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月刊BIOINDUSTRY 2020年8月号

【特集】再生誘導剤(セルフリーな再生医療)の展望

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商品コード:
I2008
発行日:
2020年8月12日
体裁:
B5判
ISBNコード:
-
価格(税込):
4,950
ポイント: 45 Pt
関連カテゴリ:
雑誌・定期刊行物 > 月刊バイオインダストリー
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著者一覧

酒井芳紀 大阪大学
奥田直樹 国立循環器病研究センター
宮川 繁 大阪大学
平田陽一郎 北里大学 
佐田政隆 徳島大学
田邊克幸 岡山大学病院
小屋俊之 新潟大学
松本邦夫 金沢大学
中川敬也 国際医療福祉大学
奥野龍禎 大阪大学
白石直之 大阪大学
望月秀樹 大阪大学
櫨川 舞 福岡大学
内田享弘 武庫川女子大学
矢嶋真心 兵庫医科大学病院
金谷知潤 大阪大学
河村拓史 大阪大学
上野高義 大阪大学
戸田宏一 大阪大学
倉谷 徹 大阪大学
澤 芳樹 大阪大学

目次 +   クリックで目次を表示

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【特集】再生誘導剤(セルフリーな再生医療)の展望

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再生誘導剤の開発展開
Development of Regenerative Inducer

 我々は,「炎症とプロスタグランジンに関する自然治癒メカニズムの基礎的研究を通じて見出した体内再生因子誘導剤(再生誘導剤)は,単一物質で炎症,虚血,線維化等組織損傷を伴う多くの疾患を治癒する」との仮説の基に多くの専門家と共同研究を行い,多種疾患に対する効果の検討を行った。その結果,本再生誘導剤は,局所疾患部位では,血管新生作用,抗線維化作用,抗アポトーシス作用,及び抗炎症作用等を示し,広範囲損傷部位では,骨髄間葉系幹細胞(MSC)の動員・集積作用等を示すことにより,心臓,肺臓,腎臓,肝臓,膵臓,骨,血管閉塞,及び神経変性疾患等多種の疾患に対して傷害部位を治癒することを確認した。
各種体内再生因子誘導による自然治癒力を増強した再生誘導剤の開発は,細胞を用いた再生医療に比し,緊急性,経済性,安全性,汎用性等に優れており,「飲み薬で再生医療」をも可能とする細胞を用いない全く新しい再生医療に成り得ることが示唆された。

【目次】
1 はじめに
2 医薬品開発の変遷
3 自然治癒力を増強した再生誘導剤の開発
4 プロスタグランジンの体内再生因子誘導作用
5 再生医療(細胞・遺伝子治療)の問題点と再生誘導剤
6 現在上市されている細胞治療及び遺伝子治療
7 再生誘導剤の位置付け
8 YS-1301類開発の立ち位置
9 再生誘導剤の特徴と競争優位性
10 YS-1301の耐性抑制作用
11 IP受容体作動薬(ベラプロスト)とTXA2合成酵素阻害薬(オザグレル)
12 YS-1301は,体内再生因子誘導剤(再生誘導剤)
13 YS-1301類の各種疾患モデルへの効果
14 YS-1301の製剤改良
15 YS-1301の各種製剤の特性
16 開発パイプライン
17 謝辞
18 あとがき
19 再生誘導剤(YS化合物)に関する論文・学術発表,及び特許出願状況

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拡張型心筋症に対するONO-1301 を用いた再生治療
Regenerative Therapy Using ONO‒1301 for Dilated Cardiomyopath

 拡張型心筋症は治療抵抗性の難病で,根本的治療が心臓移植しか存在しないが,ドナー心不足により治療困難な患者が数多く存在する。そのため,心臓移植に代わる治療の開発が急務である。ONO-1301 を拡張型心筋症早期から継続的に経口投与することで,心不全の進行を抑制するという,新たなアプローチによる再生治療の可能性を示す。

【目次】
1 ONO-1301 と心臓再生治療
2 拡張型心筋症における再生医療の位置づけ
3 拡張型心筋症モデルハムスターに対するONO-1301の長期経口投与の効果
4 おわりに

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YS-1402 皮下投与,および心筋投与における虚血性心筋症に対する効果の検討
Beneficial Effect of YS‒1402 on Rat Ischemic‒reperfusion Injury Model

 我々は,プロスタサイクリン製剤であるYS-1402 をラット心筋虚血・再灌流モデルに皮下投与することにより,心機能低下と心筋リモデリングを抑制する作用を示した。日本人における重要な死因の一つである,虚血性心疾患およびその後の慢性心不全への臨床応用が期待される。

【目次】
1 はじめに
2 方法
3 結果
4 まとめ

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YS-1402 による慢性腎臓病の治療効果
Therapeutic Effects of YS‒1402 on Chronic Kidney Disease

 慢性腎臓病は,末期腎不全とともに心血管イベントのリスクとなるが,その進行を抑制する治療戦略は未だ不十分であり,特に糖尿病性腎症と腎硬化症に対する治療ニーズは高い。本項では,これらの病態とともに,YS-1402 による糖尿病性腎症及び腎線維化に対する動物実験での治療効果を検討し,慢性腎臓病に対する新たな治療薬となる可能性について概説する。

【目次】
1 はじめに
2 腎臓とプロスタサイクリン
3 糖尿病性腎症の進展機序
4 糖尿病性腎症に対するYS-1402の治療効果
5 腎硬化症と線維化
6 腎線維化に対するYS-1402の治療効果
7 おわりに

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YS-1301 およびYS-1402 皮下投与におけるマウス喘息モデルに対する効果
Effects of Subcutaneous Administration of YS‒1301 and YS‒1402 on Murine Asthma Model

 慢性気道炎症が主病態とされる気管支喘息において,吸入ステロイド薬(ICS)をはじめとする抗炎症薬は治療の柱である。一方で同時に存在する気道リモデリングも臨床的に重要で,症状に直結することも多い。気道狭窄に対して,気管支拡張剤が使用されるが,気道リモデリングに影響を与える薬剤が少ないのが現状である。YS-1301 またはYS-1402 はトロンボキサン合成酵素阻害作用を併せ持つ新規プロスタサイクリンアゴニストで,抗炎症および抗リモデリング効果を持つ数少ない薬剤であり,その効果についてマウス喘息モデルにおける解析結果を解説する。

【目次】
1 はじめに
2 YS-1301皮下投与における難治性喘息に対する効果
3 YS-1402皮下投与における難治性喘息に対する効果
4 おわりに

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増殖因子(HGF)パスウェイを介した肝傷害・肝線維化の抑制
Suppression of Hepatic Faimure and Fibrosis Through Growth Factor(HGF)Pathway

 YS-1301 は,急性肝傷害に対して肝細胞死を阻止し,肝傷害を強く抑制する一方,慢性肝傷害による肝臓の線維化を改善した。YS-1301 はHGF の発現を強く促す活性をもち,YS-1301 の薬効はHGF の中和により減弱した。YS-1301 はHGF発現促進→MET 活性化を介して肝傷害阻止・線維化改善作用を発揮する。

【目次】
1 HGFとMET受容体
2 YS-1301によるHGF産生促進
3 YS-1301→HGF誘導を介した肝傷害抑制
4 YS-1301→HGF誘導を介した肝線維化抑制
5 MET受容体活性化による再生・治癒促進医薬の展望

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重症下肢虚血に対するYS-1402 投与による血管再生および骨格筋再生療法の構築
Administration of a Slow Release Synthetic Prostacyclin Agonist Promoted Angiogenesis and Skeletal Muscle Regeneration for Limb Ischemia

 重症下肢虚血疾患(CLI)は,血管の途絶による虚血がメインの病態であるが,崩壊していく骨格筋をいかにして再生させるかも重要であり,血管新生および組織再生効果を併せ持つような新しい治療法の開発が期待されている。我々は,低分子合成化合物による各種体内再生因子誘導剤として,YS-1301 を新しく見出し,そのDDS(Drug Delivery System)製剤であるYS-1402 を作製した。これらの製剤はCLI に対し機能的な血管新生と骨格筋の再生を促進し,下肢虚血を改善する新しいCell Free 型再生誘導剤になり得る可能性がある。

【目次】
1 はじめに
2 YS-1402投与による血管再生
3 YS-1402投与による骨格筋再生
4 まとめ

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YS-1402 のALS に対する効果の検討
The Beneficial Effect of YS‒1402 on ALS

 筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis:ALS)は運動ニューロンが選択的に変性,脱落する致死的神経変性疾患であるが,病巣の低酸素およびHGF やVEGF といった体内再生因子の病態への関与が示唆されてきた。我々はこれらの病態を改善させ得る薬剤としてYS-1402 に注目し,ALS モデルマウスへの有効性を検討した。YS-1402 の単回皮下投与によりALS モデルの運動機能の改善および体重の増加が認められ,治療薬候補となりうることが示唆された。

【目次】
1 筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis:ALS)
2 ALSの病態,特に低酸素および血流障害との関連について
3 ALSモデルマウスに対するYS-1402の効果
4 おわりに

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YS-1301 の血管新生作用と実用化のための再生医療製剤の開発
The Angiogenic Effect of YS‒1301 and Development of Practical Regenerative Medical Formulation

 YS-1301 は,PGI2 誘導体の中から体内再生因子誘導剤として見出された新規低分子化合物である。本稿では,YS-1301 の有する血管新生作用に着目し,その実用化のために開発されたYS-1301 含有マイクロスフェア製剤のセルフリーな再生医療製剤としての有用性と今後の展望について述べる。

【目次】
1 はじめに
2 YS-1301の血管新生作用の作用機序
3 YS-1301含有マイクロスフェア製剤の血管新生作用
4 セルフリーな血管新生作用を有する再生医療製剤の重要性とその展望
5 おわりに

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YS-1301 の脳保護作用とその徐放性製剤の脳梗塞治療薬としての有用性
The Neuroprotective Effects of YS1301 and Usefulness of YS‒1301 Loaded PLGA Microspheres, as a Therapeutic Medicine for Cerebral Ischemia

 プロスタグランジン誘導体YS-1301 は,体内再生因子誘導作用を有し,脳虚血後の学習障害に対し顕著な改善効果を発揮する。本稿では,脳虚血ラットモデルを用いたYS-1301 の学習障害・短期作業記憶障害の改善作用を紹介し,YS-1301 およびその徐放性製剤の脳梗塞治療薬としての有用性について述べる。

【目次】
1 はじめに
2  MCAOモデルラットを用いたYS-1301原末の1日2回の反復経口投与の梗塞巣形成抑制効果と治療可能時間
3  4-VOモデルラットを用いたYS-1301原末反復経口投与の学習障害の改善効果
4  4-VOモデルラットを用いたYS-1301マイクロスフェア製剤単回皮下投与の短期作業記憶障害の改善効果
5 脳梗塞治療のための今日の再生医療の現状と将来の展望
6 おわりに

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心筋虚血再灌流障害に対する疾患局所集積性nanoparticle 製剤;YS-1603 の効果の検討
Prostacyclin Analogue‒Loaded Nanoparticles(YS‒1603)Attenuate Myocardial Ischemia/ Reperfusion Injury in Rats

 YS-1603 は,ナノサイズ粒子であり,ポリエチレングリコールをその表面に持つ構造によりステルス性を高めている。その結果,虚血心筋組織に特異的に集積し,組織中薬物濃度が維持,延長され,疾患局所において有効に血管新生性効果,抗炎症性効果により心保護効果発揮を発揮する。

【目次】
1 はじめに
2 研究方法
3 研究結果
4 心筋虚血再灌流傷害に対するYS-1603の治療効果に関するメカニズム
5 結語

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肺高血圧症モデルに対するYS-1603 の効果の検討
Effect of YS‒1603 for the Pulmonay Artery Hypertension Rat

 ONO1301 はProstacyclin 作動作用であり,新規肺高血圧薬として期待されるが,全身の副作用が問題である。Nano 粒子に薬剤を封入し投与する事で,障害部位特異的に作用する事が期待される。今回,Sugen/hypoxia 誘導の肺高血圧ラットにおいて,ONO1301 ナノ製剤が肺高血圧肺に特異的に取り込まれ,肺高血圧を組織学的,血行動態的に改善させることを示した。

【目次】
1 はじめに
2 YS-1301内包リポソームナノスフェアー製剤(YS-1603)
3 YS-1301の肺高血圧薬としての作用
4 モノクロタリン誘発ラット肺高血圧症モデルの対する効果の検討
5 肺高血圧モデルラットの作成
6 肺高血圧モデルラットにおけるNano drugの組織分布
7 肺高血圧に対するYS-1603の効果
8 おわりに

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