胞化組織研究・開発の動向
 6.1 既存材料代替としての脱細胞化組織
  6.1.1 多様な応用可能性の研究
  6.1.2 さらなる高機能化のための研究
 6.2 脱細胞化組織による臓器再生
 6.3 脱細胞化組織粉末による組織再生―未知の機能の解明―
 6.4 世界的な広がり
7 脱細胞化組織の将来
8 おわりに

第2章 脱細胞化組織の製品
1 脱細胞化組織製品の概要
2 生体由来材料と脱細胞化組織製品
3 脱細胞化組織製品の適用例
4 培養細胞分泌細胞外マトリックス製品と獣医用脱細胞化組織製品
5 まとめ

第3章 脱細胞化組織を利用した医療機器に適用可能なガイドライン等について
―生体由来材料を利用した新規機能を有する医療機器に関する評価指標―
1 はじめに
2 医療機器の薬事規制
3 次世代医療機器・再生医療等製品評価指標作成事業
4 「生体由来材料を利用した新規機能を有する医療機器に関する評価指標案」
 4.1 対象
 4.2 対象となる医療機器において評価・留意すべき点
  4.2.1 基本的事項
  4.2.2 非臨床試験
  4.2.3 臨床試験

5 おわりに
【第II編 脱細胞化組織の基礎】
第1章 脱細胞化マトリクスと細胞外マトリクス
1 はじめに
2 生物学研究とバイオマテリアル開発における「細胞外マトリクス」の違い
3 細胞外マトリクス
 3.1 構造
 3.2 構成成分
 3.3 機能
  3.3.1-1) 細胞の足場,組織,臓器の形態形成のための土台
  3.3.2-2) 異なる組織との境界形成
  3.3.3-1) 機械的シグナルの伝達
  3.3.4-2) 液性因子の貯蔵および活性制御
  3.3.5-3) 細胞との直接的な相互作用による細胞内シグナル伝達経路の活性化
4 脱細胞化マトリクスの必要性
 4.1 構造などの物理的性質の利用
 4.2 細胞機能の制御などの生化学的性質の利用
5 終わりに

第2章 脱細胞化組織の作製方法(脱細胞化処理方法・脱細胞化組織の確認)
1 はじめに
2 脱細胞化処理の考え方
3 脱細胞化処理方法
 3.1 化学的手法
 3.2 生物学的手法
 3.3 物理学的手法
4 脱細胞化組織の確認方法
 4.1 組織切片の作製と染色
 4.2 組織DNA抽出と定量方法
 4.3 脱細胞化組織の滅菌

第3章 脱細胞化組織の機能
1 はじめに
2 脱細胞化によるECMの変化
3 形態的特性
4 力学特性
5 脱細胞化組織の組成(化学的特性)
6 生物学的特性
7 結語

第4章 脱細胞化組織の応用法
1 はじめに
2 脱細胞化組織の移植法と組織再生・組織新生
3 脱細胞化器官
4 脱細胞化組織の粉体(ECM粉体)とその応用
5 脱細胞化組織の3次加工とその応用
 5.1 脱細胞化ECMゲル(dECMゲル)
 5.2 脱細胞化組織の高機能化
6 おわりに

第5章 脱細胞化組織の課題
1 はじめに
2 同一性の保証について
3 安全性評価について
 3.1 安全性評価のための項目について
 3.2 物理的・化学的特性について
 3.3 生物学的安全性について
 3.4 機械的安全性
 3.5 滅菌
 3.6 安定性・耐久性
4 脱細胞化組織の安全性と機能の関係について
 4.1 分解性か非分解性か
 4.2 成長性について
 4.3 免疫原性について
5 長期埋植の動物実験モデルについて
6 採取動物について

【第III編 我が国での脱細胞化組織研究の動向】
第1章 脱細胞化小口径血管への挑戦
1 はじめに
2 小口径人工血管の研究開発
3 小口径人工血管の適応
4 小口径血管の開発
5 滅菌法の検討
6 超小口径血管開発への挑戦
7 おわりに

第2章 大口径血管
1 はじめに
2 研究方法
 2.1 脱細胞化処理
 2.2 血管移植実験
 2.3 脱細胞化組織の保存
 2.4 脱細胞化スキャフォールドへの細胞播種と培養
 2.5 ヒト組織の脱細胞化
 2.6 脱細胞化処理の改良
3 研究結果
 3.1 脱細胞化血管の長期移植
 3.2 脱細胞化組織の保存
 3.3 脱細胞化スキャフォールドへの細胞播種と培養
 3.4 ヒト組織の脱細胞化
 3.5 脱細胞化処理の改良
4 考察
5 結論

第3章 心臓
1 はじめに
2 三次元心筋組織構築研究に至る社会的背景
3 三次元心筋組織構築・創成に向けた新規技術の展開
4 脱細胞化技術を用いた三次元心筋組織構築
5 脱細胞化技術を用いた心臓弁作製
6 脱細胞化技術を用いた再細胞化三次元心臓の構築
 6.1 バイオ人工心臓構築に向けた研究展開
 6.2 脱細胞化心臓マトリックスを用いた三次元心臓構築技術の開発例
 6.3 機能的三次元心筋を構築するための界面活性剤を用いた脱細胞化技術の開発
 6.4 脱細胞化工程の評価に利用可能なイメージング技術

第4章 他家脱細胞気管を用いた気道再建
1 はじめに
2 高圧脱細胞他家気管のパッチ移植による気管再建研究
 2.1 研究対象,方法
  2.1.1 脱細胞気管の作製
  2.1.2 脱細胞気管のDNA量の測定
  2.1.3 実験モデル(パッチグラフト手術)
  2.1.4 気管支鏡ならびに組織学的検討
 2.2 結果
  2.2.1 脱細胞気管のDNA量
  2.2.2 気管支鏡ならびに組織学の経時的評価
 2.3 考察
 2.4 将来の展開

第5章 肺における脱細胞化組織骨格を利用した臓器再生研究
1 脱細胞化組織骨格を使用した肺の3次元構築法
 1.1 肺の解剖とこれまでの肺の3次元構築法
 1.2 脱細胞化組織骨格を使用した肺の3次元構築法の原理とその優位性
2 脱細胞化組織骨格を使用した肺再生法における課題
 2.1 脱細胞化時の細胞外マトリックスの障害と,新しい天然由来の脱細胞化溶液の開発
 2.2 再細胞化に使用する細胞
 2.3 臓器の成熟
 2.4 Air-blood barrier(ABB)
 2.5 使用する組織骨格の動物種と免疫原性
3 再生肺利用の新しい展開
 3.1 小型ヒト肺による癌疾患モデルの作製

第6章 脱細胞化小腸を用いた組織再生研究の現状
1 はじめに
2 脱細胞化小腸を用いた研究の現況
 2.1 手法A:シート状SISとしての利用
 2.2 手法B:小腸再建のための足場としての利用
 2.3 手法C:異所性組織構築のための足場としての利用
3 脱細胞化小腸,および細胞シート工学を用いた新規立体心筋組織の構築手法の開発
4 おわりに

第7章 脱・再細胞化肝臓の大動物モデルを用いた有効性試験の現状
1 はじめに
2 肝臓脱細胞化研究の背景
3 再生医療の3要素と脱細胞化肝臓骨格の意義
4 肝臓骨格を用いた再細胞化による再生部分肝臓の作製
5 ヒトiPS細胞由来の成熟細胞を用いた再細胞化肝臓の作製
6 今後の展望
7 おわりに

第8章 脱細胞化肝臓を足場とした肝臓再構築に向けた要素技術の開発
1 緒言
2 脱細胞化肝臓の作製
3 脱細胞化肝臓を足場とした肝臓構築
4 脱細胞化肝臓を足場として構築した再細胞化肝臓の機能評価系の開発
 4.1 臓器培養における再細胞化肝臓の機能評価系の開発(in vitro)
 4.2 肝不全動物に対する再細胞化肝臓の機能評価系の開発(ex vitro)
5 結言

第9章 脱細胞化脳
1 はじめに
2 脱細胞化脳の調製
3 脱細胞化脳の応用
4 おわりに

第10章 脱細胞化骨格を用いた子宮の再生・再建
1 はじめに
2 子宮の幹細胞・再生・再建医療についての研究の現状
3 ラット子宮の脱細胞化
4 脱細胞化子宮の再細胞化
5 ラット子宮欠損モデルにおける子宮再生
6 おわりに

第11章 物理的・化学的手法による脱細胞化子宮
再生モデルの構築
1 はじめに
2 子宮における疾患と子宮再生との関係
3 再生医療の発展と問題点
4 子宮の再生
5 脱細胞化モデルによる子宮再生の将来展望
6 おわりに

第12章 脱細胞羊膜を用いた細胞治療
1 羊膜とは
2 羊膜の医療への利用
3 細胞転写技術
4 羊膜へ転写した細胞による治療
 4.1 虚血性疾患
 4.2 骨欠損
 4.3 歯周組織欠損
 4.4 脱細胞羊膜を用いた細胞移植の特徴

第13章 皮膚再生医療の現状と脱細胞化技術の応用
1 皮膚再生の現状
2 脱細胞化皮膚(真皮)について
3 先天性巨大色素性母斑に対する不活化処理母斑と自家培養表皮を用いた皮膚再生治療
 3.1 母斑組織を不活化させる高圧処理条件の検討
 3.2 細胞残渣を含んだままの不活化処理母斑の再移植
 3.3 臨床研究の実施
4 今後の展開

第14章 角膜
1 緒言
2 角膜の脱細化処理法
3 超高静水圧処理による角膜の脱細胞化
4 結言

第15章 膝前十字靭帯損傷の治療に用いる脱細胞化腱
1 膝前十字靭帯断裂患者の治療の現状と課題
2 脱細胞化腱の可能性
3 海外の開発動向
4 膝前十字靭帯再建治療に用いる脱細胞化腱の開発
 4.1 脱細胞化技術
 4.2 滅菌技術
 4.3 動物実験評価
  4.3.1 脱細胞化腱を用いたラット膝前十字靭帯再建実験
  4.3.2 脱細胞化腱を用いたヒツジ膝前十字靭帯再建実験
5 まとめ

第16章 骨・骨髄
1 はじめに
2 骨の構成と機能
3 脱細胞化骨組織と脱細胞化骨髄組織
 3.1 脱細胞化骨組織
 3.2 脱細胞化骨髄組織
4 おわりに

第17章 再生組織から調製した脱細胞化マトリクス
1 はじめに
2 生体組織由来の脱細胞化マトリクスとの比較
 2.1 得られる脱細胞化マトリクスの組成,構造,力学特性
 2.2 脱細胞化マトリクスのソース
 2.3 微小領域ECMの入手可能性
3 再生組織由来の脱細胞化マトリクスの例
 3.1 正常組織由来の細胞
 3.2 幹細胞
  3.2.1 未分化状態の幹細胞
  3.2.2 特定の細胞に分化させた状態の幹細胞
 3.3 がん細胞
4 再生組織由来の脱細胞化マトリクス作製におけるポイント
 4.1 培養環境(培地組成,共培養)
 4.2 培養基板
 4.3 脱細胞化処理方法
 4.4 脱細胞化処理後の脱細胞化マトリクスの修飾
 4.5 作製の際に用いる細胞
5 今後の展望
 5.1 再生組織由来の脱細胞化マトリクスの応用
 5.2 今後の課題
6 まとめ

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