キーワード:
高機能化と医用への展開/ファージディスプレイ/動物細胞/ADLibシステム/LC/MS/高次構造解析/承認審査/人工抗体ライブラリー/ポテリジェント抗体/ヒト染色体導入マウス/低分子抗体のアゴニスト作用/抗体医薬培養精製工程
刊行にあたって
<普及版の刊行にあたって>
本書は2007年に『抗体医薬の最前線』として刊行されました。普及版の刊行にあたり、内容は当時のままであり加筆・訂正などの手は加えておりませんので、ご了承ください。
シーエムシー出版 編集部
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第1章 抗体ドメインの積み木細工による高機能化と医用への展開
1 はじめに
2 抗体の基本構造と各種断片
3 抗体の高機能化
3.1 多価化抗体
3.2 融合抗体
3.3 二重特異性抗体
4 医用を目指した二重特異性抗体
5 抗体ドメインの高機能化
6 おわりに
第2章 ファージディスプレイによる抗体医薬開発
1 はじめに
2 ファージ抗体ライブラリの構築
3 抗体ライブラリからの特異抗体の単離法
3.1 IL-18に対する抗体ファージの単離
3.2 細胞に対する抗体ファージの単離
4 おわりに
第3章 動物細胞での抗体選択・生産一貫システムの開発
1 はじめに
2 抗体選択・生産一貫システムの構築
3 おわりに
第4章 B細胞ディスプレイによる新しい生体外抗体作製技術:ADLibシステム
1 背景
2 モノクローナル抗体と抗体医薬
3 ADLibシステムの原理
4 ADLibシステムのメリットと課題
5 ADLibシステムの応用例
6 今後のADLibシステムの展開
第5章 試験管内抗体作製と回収システム
1 はじめに
2 細胞表層工学による抗体酵素のディスプレイとライブラリー化
3 抗体分子の回収ツールとしてのZZドメインディスプレイ
4 Fc融合タンパク質の生産と回収
5 おわりに
第6章 抗体モデル機能タンパク質の創出
1 はじめに
2 酵母分子ディスプレイシステムを用いた抗体酵素の作成
2.1 酵母分子ディスプレイシステム
2.2 酵母分子ディスプレイシステムの原理
2.3 抗体分子のディスプレイ
2.4 試験管内抗体酵素の作成
3 酵母分子ディスプレイシステムを用いた抗体酵素の機能解析
3.1 プロテアーゼ活性を持つ抗体酵素
3.2 プロテアーゼ型抗体酵素のディスプレイ
3.3 プロテアーゼ活性の測定と基質特異性の解析
4 おわりに
第7章 抗体ドメインのジスルフィド結合改変
1 抗体ドメインのドメイン内ジスルフィド結合
2 ジスルフィド結合と機能的立体構造形成~モデル蛋白質としての抗体ドメイン
3 抗体ドメインのジスルフィド結合改変
4 『細胞の品質管理機構』を利用したスクリーニング
5 抗体ドメインのジスルフィド結合改変のルール
6 ジスルフィド結合は抗体ドメインに必要不可欠ではない
第8章 抗体の精製,会合凝集形成と溶媒制御
1 はじめに
2 抗体の酸性暴露と滴定が会合形成を促進する
3 アルギニンの持つ凝集抑制作用:蛋白質ハンドリング技術への応用
4 アルギニンはSECのパフォーマンスを改善する
5 親和性クロマトグラフィーにおける蛋白質の溶出にpH4程度のアルギニン塩酸塩を用いることができる
6 最後に
第9章 抗体医薬開発のためのリンパ球アレイチップ技術
1 はじめに
2 細胞マイクロアレイシステムの概要
2.1 マイクロアレイチップ
2.2 セルスキャナー
2.3 細胞内Ca2+濃度変化の検出
2.4 単一細胞からの抗体遺伝子の取得
3 細胞マイクロアレイシステムを用いた細胞内Ca2+濃度変化を指標とした抗原特異的Bリンパ球のヒト末梢血からの検出
4 細胞マイクロアレイシステムを用いた抗原特異的細胞の検出法の応用
4.1 蛍光標識抗原法
4.2 CCDスキャナーによる時系列解析
5 まとめ
第10章 抗体医薬品のLC/MS
1 はじめに
2 ペプチドマッピング
2.1 一次構造確認
2.2 翻訳後修飾の確認
2.3 糖ペプチドの解析
2.4 ペプチドマッピングの例
2.4.1 試料及び分析条件
2.4.2 製剤Aの一次構造確認
2.4.3 糖鎖結合位置及び部位特異的糖鎖不均一性解析
2.4.4 N末端及びC末端配列解析
2.4.5 製剤B及びCのペプチドマッピング
3 糖鎖解析
3.1 糖鎖不均一性及び構造解析
3.2 糖鎖不均一性及び構造解析の例
3.2.1 試料及び分析条件
3.2.2 糖鎖不均一性及び糖鎖構造解析
4 おわりに
第11章 NMRによる抗体の高次構造解析
1 緒言
2 タンパク質のNMR計測
3 抗体の安定同位体標識
4 グライコフォームの変化に伴うIgGの機能変化の構造基盤
5 NMRを利用した抗体の分子認識の解析
6 結語
第12章 キャピラリー電気泳動による糖鎖を指標とする抗体分析
1 抗体医薬品開発の現状
2 抗体医薬品の糖鎖とその役割
3 抗体糖鎖の評価法とキャピラリー電気泳動
4 キャピラリー電気泳動による抗体糖鎖評価の実際
4.1 CE-SDSによる糖鎖結合率評価法
4.2 糖鎖の遊離と蛍光標識
4.3 APTS標識CE-LIFによるプロファイリング
4.4 2-AA標識CE-LIFによる糖鎖プロファイリング
5 糖鎖構造解析
5 5.1 標準糖鎖との比較同定,酵素消化による同定
5 5.2 HPLCとMSの併用
5 5.3 CE-MS
6 今後の展開
第13章 抗体医薬の承認審査
1 はじめに
2 日本における抗体製剤の承認審査の現状
3 抗体製剤の種類と作用機序
4 抗体製剤の非臨床試験
5 抗体製剤の薬物動態試験
6 用法・用量の設定について
7 効能・効果について
8 副作用と製造販売後調査
【応用編】
第14章 人工抗体ライブラリーによる抗体医薬開発
1 はじめに
2 治療用抗体の条件
2.1 抗原性が無いこと
2.2 病原物質に特異的で疾病治療効果を持つこと
2.3 適切な親和性と体内半減期を持つこと
2.4 工業的生産が可能なこと
2.5 薬剤として投与可能なこと
3 ヒトモノクローナル抗体作製技術
3.1 マウスモノクローナル抗体のヒト型化
3.2 ヒト抗体DNAトランスジェニック動物
3.3 ヒト抗体DNAの発現ライブラリー
4 人工抗体ライブラリー
4.1 CDR 3ランダム化ライブラリー
4.2 n-CoDeRライブラリー
4.3 HuCAL
5 HuCALの技術要素
5.1 機能的なヒト抗体の95%を網羅するフレームワーク配列
5.2 モジュール化されたCDRとフレームワーク
5.3 TRIM (Trinucleotide mutagenesis)
5.4 CysDisplay
6 HuCALの実用性
6.1 多様性
6.2 Fab断片
6.3 親和性向上
6.4 抗体クローンの選択
6.5 迅速性
6.6 知財
7 HuCALから得られた抗体医薬候補
7.1 開発事例数
7.2 開発例;B細胞リンパ腫治療用抗体
7.2.1 作用機序
7.2.2 HuCAL抗体の選択
7.2.3 親和性向上
7.2.4 In vitroでの評価
7.2.5 培養細胞発現系でのIgG 4の調製
7.2.6 マウスでの評価
7.2.7 他剤との併用
7.2.8 カニクイザルでの評価
7.2.9 第1相臨床試験
8 まとめ
第15章 次世代抗体医薬としてのポテリジェント抗体
1 はじめに
2 抗体医薬における糖鎖構造の重要性
3 抗体医薬の現状
4 次世代抗体医薬の必要性
5 ヒトの体内で効きにくい現行抗体医薬
6 次世代抗体医薬としてのポテリジェント抗体
7 フコース修飾抗体によるフコース非修飾抗体の機能阻害
8 ポテリジェント抗体の製造
9 おわりに
第16章 ヒト染色体導入マウスを利用したヒト抗体医薬開発
1 はじめに
2 ヒト抗体産生トランスジェニックマウス
3 トランスクロモ(TC)マウス
4 KMマウス
5 ヒト染色体断片マウスを利用した抗体医薬の開発
5.1 ヒト抗体のサブクラスと活性
5.2 ヒト染色体断片マウスを利用したヒトモノクローナル抗体の作製
5.3 抗体依存性細胞傷害活性を有する抗体
5.4 アンタゴニスト(抑制性)抗体
5.5 アゴニスト(作動性)抗体
5.5.1 TRAIL-R2抗体
5.5.2 TPO受容体抗体
6 今後の展望
第17章 低分子抗体のアゴニスト作用と医薬品への応用
1 はじめに
2 低分子抗体
3 Diabodyとアゴニスト作用
4 抗体様分子の可能性
5 おわりに
第18章 DNA免疫法による抗体作製
1 抗体の選択性は抗原分子の構造で決定される
2 抗原タンパクに依存しないDNA免疫抗体作製法
3 DNA免疫法の良さ
3.1 タンパク抗原確保と精製を必要としない
3.2 免疫動物体内でのタンパク質翻訳および翻訳後修飾システムの利用
3.3 免疫応答性の誘起または免疫原性の増強が可能
4 DNA免疫法の問題点
4.1 哺乳動物細胞の発現量に依存する
4.2 標的タンパクの局在情報
4.3 細胞外領域のサイズ
5 おわりに
第19章 アプタマー医薬
1 はじめに
2 アプタマーの特徴と医薬応用
3 アプタマー獲得法
3.1 核酸アプタマー
3.2 ペプチドアプタマー
4 アプタマーの機能化
4.1 安定性の向上
4.2 デリバリー機能付与
4.3 機能の複合化
5 おわりに
第20章 植物による抗体生産
1 はじめに
2 植物による抗体生産量を増加させるための試み
2.1 小胞輸送経路の利用
2.2 葉緑体発現
2.3 ウィルスベクターの利用
2.4 その他の改良点
3 抗体のN-結合型糖鎖のヒト型化
3.1 糖鎖構造のヒト型化を行うことの重要性
3.2 ヒト型化の方法
4 おわりに
第21章 魚類における抗体生産と産業応用
1 はじめに
2 魚類の免疫系について
2.1 免疫学研究のモデル動物としてのゼブラフィッシュ
2.2 系統発生における魚類の獲得免疫系
2.3 魚類の個体発生における獲得免疫系
3 魚類養殖業への応用
3.1 魚病診断への抗体の利用
3.2 魚類用ワクチン
3.2.1 魚類用ワクチン開発の歴史と現状
3.2.2 魚類用ワクチンの種類
3.2.3 魚類用ワクチンの投与方法
3.2.4 魚類用ワクチンの普及に向けた課題
3.3 新規魚類用ワクチンの開発
4 抗体生産ツールとしての魚類とその利用―新産業の創出を目指して―
第22章 抗体医薬の生産技術―実プロセスの紹介と今後の展望―
1 はじめに
2 動物細胞大量生産―歴史的変遷と宿主細胞株開発,現在のプロセスまで
3 蛋白質生産のフローと実プロセス紹介
4 今後の展望
第23章 抗体医薬培養精製工程のモデル化と最適化
1 培養工程―細胞培養槽
1.1 相似形スケールアップの限界
1.2 培養工程のモデル化
1.3 シミュレーション
1.4 培養工程の最適化
2 精製工程―クロマトグラフィー分離
2.1 バイオ医薬品生産におけるクロマトグラフィー分離工程
2.2 工業規模のクロマトグラフィーカラムのスケールアップにおけるモデルの利用
2.3 モデルによる直線塩濃度勾配溶出の最適化
2.4 モデルを用いた生産性向上
2.5 モデルを用いた分離特性把握と問題解決
3 結論