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月刊BIOINDUSTRY 2015年10月号

【特集】フードメタボロミクス最前線

商品コード:
I1510
発行日:
2015年10月12日
体裁:
B5判
ISBNコード:
0910-6545
価格(税込):
4,950
ポイント: 45 Pt
関連カテゴリ:
雑誌・定期刊行物 > 月刊バイオインダストリー

Review

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【特集】フードメタボロミクス最前線

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特集にあたって
Introduction

福崎英一郎 (大阪大学)

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GC/MSを用いたメタボローム解析に基づくチーズ品質評価技術の開発と応用
Development of Cheese Quality Evaluation Technology based on Metabolome Analysis using GC/MS and Its Application

越智 浩 (森永乳業(株))

 世界的に嗜好されている乳製品であるチーズ。その複雑な官能的品質を捉えるために, GC/MS(ガスクロマトグラフィー/質量分析)を用いたメタボローム解析に基づく親水性低分子量成分のプロファイリングを行い, 官能予測モデリングおよび熟成工程モニタリングへ応用した例について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. GC/MSを用いたチーズの官能予測モデリング
3. GC/FIDを用いたチーズの官能予測モデリング
4. チーズの熟成モニタリング
5. チーズの熟成マーカー
6. おわりに

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農業・食品産業現場におけるNMR メタボロミクスの利用と今後の展望
NMR-based Metabolomics in Agriculture and Food Industry:Applications and Future Perspectives

関山恭代 (農業・食品産業技術総合研究機構)
池田成志 (農業・食品産業技術総合研究機構)
冨田 理 (農業・食品産業技術総合研究機構)

 近年,農業や食品産業の現場におけるメタボロミクス研究が大きく注目され始めている。今後は, 栽培現場から貯蔵, 流通, 加工, 調理, 喫食に至る過程の様々な環境要因を考慮した, 総合的な視野からのアプローチが必要になってくると考えられる。本稿では, 筆者らが実施したNMRメタボロミクスの例を含め当該研究分野の動向を紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. NMR法を活用した農業研究・食品研究の動向
3. NMRの利点を活用した市販リンゴの成分プロファイリング
4. 農業メタボロミクスによる代謝マーカーの開発
5. 今後の課題と展望

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超臨界流体テクノロジーのフードメタボロミクスへの応用
Application of Supercritical Fluid Technology to Food Metabolomics

高橋政友 (大阪大学大学院)
和泉自泰 (九州大学)
馬場健史 (九州大学)

 近年,代謝物総体の網羅的解析手法であるメタボロミクスの技術を食品分野に応用したフードメタボロミクス研究が盛んに行われている。疎水性代謝物の代表である脂質は, 食のおいしさに関係するだけでなく, 様々な生理機能を調節しているため大変注目されている。本稿では, メタボロミクスにおける超臨界流体テクノロジーの適用について概説するとともに, 脂質フードメタボロミクスへの応用例についても紹介する。

【目次】
1.はじめに
2.超臨界流体とは
3.超臨界流体抽出(SFE)について
3.1SFEの特長について
3.2SFEを利用した食品中に含まれる脂質の抽出について
4.超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)について
4.1SFCの特長について
4.2SFCを利用した食品中に含まれる脂質の分離・分析について
5.おわりに

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フードメタボロミクスにおけるCE-MSの応用
Application of CE-MS on Food Metabolomics

及川 彰 (山形大学)

 キャピラリー電気泳動質量分析装置(CE-MS)は, 食品において重要な成分であるアミノ酸や有機酸などのイオン性化合物の分離・検出に優れている。そのため, CE-MSはフードメタボロミクスにおいて有用なツールとなっている。本稿ではCE-MSの特徴について概説し, さらにCE-MSのフードメタボロミクスへの応用例を述べる。

【目次】
1. はじめに
2. CE-MS
3. フードメタボロミクスへの応用
4. 今後の課題

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GC/MSメタボロミクスによる農作物成分の変動要因の解析
GC/MS Profiling for Improvement in Quality of Agricultural Products

岡崎圭毅 (農業・食品産業技術総合研究機構)
田中福代 (農業・食品産業技術総合研究機構)

 農産物の品質を決定するものはその含有成分と考えると, メタボロミクス手法は, 農産物の高品質化を目指す栽培管理技術の設計にぴったりフィットする解析手法である。農産物の成分組成を変動させる栽培上の要因をGC/MSプロファイリングにより解析した事例から, 同分野でのメタボロミクス展開方向の可能性を探る。

【目次】
1. はじめに
2. 窒素量および窒素形態がホウレンソウ成分に及ぼす影響
3. 直交表実験計画による要因試験
4. タマネギ成分に対する品種および栽培地域の影響
5. 環境ストレスが果物・野菜の香気成分に及ぼす影響-有機農産物の成分特性

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食品の質的評価に有用なフードメタボロミクスにおけるLC-MSの活用
Application of LC-MS for Food Metabolomics

飯島陽子 (神奈川工科大学)

 食品に高付加価値を与えるものとしてその機能性が注目されている。そのほとんどは不揮発性成分が担っており, また, 食品によってその成分は多様である。液体クロマトグラフィ質量分析計(LC-MS)は, 不揮発性成分の網羅的検出が可能であり, メタボロミクスにおいて不可欠な分析機器となりつつある。ここでは, フードメタボロミクスにおけるLC-MSの活用について, 筆者らの研究を例に紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. LC-MS を用いたフードメタボロミクスに適した分析ストラテジー
3. フードメタボロミクスにおけるLC-MSの活用
3.1食品加工における成分変化―茶の亜臨界抽出による新規化合物の生成
3.2構造未知化合物の扱い-トマトの網羅的ステロイドグリコアルカロイド分析を利用した品種による特性評価
4. おわりに

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メタボロミクスの食品機能解析への応用
Application of Metabolomics to Food Function Analysis

福崎英一郎 (大阪大学)

 食品に含まれる成分の網羅的解析データ(食品メタボロームデータ)を説明変数, 食品の二次機能(おいしさ等)の定量的分析官能データ(官能スコアデータ)を応答変数として多変量解析により, 食品機能の定量的な予測ならびに, 機能成分の推定が可能である。緑茶, 日本酒, 醤油を用いた研究を例にとり, 上記戦術の有用性を解説した。

【目次】
1. はじめに
2. なぜ食品機能解析にメタボロミクスが有用なのか?
3. メタボロミクス技術を用いた食品二次機能の定量的記述の概念
4. 清酒のメタボリックプロファイリング
5. 醤油に含まれるジペプチドの網羅的プロファイリングと官能特性との相関
6. おわりに

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BIO R&D

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ラミニンおよびそのE8フラグメントの再生医療応用への可能性
Laminin E8 Fragment as a Cell Substrate for iPS/ES Cell Culture

水野一乘 ((株)ニッピ)
藤田和将 ((株)ニッピ)
山本卓司 ((株)ニッピ)
服部俊治 ((株)ニッピ)

 基底膜の主要構成成分タンパク質ラミニンは, α, β, γの3 種類のポリペプチド鎖からなるヘテロトライマー分子であり,16種類のアイソフォームがある。その一つ, ラミニン-511のC末端側約5分の1のE8断片は, インテグリン結合部位を含み, 様々な種類の細胞の培養基質として有用である。

【目次】
1. はじめに
2. ラミニンの発見
3. ラミニン分子構造とドメイン
4. ラミニンの分子種
5. ラミニンと他の分子との相互作用
6. iPS細胞培養基質としてのラミニン-511E8フラグメント
7. iMatrix-511の利用
8. 今後の展望

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酵母を用いた一貫バイオプロセス-デンプン系非可食原料からのバイオ燃料生産に向けて-
A Consolidated Bioprocessing of Biofuels from Non-food Starchy Biomass by Yeast

谷村あゆみ (京都大学)
小川 順 (京都大学)
島 純 (龍谷大学)

 自然界から探索・分離した酵母を用い, デンプンからの1ステップ・バイオ燃料生産の可能性を示した。今回取得した酵母を用いることにより, デンプン糖化酵素処理が不要となるだけでなく, プロセスの簡素化も図れ, バイオ燃料の低コスト生産につながることが期待できる。

【目次】
1. はじめに
2. バイオプロセス:SSFとCBP
3. 原料としてのデンプン系廃棄物
4. デンプンからの油脂生産
5. デンプンからのバイオエタノール生産
6. 課題

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《TOPICS》
新しい出生前検査の現状と将来展望
Current Status and Future Prospective of Noninvasive Prenatal Diagnosis from Cell-free DNA in Maternal Plasma

関沢明彦 (昭和大学)

 母体血胎児染色体検査の開始以降, 出生前遺伝学的検査についての関心が高まっている。背景には新しい技術の革新性と妊娠年齢の高年齢化に伴う児の染色体疾患のリスク上昇を心配する妊婦の増加がある。また, この検査は,技術的に染色体の数的異常の検出のみではなく, 微細変化をも検出可能という点において画期的である。この新技術によって妊婦の選択の幅は広まったと考えられる一方, いろいろな選択肢があることで妊婦の悩みが増幅したともいえる。妊婦が正確な情報にアクセスできるようにすること, また, 悩んだ場合に簡単に遺伝カウンセリングにアクセスできるようにすることが重要な課題である。

【目次】
1. 出生前遺伝学的検査とは
2. 妊婦への情報提供の在り方
3. 母体血胎児染色体検査
3.1 MPS法の原理
3.2 検査の精度
3.3 検査対象
3.4 母体血胎児染色体検査での遺伝カウンセリング
3.5 検査実施企業
3.6 検査の実施状況
4. 出生前遺伝学的検査を取り巻く社会的背景の国際比較
5. 我が国のNIPTについての取り組み

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