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月刊機能材料 2025年5月号

【特集】ガラス材料の開発と活用

★ガラス材料は古くから建築や日用品,情報通信など多種多様な製品に用いられており,材料自体の強度をはじめとするより優れた物性の発現に向けた研究開発が進められております。本特集では,ガラス材料の物性向上や構造解析の取り組みや,活用に向けた展望を紹介しております。

※こちらは雑誌版(紙媒体)の商品注文ページです。
※月刊機能材料は「雑誌版(紙媒体)」と「電子版(DL版)」の2プランにて販売しております。電子版 (税込4,620円)をお求めの方は 電子書籍専用販売サイト「CMCeBook」 よりご注文ください(電子版は当月7日に販売開始します)。。

商品コード:
M2505
発行日:
2025年5月7日
体裁:
B5版
ISSNコード:
0286-4835
価格(税込):
4,950
ポイント: 45 Pt
関連カテゴリ:
刊行予定
雑誌・定期刊行物
雑誌・定期刊行物 > 月刊機能材料
新材料・新素材 > 無機・金属材料
新材料・新素材 > 分析・評価技術

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著者一覧

篠崎健二  (国研)産業技術総合研究所
小野円佳  東北大学 
加藤保真  AGC(株)
伊藤節郎  AGC(株)
梶原浩一  東京都立大学   
藤野茂  九州大学
田中愛夢  九州大学
小野寺陽平  (国研)物質・材料研究機構
滝本康幸  AGC(株)
土屋博之 AGC(株) 
李清  AGC(株)
田尻寛男  (公財)高輝度光科学研究センター
伊奈稔哲  (公財)高輝度光科学研究センター
小原真司  (国研)物質・材料研究機構 
玉作賢治  (国研)理化学研究所 
金子正治  (株)SPD研究所  
太田俊一  (株)SPD研究所
Piyankarage,Viraj Vishwakantha Jayaweera  (株)SPD研究所

目次 +   クリックで目次を表示

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【特集】ガラス材料の開発と活用

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ガラス強靭化のためのナノ構造設計
Nanostructure Design for Toughening Glasses

 ガラスは様々な優れた特性を持つ一方,最大の課題の一つとして使用時や加工時に割れや欠けが発生しやすいという脆さの問題がある。本稿では,ガラスの破壊靭性を向上させるためのナノ構造設計に焦点を当て,分相,結晶化,金属ナノ粒子の分散といった手法を概説する。特に,ガラス中に力学不均質性を導入することで,塑性変形の導入によりガラスの靭性を向上させる著者らの最新の研究成果について紹介する。

【目次】
1 はじめに
2 金属ナノ粒子の分散によるガラスの破壊靭性向上
3 総括

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易物理強化ガラスの組成設計技術―配置エントロピーを利用した新しい組成設計―
Compositional Design for Glass Appropriated for Physical Tempering - New Composition Utilizing Configuration Entropy
 
 ガラスは,比較的簡単に表面を滑らかにでき,後処理で圧縮応力を加えて傷が広がるのを防げる材料である。建築材料などには,物理強化や熱強化と呼ばれる方法でこの後処理が行われる。我々は,ガラスの熱膨張の特性を活かした新しい組成を設計し,物理強化に必要なエネルギーを大幅に減らすことに成功した。

【目次】
1 はじめに
2 物理強化方法によるガラスの強化とその応用
3 ガラスの組成と膨張係数
4 物理強化デモンストレーション

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親水・熱硬化耐性深紫外透明低融点ガラスの合成と物性
Synthesis and Properties of Hydrophilic Thermoset-Resistant Deep-Ultraviolet-Transparent Glasses with Low Melting Temperatures

 紫外吸収の原因となる不飽和結合を含まない環状飽和炭化水素基を有機官能基として有するポリシルセスキオキサンを無共溶媒合成した。かさ高く,かつ室温で変形しにくいシクロヘキシル基を有機官能基として用いたとき,未反応の SiOH 基を多量に含むが熱硬化しにくく,フラジリティも高い親水性深紫外透明低融点ガラスが得られた。

【目次】
1 はじめに
2 Poly(Ph-co-R-SQ)ガラスの合成と評価
3 Poly(c-Hx-co-R-SQ)ガラスの合成と評価
4 おわりに

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光造形法による多様な形状を有する透明シリカガラス焼結体の作製
Fabrication of Transparent Sintered Silica Glass with Various Shapes by Photopolymerization Method

 シリカガラスは光・電子部品,医療機器分野を支える貴重な素材である。著者らの研究室では切削・成形加工を必要とせず,所望の形状を得るための,光造形法による透明シリカガラス焼結体の開発を行っている。本稿では,ガラス成形体・透明焼結体の物性を左右するシリカ粒子分散性の設計指針として粘度,溶解度パラメータ(SP 値),光硬化速度の観点から考察した。

【目次】
1 はじめに
2 実験方法
 2.1 アクリルモノマーとシリカ粒子の溶解度パラメータ(SP 値)
 2.2 シリカ粒子分散液の作製とシリカ粒子の分散性評価
 2.3 シリカガラス焼結体の作製
3 結果および考察
 3.1 シリカ粒子分散液の粘度とアクリルモノマーの溶解度パラメータ(SP 値)
 3.2 モル凝集エネルギーEcoh,とモル体積Vの関係
 3.3 シリカガラス焼結体の作製
4 おわりに

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X線マルチスケール構造解析によるアルミノケイ酸塩ガラスにおける
ZrO2結晶核形成初期過程の観察
Observation of a Zirconium Oxide Crystal Nucleus in the Initial Nucleation Stage in Aluminosilicate Glass Investigated by X-ray Multiscale Analysis

 ZrO2添加リチウムアルミノケイ酸塩ガラスセラミックスの結晶核形成初期過程の構造変化を明らかにするため,回折,小角散乱,吸収分光,そして異常散乱を駆使した X 線マルチスケール構造解析が行われた。X 線異常散乱データを用いた元素選択二体分布関数解析により,結晶核形成の初期過程において,立方晶もしくは正方晶 ZrO2に類似した周期的な原子配列の周囲に,一般的なガラスには見られない ZrOx多面体と(Si/Al)O4 四面体の稜共有が形成されていくことが明らかになった。この(Si/Al)O4 四面体ネットワークに囲まれた周期的な原子配列は広い空間スケールで測定された実験データをすべて矛盾なく説明でき,ガラスセラミックスの初期の結晶核に相当するものと考えられた。

【目次】
1 はじめに
2 ガラスセラミックス試料の合成
3 ナノスケール構造解析
4 元素選択放射光計測によるZr周囲の短・中距離構造解析
5 ZrO2添加アルミノケイ酸塩ガラスにおける初期の結晶核形成メカニズム
6 おわりに

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[Material Report-R&Dー]

X線の空間変調器の開発
Development of Spatial Modulator for X-rays

 X線のビームパターンを動的に制御可能な反射型の空間変調器を開発した。この装置ではフェムト秒赤外レーザーがシリコン結晶内に誘起する格子歪を利用して反射率を制御している。また,レーザー側にパターンを刻むことで,X 線のビームパターンが制御できる。波長1.25ÅのX線に対して空間周波数 25mm-1 以下で60%以上のコントラストが達成された。

【目次】
1 はじめに
2 X線空間変調器の原理と設計
 2.1 結晶による X線の反射とその制御法
 2.2 レーザー照射による衝撃波発生
 2.3 X線空間変調器のデザイン
3 性能評価
 3.1 動作点
 3.2 感度補正
 3.3 空間分解能とコントラスト
4 おわりに

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間欠式スプレー熱分解製膜法(i-SPD)とその大面積フッ素ドープ酸化スズ(FTO)
製造への応用
Intermittent Spray Pyrolysis Deposition Method (i-SPD) and it’s Application to the Production of Largearea Fluorine-Doped Tin Oxide (FTO)

 間欠式スプレー熱分解薄膜形成法(i-SPD)は,大気中で加熱された基板に向かって前駆体溶液を間欠的に噴霧することで,簡単に高品質薄膜を得る方法である。前駆体溶液の成分と組成が得られる薄膜によく反映されるので,新物質の探索や興味深い物性の発現に繋がる可能性が高い。大型 SPD 装置を用いて次世代太陽電池に必須の300mm 角フッ素ドープ酸化すず膜の製膜を紹介する。

【目次】
1 はじめに
2 実験
 2.1 i-SPDの操作手順
 2.2 薄膜の特性評価
3 結果と考察
 3.1 i-SPDによる薄膜の析出
 3.2 特性評価
 3.3 FTOの大面積化
  3.3.1 透明性
  3.3.2 可視光領域における透過率とシート抵抗
4 まとめ

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[Market Data]

レアアース工業の市場動向

 レアアース(希土類)の需要は,ここ数年漸減傾向にある。2021年に新型コロナの影響から回復したレアアースの国内需要は,2022年には再び低下した。セリウム,ミッシュメタル等における需要の減少は,半導体不足に伴う自動車の生産量の低下などに起因している。電気自動車などに使用されているネオジム等の回復基調は見られるものの,全体的には 2022年と同様の状況が続いている。

【目次】
1 概要
2 需給動向
3 業界動向

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[Material Profile]

酢酸セルロース
フェノール

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[連載企画]

大阪・関西万博 大阪ヘルスケアパビリオン「リボーンチャレンジ」
MOBIO の取り組み【第1回】

月刊機能材料 年間購読(12冊)

価格(税込): 55,000 円

〈続〉次世代蛍光体材料の開発

価格(税込): 71,500 円

機能性ナノガラス技術と応用

価格(税込): 3,740 円

機能性ガラスの応用

価格(税込): 3,410 円

月刊機能材料 2024年3月号

価格(税込): 4,950 円