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月刊ファインケミカル 2022年6月号

【特集】バイオマスリファイナリーの最新動向―高効率化学変換への道―

★地球温暖化対策と持続可能な社会の実現に向け,化石原料の代替として,再生可能なバイオマスが以前にも増して注目されている。バイオマス由来原料から有用な化成品や高分子素材を高効率に製造するため,反応プロセスや固体触媒の開発が活発に進められている。本特集ではバイオマスリファイナリーの最新動向について取り上げる。

商品コード:
F2206
発行日:
2022年6月15日
体裁:
B5判
ISSNコード:
0913-6150
価格(税込):
7,700
ポイント: 70 Pt
関連カテゴリ:
雑誌・定期刊行物 > 月刊ファインケミカル
ファインケミカル > 触媒・酵素・天然物
新材料・新素材 > バイオマス素材
ファインケミカル > 合成技術・製造プロセス開発

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著者一覧

山口有朋 (国研)産業技術総合研究所
兼橋真二 東京農工大学
淺田元子 徳島大学
中村嘉利 徳島大学
水垣共雄 大阪大学
恩田歩武 高知大学
山田敦士 UBE(株) 
生田淳也 UBE(株) 
山本祥史 (株)ハイケム東京研究所
富永健一 (国研)産業技術総合研究所 
寺島健仁 東京農業大学
岡田 至 東京農業大学
冨澤元博 東京農業大学
城島輝臣 アグロサイエンス通信

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【特集】バイオマスリファイナリーの最新動向―高効率化学変換への道―

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バイオマスに含まれるリグニンの有用化学物質への変換     
Lignin Depolymerization into Aromatic Monomers
 
 バイオマスは再生可能な炭素資源であり,現在石油から作られているプラスチックの代替化成品を製造可能なことから,化成品原料へ変換する技術開発が進められている。プラスチックの原料となるエチレンやプロピレンは,バイオマスから比較的容易に製造可能であるが,芳香族化合物をバイオマスから製造することは困難である。木質バイオマスに含まれるリグニンは,芳香族化合物がランダムに結合しており,分解することにより芳香族化合物が得られることが期待されるが,現在ほとんど有効利用されていない。我々は,超臨界水中で担持金属触媒を用いることにより,リグニンの芳香族化合物間の結合を切断し,芳香族モノマーが得られることを明らかにした。

【目次】
1.はじめに
2.リグニンモデル化合物の分解反応
3.リグニン分解反応の収率予測
4.オルガノソルブリグニンの分解反応
5.おわりに

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未利用非可食バイオマスを原料とする機能材料の開発
Development of Functional Green Products derived from Non-Edible Biomass
 
 2050年のカーボンニュートラル社会の実現に向け,地球温暖化問題,資源・エネルギー問題,プラスチック諸問題の解決は必要不可欠となっている。本稿では,未利用非可食バイオマスのひとつであるフェノール性植物油脂の有効利用の重要性とこれらを原料とする機能性バイオマスプラスチックの創出について解説する。

【目次】
1.はじめに
2.未利用非可食バイオマスとしてのカシューナッツの殻油
2.1 室温・無溶剤硬化のフレキシブルエポキシポリマー
2.2 室温・無溶剤の光硬化性透明ポリマー
3.まとめ

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リグノセルロース系バイオマスを原料とした高植物度機能性化成品の製造       
Production of High Bio-Based Content Functional Materials from Lignocellulosic Biomass

 リグノセルロース系バイオマスの一つであり,成長が著しく早い孟宗竹中に含まれるセルロースとリグニンの有効利用法を確立するために,塩化コリンと乳酸を用いた深共晶溶媒(DES)処理,抽出分離,酵素糖化とグラインダー処理からなるトータル利用システムを開発した。分離されたセルロース画分とリグニン画分の高植物度機能性化成品への有用資源化についてまとめた。

【目次】
1.はじめに
2.DES処理と各画分の抽出分離
3.沈殿物から抽出されたアセトン可溶性リグニンの樹脂原料としての利用
4.固形残渣のグルコース生産およびリグノセルロースナノファイバー製造の原料としての利用
5.おわりに

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バイオマス由来の化学品合成を実現する高機能固体触媒の開発
Development of High-Performance Heterogeneous Catalysts for Transformation of Biomass-Derived Chemicals

 バイオマス由来原料を利用した化学品合成は,化石資源からの原料シフトを実現するために必須であり,今後の持続可能なモノづくりのためには,より温和な条件下で高選択的に反応を促進する固体触媒の開発は急務である。本稿では,筆者らのグループがこれまで行ってきた固体触媒開発の研究成果を紹介する。

【目次】
1.はじめに
2.フルフラール類の選択的変換
3.糖類の選択的水素化反応
4.油脂類の変換反応
5.まとめ

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固体触媒を用いた海藻バイオマス多糖から有用化合物へ変換           
Conversion of Seaweed Biomass-Derived Polysaccharides into Value-Added Chemicals using Heterogeneous Catalysts
 
 海藻は,成長速度,CO2吸収量,食料や淡水資源との競合などの多くの点で,海に囲まれている日本におけるバイオマス資源として望ましい特徴を有する。本稿では,海藻多糖から有用化合物への触媒変換について解説するとともに,コントロール可能な海藻育成法についても解説し,ファインケミカル原料としての海藻の可能性を提示する。

【目次】
1.はじめに
1.1 バイオマス資源としての海藻
1.2 バイオマス資源を志向した海藻の培養技術
2.海藻からの多糖抽出(マイクロ波抽出)
3.海藻多糖ウルバンから単糖ラムノースへの触媒変換
4.海藻多糖変換に適する固体触媒の開発
5.海藻多糖の脱硫酸および低分子化に対する反応制御(溶媒効果)
6.おわりに

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非可食バイオマス資源を原料とする化学品製造プロセスの開発    
Development of the Chemical Manufacturing Process Using the Non-Edible Biomass Resources as the Raw Material

 持続可能な化学産業の構築のために,従来の化石資源を原料とする化学品製造プロセスからバイオマスなどの非化石資源を利用するプロセスへの転換が望まれている。非可食バイオマスの一つであるセルロースに着目し,セルロース原料を化学品に変換する触媒技術開発ならびに化学品までの一貫製造プロセス開発を検討した。

【目次】
1.はじめに
2.セルロースからレブリン酸/エステル製造の触媒開発
3.得られたレブリン酸/エステルから化学品(汎用モノマー)までの一貫製造プロセス開発
3.1 検討①レブリン酸/エステルのベンチスケール製造と実用化に向けた課題抽出
3.2 検討②GVLのベンチスケール製造と汎用モノマー(アジピン酸エステル)への誘導化検討
4.おわりに

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[連載]ピラジン系機能性化学品(食品香料,農薬,医薬品,電子材料など)

第2回(終):医薬品(触媒,電子材料,配位子,液晶)中間体
Medicine(Catalyst, Electronic Material, Ligand and Liquid Crystal)Intermediates

 第1回では食品香料;農薬の中間体について述べた。今回は,医薬品などの中間体の工業的製法および用途について述べる。

【目次】
5.医薬品(触媒,電子材料,配位子,液晶)中間体
5.1 2-シアノピラジン(36)
5.2 2-アミノメチルピラジン(37)
5.3 2-アミノピラジン(ピラジナミン)(20)
5.4 2-アミノ-3,5-ジブロモピラジン(38)
5.5 2-アミノ-5-ブロモ-3-メトキシピラジン(39)
5.6 2-アミノ-3-メトキシピラジン(40)
5.7 2,3-ジシアノピラジン(43)
5.8 ピラジン-2,3-ジカルボン酸(45)
5.9 ピラジン-2-カルボン酸(ピラジン酸)(46)
5.10 ピラジン-2-カルボン酸イソプロピル(47a)
   ピラジン-2-カルボン酸イソブチル(47b)
5.11 2-クロロピラジン(48),2,3-ジクロロピラジン(49),2,6-ジクロロピラジン(50)
5.12 2,5-ジクロロピラジン(52)
5.13 2,3,5,6-テトラクロロピラジン(54)
5.14 3-カルバモイルピラジン-2-カルボン酸(55)
5.15 3-アミノピラジン-2-カルボン酸(56)
5.16 3-アミノピラジン-2-カルボン酸メチル(57)
5.17 6-クロロ-3,5-ジアミノピラジン-2-カルボン酸メチル(59)
5.18 5-メチルピラジン-2-カルボン酸(60)
5.19 ピラジン-2,3-ジカルボン酸無水物(66)
5.20 3-ヒドロキシ-2-ピラジンカルボキサミド(68)
5.21 6-ブロモ-3-ヒドロキシ-2-ピラジンカルボキサミド(69)
5.22 3,6-ジクロロ-2-ピラジンカルボニトリル(70)
5.23 3,6-ジフルオロ-2-ピラジンカルボニトリル(71)
5.24 6-フルオロ-3-ヒドロキシ-2-ピラジンカルボニトリル(72)
5.25 3,5-ジクロロピラジン-2-カルボン酸(73)
5.26 3,5-ジクロロピラジン-2-カルボキサミド(74)
5.27 3,5-ジクロロ-6-エチルピラジン-2-カルボキサミド(81)
5.28 2-ヒドロキシ-5-(4-デシルオキシフェニル)ピラジン(87)
6.おわりに

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[マーケット情報]
国内農薬市場の推移―殺菌剤を中心にして(第4報)―
Transition of Domestic Market of Pesticides-Specialized in Fungicides(4)

 2019年の本誌上で,国内の農業用殺菌剤市場の動向について2007年以降10年間の動向を概観した1)。本稿ではその後の状況を見るために,2010年以降10年間の殺菌剤市場の推移を主として作用機構の観点から解析した。

【目次】
1.はじめに
2.農薬全体の出荷金額と出荷量の推移
3.殺菌剤の出荷金額の推移
3.1 殺菌剤の分類
3.2 殺菌剤の作用機構別の出荷推移
3.3 国内市場に登場した新規殺菌剤
4.おわりに

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[ケミカルプロフィル]

シトラール(Citral)
トリシクラゾール(Tricyclazole)
ミリスチン酸(Myristic acid)

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[ニュースダイジェスト]

・海外編
・国内編