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中空微粒子の合成と応用

Syntheses and Applications of Hollow Fine Particles

★中空微粒子作製技術をまとめた国内初の本格専門書!!
★有機、無機、エマルション、バブルテンプレートなど各種合成法を網羅!!
★フィルム、塗料、建材分野から最新応用技術までを詳述!!

商品コード:
T1024
監修:
藤 正督
発行日:
2016年11月24日
体裁:
B5判・200頁
ISBNコード:
978-4-7813-1181-4
価格(税込):
77,000
ポイント: 700 Pt
関連カテゴリ:
新材料・新素材
新材料・新素材 > 無機・金属材料
新材料・新素材 > 複合材料・ハイブリッド材料

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キーワード:

テンプレート法/リポソーム/相分離/折出/ゾルーゲル法/in situ重合/エマルション/バブル/スプレードライ/噴霧法/ベシクル/交互積層法/コアシェル粒子/シリカ/ソープフリー重合/フィルム/断熱材/インキ/光学屈折材料/ドラッグデリバリーシステム/化粧品

刊行にあたって

 内部に空間を持つ中空粒子は、低密度、高比表面積、低熱伝導、高電気抵抗、低誘電率といった中実粒子と異なる種々の性質を有する。
 これらの性質を活かし、古くから軽量材、断熱材、複合材料、色材などの広い分野で応用されている。また、シェル厚みが制御されたメソまたはマクロ多孔性中空粒子は、分離材やカプセル材として使用され、ドラックデリバリーの機能発現や、酵素やプロテインの過敏応答性を保護するために用いられている。
 コアとシェル材料間の大きな屈折率差により生じる光学特性もユニークな特性といえよう。この性質を応用し、中空粒子は電子材料、光学材料やコーティング材などとして用いられている。以上のように、中空粒子は、これまで多用されてきた中実粒子と比較して、多くの特徴を持ち、これらの特長を活かした多くの用途が考えられている。
 さらに、ナノサイズの中空粒子が市販されるようになったことから、種々の応用研究が益々盛んになっている。まだそのポテンシャルの全容は見えていないと思うが、現段階で整理することも有用だと思われた。そこで「中空粒子の合成と応用」を取り纏めることにした。この本が、今後の中空粒子研究の礎となれば幸いである。

著者一覧

藤 正督  名古屋工業大学
福井有香  慶應義塾大学
藤本啓二  慶應義塾大学
片桐清文  広島大学
松田厚範  豊橋技術科学大学
遊佐真一  兵庫県立大学
石井治之  東北大学
谷口竜王  千葉大学大学院
仲村龍介  大阪府立大学
高井千加  名古屋工業大学
大谷政孝  高知工科大学
小廣和哉  高知工科大学
荻 崇  広島大学
岡田友彦  信州大学学術研究院
土屋好司  東京理科大学
酒井秀樹  東京理科大学
幕田寿典  山形大学
冨岡達也  名古屋工業大学
遠山岳史  日本大学
飯村健次  兵庫県立大学
長嶺信輔  京都大学
突廻恵介  JSR㈱
村口 良  日揮触媒化成㈱
中村皇紀  関西ペイント販売㈱

目次 +   クリックで目次を表示

第1章 有機粒子テンプレート

1 リポソームを鋳型とした中空微粒子の合成
 1.1 はじめに
 1.2 テンプレートとしてのリポソーム
 1.3 リポソーム表面への交互積層化による中空微粒子(リポナノカプセル)の作製
 1.4 リポナノカプセルの機能:物質の封入・放出制御
 1.5 リポナノカプセルの機能:細胞との相互作用
 1.6 リポナノカプセルの機能:組織化による膜構造体(バイオスキャフォールド)の作製
 1.7 ミネラルコーティングによる有機無機ハイブリッドリポナノカプセルの作製
 1.8 まとめ

2 交互積層法による中空粒子の合成
 2.1 はじめに
 2.2 交互積層法による高分子電解質中空粒子の合成
 2.3 高分子電解質多層膜表面における酸化物層形成による無機中空粒子の合成
 2.4 水溶性チタン錯体の交互積層によるチタン酸化物系中空粒子の合成
 2.5 おわりに

3 pH応答性ポリマーミセルを鋳型にした中空粒子の合成
 3.1 はじめに
 3.2 PS-PAA-PEOの合成
 3.3 PS-PAA-PEOミセルの作製
 3.4 カルシウムイオン(Ca2+)と高分子ミセルのコンプレックス形成
 3.5 中空CaWO4ナノ粒子の作製
 3.6 ZnO中空ナノ粒子の作製
 3.7 まとめ

4 ベシクルテンプレートを利用した中空粒子の合成
 4.1 はじめに
 4.2 中空シリカ粒子の構造・形状を決定するベシクル構造・形状
 4.3 ベシクルテンプレート法で用いられるベシクルの種類
 4.4 おわりに

5 表面修飾された高分子微粒子をテンプレートに用いた中空粒子の調製
 5.1 はじめに
 5.2 テンプレートとなるコア-シェル粒子の合成
  5.2.1 ソープフリー乳化重合によるコア粒子の合成
  5.2.2 コア粒子表面からのATRPによるコア-シェル粒子の合成
 5.3 コア-シェル粒子をテンプレートとする有機/無機複合粒子および中空粒子の調製
  5.3.1 サブミクロンサイズの中空粒子の作製
  5.3.2 ミクロンサイズの中空粒子の作製
  5.3.3 ナノサイズの中空粒子の作製
 5.4 おわりに

第2章 無機粒子テンプレート

1 金属ナノ粒子の酸化による中空粒子合成
 1.1 はじめに
 1.2 金属ナノ粒子の酸化による酸化物ナノ中空粒子の形成
 1.3 金属ナノワイヤーの酸化による酸化物ナノチューブの形成
 1.4 中空構造の形成メカニズム
 1.5 中空構造の熱的安定性
 1.6 おわりに

2 溶解性無機粒子をテンプレートとした中空粒子合成
 2.1 はじめに
 2.2 ゾルゲル法の基礎
 2.3 無機/ケイ酸塩中空粒子の作製及び一般的なアプローチ
  2.3.1 ハードテンプレート法から溶解性無機粒子をテンプレートへ
  2.3.2 溶解性無機粒子テンプレートの展開
 2.4 おわりに

第3章 エマルションテンプレート

1 中空多孔質構造を有するナノ粒子集合体の一段階合成
 1.1 はじめに
 1.2 中実および中空MARIMO TiO2集合体のワンポット単工程合成
 1.3 中空MARIMO TiO2集合体空孔内への貴金属合金ナノ粒子の充填
 1.4 中空MARIMO複合酸化物ナノ粒子集合体ワンポット合成と物性制御
  1.4.1 合成
  1.4.2 中空Al2O3-TiO2複合集合体の高温耐性
  1.4.3 中空ZnO-TiO2複合集合体のバンドギャップエネルギー制御
 1.5 まとめ

2 噴霧法および液相法によるテンプレート粒子を用いた中空微粒子の合成
 2.1 はじめに
 2.2 テンプレート粒子を利用する中空微粒子の合成方法
  2.2.1 概要
  2.2.2 液相法による中空微粒子の合成法
  2.2.3 噴霧法による中空微粒子の合成法

3 油中水滴分散型エマルションを利用した中空粒子合成
 3.1 はじめに
 3.2 油中水滴分散型(W/O)エマルションを用いた中空粒子の合成
  3.2.1 有機高分子
  3.2.2 シリカ類
  3.2.3 その他の無機化合物
 3.3 内包
  3.3.1 磁性微粒子の内包
  3.3.2 触媒活性粒子の内包
 3.4 まとめと展望

第4章 バブルテンプレート

1 バブルテンプレート法を用いたシリカ中空粒子の調製
 1.1 はじめに
 1.2 バブルをテンプレートとしたシリカ中空粒子の調製方法
 1.3 バブルをテンプレートとしたシリカ中空粒子調製条件の最適化
  1.3.1 界面活性剤の分子構造の影響
  1.3.2 エタノール添加の影響
  1.3.3 pHの影響
  1.3.4 シリカ前駆体濃度による影響
  1.3.5 内包ガスによる影響
  1.3.6 シリカ中空粒子の焼成
 1.4 結論

2 超音波マイクロバブルを用いた中空微粒子調製法
 2.1 はじめに
 2.2 実験装置および手法
  2.2.1 材料
  2.2.2 実験装置
  2.2.3 調製手順
 2.3 実験結果と考察
  2.3.1 中空超音波ホーンからのマイクロバブル生成
  2.3.2 中空微粒子調整結果
  2.3.3 酸性環境下における中空微粒子のサブミクロン化
 2.4 おわりに

3 バブルテンプレート法による中空粒子の製造
 3.1 背景
 3.2 炭酸カルシウム中空粒子の製造
  3.2.1 製造プロセス
  3.2.2 炭酸カルシウム中空粒子の製造装置
 3.3 炭酸ガスバブリング時の炭酸カルシウムの析出挙動
  3.3.1 炭酸カルシウムの核生成と核成長
  3.3.2 炭酸ガスバブリング反応時における炭酸カルシウムの析出と変態
  3.3.3 中空粒子形成に必要な炭酸ガスバブリング条件
 3.4 むすび

第5章 噴霧法

1 噴霧乾燥法による中空粒子の作製
 1.1 噴霧乾燥法とは
 1.2 噴霧乾燥法による炭酸カルシウム中空粒子の作製
 1.3 中空粒子の機械的特性
 1.4 まとめ

2 火炎噴霧法による中空粒子の作製
 2.1 諸言
 2.2 技術的な背景
 2.3 実験方法
 2.4 実験結果および考察
  2.4.1 粒子形態
  2.4.2 中空構造に及ぼす原料組成の影響と構造制御
 2.5 結言

3  噴霧水滴-油相界面でのゾル-ゲル反応を利用したチタニア中空粒子の作製
 3.1 はじめに
 3.2 噴霧水滴-油相界面でのゾル-ゲル反応を利用したチタニア中空粒子の作製
 3.3 窒素ドープによる可視光応答性チタニア中空粒子の作製
 3.4 静電紡糸法と界面でのゾル-ゲル反応によるチタニア中空ファイバーの作製
 3.5 おわりに

第6章 応用

1 中空粒子の光学材料への展開
 1.1 はじめに
 1.2 高架橋ポリマーで被覆された中空粒子
 1.3 中空粒子含有UV硬化インク
 1.4 UVインク硬化膜中の中空粒子の状態と光学特性
 1.5 ドット印刷導光板の発光特性
 1.6 バックライトユニットの性能評価
 1.7 中空粒子含有UV硬化インクのガラス導光板への適用
 1.8 おわりに

2 反射防止フィルム
 2.1 はじめに
 2.2 反射防止フィルムの設計
  2.2.1 反射防止の原理
  2.2.2 反射防止フィルムの設計
  2.2.3 ナノコンポジット設計
  2.2.4 フィラー設計
 2.3 反射防止フィルムの実用例
  2.3.1 中空SiO2微粒子を用いた反射防止フィルム
  2.3.2 高機能化(AS性付与)
  2.3.3 更なる高性能化
 2.4 おわりに

3 断熱材料
 3.1 はじめに
 3.2 ナノ中空粒子の研究
  3.2.1 ナノ中空粒子の魅力
  3.2.2 ナノ中空粒子合成の開発
 3.3 ナノ中空粒子の化学的な分散技術
 3.4 ナノ中空粒子を用いた透明断熱フィルムの開発
 3.5 おわりに

4 アルミニウム防食膜
 4.1 はじめに
 4.2 高機能を引き出すナノテクノロジー
 4.3 アルミニウムの腐食
 4.4 従来のクロメート処理による防食技術
 4.5 防食評価としてのキャス(CASS)試験概要
 4.6 ナノ中空粒子含有防食塗料の展開
 4.7 成功を支えた分散技術
 4.8 おわりに

5 湿式外断熱躯体保護防水仕上げ材「ドリームコート」について
 5.1 背景
 5.2 塗膜に中空微粒子を導入する効果について
 5.3 「ドリームコート」の透湿性と耐水性について
 5.4 「ドリームコート」の外断熱効果について
 5.5 「ドリームコート」の躯体保護機能について
 5.6 「ドリームコート」の塗装と仕上がりについて
 5.7 まとめ

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