刊行にあたって
以前,(株)シーエムシー出版から『バリデーションと日常的工程管理』(1997年)と『実践的なバリデーション工程管理』(2001年)を執筆させていただいております。『バリデーションと日常的工程管理』はバリデーションの目的,意義,具体的内容などを理解して実施するために基準書,計画書,報告書をどのように立ち上げるか要望されていたことと,また当時は監査,査察に対する体制ができていなかったので監査資料に会計六法を参考資料として監査の研究とFDA査察の経験の基で執筆をいたしました。
次に,『実践的なバリデーション工程管理』は製造を目的にバリデーションの実例の強化と原薬製造工程管理まで発展させて執筆をいたしました。この度,(株)シーエムシー出版から「これからのGMPとバリデーション」について依頼を受け『製造強化のためのGMPとバリデーション』について執筆をいたしました。平成17年度に薬事法とその関連法規が改正され,医薬品「ものづくり」に携わってきましたが今回の改正で余計な心配かもしれませんが医薬品「ものづくり」に力が入り難い環境に来ているという事を強く感じるため,あえて「製造強化」ということにしました。特徴はISOを補強したGMPとバリデーションという気持ちです。なぜ,医薬品「ものづくり」が他業界の「ものづくり」より弱体化してきたかと感ずるのは,現在少し電子材料業界に参加して見ると製造現場の熾烈な戦いがかつての医薬品現場の迫力のようで,医薬品「ものづくり」を応援し,「更なる医薬品ものづくり」という気持ちで執筆させていただきました。
医薬品製造に関わる方々に「ものづくり」という観点からお役に立てれば幸いです。
(「はしがき」より)
2006年11月 吉武 一
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1. はじめに
2. GMPの世界
3. 品質保証の経緯
4. 医薬品GMPについて
5. 品質保証
6. 医薬品の製造に関するGMP基準
7. 品質管理
8. 品質管理の基本要件
9. 組織と責任
第2章 工程別バリデーションとその運用
1. はじめに
2. バリデーション基準の運用について
2.1 GMP省令に規定するバリデーション
2.2 バリデーション基準
2.3 バリデーション基準の運用について
3. プロセスバリデーションの時系列的分類(WHO GMP)
4. バリデーションの全体像
5. プロセスバリデーション組織
6. バリデーションの方法
6.1 設備におけるバリデーションのステップ
6.2 計器機器とキャリブレーション
6.3 トレーサビリティ(Traceability)
6.4 負荷量(Burden)試験
6.5 フルスケールテスト(Full-scale test)による工程の目標水準
6.6 チャレンジテスト(Challenge test)
6.7 試験法のバリデーション
6.8 再加工・再処理・廃棄処分・返品・回収とバリデーション
6.9 洗浄バリデーション
7. 原薬製造におけるGMP・バリデーション
7.1 日本の原薬GMP
7.2 海外の原薬GMP
7.3 WHOのガイドライン
7.4 原薬と製剤
7.5 原薬製造工程のフロー
7.6 原薬の管理事項
7.7 原薬製造の現状と問題点
8. 製造工程バリデーションの実施
9. 製造工程バリデーションの具体的な進め方とその順序
10. バリデーション実施計画書と報告書の記載事項
10.1 バリデーションの手順
10.2 バリデーション実施計画書の必要項目
10.3 バリデーション実施報告書の必要項目
10.4 バリデーション文書の作成について
11. 測定または制御の構成
11.1 温度計の校正
11.2 熱電対(Thermocouple)について
11.3 測温抵抗体(Resistance Thermometer Sensors)について
12. 基準書・標準書及び記録書とバリデーションの関係
12.1 基準書・標準書
12.2 記録書類
12.3 技術標準書・製品標準書・製造指図書・記録書とバリデーションの関連
12.4 製品標準書・製造指図書・記録書の改訂と承認
12.5 製品標準書・指図書・記録書,モニタリングの作成方法
12.6 技術標準書とバリデーションとの関係
13. 変更管理
13.1 変更管理の目的
13.2 変更管理の定義
13.3 変更管理システムの要件
13.4 変更管理システム
13.5 変更対象事項
13.6 変更対象事項の具体例
13.7 変更に関する原則
13.8 監督官庁への変更の申請及び届出
14. 環境・バイオバーデンと微生物的指標菌(B.I)
14.1 環境とバイオバーデン
(1) 製造環境の微生物試験
(2) 原料の微生物試験
(3) 容器・器具・用具の微生物試験
(4) 製造用水の微生物試験
14.2 滅菌器・充填機・凍結乾燥機・空気システムのバリデーション
(1) B.stearothermophilus D値・F0値の測定
(2) B.stearothermophilus F0値の算出
(3) 高圧蒸気滅菌器のバリデーション
(4) 機能保証
14.3 培地充填シュミレーションによる無菌性
14.4 許容限界作動
15. EOG滅菌機のバリデーション
15.1 はじめに
15.2 実用化されたガス
15.3 EOG滅菌サイクル決定要因とサイクルの記録
15.4 EOG滅菌機の設備機械適格性評価
15.5 EOG滅菌工程バリデーション
(1) 使用機器および缶体設備のキャリブレーション
(2) 缶体内の温度分布測定および再現性チェック
(3) 最大負荷量における熱浸透・ガス濃度・湿度測定および再現性チェック
(4) EOGの残留確認
(5) ろ過空気の無菌性保証
(6) バイオバーデンの研究
15.6 おわりに
16. 事例:小容量注射充填におけるタイムプレッシャ方式の充填システム
16.1 はじめに
16.2 タイムプレッシャ方式の充填システム
(1) 充填原理
(2) 実際のシステム
16.3 弊社における使用例
(1) 充填機仕様
(2) 薬液圧送ライン
(3) 充填部でのライン配管
16.4 充填精度の検証
(1) 短時間間隔サンプリングによる充填量の変動及びバラツキの検証
(2) 長時間運転における充填量の変動及びバラツキの検証
(3) 再起動時での充填量の変動及びバラツキの検証
(4) 分配タンク内の液量による充填量の変動及びバラツキの検証
(5) 検証結果のまとめ
16.5 ステッピングモーターからの発塵
16.6 ピストン式充填機との比較
16.7 おわりに
17. 事例:固形製剤製造工程におけるバリデーション
17.1 はじめに
17.2 混合の概要
(1) はじめに
(2) 混合度(Degree of Mixing)
(3) サンプリング(Sampling)
(4) 混合機
17.3 バリデーションの実際
(1) 混合のバリデーション概要
(2) 混合の期待値
(3) 混合に影響を与える因子(Parameter/Facter)
(4) 固形製剤の特殊性
(5) 回顧的バリデーション(Retrospective Validation)
17.4 同時的バリデーション(Concurrent Validation)
(1) 実生産規模での確認
(2) 日常的工程管理の実施(同時的バリデーション)及び定期的校正
17.5 変更時のバリデーション
(1) 設備変更の場合
(2) 原料変更,変化もしくは前工程での変更
17.6 定期的な再バリデーション(Revalidation)
17.7 混合バリデーションに関する問題
18. 凍結乾燥のバリデーション
18.1 乾燥に真空を利用する意味
18.2 真空凍結乾燥の特徴
18.3 凍結乾燥の原理
(1) 凍結乾燥の工程
(2) 装置を構成する機能
(3) 凍結をめぐる現象
(4) 乾燥工程
(5) 共晶点の測定法
(6) 庫内の無菌に対する配慮
18.4 凍結乾燥機のバリデーション
(1) 設計時適格性評価(DQ)
(2) 据付時適格性評価(ID)
(3) 運転時適格性評価(OQ)
(4) 稼働時適格性評価(PQ)
(5) プロセスバリデーション(PV)
19. 医薬品表示材料の製造
19.1 医薬品包装の役割
19.2 医薬品表示材料の管理
(1) 米国GMPの包装作業および表示材料の管理
(2) 表示・デザインによる識別
19.3 包装バリデーション
第3章 プロセス別工程管理
1. 注射剤工場の考え方
(1) 工程面
(2) 設備面
(3) 装置面
(4) 物流面
(5) 生産管理面
2. ゾーニング計画と動線計画
3. 注射剤製造工程汚染防止法の3要件
4. 注射剤製造工程について
5. 製造設備
(1) 作業室清浄度の区分
(2) 内装・建材
(3) 照明・殺菌灯
(4) 空気処理・換気・差圧
(5) 防塵・防虫の設備
(6) 空気中の浮遊微粒子・浮遊微生物の除去
(7) 環境清浄度の基準
(8) 作業室入退出と物の入出庫
(9) 作業服装基準書
(10) 相互汚染防止
(11) アイソレーターシステムに関する技術
[1] 原理
[2] アイソレーターの特徴
[3] クリーンルームとアイソレーターの比較
[4] レギュレーション動向及び納入実績
[5] アイソレーター内の滅菌法
[6] アイソレーターシステムの留意点
[7] アイソレーターシステムのタイプ
6. 注射剤製造設備の洗浄
6.1 注射剤製造設備の考え方
6.2 洗浄機構
(1) 汚れの付着
[1] 静電気的な力
[2] Van der Waals力
[3] 化学的な力
[4] 構造的付着
(2) 汚れの除去機構
[1] 固体粒子の離脱
[2] ぬれ現象と油汚れの離脱
[3] 乳化,可溶化現象
[4] 溶媒による溶解
[5] 化学反応による溶解
(3) 洗浄作用
[1] 時間と洗浄作用
[2] 洗浄作業の温度による影響
6.3 注射剤製造設備と洗浄技術
(1) 貯槽,溶解槽,配合槽の設備管理
[1] 貯槽,溶解槽,配合槽の留意点
[2] 配管類の留意点
(2) 装置
[1] バイアル洗浄滅菌機の留意点
[2] ゴム栓洗浄滅菌機
[3] 充填機・半打栓機
[4] 凍結乾燥機
[5] キャップ滅菌機
[6] 打栓機
(3) 装置
[1] 水製造装置
[2] 空調設備
[3] クリーンルーム
[4] ろ過機
6.4 環境,原材料,容器,装置からの負荷量(Burden)試験
6.5 洗浄作業
6.6 洗浄バリデーション
6.7 洗浄作業
6.8 まとめ
7. 洗浄に関する技術
7.1 はじめに
7.2 洗浄技術
(1) 洗浄の役割
(2) 洗浄後に行われる滅菌の意義
(3) 洗浄におけるエネルギー
(4) 洗浄装置
(5) 工程・資材と洗浄内容
7.3 CIP洗浄
(1) CIP設備と運転の概要
(2) CIP洗浄要素
(3) CIPにおいて留意しておくべき項目
(4) CIPの今後と留意点
8. 滅菌に関する技術
8.1 医薬品の滅菌
8.2 滅菌の理論
(1) 対数的死滅則
(2) 耐熱性の計量的表示
(3) 死滅反応速度と温度の関係
9. SIP滅菌
(1) 蒸気によるSIPの操作と留意点
(2) 蒸気によるSIPの設計と操作の留意点
(3) SIPの今後
10. 除菌技術
10.1 はじめに
10.2 除菌操作の利点
10.3 ろ過について
(1) ろ過の機構
(2) ろ過能力とろ圧の変化
10.4 ろ過方法とろ材の種類
10.5 ろ過膜,ろ材およびろ過特性の試験法
(1) バブルポイント試験(Bubble Point Test)
(2) エアーディヒューション試験(Air Diffusion Test)
(3) バクテリアチャレンジテスト(細菌ろ過試験)
(4) 均一粒子ろ過試験
(5) 脱パイロジェン試験
10.6 ろ過滅菌工程の評価
11. 注射用水の製造設備
(1) 注射用水の製造装置システム
(2) 設備の基本的考え方
(3) 製造および品質管理の記録と保管
(4) 注射用水の基準について
12. 除菌フィルターの完全性テスト法
(1) 水質管理基準
(2) 完全性テストの概要
(3) 完全性テストとフィルターの関係
(4) 完全性テストの方法
(5) フォワード・フロー試験の手順
13. 製造工程の管理
13.1 製造指図
13.2 製造準備
13.3 製造工程
13.4 倉庫
(1) 原材料
(2) 製 品
13.5 原料・検査・秤量工程の自動化
14. 注射剤製造と運転のポイント
15. 製造衛生の管理
(1) 作業室・機械器具衛生管理細則
(2) 作業員衛生管理細則
(3) 作業員服装基準
(4) 消毒剤・滅菌剤の選択
(5) 用具衛生管理基準
(6) バイオクリーンルームの管理
16. 品質管理部門の関与
(1) 最終的な試験結果の判定と出荷の可否決定
(2) 目標管理と検査
(3) サンプリング
(4) 品質情報の一元化
(5) 安定性試験
(6) 苦情処理
(7) 回収処理
(8) 逸脱管理
[1] 適用の範囲
[2] 定義
[3] 手順
[4] 逸脱,不適合,異常,失敗の区別
(9) 品質管理部門の関与(品質マニュアル)
[1] 品質マニュアル
[2] 各論
1. 目的・適用範囲
2. 引用規格及び法規制
3. 用語の定義
4. 品質マネージメントシステム
5. 工場長
6. 資源の運用管理
7. 製品実現
8. 測定,分析及び改善
第4章 異物混入と対策,測定
1. 異物対策
1.1 異物とは
1.2 巨大異物と微小異物
1.3 外因性異物と内因性異物
2. 異物に関する問題点
2.1 不溶性異物の人体に対する影響
2.2 アンプル製剤の不溶性異物
2.3 医薬品・原薬・医療器具の品質に係わる回収事例
3. 異物混入防止対策
(1) 原料
(2) 資材
(3) 注射用水
(4) 製造工程
(5) 製造環境
(6) 作業者の教育・訓練法
(7) ゴム栓の材質
4. 原薬異物混入防止対策
5. 虫による異物混入防止対策
5.1 虫による異物混入防止対策のたて方
(1) はじめに
(2) 工場で捕まる虫
(3) 防虫対策の進め方
5.2 異物混入防止用器具機材
(1) はじめに
(2) 異物の種類
(3) 異物混入要因(汚染要因)と経路チェック
[1] 空中菌
[2] 付着菌
[3] ネズミ・害虫
(4) 混入防止チェックと対策
[1] 従事者の出入口
[2] 窓・換気口
[3] 排水口・ケーブル貫通口
(5) 混入防止の為の器具機材
[1] 殺鼠剤
[2] 殺虫剤
[3] 粘着式ネズミとり
[4] 粘着式ゴキブリ捕獲器
[5] 電撃殺虫器
[6] 超音波防鼠器
[7] エアーカーテン
[8] 防虫ノレン
[9] 静電式異物選別機
[10] 金属探知機
6. 毛髪による異物混入防止対策
6.1 毛髪の製造環境内の存在要因
6.2 毛髪の製品混入の要因
6.3 毛髪混入の防止対策
7. 固型製剤異物測定法の一例
7.1 固型製剤用バルク
7.2 異物の性質と損失の関係
7.3 サンプリングの取り方と異物測定法
8. 異物に関連する法規
(1) 製造,販売等の禁止(不良医薬品)(薬事法第五十六条)
(2) 苦情処理(製造管理及び品質管理規則 第十一条第二号)
(3) 回収(製造管理及び品質管理規則 第十二条)
(4) 回収報告(薬事法施行規則第六十二条の三)
(5) 回収公表(薬監第36号,平成7年5月18日付)
(6) 上記に関連した法に対し,法的強制力である「命令」について
第5章 品質管理と教育・訓練
1. 製造物責任法
1.1 はじめに
1.2 製造物責任とは
1.3 製造物責任への対策
1.4 保証書
1.5 広告・取扱説明書・警告ラベルによる情報伝達
1.6 商品安全と製造物責任予防
2. コンサルタントについて
3. 教育訓練
3.1 教育訓練の必要性
3.2 教育訓練法規
(1) 日本GMPの教育訓練
(2) WHOの教育訓練
(3) 米国GMPの教育訓練
3.3 GMP教育訓練システムの管理
3.4 システムの設定と進め方
3.5 教育訓練システム
(1) 教育訓練基準書の作成
(2) 教育訓練マニュアルの作成
(3) 記録書の作成と文書化
(4) 認定書の使用
(5) 委嘱状の使用
(6) 教育訓練の手順サイクル
4. 品質保証の取り組み
4.1 経営の目的
4.2 全社的品質管理
4.3 品質保証
参考文献


