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半導体製造におけるエッチング技術

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Etching Technologies for Semiconductor Manufacturing

★半導体製造で用いられるエッチングに焦点を当て、基礎から最新技術までを体系的に纏めた一冊!
★エッチングはナノスケールの加工精度が求められる半導体製造において、微細加工の中核を担う技術!
★プラズマエッチング、ウェットエッチング、プラズマダメージ、シミュレーション技術、原子層エッチング、金属アシストエッチングなど、現在注目されている技術を解説!

商品コード:
T1288
監修:
篠田和典
発行日:
2025年8月29日予定
体裁:
B5判、約230ページ
ISBNコード:
978-4-7813-1872-1
価格(税込):
71,500
会員価格(税込):
64,350
ポイント: 585 Pt
関連カテゴリ:
エレクトロニクス
新刊・近刊
刊行予定
エレクトロニクス > 半導体・電子材料

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キーワード:

半導体 /エッチング /ドライエッチング /プラズマエッチング /ウェットエッチング /シリコン /異方性 /GaN /陽極酸化 /微細加工 /クライオエッチング /パーティクル /プラズマダメージ /中性粒子ビーム /シミュレーション /計算化学 /プロセスガス /原子層エッチング /熱サイクル /等方性 /金属アシストエッチング /触媒アシストエッチング /エッチング溶液 /酸化グラフェン

刊行にあたって

 半導体は,生成AIや自動運転をはじめとする先端産業を支える中核技術であり,国家の経済安全保障にも直結する重要な分野である。こうした背景から,各国・地域では,半導体の研究開発力や製造基盤の強化に向けた取り組みが急速に進められている。半導体産業の持続的な発展には,製造基盤の整備に加え,若手人材の育成や技術の継承も不可欠である。このため,半導体製造に関する体系的な知識の整理と共有が求められている。
 半導体製造では,シリコンなどの基板上に,金属や絶縁膜の薄膜を形成するデポジション,フォトレジストの回路パターンを形成するリソグラフィ,そのパターンを薄膜に転写するエッチングといった工程を繰り返し,トランジスタなどの回路素子を形成する。半導体では,微細化や三次元積層化による高密度集積化が進み,製造技術は日々進化を続けている。
 本書は,半導体製造で用いられるエッチングに焦点を当てて,基礎から最新技術までを体系的に纏めた専門書である。エッチングは,ナノスケールの加工精度が求められる半導体製造において,微細加工の中核を担う技術である。その進化は非常に速く,装置,プロセス,材料,シミュレーションなど,複数の分野にまたがる高度な専門知識が求められる。また,原子層エッチングや機械学習を活用したプロセスシミュレーションなど,新たな技術の登場により,研究領域の細分化と専門化が一層進んでいる。
 本書では,先端半導体デバイスの開発動向を概観するとともに,プラズマエッチングおよびウェットエッチングの基礎から,製造プロセスへの応用,さらに最先端のエッチング技術までを,各分野の第一線で活躍する専門家が解説している。また,素子性能の劣化要因として注目されるプラズマダメージ,開発期間短縮に貢献するシミュレーション技術,極限まで微細化が進んだ加工に対応する原子層エッチング,ナノ構造を低コストで実現する金属アシストエッチングなど,現在注目されている技術トピックスも幅広く取り上げた。対象材料としてはロジックデバイスやメモリーデバイスに用いられるシリコン系材料に加え,パワーデバイスや光デバイスで利用される化合物半導体も含めており,多様な応用領域に対応した構成となっている。
 本書が,半導体製造に携わる技術者や研究者にとって,実務および研究の指針となり,半導体産業のさらなる発展の一助となることを願っている。

㈱日立ハイテク
篠田和典

著者一覧

篠田和典   ㈱日立ハイテク 
関根 誠   名古屋大学 
伊澤 勝   ㈱日立ハイテク 
三浦 真   ㈱日立ハイテク 
森本未知数  Hitachi High‒Tech Taiwan Corp.
河合 晃   アドヒージョン㈱ 
田中 浩   愛知工業大学 
式田光宏   広島市立大学 
堀切文正   法政大学 
豊田浩孝   名古屋大学 
蕭 世男   名古屋大学 
笠嶋悠司   (国研)産業技術総合研究所
江利口浩二  京都大学 
寒川誠二   國立陽明交通大学 
深沢正永   (国研)産業技術総合研究所 
浜口智志   大阪大学 
林 俊雄   名古屋大学 
石川健治   名古屋大学
唐橋一浩   大阪大学 
豊田紀章   兵庫県立大学 
有馬健太   大阪大学 
清水智弘   関西大学 
宇都宮 徹  京都大学 
八重真治   兵庫県立大学 
松本 歩   兵庫県立大学

目次 +   クリックで目次を表示

第1章 半導体製造におけるエッチング技術とその動向
1 半導体プラズマエッチングの基礎と発展   
 1.1 はじめに   
 1.2 プロセスプラズマ   
  1.2.1 気相反応による活性種の生成   
  1.2.2 表面反応―化学スパッタリングと化学支援物理スパッタリング   
 1.3 エッチング技術における重要な概念   
  1.3.1 ドライエッチングの分類とエッチング形状   
  1.3.2 方向性加工の原理   
 1.4 プラズマエッチングの発展   
 1.5 課題と展望   
 1.6 おわりに   
2 先端半導体デバイスの動向とエッチングの最新技術   
 2.1 先端ロジック半導体のトレンド   
 2.2 先端ロジックにおけるエッチングの課題と取組   
  2.2.1 Si/SiGe finエッチング   
  2.2.2 WFM形成プロセス  
  2.2.3 HK/WFMリセス  
 2.3 まとめ  

第2章 ウェットエッチング
1 ウェットエッチングの基礎と不良対策   
 1.1 はじめに  
 1.2 ウェットエッチングの基本プロセス  
 1.3 エッチングプロセス   
  1.3.1 エッチング機構   
  1.3.2 レジストマスク形成   
  1.3.3 レジスト除去  
 1.4 アンダーカット形状の高精度化   
  1.4.1 アンダーカット異常  
  1.4.2 マスク耐性不良   
  1.4.3 パターン欠陥   
 1.5 計測技術  
 1.6 おわりに 
2 半導体材料のウェットエッチング加工技術
 2.1 半導体材料のウェットエッチングの特徴
 2.2 半導体材料の代表的な溶解機構
 2.3 半導体材料のウェットエッチング加工事例
 2.4 今後の課題に対する取り組み事例
3 単結晶シリコンの異方性ウエットエッチング技術
 3.1 はじめに
 3.2 単結晶シリコンの異方性エッチング
  3.2.1 結晶異方性エッチング
  3.2.2 シリコン基板及びエッチング液
  3.2.3 エッチング速度分布
  3.2.4 エッチピット及びマイクロピラミッドの発生
 3.3 結晶異方性エッチングによるMEMS構造体
 3.4 おわりに
4 GaNウエットエッチング
 4.1 はじめに
 4.2 GaNの陽極酸化
 4.3 陽極酸化を用いたGaNウエットエッチングのデバイスプロセスへの応用

第3章 プラズマエッチング
1 エッチングに用いられるプラズマ源とプラズマ制御
 1.1 反応性イオンエッチングとは
 1.2 なぜ反応性イオンエッチングにおいてイオンを用いるのか
 1.3 反応性イオンエッチングにおいてなぜ垂直入射が保証されるのか?
 1.4 容量結合型プラズマ源と誘導結合型プラズマ源
 1.5 異方性エッチングにおける高エネルギーイオンの生成
 1.6 容量結合型プラズマにおけるプラズマ制御
 1.7 高アスペクト比エッチングとイオン入射角の拡がり
 1.8 高アスペクト比エッチングにおけるチャージングとその緩和
2 シリコン酸化膜の高速クライオエッチングにおける気相及び表面反応
 2.1 まえがき 
 2.2 プラズマエッチングの反応速度
 2.3 酸化膜クライオエッチングでの気相反応
 2.4 クライオエッチングにおける表面反応
 2.5 まとめ
3 プラズマエッチング装置・プロセスにおけるパーティクル・不良発生の検知技術
 3.1 はじめに
 3.2 プラズマエッチングプロセスにおけるパーティクル
 3.3 パーティクルの検出手法
 3.4 パーティクル検出及びプロセスモニタリング
 3.5 まとめ

第4章 プラズマダメージ
1 プラズマエッチングにおけるプラズマダメージ発生機構
 1.1 はじめに
 1.2 プラズマ誘起ダメージの分類とその評価手法
 1.3 プラズマ誘起物理的ダメージ
 1.4 半導体デバイスの3次元化に伴うPPD機構
 1.5 おわりに
2 中性粒子ビームエッチング技術
 2.1 中性粒子ビーム生成装置
 2.2 無欠陥ナノ構造の作製とその特性
 2.3 原子層レベル表面化学反応の制御
  2.3.1 低誘電率膜成長における分子構造制御
  2.3.2 錯体反応による遷移金属,磁性体エッチング
 2.4 まとめ
3 半導体デバイスにおけるプラズマダメージの低減
 3.1 はじめに
 3.2 プラズマダメージの制御とその低減
  3.2.1 チャージングダメージの低減
  3.2.2 VUV/UVダメージの低減
  3.2.3 イオン侵入ダメージの低減
 3.3 今後の展望
 3.4 まとめ

第5章 シミュレーション
1 プラズマエッチング表面反応の数値シミュレーション
 1.1 はじめに
 1.2 分子動力学シミュレーション
 1.3 反応性イオンエッチング
 1.4 ナノスケール材料の機械的強度
 1.5 結論
2 計算化学による半導体プロセスガスの反応経路探索
 2.1 はじめに
 2.2 計算化学について
  2.2.1 ab‒initio法による近似計算
  2.2.2 密度汎関数法による計算
  2.2.3 基底関数系
 2.3 計算化学によるプロセスガスの解離過程
 2.4 まとめ

第6章 原子層エッチング
1 原子層エッチングの反応素過程とその設計・制御
 1.1 はじめに
 1.2 原子層エッチングの反応素過程
  1.2.1 背景:イオンとラジカルの相乗作用と,被覆と脱離の反応バランスについて
  1.2.2 原子層エッチングの歴史
 1.3 原子層エッチングの反応の設計と制御
  1.3.1 原子層エッチングの反応を設計する上で考えること
  1.3.2 原子層エッチングの反応設計で役に立つ現象とそのメカニズム
  1.3.3 原子層エッチングとして被加工材料から脱離させる指針
 1.4 おわりに
2 プラズマを用いたSi 原子層エッチングにおける表面反応
 2.1 はじめに
 2.2 ハロゲンによるSi原子層エッチング
  2.2.1 ハロゲン原子・分子によるエッチング反応
  2.2.2 超熱領域(~eV)領域の分子によって誘起されるエッチング反応
  2.2.3 ALEプロセスにおける表面反応
 2.3 まとめ
3 ガスクラスターイオンビーム励起による表面反応と原子層エッチングへの応用
 3.1 はじめに
 3.2 ガスクラスターイオンビームの特徴
 3.3 ガスクラスターイオンビーム装置
 3.4 反応性ガス雰囲気とGCIB照射を用いたエッチング
 3.5 ガスクラスターイオンビームを用いた原子層プロセスへの応用
4 熱サイクルを用いた等方性原子層エッチング
 4.1 はじめに
 4.2 等方性原子層エッチングの概要
 4.3 熱サイクルを用いる等方性ALE
 4.4 有機金属錯体を経由する等方性ALE
 4.5 等方性ALEの開発事例
 4.6 おわりに

第7章 金属アシストエッチング
1 触媒アシストエッチングによる半導体表面のマイクロ・ナノ加工~発展の歴史と最新の報告例~
 1.1 はじめに
  1.1.1 ウェットエッチングとドライエッチング
  1.1.2 触媒アシストエッチングの歴史と概要
 1.2 金属吸着を援用したエッチングによるSi 表面の自己組織的なナノ加工
  1.2.1 実験方法
  1.2.2 実験結果と考察
2 湿式エッチングを用いたシリコン垂直孔の形成と溶液濃度の影響
 2.1 はじめに
 2.2 エッチング溶液濃度とエッチング速度について
 2.3 まとめ
3 グラフェン誘導体アシストエッチングによる半導体のナノ・マイクロ加工
 3.1 はじめに
 3.2 酸化グラフェンについて
 3.3 液相中GOアシストシリコンエッチング
 3.4 気相中GOアシストシリコンエッチング
 3.5 おわりに
4 シリコンの金属援用エッチングのメカニズムと複合ポーラス構造の形成
 4.1 はじめに
 4.2 金属援用エッチングのメカニズム
 4.3 金属の種類による違い
 4.4 複合ポーラス層の形成
  4.4.1 溶液組成による変化
  4.4.2 基板のドープ密度による変化
  4.4.3 基板の導電型による変化
 4.5 エッチングの高度化
 4.6 おわりに