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再生医療・創薬のための3次元細胞培養技術 

Novel Technology for Three Dimensional Culture of Stem Cells toward Regenerative Medicine and Drug Screening

★ 再生医療・創薬分野は新たなステージへ! 生体類似の3次元に細胞培養した組織モデルの構築技術を徹底解説!
★ 組織再生、病理解明、新薬開発などへの活用が期待される3次元細胞培養技術!
★ 立体的組織・臓器を調製するための3次元細胞培養技術から、周辺材料、装置・システム構築、その応用展開までを網羅した一冊!

商品コード:
T1077
監修:
紀ノ岡正博
発行日:
2018年4月27日
体裁:
B5判・203頁
ISBNコード:
978-4-7813-1330-6
価格(税込):
77,000
ポイント: 700 Pt
関連カテゴリ:
バイオテクノロジー
バイオテクノロジー > 先端医療(再生医療・細胞治療等)
バイオテクノロジー > バイオマテリアル・バイオミメティクス

Review

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キーワード:

再生医療/組織工学/創薬スクリーニング/バイオアッセイ/立体臓器/3次元細胞培養/トップダウン方式/ボトムアップ方式/3Dスキャフォールド/細胞間接着/細胞凝集塊/積層化細胞シート/マイクロ流体デバイス/臓器チップ/バイオ3Dプリンター

刊行にあたって

細胞培養は、再生医療や創薬探索における基盤技術であり、近年は、生体外で生体類似の3次元に細胞培養した組織モデルの必要性が高まっています。
1975年に、Greenらにより重層化表皮が開発され、細胞培養から組織培養への一歩を踏み出し、1980年代後半からは、立体的足場を利用した組織を再構築する技術、いわゆる“組織工学”が展開し、3つの基盤要素(細胞・足場・成長因子)に対する調和環境の実現を目指しておりました。現在では、培養、材料や精密加工などの技術の新展開により、現実味のある立体的組織・臓器の設計へと新たなステージに進みつつあります。特に、これらの技術により、細胞を生体内の組織と同様の組織として扱うことができるようになり、培養した細胞集団を足場ごと生体内に移植することも可能になってきました。また、培養した細胞集団は生体内の組織と同じような機能を占めると考えられ、疾病モデルとしてメカニズム解明のための基礎研究や薬剤試験・評価に用いることが期待されています。
そこで、本書では、再生医療、創薬スクリーニングに資する立体的組織・臓器の調製技術ならびにその活用について、「3次元細胞培養技術」、「周辺材料」、「装置・システム構築」、「応用展開」に分け、基礎から応用まで広く紹介し、「立体的生体構造物を創る技術」の指南書として、ご活用いただければと願っております。


大阪大学 大学院工学研究科
紀ノ岡正博

著者一覧

紀ノ岡正博   大阪大学
清水達也   東京女子医科大学
菊地鉄太郎   東京女子医科大学
古川克子   東京大学
赤木隆美   大阪大学
明石満   大阪大学
角昭一郎   京都大学
根岸みどり   武蔵野大学
森本雄矢   東京大学
竹内昌治   東京大学
佐藤記一   群馬大学
酒井康行   東京大学
厖媛   清華大学
ステファニー・ウタミ・ストコ   (株)日立製作所
新野俊樹   東京大学
今泉幸文   クアーズテック(株)
金木達朗   日産化学工業(株)
堀川雅人   日産化学工業株
櫻井敏彦   鳥取大学
山本雅哉   東北大学
植村壽公   大阪大学;(株)ジェイテックコーポレーション
秋枝静香   (株)サイフューズ
谷口英樹   横浜市立大学
阿久津英憲   (国研)国立成育医療研究センター研究所
川崎友之   (国研)国立成育医療研究センター研究所
土屋勝則   大日本印刷(株)
吉村知紗   横浜国立大学
景山達斗   (地独)神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC);横浜国立大学
福田淳二   横浜国立大学;(地独)神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)
塩田良   (株)パーキンエルマージャパン
松崎典弥   大阪大学
高木大輔   (株)リコー
瀬尾学   (株)リコー
宮川繁   大阪大学
澤芳樹   大阪大学
中野洋文   東京工業大学

目次 +   クリックで目次を表示


【第Ⅰ編 3次元細胞培養技術】
第1章 総論:立体的な組織をつくることとその活用
1 はじめに
2 立体培養の要とその支援技術
3 創薬スクリーニングへの展開技術
4 おわりに

第2章 細胞シート工学を基盤とした立体臓器製造技術
1 はじめに
2 細胞シート
3 温度応答性培養皿
4 細胞シートの積層化
5 細胞シートマニピュレーションデバイスと自動積層化装置
6 積層化細胞シートの成熟化
7 より複雑な3次元組織の作製
8 積層限界と血管網の導入
9 おわりに

第3章 スキャフォールドフリーモデルの3次元構築法
1 はじめに
2 再生軟骨のニーズ
3 再生軟骨の解決すべき課題
4 スキャフォールドフリーモデルの構築
5 おわりに

第4章 スフェロイド培養における3次元細胞積層化
1 はじめに
2 三次元細胞積層化技術
3 細胞スフェロイド化技術
4 肝スフェロイドモデル
5 膵スフェロイドモデル
6 おわりに

第5章 膵島など細胞集塊の作製技術
1 はじめに
2 細胞集塊の必要性について
3 細胞集塊の一般的な問題点
4 細胞集塊の作製法
5 新しい細胞集塊作製用器材
6 おわりに

第6章 細胞ファイバ技術を応用した3次元組織構築
1 はじめに
2 細胞ファイバの構築法と機能評価
 2.1 コアシェル型細胞ファイバの作製法
 2.2 コアシェル型細胞ファイバの機能評価
 2.3 マイクロスタンプを用いた細胞ファイバの構築
3 細胞ファイバの移植組織としての利用と創薬モデルへの応用
 3.1 移植組織としての神経ファイバ
 3.2 移植組織としてのラット膵島細胞ファイバ
 3.3 創薬モデルへの応用
4 おわりに

第7章 マイクロ流体デバイスを用いた細胞培養とマイクロ臓器モデル
1 はじめに
 1.1 マイクロ流体デバイス
 1.2 細胞実験のためのマイクロ流体デバイス
2 マイクロ流体デバイスを用いた細胞培養
3 薬物動態の解析のためのマイクロ臓器モデルの開発
4 消化,吸収,代謝を考慮に入れたバイオアッセイチップ
 4.1 胃・十二指腸モデル
 4.2 腸管吸収モデル
 4.3 肝臓モデル
 4.4 消化吸収代謝の複合モデル
5 腎排泄マイクロモデル
6 おわりに

第8章 階層的流路ネットワークを配備した組織再構築用担体
1 はじめに
2 トップダウンとボトムアップの両アプローチの融合―マクロ流路ネットワークと組織モジュール充填法の利用―
 2.1 対象スケールに応じたコンセプトの融合
 2.2 担体デザインと製作
3 新担体を用いた細胞凝集体の充填灌流培養
4 新たな組織モジュール充填法用のマイクロ担体の作成―物質交換性と力学特性の両立―
5 おわりに

【第Ⅱ編 周辺材料】
第1章 3次元細胞培養担体 CERAHIVE®
1 はじめに
2 生体内近似環境について
3 均一で大量の細胞塊形成について
4 細胞塊の回収方法について
5 CERAHIVE®の種類
6 最後に

第2章 接着細胞用浮遊培養基材・FCeM®Cellhesion®を用いた新しい3次元培養
1 3次元培養について
2 FCeM®シリーズの開発
3 FCeM® Cellhesionと足場依存性
4 FCeM® Cellhesionを用いた簡便な3D培養法
5 FCeM® Cellhesionを用いたヒト由来細胞の培養
6 おわりに

第3章 プロテオグリカン-アテロコラーゲン複合化による3次元培養基材の作製と細胞機能評価
1 はじめに
2 細胞外マトリックスの抽出
3 PG-AC複合化による3次元培養基材の作製
4 PG-AC複合化3次元培養基材を用いた細胞機能評価
 4.1 高密度化した水和ゲルの細胞機能評価
 4.2 高密度化したキセロゲルの細胞機能評価
5 まとめ

第4章 高機能ゲルを用いた3次元足場材料
1 はじめに
2 再生医療・創薬のための3次元足場材料
3 ハイドロゲルとは
4 ハイドロゲルの機能化
 4.1 ハイドロゲルの加工
 4.2 球状のハイドロゲル
 4.3 リソグラフィーを用いた微細加工
 4.4 3Dプリンターを利用した加工
 4.5 力学的性質の制御
5 生理活性物質を用いたハイドロゲルの機能化
 5.1 タンパク質との相互作用と細胞接着性
 5.2 生理活性物質の配向固定化
 5.3 生理活性物質の徐放化
6 高機能ゲルを用いた3次元足場材料
 6.1 細胞集合体形成のためのハイドロゲル微粒子
 6.2 創薬研究のプラットフォームとしてのOrgans-on-a Chip
 6.3 擬似3次元培養としてのサンドイッチ培養
 6.4 オルガノイド
7 おわりに

【第Ⅲ編 装置・システム構築】
第1章 再生医療・創薬を目指した自動3次元培養装置を用いたシステム化
1 はじめに
2 再生医療に向けた開発
 2.1 CELL FLOAT®
 2.2 回転制御システム
 2.3 培養液交換機構
 2.4 臨床用大型軟骨組織を構築するための再生医療向け3次元細胞培養システムの開発
3 創薬に向けた開発
 3.1 CELL FLOAT®による多数組織の構築技術
 3.2 手培養によるスクリーニングプロセス
 3.3 ピックアッププロセス
 3.4 粉砕プロセス
 3.5 自動スクリーニング装置と手培養との比較
4 結語

第2章 バイオ3Dプリンタ「レジェノバ」を用いた三次元組織構築
1 はじめに
2 三次元組織の構築
3 バイオ3Dプリンタ
4 「KENZAN方式」バイオ3Dプリンタ
5 バイオ3Dプリンタを用いた臨床開発事例
 5.1 細胞製人工血管の開発
 5.2 細胞製神経導管(Bio 3D Conduit)の開発
6 今後の展開
7 おわりに

【第Ⅳ編 応用展開】
第1章 iPS細胞を用いたヒト肝臓オルガノイドの創出技術
1 はじめに
2 器官発生プロセスの再現によるヒト立体臓器の創出
3 ヒト臓器創出技術の創薬プロセスへの応用
4 おわりに

第2章 ES/iPS細胞を用いたミニ小腸の作製
1 はじめに
2 ミニ小腸作製の細胞ソース:多能性幹細胞特性について
3 幹細胞から多細胞組織構造体を作製する
4 小腸の組織構造と機能
5 腸管オルガノイドの創生と特性
6 ミニ小腸の創生
7 高機能化オルガノイドのデバイス装置融合の可能性
8 おわりに

第3章 毛髪再生医療のための毛包原基の大量調製技術
1 はじめに
2 脱毛症治療のための毛髪再生医療
3 細胞選別現象を用いた自発的な毛包原基の形成
4 毛包原基の大量調製のための毛髪再生チップ
5 成体細胞を用いた毛髪再生
6 今後の展望

第4章 3次元培養細胞イメージングによる毒性試験の展望
1 はじめに
2 3次元培養細胞モデルの有用性
3 3次元培養細胞におけるイメージングの役割とその手法
 3.1 共焦点方式
 3.2 2光子方式
 3.3 光シート方式
 3.4 光干渉断層撮影(Optical Coherence Tomography: OCT)
4 3次元画像解析ソフトウェア
5 3次元スタック画像を使った解析の実際
 5.1 2次元での解析
 5.2 2.5次元の解析
 5.3 3次元の解析
6 まとめ

第5章 三次元生体組織モデルの構築および薬剤効果測定・毒性評価への応用
1 三次元生体組織モデルの重要性
2 組織構築の2つのアプローチ
 2.1 細胞積層法
 2.2 細胞集積法
3 心筋細胞へ適用可能な細胞コート法(濾過LbL法)の開発
4 同期拍動する三次元ヒトiPSC-CM組織体の構築
5 毛細血管様ネットワークを有する三次元ヒトiPSC-CM組織体の構築と毒性評価への応用
6 おわりに

第6章 難治性癌・癌幹細胞の3次元スフェアー培養による薬剤探索
1 はじめに
2 ヒト癌遺伝子と癌細胞の足場非依存性増殖
3 癌幹細胞(Cancer Stem Cell)のスフェロイド培養
4 癌幹細胞の3次元培養法
5 癌幹細胞のスフェロイド増殖:高速解析法
6 「PrimeSurface」96Uで増殖するスフェロイドの形態
 6.1 ヒト大腸癌細胞株HCT116
 6.2 ヒト膵臓癌細胞MiaPaCa2
 6.3 マウス由来の癌化細胞
7 NRSF:mSin3 相互作用を標的にした化合物ライブラリー
8 髄芽腫DAOYのスフェアー増殖を抑制する化合物の探索
9 まとめ

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