カテゴリ

脱石油に向けたCO2資源化技術 ―化学・生物プロセスを中心に―

  • NEW

Carbon Dioxide Capture and Utilization by Chemical Processing and Bioprocessing for Break Away from Dependence on Oil

★ 二酸化炭素(CO2)を有用物質へと変換するための化学プロセス/生物プロセスをまとめた1冊!
★ 各種基礎化学品への化学変換・人工光合成技術,微細藻類・細菌を用いたバイオ変換技術を詳述!
★ 地球温暖化対策,SDGs,ESG投資,水素社会構築などに役立つ最新知見が満載!

商品コード:
T1151
監修:
湯川英明
発行日:
2020年7月31日
体裁:
B5判・375頁
ISBNコード:
978-4-7813-1510-2
価格(税込):
72,600
会員価格(税込):
65,340
関連カテゴリ:
地球環境
新刊・近刊
地球環境 > 省エネルギー・クリーンエネルギー
地球環境 > 低環境負荷製品・製造プロセス

Review

この商品に対するご感想をぜひお寄せください。

キーワード:

二酸化炭素 / 脱炭素 / 脱石油 / カーボンリサイクル / 地球温暖化 / パリ協定 / SDGs / バイオエコノミー / ESG投資 / 水素社会 / 触媒 / 人工光合成 / クリーンエネルギー / バイオリファイナリー / 微細藻類/ 微生物

刊行にあたって

 これまで、CO2は温暖化の主犯として、回収・貯留する技術開発CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)が注力されてきたのであるが、近年、逆に資源として利用を図る挑戦的な研究開発が急速に進展している。すなわちCO2の利用研究としては、従来は間接利用として、植物を介しての技術開発(バイオマス利用)であったのに対し、直接的にCO2を出発原料として有価物へ変換するものである。少し前までは、「夢の話」が、現実に大きく近づいているのである。

 この急速な研究進展の原動力は、2014年に発生した原油価格の急落である。バイオマス利用は、原油価格が少なくとも$80/バレルの水準でなければ、化石資源に対する経済的な競争力は困難であり、バイオマス利用の事業化は大きく停滞したのであった。

 しかしながら、米国を中心とする「破壊的イノベーション推進力」は、究極的Sustainableの技術開発としてCO2資源化研究を標榜するベンチャーが続々登場する局面を拓いたのである。

 CO2資源化は、決して「永久機関の創製」ではなく《実現し得る革新技術》として認識して頂くべく、本書は、化学的プロセス、生物的プロセスの各々に関して、我が国における最新の技術開発情報を集約している。

(本書「はじめに」より抜粋)

著者一覧

湯川英明  ㈱CO2資源化研究所
富永健一  産業技術総合研究所
河村直人  ㈱CO2資源化研究所
宮岡裕樹  広島大学
市川貴之  広島大学
福原長寿  静岡大学
中村潤児  筑波大学
今井裕之  北九州市立大学
今村和馬  北九州市立大学
黎 暁紅  北九州市立大学
武石 薫  静岡大学
兼賀量一  産業技術総合研究所
尾西尚弥  産業技術総合研究所
川波 肇  産業技術総合研究所
姫田雄一郎  産業技術総合研究所
本倉 健  東京工業大学
眞中雄一  東京工業大学;産業技術総合研究所
藤原哲晶  京都大学
落合文吾  山形大学
遠藤 剛  九州工業大学
白川誠司  長崎大学
冨重圭一  東北大学
田村正純  大阪市立大学
中川善直  東北大学
鈴木亮輔  北海道大学
坂口紀史  北海道大学
菊地竜也  北海道大学
夏井俊悟  東北大学
三栗谷智之  千代田化工建設㈱
神田剛紀  千代田化工建設㈱
廣田武次  ㈱Eプラス
東條正弘  旭化成㈱
竹内勝彦  産業技術総合研究所
小泉博基  産業技術総合研究所
松本和弘  産業技術総合研究所
深谷訓久  産業技術総合研究所
崔 準哲  産業技術総合研究所
小島隆彦  筑波大学
竹田浩之  群馬大学
山本宗昭  大阪市立大学
赤柄誠人  大阪市立大学
吉田朋子  大阪市立大学
吉田寿雄  京都大学
寺島千晶  東京理科大学
中林志達  東京都立大学
手嶋勝弥  信州大学
藤嶋 昭  東京理科大学
天尾 豊  大阪市立大学
泉 康雄  千葉大学
竹下 毅  ㈱アルガルバイオ
細川聡子  東京大学
河野重行  東京大学フューチャーセンター推進機構
蓮沼誠久  神戸大学
野村俊尚  理化学研究所
持田恵一  理化学研究所
菓子野康浩  兵庫県立大学
井上(菓子野)名津子  兵庫県立大学
伊福健太郎  京都大学
戸田龍樹  創価大学
平原南萌  創価大学
岸 正敏  創価大学
田中 剛  東京農工大学
嶋田礼迪  東京農工大学
加藤淳也  広島大学
中島田 豊  広島大学
石井正治  東京大学
亀谷将史  東京大学
新井博之  東京大学
田中賢二  近畿大学
福居俊昭  東京工業大学
井上真男  京都大学
吉田天士  京都大学
左子芳彦  京都大学
平野伸一  電力中央研究所
大谷直人  ㈱CO2資源化研究所
大島義徳  ㈱大林組

目次+

<第Ⅰ編  総論>
第1章 化学プロセスによるCO2資源化の世界動向
1 緒言
2 CO2の反応性の特徴と金属による活性化
3 結言

第2章 バイオプロセスによるCO2資源化の世界動向
1 はじめに
2 発酵工業の歴史
2.1 発酵工業の黎明期(20世紀初頭~第2次世界大戦)
2.2 我が国の発酵工業の興隆期(1950年代~1980年代)
3 バイオプロセス産業の登場と展開
3.1 米国の経済新戦略:バイオプロセス産業の育成(1980年代~1990年代)
3.2 急成長するバイオプロセス産業in米国
4 おわりに

<第Ⅱ編 化学プロセス>
第1章 CO2とアルカリ金属水素化物からのメタン合成
1 はじめに
2 アルカリ金属水素化物を用いたCO2のメタン化
2.1 研究目的
2.2 実験方法
2.3 結果・考察
3 おわりに

第2章 室温雰囲気下でのCO2からのメタン製造(オートメタネーション技術)
1 はじめに
2 触媒充填型反応システムによるメタン化反応
3 構造体触媒反応システムによるメタン化反応
4 CO2を高速処理するメタン化反応
5 室温雰囲気でのメタン化反応(オートメタネーション)
6 おわりに

第3章 Cu系触媒によるCO2からのメタノール合成
1 はじめに
2 メタノール平衡収率
3 メタノール合成モデル触媒における活性点論争
4 Cu-Zn合金について
5 CO2水素化によるメタノール合成の活性点と反応機構
6 結言

第4章 メタノール合成触媒と水素化・重合触媒によるCO2からの炭化水素合成
1 はじめに
2 二酸化炭素の水素化反応
3 二酸化炭素からの炭化水素合成
3.1 ハイブリッド触媒
3.2 亜臨界流体の効果
3.3 ハイブリッド触媒を用いた二酸化炭素から炭化水素への変換
3.4 触媒のシリカ修飾による効果
4 まとめ

第5章 CO2からのジメチルエーテル直接製造法 (一段法)
1 はじめに
2 一般的なDME製造法(合成ガス,一酸化炭素からの合成法)
3 二酸化炭素からのDME直接製造法に関して
4 おわりに

第6章 CO2/ギ酸の相互高効率変換触媒の開発
1 はじめに
2 水素化によるCO2変換
2.1 ギ酸(ギ酸塩)の合成
3 ギ酸の脱水素化によるH2製造
3.1 ギ酸の脱水素化
3.2 高圧H2製造技術の開発
4 おわりに

第7章 有機分子触媒によるCO2からのギ酸シリルの合成
1 金属錯体触媒を用いるギ酸シリル合成
2 有機分子触媒を用いるギ酸シリル合成

第8章 均一系遷移金属錯体触媒による二酸化炭素を用いた有機合成反応の開発
1 ニッケル触媒を用いる塩化アリールのカルボキシル化反応
2 銅触媒とシリルボランを用いる1,2-ジエンのシラカルボキシル化反応
3 ニッケル触媒を用いるアルキンのダブルカルボキシル化反応
4 コバルト触媒を用いたアルキンのカルボキシ亜鉛化反応

第9章 CO2およびその誘導体からの環状カーボナートの合成およびポリヒドロキシウレタン合成への応用
1 背景
2 環状カーボナートの合成
3 ポリヒドロキシウレタンの合成と反応
4 ポリヒドロキシウレタンの応用
5 まとめ

第10章 温和な条件下でのCO2からの環状カーボネート合成
1 はじめに
2 大気圧下での環状カーボネート合成のための二官能性第四級ホスホニウム塩触媒の設計
3 実用的アンモニウム塩触媒を用いた環状カーボネート合成
4 ヨウ化カリウム-エチレングリコール錯体触媒を用いた実用的環状カーボネート合成

第11章 CO2とジオールからの直接ポリカーボネート合成
1 はじめに
2 二酸化炭素とアルコールからの有機カーボネート合成
3 二酸化炭素と様々なジオールとの反応とポリカーボネート合成
4 酸化セリウムとニトリル脱水剤を用いる二酸化炭素とα,ω-ジオールからのポリカーボネート合成

第12章 CO2還元によるカーボンナノチューブの生成
1 はじめに
2 基本概念
3 実験室での実証装置
4 溶融CaCl2-CaOを用いた反応条件
5 生成する炭素
6 COガスの生成量増加策
7 ガス気泡の形態
8 今後期待される展開

第13章 CO2を原料とした高効率合成ガス製造技術(CT-CO2AR®技術)
1 はじめに
2 CT-CO2AR触媒概説
2.1 リフォーミング反応とその制約
2.2 CT-CO2AR触媒の特徴
2.3 CT-CO2AR触媒における炭素析出抑制機能と反応メカニズム
2.4 低H2O/CH4条件運転の優位性
3 CT-CO2AR®技術の優位性検討
4 おわりに

第14章 CO₂燃料・資源化技術(CCFR法) ―Carbon dioxide capture fuel recycle―

第15章 CO2を原料とする非ホスゲン法ポリカーボネート製造プロセス
1 はじめに
2 DPC合成
2.1 DPC製造法の比較
2.2 旭化成DPCプロセス
2.3 CO2が関与する反応の難しさと反応の分割-熱力学的観点から
2.4 進行困難な平衡反応の克服
2.5 反応蒸留
3 重合
4 旭化成法PCの特長
5 新しい旭化成DPCプロセス
6 まとめ

第16章 Direct Air CaptureによるCO2からの有用化学製品の製造法開発:カルバミン酸塩を用いた尿素誘導体の合成
1 温室効果ガスとしてのCO2とその排出量削減の現状
2 DACによるCO2の有用化学製品への転換
3 尿素誘導体の重要性,用途
4 DACによる尿素誘導体の合成

第17章 ニッケル錯体触媒によるCO2光還元

第18章 銅錯体光増感剤とマンガン錯体触媒によるCO2還元光触媒
1 はじめに
2 金属錯体光触媒の構成要素
3 銅(Cu)錯体レドックス光増感剤とマンガン(Mn)錯体触媒を用いたCO2還元光触媒反応
4 光触媒反応の機構
5 さいごに

第19章 光触媒表面反応に着目したCO2光還元の高効率化・高機能化
1 はじめに
2 銀担持酸化ガリウム(Ag/Ga2O3)光触媒の二酸化炭素還元反応メカニズム
3 Ag助触媒の幾何学的構造・電子状態の二酸化炭素還元反応メカニズムへの影響
4 酸化ガリウム(Ga2O3)光触媒の表面・結晶構造の改質
5 水を電子源とした二酸化炭素還元反応活性に及ぼす酸化ガリウム(Ga2O3)光触媒の表面・結晶構造の効果
6 おわりに

第20章 チタン酸塩微結晶光触媒によるCO2光還元
1 はじめに
2 高選択的CO2還元反応
3 チタン酸カルシウムによるCO2還元反応
4 チタン酸ナトリウムによるCO2還元反応
5 チタン酸カリウムへの二元助触媒の添加効果
6 おわりに

第21章 ダイヤモンド半導体によるCO2の光電気化学還元
1 はじめに
2 Agナノ粒子を助触媒としたダイヤモンド光電極によるCO2還元
3 ダイヤモンド表面処理効果によるCO2還元電位の低減
4 おわりに

第22章 生体触媒によるCO2光還元
1 はじめに
2 色素分子とギ酸脱水素酵素とを利用した二酸化炭素のギ酸への光還元
3 色素分子と複数の生体触媒を用いた二酸化炭素のメタノールへの光還元
4 まとめ

第23章 CO2の光燃料化と光燃料電池への応用
1 背景と目的
2 方法
3 銀–酸化ジルコニウム光触媒
4 光燃料電池への応用および光燃料電池によるCO2光燃料化の加速
5 まとめ

<第Ⅲ編 生物プロセス>
第1章 クロレラおよびヘマトコッカスの大量培養技術と産業応用
1 独立栄養vs従属栄養
2 開放系vs閉鎖系
3 世界の培養施設
4 クロレラvsヘマトコッカス
5 大量培養の諸問題
6 低コスト化の実現

第2章 ラン藻によるバイオコハク酸生産
1 はじめに
2 ラン藻によるコハク酸生産
3 動的メタボローム解析に基づくコハク酸生産ラン藻の育種
4 おわりに

第3章 ユーグレナの高効率ゲノム編集技術
1 はじめに
2 ユーグレナの特徴
3 微細藻類を対象としたDNAフリーのゲノム編集技術について
4 ユーグレナにおけるゲノム編集技術の開発
5 今後の展望

第4章 珪藻の産業応用に向けた基盤技術開発
1 はじめに
2 珪藻について
3 ツノケイソウの野外大量培養
4 有用物質の回収方法の開発
5 効率の高い形質転換技術
6 おわりに

第5章 微細藻類による排水・排ガスを利用した二酸化炭素固定化技術
1 はじめに
2 開放型微細藻類培養ポンド(HRAP)による排水・汚水処理―排水処理とCO2固定のカップリング―
3 閉鎖型フォトバイオリアクターによる排水・排ガス処理
4 微細藻類培養技術と他の要素技術の組み合わせによる循環型社会構築へ

第6章 気体透過型バッグリアクターを用いた微細藻類の高密度培養によるCO2回収
1 はじめに ― 閉鎖系バイオリアクターでの微細藻類高密度培養における課題
2 気体透過膜による溶存酸素除去の検討
2.1 素材および形状の検討
2.2 気体透過型フラットパネルリアクターの性能評価
3 気体透過型リアクターによるCO2の回収
4 課題と今後の発展
5 おわりに

第7章 海洋微細藻による燃料・化成品生産技術
1 はじめに
2 海洋微細藻の商業利用の現状
3 海洋微細藻を用いたグリーンオイル生産プロセス
4 海洋微細藻を用いたオイルと有価物の併産
5 新たなプロセス設計に向けた取り組み
6 おわりに

第8章 ホモ酢酸菌によるH2-CO2代謝経路と化学品生産
1 はじめに
1.1 再生可能エネルギーを用いたもう1つの生物学的CO2資源化
1.2 ホモ酢酸菌とは
2 ホモ酢酸菌によるH2-CO2代謝経路
2.1 Wood-Ljungdahl pathway全体構造
2.2 水素からの還元力利用
2.3 正味のエネルギー獲得
3 ホモ酢酸菌を利用した多様な化学品生産
3.1 可能性
3.2 酢酸を基質とした2段階発酵による物質生産
3.3 酢酸以外に生産する化学品の利用
3.4 代謝改変による化学品生産
4 おわりに

第9章 効率的な生物炭酸固定経路を探る
1 はじめに
2 既知の生物炭酸固定経路とそのエネルギー要求性
2.1 カルビンベンソンサイクル
2.2 アセチル-CoA経路
2.3 還元的TCAサイクル
2.4 Dicarboxylate/4-Hydroxybutyrate cycle
2.5 3-Hydroxypropionate/4-Hydroxybutyrate cycle
2.6 3-Hydroxypropionate cycle
3 工学的にデザインされた炭酸固定経路とそのエネルギー要求性
3.1 Design and analysis of synthetic carbon fixation pathways
3.2 Assimilation of formic acid and CO2 by engineered Escherichia coli equipped with reconstructed one-carbon assimilation pathways
4 おわりに(生物炭酸固定の将来展望)
4.1 アセチル-CoA
4.2 グリオキシル酸

第10章 遺伝子組換え水素酸化細菌によるCO2からの共重合ポリエステルの生合成
1 CO2資源化と独立栄養生物
2 水素酸化細菌の生態と有用性
3 独立栄養条件での水素酸化細菌の培養
4 共重合ポリエステルPHBHの有用性
5 ポリエステル生合成機構とその改変
6 CO2を原料とする生分解性プラスチック実用化に向けて

第11章 次世代エネルギー・炭素循環を目指したH2生成型CO酸化菌の包括的研究
1 一酸化炭素と水素を繋ぐ微生物
2 CODHを利用したCO2還元技術プラットフォーム
3 H2生産微生物触媒としてのH2生成型CO酸化菌
4 新奇H2生成型CO酸化菌の探索
5 まとめ

第12章 電気を用いたCO2の微生物変換
1 緒言
2 電気化学的反応と微生物反応を融合した新しいプロセス,MES
3 MESの原理とアプリケーション
3.1 MESの原理
3.2 電極からの直接的な電子供与によるCO2変換(DET)
3.3 間接的な電子供与
4 MESの実用化に向けた課題と今後の展望
5 結言

第13章 CO2バイオコンビナート事業構想
1 会社概要
2 事業分野
3 当社技術概要と優位性
4 個別事業の内容および事業計画
4.1 Biofeeds事業
4.2 Protein事業
4.3 化学品事業
4.4 バイオ燃料事業

第14章 水素細菌によるCO2からのポリ乳酸製造と建設業への応用展望
1 はじめに
2 水素細菌によるCO2からの有用物製造技術への期待の背景
2.1 材料の脱石油に向けて
2.2 水素細菌によるポリ乳酸製造技術の概要
2.3 ポリ乳酸の現状
3 総合建設会社としてCO2の有効技術により実現したいこと
3.1 新規事業としての魅力
3.2 建設業の利用資材への適応
3.3 CO2ポリ乳酸TMによる脱石油を可能にする地域連携の実現
4 まとめ

Recommend

この商品を買った人はこちらの商品も購入しています。