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セルロースナノファイバーの研究と開発:現状と将来展望

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Research and Development of Cellulose Nanofibers:Current Status and Future Prospects

★軽量高強度を実現する生物由来材料「セルロースナノファイバー」の最新研究!
★調整、分析、強化・複合材料の開発、さらに応用展開、製品適用をまとめた1冊!
★複合材だけじゃない!化粧品等の新規用途開発も収載!

商品コード:
T1263
監修:
能木雅也
発行日:
2024年6月6日
体裁:
B5判・244頁
ISBNコード:
978-4-7813-1805-9
価格(税込):
63,800
会員価格(税込):
57,420
ポイント: 522 Pt
関連カテゴリ:
新材料・新素材
新刊・近刊
新材料・新素材 > バイオマス素材
新材料・新素材 > 繊維・フィルム・膜
新材料・新素材 > 製造・加工プロセス
地球環境 > 低環境負荷製品・製造プロセス

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キーワード:

セルロースナノファイバー/ CNF / 金属代替 / 3Dプリンター / 樹脂 / 吸着剤 / 染色 / 調光ガラス / ハイドロゲル / TEMPO触媒 / 複合材料 / 高分子構造制御 / 構造解析 / 欠陥 / 電子材料 / 増粘剤 / 添加剤 / 化粧品

刊行にあたって

 セルロースナノファイバーの研究開発が,世界に注目され始めたのは,今から20年ほど前のことである。それら研究開発の歴史を振り返ってみると,黎明期・停滞期・成長期を経て,現在へと繋がっており,そして現在,さらなる飛躍に向けた研究開発が,産学官で幅広く行われている。垣根を越えて,セルロースナノファイバーに関する情報交換を行ってきたことにある。本書では,セルロースナノファイバー材料のさらなる飛躍に向けて,その一助を担うため,23つの新しい技術を紹介する。それぞれの技術の背景・目的に応じ,以下のように6編に分類した。読者の方々が,各自のバックグラウンド・目標に応じて,読み進めて頂ければと考える。
(本書「刊行にあたって」より一部抜粋)

著者一覧

能木雅也   大阪大学
西村拓也   トヨタ車体㈱
浜辺理史   パナソニック ホールディングス㈱
名木野俊文  パナソニック ホールディングス㈱
山本英郎   パナソニック ホールディングス㈱
暮井達己   (国研)産業技術総合研究所 執筆時所属: 東京農工大学
堀川祥生   東京農工大学
井出康太   東洋レヂン㈱
小倉宏文   東洋レヂン㈱
中井美穂   ユニチカ㈱
宮森 良   星光PMC㈱
佐藤明弘   星光PMC㈱
伏見速雄   王子ホールディングス㈱
畠田利彦   日本製紙㈱
久保田紋代  第一工業製薬㈱
後居洋介   第一工業製薬㈱
浅倉秀一   岐阜県産業技術総合センター
秀野晃大   愛媛大学
薮谷智規   愛媛大学
内村浩美   愛媛大学
井内俊文   (地独)京都市産業技術研究所
堀川真希   熊本県産業技術センター
永岡昭二   熊本県産業技術センター
関根由莉奈  (国研)日本原子力研究開発機構
石岡 瞬   大阪大学 執筆時所属:東京大学
磯貝 明   東京大学
久保純一   レンゴー㈱
髙田じゆん  東亞合成㈱
瀬野修一郎  (地独)北海道立総合研究機構
今井友也   京都大学
藤澤秀次   東京大学大学院
小林加代子  京都大学
工藤正樹   東京大学;東京都立産業技術高等専門学校
王 冠瞳   東京大学
塩見淳一郎  東京大学

目次 +   クリックで目次を表示

【第1編 植物・木材資源の新たな活用方法の提案】
第1章 植物材料の自動車への適用例と今後の展開
1 はじめに
2 TABWD®(タブウッド)の開発
3 TABWD®の開発に際して行った様々な植物繊維を用いた検討
 3.1 実験
4 結果
 4.1 繊維の種類による機械的性質への影響
 4.2 植物繊維複合材料の破断面の調査
 4.3 自動車部品の調査
5 これまでの採用事例
 5.1 コンセプトカー
6 その他の開発
 6.1 パルプを用いた吸音材
 6.2 パルプから作るセルロースナノファイバー強化ポリマー
7 最後に

第2章 セルロースファイバー成形材料「kinari」~循環型社会を目指した開発・事業展開~
1 はじめに
2 セルロースファイバー成形材料の製造プロセスの開発
 2.1 全乾式プロセスの概要
 2.2 セルロースファイバー樹脂の機械的特性について
3 セルロースファイバー成形材料の商品展開
 3.1 スティック掃除機への展開
 3.2 リユースカップへの展開
 3.3 材料販売の開始
 3.4 循環型事業
 3.5 高バイオマス度の材料開発
4 まとめ

第3章 木材の階層構造を活かした新規セルロース素材の創出
1 はじめに
2 化学処理による調製方法
3 化学構成成分評価
4 階層構造評価
5 配向シートの調製
6 引張試験
7 セルロースの重合度と力学的特性の関係
8 おわりに

【第2編 セルロースナノファイバー複合材料の最前線】
第4章 CNF添加による3Dプリンターフィラメントの開発
1 はじめに
2 3Dプリンターについて
 2.1 3Dプリンターの現状
 2.2 3Dプリンターの材料について
 2.3 3Dプリンターの主な使用用途
3 配合実験の開始
4 青木憲治先生(静岡大学)との取組
5 おわりに

第5章 セルロースナノファイバー強化ナイロン6樹脂の開発
1 はじめに
2 CNFと樹脂の複合化における課題
3 重合法によるCNFとナイロン6の複合化
 3.1 背景
 3.2 重合法によるCNFとPA6の複合化
4 CNF強化PA6樹脂の特長
 4.1 機械的特性
 4.2 吸水性
 4.3 成形加工性
5 耐熱性
 5.1 荷重たわみ温度
 5.2 線膨張係数
 5.3 成形収縮率
6 機能性
 6.1 摺動性
 6.2 異種接合
7 環境対応
 7.1 マテリアルリサイクル性
 7.2 環境負荷低減
8 総括

第6章 CNF配合樹脂「STARCEL®NCシリーズ」の特徴と応用事例
1 はじめに
2 STARCEL®の製法と特徴
3 各種の疎水化セルロース配合樹脂
4 セルロース繊維の解繊度の成形体への影響
5 様々な樹脂の補強
6 終わりに

第7章 セルロースナノファイバーによる高分子材料の強化
1 はじめに
2 ポリカーボネートとCNFの複合化
3 ポリプロピレン,パルプ繊維,CNFの複合材料
4 天然ゴムとCNFの複合材
5 おわりに

【第3編 市場を席巻する革新的セルロースナノファイバー材料の最前線】
第8章 セルロースナノファイバーの開発・採用状況
1 日本製紙グループについて
 1.1 沿革
 1.2 日本製紙グループの事業概況
 1.3 製品
2 セルロースナノファイバー(CNF)
 2.1 CNFとは
 2.2 日本製紙のCNFについて
 2.3 日本製紙CNFの製造方法①(CM化CNF,TEMPO酸化CNF)
 2.4 CM化CNFの利用分野・状況
 2.5 TEMPO酸化CNFの利用分野・状況
 2.6 CNFが持つ各種特性について
3 CNF強化樹脂
 3.1 日本製紙のCNF製造方法②(CNF強化樹脂(セレンピア®プラス))
 3.2 特徴
 3.3 CNF強化樹脂の利用分野
 3.4 使用実績
4 おわりに

第9章 化粧品処方におけるセルロースナノファイバーによるピッカリングエマルションの形成挙動
1 はじめに
2 水系添加剤としてのCNFの開発
3 CNFの乳化機能
 3.1 CNFによるエマルション形成のメカニズム
 3.2 CNFによるエマルションの安定化
 3.3 エマルションの形態観察
 3.4 乳化可能な油の構造からの推測
 3.5 乳化への添加剤の種類と量の影響
 3.6 乳化における添加剤の配合順の影響
4 さいごに

第10章 セルロースナノファイバーで補強した消石灰のフッ素吸着剤への応用
1 はじめに
2 CNFの水処理分野への応用
3 消石灰/CNF複合成形体の製造
 3.1 消石灰とCNFの混合方法
 3.2 消石灰/CNF混合物の成形方法
 3.3 押出成形後の乾燥方法
4 複合成形体の評価
 4.1 強度
 4.2 フッ酸との反応性
5 大量生産へのプロセス
6 おわりに

第11章 セルロースナノファイバー連続脱水濃縮・シート化法の開発
1 はじめに
2 機械的解繊CNFの形態およびCNFフロックのサイズ
3 CNFスラリーの固形分濃度と多層ワイヤーの効果
4 孤立分散型CNFの脱水に向けた検討
5 CNFの多段階脱水および動的脱水試験
6 CNF連続脱水濃縮およびシート化に関する実証試験機の開発
7 おわりに

【第4編 次世代を担うセルロースナノファイバー材料】
第12章 化学染料・天然染料により染色されたCNFとその耐光性
1 はじめに
2 化学染料によるCNFの染色
 2.1 CNFの染色と後処理について
 2.2 直接染料によるCNFの染色
 2.3 反応染料によるCNFの染色
3 天然染料によるCNFの染色
 3.1 天然染料による染色
 3.2 CNFの藍染め
 3.3 CNFのカチオン化と天然染料による染色
4 着色CNFの耐光性評価

第13章 導電化CNFとpNIPAMを併用した高速感温調光ガラスの開発
1 はじめに
2 遮熱・遮光材料
 2.1 無機材料系遮熱材料
 2.2 温度応答性材料を用いた遮光材料
3 合わせガラス中間層の設計
 3.1 温度応答性材料およびそのLCSTの制御
 3.2 CNFの選択と温度応答性高分子への配合
 3.3 CNFの遮熱・調光ガラス中間層への配合効果
 3.4 導電性高分子の配合
4 導電性高分子,PEDOT/硫酸化セルロースナノファイバー(s-CNF)
 4.1 PEDOT/硫酸化セルロースナノファイバー(s-CNF)の特性
 4.2 PEDOT/s-CNF配合の配合効果
 4.3 PEDOT/s-CNFを配合した温度応答性遮光・調光ガラス
 4.4 白色化速度の加速化
5 フィルム化
 5.1 遮熱・調光フィルムの作成
 5.2 遮熱・調光フィルムの特性
6 おわりに

第14章 凍結を利用したカルボキシメチルセルロースナノファイバーの微細構造制御による新しいハイドロゲル物性の発現
1 はじめに
2 凍結架橋カルボキシメチルセルロースナノファイバー(CMCF)ゲルの開発
3 凍結架橋のメカニズム
4 おわりに

第15章 高強度・自己消火性のセルロースナノファイバー透明板材
1 はじめに
2 積層
3 力学特性
4 自己消火性
5 膨潤の抑制
6 おわりに

【第5編 セルロースナノファイバー 新たな調整方法の提案】
第16章 CNF調製のための木材セルロースの化学前処理:リン酸エステル化とTEMPO触媒酸化
1 はじめに
2 セルロース繊維(針葉樹BKP)のリン酸エステル化処理
3 セルロース繊維(針葉樹および広葉樹BKP)のTEMPO触媒酸化
4 おわりに

第17章 セロファン製造技術を応用したセルロースナノファイバー(RCNF®)の開発
1 はじめに
2 セロファン
3 セロファン製造技術を応用した新しいCNF「RCNF」の特長
 3.1 繊維幅
 3.2 粘度特性
 3.3 熱安定性
 3.4 乳化安定性
4 RCNFの調製条件を変更した場合の影響
 4.1 水酸化ナトリウム濃度を変更した場合の結晶化度,硫化度への影響
 4.2 水酸化ナトリウム濃度を変更した場合のRCNF物性への影響
 4.3 調製条件の異なるRCNFによる乳化安定性への影響
5 おわりに

第18章 容易に解繊できるアロンフィブロ®の特徴と用途開発
1 緒言
2 アロンフィブロの特性
3 アロンフィブロの応用例
 3.1 セラミックスバインダーへの応用
 3.2 カーボンナノチューブ分散剤への応用
 3.3 天然ゴム(NR)の補強
 3.4 光硬化性モノマーとの複合化
 3.5 増粘剤への応用

第19章 北海道内のバイオマス資源から作るナノファイバーとその特性評価
1 はじめに
2 湿式および乾式解繊処理に用いたナノファイバーの原料について
3 グラインダー法による湿式解繊処理を行ったナノファイバーの粘度特性について
4 パルプ直接混練法による乾式解繊処理から作製したナノファイバー強化樹脂の機械的特性評価
5 表面修飾した微生物産生CNF(NFBC)強化樹脂の機械的特性評価
6 おわりに

【第6編 セルロースナノファイバーの深淵に迫る研究成果】
第20章 グリーンな高分子構造制御機構としてみたセルロース合成酵素
1 はじめに
2 セルロースの構造と生合成
3 セルロース合成酵素
4 セルロース合成酵素の構造生物学
5 高分子鎖の制御というタンパク質機能
6 SAXSによる高分子鎖集合過程の直接観察
7 高分子鎖集合過程に関与するタンパク質の生化学的解析
8 おわりに

第21章 CNF1本の乾燥と構造変化
1 はじめに
2 CNF1本の乾燥と構造
3 おわりに

第22章 セルロースナノファイバーに生じる欠陥
1 はじめに
2 これまでの欠陥研究の概要
3 「捻れ」における結晶構造の解析
4 原子間力顕微鏡像の統計的解析による「凹み」欠陥の発見
5 AFM画像を解析するための半自動的画像処理手法の確立
6 おわりに

第23章 セルロースナノファイバー製フィラメントの高い熱伝導性
1 はじめに
2 従来のCNF材料の熱伝導性
3 CNFの分子スケールの構造制御
4 フローフォーカシング法ならびに機械・熱特性の評価方法
5 フローフォーカシング法で構築したCNFフィラメントの熱伝導および機械的特性
6 CNFフィラメントの高熱伝導化のメカニズム
7 熱伝導率の温度特性について
8 おわりに

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