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発酵・醸造食品の最前線II

The Frontier of Fermented Foods Ⅱ

★2015年発行『発酵・醸造食品の最前線』待望の続編!
★「麹菌を使った伝統的な日本の酒造り」がユネスコ無形文化遺産登録へ!
★発酵・醸造に関する最新の研究開発動向を一挙掲載!

商品コード:
T1199
監修:
北本勝ひこ
発行日:
2022年3月10日
体裁:
B5判・296頁
ISBNコード:
978-4-7813-1656-7
価格(税込):
58,300
ポイント: 530 Pt
関連カテゴリ:
食品
食品 > 発酵・醸造食品

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キーワード:

発酵 / 醸造 / 焼酎 / 大麦 / 醤油 / 大豆 / 小麦 / 麹菌 / バイオフィルム / 糸状菌 / ゲノム編集 / 清酒酵母 / プリオン / 酒粕 / 加水分解酵素 / 白麹菌 / クエン酸 / 泡盛 / 乳酸菌 / 味噌 / ホップ / 味覚センサー / ヨーグルト / プロテアーゼ / 卵麹 / 塩麹 / トランスポゾン / システイン

刊行にあたって

 本書は、2015年に出版された『発酵・醸造食品の最前線』の続編である。この7年の間に、さまざまなエポックメーキングなことが起こっている。例えば、ゲノム編集技術(2020年ノーベル化学賞受賞)が酵母や麹菌にも使われるようになり、その実用化もそう遠くはないように思われる。これらの他にも、我が国が世界をリードしてきたアミノ酸発酵において、その生産の難しさから残されていたシステインにおいても発酵生産法が確立された。2011年に登場した「塩麹」は、テレビや雑誌で紹介されブームを引き起こし、今や、主要な発酵食品の一つとして定着した。塩麹は2016年頃からの甘酒ブームの牽引役を果たし、一般消費者への麹文化の定着という現象も引き起こしている。また、フランスでの酒造りのように「発酵・醸造」分野でも、世界に向けた進出も盛んである。これらの分野の第一人者により「発酵・醸造の基礎研究」、「醸造微生物の最新研究」、「醸造食品の機能性と新技術」、「発酵・醸造食品等の新展開」の4分野にわけて最新成果をまとめて頂いた。
 伝統的な発酵醸造食品製造に関わる技術者はもちろんのこと、一般の食品・飲料、さらに健康食品の製造に関わる方々にとっても大いに参考になるものと確信している。
2022年3月
日本薬科大学 北本勝ひこ(「刊行にあたって」より

著者一覧

北本勝ひこ  日本薬科大学
楠本憲一   (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 (現)大阪大学
佐保丞太朗  三和酒類㈱
林 圭    三和酒類㈱
白石真貴夫  大分県農林水産研究指導センター
中田佳幸   ヒガシマル醤油㈱
南 篤志   北海道大学
尾﨑太郎   北海道大学
及川英秋   北海道大学
樋口裕次郎  九州大学
山本達也   筑波大学
野村暢彦   筑波大学
竹下典男   筑波大学
大矢禎一   東京大学
茶谷朋哉   東京大学
渡辺大輔   奈良先端科学技術大学院大学
金井宗良   (独)酒類総合研究所
磯谷敦子   (独)酒類総合研究所
井上豊久   日本盛㈱
藤井 力   福島大学
高木博史   奈良先端科学技術大学院大学
西村 明   奈良先端科学技術大学院大学
磯貝章太   奈良先端科学技術大学院大学
丸山潤一   東京大学
小関卓也   山形大学
門岡千尋   崇城大学
二神泰基   鹿児島大学
後藤正利   佐賀大学
渡邉泰祐   日本大学
片岡涼輔   日本大学大学院
山田 修   (独)酒類総合研究所
荻原 淳   日本大学
脇中琢良   ヤマサ醤油㈱
渡部 潤   福島大学
倉橋 敦   八海醸造㈱
北川 学   マルコメ㈱
土屋友理   キリンホールディングス㈱
太田 拓   キリンホールディングス㈱
戴 凰凰   鹿児島大学
大塚 輝   佐賀大学
岩下その子  佐賀大学
満生萌水   佐賀大学
中山二郎   九州大学
北垣浩志   佐賀大学
藤井 力   福島大学
尾関健二   金沢工業大学
都甲 潔   九州大学
柴田裕介   菊正宗酒造㈱
品田敦子   合同酒精㈱
山下秀行   ㈱樋口松之助商店
今井翔也   ㈱WAKAZE
浅利妙峰   (有)糀屋本店
小笠原博信  秋田県総合食品研究センター
野中 源   AJINOMOTO-GENETIKA RESEARCH INSTITUTE

目次 +   クリックで目次を表示

【第Ⅰ編 発酵・醸造の基礎研究】

第1章 発酵食品データベースの構築
1 はじめに
2 発酵食品データベースの特徴
3 発酵食品データベースの使い方
4 おわりに

第2章 焼酎醸造好適大麦「ニシノホシ」選抜と焼酎「西の星」の開発
1 はじめに
2 大麦「ニシノホシ」との出会い
3 焼酎醸造に適性を持つ大麦とは?
4 搗精適性
5 醸造適性(製麹編)
6 醸造適性(発酵・原酒編)
7 ニシノホシから「西の星」へ

第3章 醤油醸造に適した大豆『たつまろ』,小麦『ゆめちから』の土地利用型循環栽培の推進
1 はじめに
2 醤油醸造に適した大豆,小麦の品質
3 大豆・小麦の栽培方法
4 栽培品種
5 小麦栽培
6 大豆栽培
7 国産原料を使用した醤油の開発
8 醤油粕肥料の効果
9 土地利用型循環栽培の推進

第4章 麹菌が切り拓く天然物化学~麹菌を利用した生物活性天然物の生産
1 はじめに
2 麹菌異種発現系を用いた天然物の異種生産
 2.1 迅速な物質生産に向けた異種発現系の改良
 2.2 インドールジテルペンの網羅的全生合成の達成
 2.3 特徴的構造を有するセスタテルペンのゲノムマイニング
 2.4 従来困難とされた担子菌由来天然物の異種発現への挑戦
3 糸状菌天然物生合成に関する応用例
 3.1 アブシジン酸生合成経路の解析
 3.2 還元型ポリケタイド系天然物の絶対配置制御則の提唱
 3.3 糸状菌特有の新規環状ペプチド生合成経路の解明
4 おわりに

第5章 麹菌における有用物質生産に関する分子細胞生物学的解析
1 はじめに
2 麹菌の細胞内輸送経路
 2.1 タンパク質分泌経路
 2.2 エンドサイトーシス経路
 2.3 初期エンドソーム動態とα-アミラーゼ生産性
3 細胞内mRNA局在
4 分泌タンパク質の糖鎖改変
5 おわりに

第6章 バイオフィルムと醸造
1 はじめに
2 バイオフィルムの性質
3 醸造におけるバイオフィルム
4 バイオフィルムの解析手法
5 バイオフィルムの新規可視化手法
6 おわりに

第7章 糸状菌と細菌の相互作用~すべり麹の本当の理由~
1 はじめに
2 米麹における麹菌の破精込み
3 すべり麹
4 細菌と糸状菌の相互作用
5 物理的相互作用
6 代謝的相互作用
7 空間的・代謝的相互作用による相利共生
8 おわりに

【第Ⅱ編 醸造微生物の最新研究】
第1 章 ゲノム編集による清酒酵母の育種
1 はじめに
2 清酒酵母の並列育種と直列育種
3 出芽酵母のゲノム編集の方法
4 ゲノム編集によるaWa1Δ/aWa1Δの作出
5 4つの優秀な醸造特性を有する清酒酵母のゲノム編集による育種
6 ゲノム編集の効率
7 予期せずに導入された変異
8 マトリックス育種
9 おわりに

第2章 清酒酵母のアルコール発酵と細胞質遺伝因子
1 はじめに
2 酵母における細胞質遺伝
 2.1 ミトコンドリア
 2.2 キラー因子
 2.3 プリオン
3 生酛造りにおける清酒酵母と乳酸菌のコミュニケーション

第3章 清酒酵母におけるS-アデノシルメチオニン高蓄積機構
1 はじめに
2 S-アデノシルメチオニン(SAM)
3 酵母におけるSAM高蓄積機構の解析
4 実用可能な新規SAM高蓄積酵母の育種技術開発
5 清酒酵母におけるSAM高蓄積機構の解析
6 清酒酵母におけるエタノール高発酵性とSAMとの関連性
7 おわりに

第4章 老香前駆体低生産性酵母の育種
1 はじめに
2 スクリーニング方法の検討
3 MTA非資化性変異株のスクリーニング
 3.1 DMTS-P1簡易生成試験
 3.2 DMTS-P1低生産株の原因遺伝子の調査
 3.3 DMTS-P1低生産株による小仕込試験
4 ホモ変異型mde1変異株の取得
 4.1 ホモ変異型mde1変異株による小仕込試験
 4.2 LMD1株の改良
 4.3 ホモ変異型mri1変異株の取得
 4.4 変異株の倍数性調査
5 変異株の実地醸造試験
6 変異株の試験販売
7 おわりに

第5章 機能性アミノ酸高含有酵母による酒類の高付加価値化
1 はじめに
2 プロリン
3 オルニチン
4 イソロイシン・フェニルアラニン
 4.1 イソロイシン
 4.2 ェニルアラニン
5 おわりに

第6章 麹菌におけるゲノム編集技術とその利用
1 はじめに
2 麹菌におけるTALENを利用したゲノム編集
3 麹菌におけるCRISPR/Cas9システムを利用した高効率変異導入
4 ゲノム編集による多重遺伝子改変技術の確立
5 麹菌におけるゲノム編集を利用した効率的な物質生産と機能開発
6 おわりに

第7章 麹菌からのフラボノイド配糖体から二糖を遊離させる加水分解酵素
1 はじめに
2 糸状菌由来ルチノシダーゼの同定
3 ルチノシダーゼの酵素学的特性
4 A.oryzaeルチノシダーゼ(AoRut)の構造および糖鎖機能
5 産業応用の展望

第8章 白麹菌に特徴的なクエン酸高生産機構の解明
1 はじめに
2 黒カビA.nigerによるクエン酸生産(液体培養)
3 焼酎麹菌によるクエン酸生産(固体培養)
4 糸状菌によるクエン酸高生産(代謝酵素)
5 糸状菌によるクエン酸高生産(クエン酸輸送体)
 5.1 ミトコンドリア局在クエン酸輸送体
 5.2 細胞質膜局在クエン酸輸送体
6 クエン酸輸送体の遺伝子発現制御機構
7 おわりに

第9章 黒麹菌による泡盛の特徴香1-octen-3-olの生産機構
1 はじめに
2 黒麹菌における脂肪酸オキシゲナーゼPpoの探索
3 米麹における黒麹菌の1-octen-3-ol生合成必須遺伝子の探索
4 泡盛に含まれる1-octen-3-olに対する黒麹菌の役割に関する醸造学的解析
5 おわりに

第10章 醤油乳酸菌の細胞クラスター形成とアルギニン分解性
1 はじめに
2 醤油乳酸菌の細胞クラスター形成
3 醤油乳酸菌のアルギニン分解性
4 おわりに

【第Ⅲ編 醸造食品の機能性と新技術】
第1章 麴甘酒に見いだされた健康機能性
1 はじめに
2 麴甘酒の製造方法
3 麴甘酒は便通を改善する
4 麴甘酒の便通改善効果は麴菌体によってもたらされる
 4.1 便通改善効果の再検証
 4.2 麴甘酒の腸内細菌叢への影響
 4.3 便のpHと有機酸
 4.4 機能性関与成分の探索
5 おわりに

第2章 味噌の健康機能性と米糀発酵食品への展開
1 はじめに
2 味噌の健康機能性
3 米糀食品への展開と機能性
4 おわりに

第3章 発酵中のホップ添加によるプリン体,オフフレーバー低減ビールの開発
1 はじめに
2 ビールの新技術 ディップホップ製法
3 ディップホップ製法がもたらす新たな効果の発見
 3.1 プリン体低減効果
 3.2 発酵促進効果
 3.3 硫黄系オフフレーバーの低減
4 今後の展望

第4章 糖セラミドの腸内細菌調整作用

第5章 酒粕による老化抑制と脳機能活性化
1 はじめに
2 「米麹」と「酒粕」
3 清酒製造工程における機能性成分含量の推移(麹菌と清酒酵母の寄与)
4 酒粕中の機能性成分含量の調査
 4.1 SAM
 4.2 葉酸
 4.3 ビタミンB6
 4.4 ポリアミン
 4.5 GPC
 4.6 アグマチン
5 酒粕甘酒投与のヒト試験
6 おわりに

第6章 日本酒成分α-エチルグルコシドの高発酵法と飲用試験によるコラーゲン生産
1 はじめに
2 日本酒発酵でのα-EG生産
3 ミリン発酵でのα-EG生産
 3.1 酒税法内での製法
 3.2 酒税法外での製法
4 α-EG高含有酒類の製法
5 飲用・食事試験によるコラーゲン生産
 5.1 日本酒の飲用試験
 5.2 酒粕甘酒の飲用試験
 5.3 ミリン調理による食事試験
6 おわりに

第7章 味覚センサーによる酒類評価と新展開
1 はじめに:味覚センサー
2 味覚センサーの原理と基本味応答
 2.1 原理と測定手段
 2.2 基本味応答
3 酒類の味の可視化
4 個人嗜好の可視化
5 新しい食ビジネスの登場

第8章 非協会系清酒酵母による葉酸の高蓄積
1 キクマサ酵母(Km67株)と葉酸高含有酒粕
2 キクマサ酵母(Km67株)の葉酸高蓄積機構
3 キクマサ酵母(Km67株)の高蓄積した葉酸を維持する特長
4 酵母の葉酸研究の今後の展望
5 おわりに

第9章 機能性を付与するヨーグルト用酵素の開発と応用
1 はじめに
2 乳製品への酵素利用
3 新規酵素ADMIL®の発見
4 ヨーグルトに対するさまざまな効果
 4.1 テクスチャー改変効果
 4.2 ビフィズス菌数の増加
 4.3 菌体外多糖(EPS)の増加・離水抑制
 4.4 発酵時間の短縮
5 植物性ミルクヨーグルトへの効果
 5.1 豆乳ヨーグルトへの効果
 5.2 アーモンドミルクヨーグルトへの効果
6 おわりに

【第Ⅳ編 発酵・醸造食品等の新展開】
第1章 麹を使った新商品~卵麹と麹チーズの開発
1 はじめに
2 卵麹
3 麹チーズ
4 おわりに

第2章 フランスにおけるWAKAZEの酒造り
1 はじめに
2 蔵の立地と基本骨格
 2.1 KURA GRAND PARISの立地環境
 2.2 「硬水醸造法」の確立
 2.3 南仏カマルグの食用低精白米
 2.4 清酒酵母とワイン酵母
3 WAKAZEが推進している新しい技術の抜粋
 3.1 白麹と黄麹
 3.2 生酛や水酛
 3.3 副原料を米の醪で発酵させるボタニカルSAKE
 3.4 樽熟成SAKE
4 未来への提言
 4.1 テロワールへの考察
 4.2 杜氏像の再考
 4.3 白麹/乳酸菌/ボタニカルネイティブの醸造家
5 おわりに

第3章 塩麹の再発見から普及定着まで~国内外の普及戦略
1 はじめに
2 塩麹の再発見
3 塩麹普及の道筋①
4 塩麹の持つ酵素と調理効果
5 塩麹の普及の道筋②
6 酵素を知るためのアクション
7 世界への架け橋
8 おわりに

第4章 トランスポゾンを用いた新規麴菌の開発と「あめこうじ」の商品化
1 はじめに
2 麴菌における活性型トランスポゾンの探索
3 麴菌のDNAトランスポゾンCrawlerの特徴
4 強ストレスによるCrawlerの転移活性化
5 Crawler挿入株を用いた転移条件の検討
6 Crawler転移活性の低褐変性麴菌株育種への応用
7 秋田県のプロモーション事業による秋田オリジナル麹「あめこうじ」の商品化
8 今後の展望

第5章 システインの代謝と発酵生産
1 産業上重要なアミノ酸,システイン
2 システインの工業製法
 2.1 アミノ酸発酵の歴史
 2.2 システイン工業製法
3 システインの発酵技術
 3.1 細菌のシステイン代謝とシステイン生合成経路
 3.2 システインの細胞内制御
 3.3 システイン発酵生産菌の育種
4 今後の展望

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