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ストレッチャブルエレクトロニクスの技術動向

Trend of Developments and Applications of Stretchable Electronics

★ トレードオフの関係にある耐久性と伸縮性を両立させるための材料技術から応用技術まで!
★ ウエアラブルデバイスの技術開発の進展に伴い、より求められるストレッチャブル化!
★ ストレッチャブルエレクトロニクスの進展により、装着感の無いデバイスの開発を目指す!

商品コード:
T1182
監修:
関谷 毅
発行日:
2021年6月28日
体裁:
B5判、228頁
ISBNコード:
978-4-7813-1607-9
価格(税込):
69,300
ポイント: 630 Pt
関連カテゴリ:
エレクトロニクス
エレクトロニクス > 半導体・電子材料
エレクトロニクス > ウェアラブル・ヘルスケア
新材料・新素材 > 繊維・フィルム・膜

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キーワード:

ストレッチャブル / 伸縮 / 伸長 / フレキシブル / ウェアラブル / センサ / デジタル医療 / IoT / エラストマー / ポリウレタン / 液体金属 / 切り紙構造 / シワ構造 / 導電性高分子 / 導電性ペースト / ストレッチャブルFPC / 伸縮性繊維 / 液晶ゲル / ソフトロボティクス / 有機トランジスタ / ストレッチャブル回路 / 疲労 / き裂 / 応力 / 歪み

刊行にあたって

 新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、人々の行動様式が大きく様変わりした2020年。とりわけデジタル技術への期待が急速に高まり、多くの社会生活で活用され、改めてその利便性や価値に気づくことになりました。ナノサイエンスやナノテクノロジーに支えられたデジタル技術の進化はすさまじく、指数関数的な進展は人の想像を超えて進んでいきます。

 デジタル機器に多様性が求められる中、既存のシリコンエレクトロニクスでは実現が困難な新しい電子デバイスとして、大きな期待を集めているのが伸縮自在なエレクトロニクス“ストレッチャブル・エレクトロニクス”です。ゴムのように伸縮自在で、金属のように電気を流す伸縮導体など、材料を中心とした研究開発が盛んにおこなわれてきましたが、近年では半導体やこれらを高度に集積化したストレッチャブルシステムなども報告されるようになりました。ストレッチャブル・エレクトロニクスは、現在のデジタル社会を支えるシリコンLSIと相補的な関係の中で新しい社会価値をもたらしてくれる可能性があります。

 伸長歪や折り曲げにより構造が変化する中でも安定して動作する優れたストレッチャブル・エレクトロニクスを作り上げるためには、材料、プロセス、デバイス、物性、回路、システム、情報処理といった広範な技術領域の融合が不可欠です。本書は、世界の最前線でストレッチャブル・エレクトロニクスの研究開発や事業化を進めておられる多くの研究者の玉稿により実現することができました。大変ご多忙の折、ご執筆くださりました皆様に、この場を借りて、心より御礼申し上げます。

(本書「はじめに」より抜粋) 

著者一覧

関谷毅  大阪大学
東原知哉  山形大学
荒木徹平  大阪大学
山﨑智博  ㈱ワイ・ドライブ
金子新  東京都立大学
高橋伸  大日精化工業㈱
志村智一  山梨大学
佐藤正樹  山梨大学
藤原由紀乃  山梨大学
奥崎秀典  山梨大学
河野剛士  豊橋技術科学大学
松本博文  フレックスリンク・テクノロジー㈱
山岸健人  シンガポール工科デザイン大学
藤枝俊宣  東京工業大学
山根憲康  三菱ケミカル㈱
柴田陽生  東北大学
石鍋隆宏  東北大学
藤掛英夫  東北大学
赤石良一  大阪有機化学工業㈱
古志知也  産業技術総合研究所
山﨑貢  ㈱SHINDO
横田知之  東京大学
前中一介  兵庫県立大学
樋口行平  アフォードセンス㈱
西澤松彦  東北大学
武居淳  産業技術総合研究所
関口貴子  産業技術総合研究所
太田裕貴  横浜国立大学
菅原徹  大阪大学

目次 +   クリックで目次を表示

第1章 ストレッチャブル・エレクトロニクスの展望
1 背景と目的
2 物質の機械的特性と電気的特性
3 具体的事例
 3.1 生体活動電位センサシステム
 3.2 構造物の状態計測用大面積シート型センサシステム
4 まとめ


【材料編】

第2章 π共役高分子の精密設計に基づくストレッチャブル電子デバイス材料の開発
1 はじめに
2 半導体高分子鎖を有するブロック共重合体の創成
 2.1 ABA型トリブロック共重合体の設計
 2.2 ABA型トリブロック共重合体薄膜のモルフォロジー変形挙動
3 側鎖に応力緩和ユニットを有する半導体高分子
 3.1 Y字側鎖基を有するイソインディゴ骨格含有半導体高分子の設計
 3.2 イソインディゴ骨格含有半導体高分子のモルフォロジー変形
4 おわりに

第3章 ストレッチャブル導電性材料の研究動向と応用事例
1 はじめに
2 ストレッチャブル配線の研究動向
3 ストレッチャブル配線を用いた応用事例
 3.1 ウェアラブル脳波計
 3.2 インプランタブル脳波計
4 おわりに

第4章 グラファイト系伸縮性ストレッチャブル導電性ペーストの開発
1 現在の伸縮性ストレッチャブル導電ペーストの開発動向と用途展開
 1.1 印刷電子分野における適用
2 グラファイト系材料を使用するメリット
3 弊社の伸縮性ストレッチャブル導電性ペースト
4 実用化実証テスト例
5 バインダー成分の種類
6 おわりに

第5章 トランスファプリントによる微細構造作製とMEMS応用
1 はじめに
2 トランスファプリントの原理
3 トランスファプリントによる3次元立体構造・微小機械要素の作製
4 原子拡散接合を援用したトランスファプリント
5 トランスファプリントで作製したマイクロ振動子
6 トランスファプリントとインクジェットとの複合化によるMEMS作製
7 おわりに

第6章 ポリウレタンのウェアラブルデバイス・ストレッチャブルデバイスへの応用
1 ポリウレタン
 1.1 ポリウレタンとは
 1.2 ポリウレタンの構造
 1.3 ポリウレタンの特徴
2 ウェアラブルデバイス・ストレッチャブルデバイスへの応用
 2.1 ポリウレタンの高機能化
 2.2 ウェアラブルデバイス・ストレッチャブルデバイスに適した特性
 2.3 各種ポリウレタンと用途例

第7章 伸縮性を有する高導電性PEDOT:PSSフィルム
1 はじめに
2 PEDOT:PSS-PGフィルム
 2.1 電気伝導度
 2.2 結晶構造
 2.3 熱安定性
 2.4 力学特性
3 伸縮性電極への応用
4 おわりに

第8章 Kirigami構造に倣った超伸縮性バイオプローブデバイス
1 はじめに
2 Kirigami構造のモデル化
3 Kirigamiデバイスの製作と諸特性
4 Kirigamiデバイスの神経計測応用
 4.1 マウス脳組織からの皮質脳波計測
 4.2 マウス心臓からの心電図計測
 4.3 マウス筋電位計測
5 まとめ

第9章 ストレッチャブルFPCの技術開発動向
1 ストレッチャブルFPC開発の背景
2 3D成型FPC(3D-forming Flex Circuits)による伸縮FPC開発
 2.1 FPC形状保持機能の必要性
 2.2 3D成型FPCの開発
 2.3 3D成型FPCの応用例
3 一体成型FPC(molding Flex Circuits)
 3.1 一体成型によるFPCへの伸縮機能付与
 3.2 複雑な動的曲げへの対応
4 ストレッチャブルFPC(Stretchable FPCs)
 4.1 ストレッチャブルFPCの代表構造
 4.2 ストレッチャブルFPCによるウェアラブル商品の開発
5 全ストレッチャブルFPC(Whole-Stretchable FPCs)の開発とワイヤレス・パッチ応用

第10章 柔らかい生体組織に馴染む「ナノ薄膜エレクトロニクス」の創製と応用
1 はじめに
2 高分子ナノ薄膜の力学・接着特性とナノ薄膜エレクトロニクスの創製
3 皮膚に貼り付けるだけで筋肉の動きを計測可能な電子ナノ絆創膏の開発
 3.1 導電性高分子PEDOT:PSSからなるナノ薄膜「電子ナノ絆創膏」
 3.2 「切り紙」から着想を得たアスリート用ウェアラブル筋電計測デバイス
4 インクジェット印刷によるナノ薄膜上への配線形成と生体計測への応用
 4.1 皮膚の僅かな変形を検出するナノ薄膜型歪みセンサの開発
 4.2 脳深部の活動電位を計測可能なナノ薄膜型神経電極の開発
5 無線給電用ナノ薄膜型アンテナの開発
6 まとめと今後の展開

第11章 フレキシブル/ストレッチャブルなエポキシ樹脂フィルム
1 高分子エポキシフィルム
 1.1 熱的特性
 1.2 機械的特性
 1.3 光学的特性
 1.4 その他の特性
 1.5 フレキシブルな高分子エポキシフィルムの応用可能性検討
2 ストレッチャブルなエポキシフィルム
 2.1 熱的特性
 2.2 機械的特性
 2.3 光学的特性
 2.4 伸縮性エポキシフィルムの応用可能性検討
3 まとめと将来展望

第12章 ストレッチャブルなディスプレイに向けた液晶ゲルの開発
1 はじめに
2 液晶ゲルの形成
 2.1 ゲルの定義と分類
 2.2 材料の選定と液晶のゲル化
 2.3 液晶ゲルの光学特性に対する温度制御の効果
3 色素をドープした液晶ゲルの電気光学特性
4 変形耐性と構造回復
5 おわりに

第13章 UV硬化型アクリルエラストマー材料
1 ウェアラブル分野における伸縮性材料の動向
2 UV硬化型 高柔軟,高伸長アクリル系エラストマーの開発
3 伸縮性導電材料の開発
4 誘電エラストマー材料の開発
5 伸長性有機圧電材料の開発

第14章 伸縮性配線に生じるき裂と断線の自己修復技術
1 はじめに
2 伸縮性配線におけるき裂
3 断線の自己修復技術
4 おわりに

第15章 ウエアラブルセンサー用導電ストレッチテープ
1 はじめに
2 素材の選定
3 「イーストレッチ」の組織
4 繰り返し試験による電気抵抗の変化
5 防水性能の付与
 5.1 ポリウレタンフィルムをサンドイッチ状に加工
 5.2 シリコーン樹脂を塗布
 5.3 ポリエチレン系熱可塑性フィルムの加工


【応用編】

第16章 フレキシブル/ストレッチャブル電子回路
1 はじめに
2 フレキシブル電子回路
 2.1 フレキシブル有機電子回路
 2.2 ウルトラフレキシブル電子回路
3 ストレッチャブル電子回路
 3.1 網目構造のストレッチャブル電子回路
 3.2 アイランド構造を用いたストレッチャブル電子回路
 3.3 3次元構造を用いたストレッチャブル電子回路
 3.4 材料自体のアプローチ
4 フレキシブル/ストレッチャブル電子回路の生体・医療デバイス応用
5 最後に

第17章 絆創膏型生体センサ
1 はじめに
2 絆創膏型デモシステム
3 Vitalgram
 3.1 ハードウエア構成
 3.2 オペレーション
 3.3 Vitalgram CT
 3.4 計測例
4 おわりに

第18章 柔らかい酵素電極によるバイオ発電スキンパッチ
1 はじめに
2 ソフト酵素電極システム
 2.1 伸縮性酵素電極とバイオ発電シート
 2.2 直列化した高電圧バイオ電池
3 創傷治癒パッチ
4 経皮投薬パッチ
5 エレクトロクロミックタイマーとマイクロニードルポンプ
6 おわりに

第19章 シワ構造を用いたストレッチャブルデバイス
1 はじめに
2 シワ構造の利点
3 塑性材料を用いたシワ構造ストレッチャブル電子デバイス
4 まとめと今後の展望

第20章 単層カーボンナノチューブを用いたストレッチャブルセンサーとトランジスタ
1 カーボンナノチューブとは
2 単層CNTひずみセンサー
3 単層CNTストレッチャブルトランジスタ

第21章 液体金属を利用したストレッチャブルデバイス
1 ガリウム系液体金属
2 液体金属を利用した圧力センサ
3 温度・湿度・酸素ガス・光を計測できる液体金属を利用した電気化学センサ
4 液体金属を利用したヘルスケアスマートデバイス
5 おわりに

第22章 フレキシブル・ストレッチャブル熱電変換デバイスの開発
1 はじめに
2 熱電変換技術
 2.1 フレキシブル・ストレッチャブル熱電変換デバイスの設計指針
 2.2 フレキシブル熱電デバイスの作製法方と変換特性
 2.3 フレキシブル熱電変換デバイスの機械的信頼性
3 ウェアラブル用小型フレキシブル・ストレッチャブル熱電デバイスの開発
 3.1 小型フレキシブル熱電変換デバイスの開発
 3.2 小型ストレッチャブル熱電変換デバイスの開発