キーワード:
有機-無機ハイブリッド/透明導電膜/発光材料/蛍光材料/リチウムイオン電池/燃料電池/色素増感太陽電池/ナノシート/ナノコンポジット/バルクゲル/フォトクロミック/メソ多孔体
刊行にあたって
ゾル-ゲル法に関する最初のシーエムシー出版の単行本は『ゾル-ゲル法応用技術の新展開』で、2000年に出版された。その後、ゾル-ゲル法の進歩をカバーすべく、5年毎に新版を重ねてきた。今回、最新の展開を紹介するとともに今後の開発動向を展望するとし、本書『ゾル-ゲル法の最新応用と展望』の出版が企画された。
本書は総論編と応用編で構成されている。総論編では、ゾル-ゲル反応・合成についての基礎を解説するとともに、ますます多様化してくる構造・形態制御技術の解説を充実させた。用途・応用の広さからみて、本法が極めて多くの可能性を有していることが理解される。応用編では、光・電子技術への応用は勿論のこと、エネルギー・環境分野から生体材料における最新の研究を紹介している。執筆者はそれぞれの分野の最先端で活躍しておられる先生方であり、ゾル-ゲル法の最新情報を盛り込むことができたと考えている。
本書がゾル-ゲル法技術に関心のある研究者、技術者にとって恰好の参考書となることを願っている。
野上正行
(本書「はじめに」より)
本書は2014年に『ゾル-ゲル法の最新応用と展望』として刊行されました。普及版の刊行にあたり、内容は当時のままであり、加筆・訂正などの手は加えておりませんので、ご了承ください。
著者一覧
野上正行 SolgeT 代表 郡司天博 東京理科大学 金子芳郎 鹿児島大学 冨田恒之 東海大学 垣花眞人 東北大学 伴 隆幸 岐阜大学 大矢 豊 岐阜大学 田中一生 京都大学 中條善樹 京都大学 忠永清治 北海道大学 髙橋雅英 大阪府立大学 徳留靖明 大阪府立大学 久家克明 キヤノン㈱ 原口和敏 (一財)川村理化学研究所 下嶋 敦 早稲田大学 黒田一幸 早稲田大学 宮田浩克 キヤノン㈱ 中西和樹 京都大学 長谷川丈二 京都大学 梶原浩一 首都大学東京 金森主祥 京都大学 早瀬 元 京都大学 幸塚広光 関西大学 瀬川浩代 (独)物質・材料研究機構 加藤一実 (独)産業技術総合研究所 荻 崇 広島大学 奥山喜久夫 広島大学 佐々木高義 (独)物質・材料研究機構 片桐清文 広島大学 | 杉田真一 扶桑化学工業㈱ 武藤浩行 豊橋技術科学大学 藤原 忍 慶應義塾大学 安達健太 山口大学 山﨑鈴子 山口大学 嶌越 恒 九州大学 久枝良雄 九州大学 後藤康友 ㈱豊田中央研究所 稲垣伸二 ㈱豊田中央研究所 河村 剛 豊橋技術科学大学 松田厚範 豊橋技術科学大学 米田貴重 旭硝子㈱ 矢部裕城 パナソニック㈱ 佐熊範和 アトミクス㈱ 西出利一 日本大学 福井俊巳 ㈱KRI 秋山 毅 滋賀県立大学 大幸裕介 名古屋工業大学 辰巳砂昌弘 大阪府立大学 林 晃敏 大阪府立大学 伊藤省吾 兵庫県立大学 金指正言 広島大学 都留稔了 広島大学 城﨑由紀 九州工業大学 都留寛治 九州大学 早川 聡 岡山大学 尾坂明義 岡山大学 増田佳丈 (独)産業技術総合研究所 蔵岡孝治 神戸大学 |
執筆者の所属表記は、2014年当時のものを使用しております。
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第1章 ゾル-ゲル反応
1 アルコキシシランの合成
1.1 はじめに
1.2 アルコキシシランの合成
1.3 アルコキシオリゴシロキサンの合成
1.4 アルコキシカゴ型シルセスキオキサンの合成
1.5 おわりに
2 規則構造を有する可溶性ポリシルセスキオキサンの合成
2.1 はじめに
2.2 ヘキサゴナル相に積層するカチオン性ロッド状PSQの合成
2.3 ロッド状PSQの分子構造の検討~ラダー状構造の解析手法~
2.4 ヘキサゴナル相に積層するアニオン性ロッド状PSQの合成
2.5 カチオン性ラダー状PSQとかご状オリゴSQの選択的合成
2.6 おわりに
3 水溶性原料の開発と材料合成への展開
3.1 溶媒としての水
3.2 水溶性チタン原料
3.3 水溶性ニオブ原料と水溶性タンタル原料
3.4 水溶性ケイ素原料
3.5 まとめ
4 コロイド水溶液法による材料合成
4.1 はじめに
4.2 コロイド水溶液の調製法
4.2.1 層状チタン酸塩のコロイド水溶液
4.2.2 その他の層状金属酸塩のコロイド水溶液
4.2.3 アナターゼ型酸化チタンのコロイド水溶液
4.3 コロイド水溶液を用いたナノ構造材料の作製
4.3.1 金属酸化物の薄膜
4.3.2 星型に組織化したアナターゼナノ結晶集合体
4.3.3 金属酸ナノシート
4.4 おわりに
5 有機-無機ポリマーハイブリッドの合成
5.1 はじめに
5.2 有機-無機ポリマーハイブリッド合成
5.2.1 ゾル-ゲル法
5.2.2 ポリマーハイブリッド合成のための相互作用
5.2.3 共重合体を介したハイブリッド化
5.2.4 ポリマーハイブリッドのIn-Situ重合法
5.2.5 マイクロ波照射によるポリマーハイブリッドの迅速合成
5.3 機能性有機-無機ポリマーハイブリッド
5.3.1 白色発光材料
5.3.2 シリカ以外の金属酸化物を用いたハイブリッド材料
5.4 POSSを用いたハイブリッド材料
5.4.1 POSSをフィラーとしたハイブリッド材料
5.4.2 POSSを架橋点としたネットワーク型ハイブリッド材料
5.5 おわりに
6 ゾル-ゲル反応の化学
6.1 はじめに
6.2 Si-アルコキシドの加水分解・縮重合反応について
6.2.1 基本的な反応について
6.2.2 シリコンアルコキシドの加水分解反応における触媒の効果
6.3 Si-アルコキシド以外の系について
6.3.1 金属アルコキシドの反応性について
6.3.2 反応性の高い金属アルコキシドによる材料合成
6.3.3 アルコキシドの化学修飾
6.3.4 様々なセラミックス系の出発原料について
6.3.5 多成分系セラミックスの場合
6.4 まとめ
7 その場観察によるゾル-ゲルプロセスの解明
7.1 はじめに
7.2 その場観察FT-IR
7.3 NMR(核磁気共鳴)
7.4 SAXS
7.5 まとめ
8 NMRによるゾル-ゲル反応の分析
第2章 構造制御
1 有機-無機ナノコンポジット型ヒドロゲル
1.1 はじめに
1.2 有機-無機ナノコンポジット型ヒドロゲルの創製
1.2.1 有機-無機ネットワーク形成による物性革新
1.2.2 有機-無機ネットワーク形成機構
1.3 NCゲルの機能性
1.3.1 膨潤/収縮特性と相転移挙動
1.3.2 表面滑り摩擦特性
1.3.3 光学異方性とその変化
1.3.4 超疎水性表面
1.3.5 細胞培養性と温度応答剥離性
1.3.6 自己修復性
1.4 おわりに
2 分子設計に基づく細孔構造制御
2.1 はじめに
2.2 有機シランの自己集合に基づく細孔構造制御
2.3 かご型シロキサンをビルディングブロックとした多孔体の合成
2.4 おわりに
3 界面設計によるメソ構造薄膜の構造制御技術
3.1 メソ構造体薄膜
3.2 異方性を有する基板を用いたメソ構造体薄膜の面内配向制御
3.3 ラビング処理を施したポリイミドを形成した基板上でのメソ構造体薄膜の配向制御
3.4 まとめ
4 相分離と化学反応に基づく細孔構造制御
4.1 はじめに
4.2 加水分解と縮合・析出反応の制御
4.3 酸化チタン系
4.4 酸化アルミニウム系
4.5 酸化鉄系への拡張
4.6 3d遷移金属酸化物への拡張と金属・非酸化物への転化
4.7 リン酸塩系マクロ多孔体の構造制御
4.8 おわりに
第3章 形態制御
1 モノリス成形;シリカガラスを例として
1.1 はじめに
1.2 前駆体用モノリス状乾燥ゲルの合成
1.3 アルコキシド-水二成分系からのマクロ多孔質シリカゲルおよびシリカガラスの合成
1.4 希土類ドープシリカガラス
1.5 微粒子ドープシリカガラス
1.6 フッ素ドープシリカガラス
1.7 おわりに
2 ナノ構造制御による有機—無機ハイブリッド透明多孔性物質の開発
2.1 はじめに
2.2 エアロゲルとは
2.3 PMSQエアロゲルの合成法
2.4 得られたPMSQエアロゲルの性状
2.5 細孔構造解析
2.6 機械的特性
2.7 PMSQエアロゲルの熱伝導
2.8 おわりに
3 コーティング技術:プラスチック材へのコーティング
3.1 はじめに
3.2 セラミック薄膜を作製するためのゾル-ゲルプロセス
3.3 プラスチックス表面にセラミック薄膜を作製するための技術開発の歴史
3.4 ゾル-ゲル焼成膜をプラスチックス表面に転写する技術の提案
3.4.1 工程の概略
3.4.2 接着剤を使用した転写
3.4.3 プラスチック基板表面の溶融による転写
3.4.4 セラミック薄膜のパターニング
3.5 まとめにかえて
4 パターン形成技術
4.1 はじめに
4.2 リソグラフィー
4.2.1 光重合反応によるパターニング
4.2.2 キレート反応によるパターニング
4.2.3 電子線リソグラフィ
4.3 モールド法
4.4 ボトムアップ技術
5 強誘電体ナノクリスタルセラミックス
5.1 はじめに
5.2 チタン酸バリウムナノキューブの形成、形状、結晶性
5.3 チタン酸バリウムナノキューブの配列、集積、焼結
5.4 チタン酸バリウムナノキューブ集積体の圧電応答特性
5.5 まとめと展望
6 液相合成法によるナノ粒子
6.1 はじめに
6.2 ナノ粒子の形態制御
6.2.1 結晶成長の制御によるナノ粒子の形態制御
6.2.2 液相法による針状、棒状、板状ナノ粒子の合成例
6.3 ナノ粒子の構造制御
6.3.1 内部構造が制御されたナノ粒子の合成法
6.3.2 中空構造を持つナノ粒子の合成例
6.3.3 ポーラス構造を持つナノ粒子の合成例
6.3.4 コアシェル構造を持つナノ粒子の合成例
6.4 おわりに
7 ナノシートゾル
7.1 はじめに
7.2 ナノシートゾルの合成法
7.3 ナノシートを用いた材料合成
7.3.1 凍結乾燥および噴霧乾燥
7.3.2 再凝集反応
7.3.3 ナノシートのレイヤーバイレイヤー累積
7.4 おわりに
8 水溶性前駆体を用いた酸化物材料の形態制御合成
8.1 はじめに
8.2 シリカゲル粒子を鋳型とするTiO2およびSrTiO3中空粒子の合成
8.3 ブルカイト型TiO2中空粒子の合成
8.4 SrTiO3ナノキューブの合成
8.5 おわりに
9 コロイダルシリカの製法・特徴とその応用例
9.1 はじめに
9.2 種々のコロイダルシリカ製造法
9.3 ゾル-ゲル法による高純度コロイダルシリカの製造
9.4 高純度コロイダルシリカの特性
9.5 高純度コロイダルシリカの応用例
10 単分散微粒子の規則配列デザイン
10.1 はじめに
10.2 二次元規則配列機構
10.3 個別要素法による配列シミュレーション
10.4 種々の外部場を利用した二次元集積構造の作製
10.5 外部場を利用した三次元集積構造体の作製
10.6 様々な規則集積構造の作製
10.7 おわりに
【応用編】
第4章 光応用
1 発光材料の合成と応用
1.1 はじめに
1.2 薄膜
1.2.1 薄膜の構造制御と発光特性
1.2.2 薄膜蛍光体の新規応用
1.3 ナノ粒子
1.3.1 ナノ粒子の結晶性と発光特性
1.3.2 ペロブスカイト型蛍光体ナノ粒子の合成
1.3.3 ナノコンポジット蛍光体の合成
1.4 おわりに
2 WO3フォトクロミズムとその応用
2.1 はじめに
2.2 WO3フォトクロミズム発現機構
2.3 透明有機―無機フォトクロミック複合材料
2.4 フォトクロミック特性を用いた比色センシング
3 ゾル-ゲル法を利用した金属錯体固定化触媒の作製
3.1 はじめに
3.2 金属酵素の活性中心をモデル化した金属錯体
3.2.1 ビタミンB12依存性酵素
3.2.2 ビタミンB12モデル錯体
3.3 B12修飾電極
3.3.1 ドープ型B12修飾電極
3.3.2 表面ゾル-ゲル型B12修飾電極
3.4 B12修飾酸化チタン
3.5 おわりに
4 光捕集アンテナ
4.1 はじめに
4.2 光捕集アンテナとは
4.3 PMOの光捕集アンテナ機能
4.4 アンテナ機能を有するCO2還元光触媒系の構築
4.5 アンテナ機能を利用した増強蛍光センサー
4.6 まとめ
5 ホログラム記録用ゾル-ゲルハイブリッド
5.1 はじめに
5.2 ゾル-ゲルハイブリッドへのホログラム記録および消去
5.3 熱処理を必要としないホログラム記録および消去
5.4 まとめ
6 自動車用着色コート
6.1 はじめに
6.2 プライバシーガラス
6.3 コーラルピンクガラス
6.4 おわりに
7 メソポーラスシリカナノ粒子の反射防止膜への応用検証
7.1 はじめに
7.2 メソポーラスシリカナノ粒子分散液の作製
7.2.1 Lentz法を用いたMSNsの安定化と単分散化
7.2.2 MSNsの高空隙化
7.3 MSNsの反射防止膜への応用検証
7.4 おわりに
8 無機-有機ハイブリッド型機能性ハードコート
8.1 はじめに
8.2 ハイブリッドとゾル-ゲル法
8.3 ハイブリッド型ハードコーティング
8.4 ハードコートの高機能化
8.4.1 汚染除去性
8.4.2 耐候性
8.4.3 熱線遮蔽性
8.4.4 耐熱性
8.4.5 屈折率制御機能
8.4.6 熱膨張制御機能
8.4.7 抗菌・防カビ機能
8.5 おわりに
9 超撥水性膜および超親水性膜
9.1 撥水性と親水性
9.2 超撥水性
9.3 超親水性
第5章 電子応用
1 透明導電膜
1.1 はじめに
1.2 ゾル-ゲル法とは
1.3 ゾル-ゲル法によるITO膜の形成
1.3.1 ITO膜の形成
1.3.2 ゾル-ゲル法によるITO膜の低温形成の可能性
1.4 光アシストゾル-ゲル法によるITO電膜の室温形成
1.4.1 光アシストゾル-ゲル法
1.4.2 光アシスト法によるITO膜の特徴
1.4.3 プラスチック基板上へのITO膜の形成
1.5 ゾル-ゲル法によるZnO膜の形成
1.6 まとめ
2 表面ゾル-ゲル法を活用した超薄膜光電変換
2.1 はじめに
2.2 表面ゾル-ゲル法
2.3 表面ゾル-ゲル法を用いた超薄膜光電変換素子の構築
2.4 おわりに
第6章 エネルギー応用
1 プロトン系燃料電池用電解質
1.1 はじめに
1.2 無機多孔質ガラス電解質
1.3 ハイブリッド電解質
1.4 燃料電池特性
1.5 新しい電解質の開発傾向
1.5.1 イオン液体-ガラスハイブリッド
1.5.2 シリカ-アルミナ
2 リチウム電池用酸化物薄膜
2.1 はじめに
2.2 電極活物質薄膜の作製
2.2.1 Li4Ti5O12負極薄膜
2.2.2 LiMn2O4正極薄膜
2.3 固体電解質薄膜の作製
2.4 薄膜の積層化
2.5 まとめと展望
3 色素増感型太陽電池
3.1 はじめに
3.2 印刷プロセス太陽電池の原理と構造
3.3 色素増感型太陽電池
4 ガス分離用多孔質無機膜
4.1 はじめに
4.2 多孔膜における透過機構
4.3 ゾル-ゲル法による多孔質シリカ膜
4.4 多孔質シリカ膜の気体透過特性
4.4.1 水素分離特性
4.4.2 二酸化炭素分離特性
4.4.3 プロパン/プロピレン分離特性
4.5 おわりに
第7章 環境・生体応用
1 生体組織足場材料への応用を目指した有機-無機ハイブリッド材料の創製
1.1 はじめに
1.2 ゼラチン-シロキサンハイブリッドを用いた脳組織再生
1.3 キトサン-シロキサンハイブリッドを用いた神経組織再生
1.4 まとめ
2 バイオセンサ向け足場材料
2.1 はじめに
2.2 酸化スズナノマテリアルの開発
2.3 まとめ
3 ナノハイブリッドのドラッグデリバリー材料への応用
3.1 はじめに
3.2 コロイド粒子をテンプレートとした交互積層法による中空カプセルの作製
3.3 磁性ナノ粒子を用いた磁場応答性マイクロカプセル
3.4 磁性ナノ粒子と温度感受性高分子を組み込んだハイブリッドリポソーム
3.5 おわりに
4 有機-無機ハイブリッドガスバリア膜
4.1 はじめに
4.2 シリカ/ポリビニルアルコール(PVA)有機-無機ハイブリッドガスバリア膜
4.3 シリカ/デンプン有機-無機ハイブリッドガスバリア膜
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