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月刊ファインケミカル 2023年3月号

【特集】高機能コンクリート開発の最前線

★コンクリートは多くのインフラを支える一方、その製造過程で地球温暖化を引き起こすと言われている二酸化炭素を多量に排出するため、近年では高耐久や低環境負荷で製造できるコンクリートが注目を集めている。本特集は、コンクリートにかかわる技術について、第一線で研究開発に従事されている研究者・技術者の方々にご紹介いただくものである。

商品コード:
F2303
発行日:
2023年3月15日
体裁:
B5判
ISSNコード:
0913-6150
価格(税込):
7,700
ポイント: 70 Pt
関連カテゴリ:
雑誌・定期刊行物
雑誌・定期刊行物 > 月刊ファインケミカル
地球環境 > 低環境負荷製品・製造プロセス
地球環境 > 未利用資源活用・リサイクル
ファインケミカル > 合成技術・製造プロセス開発

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著者一覧

丸山一平 東京大学
伊代田岳史 芝浦工業大学
取違 剛 鹿島建設㈱
坂井吾郎 鹿島建設㈱
渡邉賢三 鹿島建設㈱
森 泰一郎 デンカ㈱
河合慶有 愛媛大学
中西昭仁 東京工科大学
入谷康平 東京工科大学

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【特集】高機能コンクリート開発の最前線

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CO2が原料の完全リサイクル可能なコンクリート製造技術      
Calcium Carbonate Concrete, Completely Recyclable Concrete Using CO2

 カーボンニュートラルを目指しているコンクリートセクターにおいて,現状と課題を整理した。コンクリートの機能発現メカニズム上,カルシウムを起点とした水和物の重要性を指摘した上で,それらのリサイクルに着目する必要があることを指摘した。その一例として,東京大学を中心として開発をしている炭酸カルシウムコンクリートについて紹介した。

【目次】
1.はじめに
2.カルシウムカーボネートコンクリート(CCC)
3.まとめ

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CO2吸収により改質した再生骨材コンクリートの開発~カーボンニュートラル社会実現のために~
Development of Recycled Aggregate Concrete modified by CO2 Absorption

 地球温暖化対策のために二酸化炭素を低減することが求められている。一方で,解体構造物からの大量のコンクリート塊の処分が必要となる。両者の問題を解決する一つの手法として,CO2による低品質再生骨材の改質方法を開発しコンクリートに適用して,品質向上を確認した。

【目次】
1.はじめに
2.再生骨材改質技術の開発
3.改質再生骨材を用いた再生骨材コンクリートの性質
3.1 使用材料
3.2 圧縮強度やその他特性
3.3 再ASRへの対策の可能性
4.再生骨材コンクリートとしてのさらなる利用~コンクリートの改質方法の検討~
4.1 再生骨材コンクリートとしての欠陥部とその克服
4.2 新たなコンクリートへの適用
5.おわりにかえて~社会実装への道のり~

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コンクリートの長寿命化の研究から始まったカーボンネガティブコンクリート「CO2-SUICOM」の開発と今後の展開
Development and Future of Carbon Negative Concrete "CO2-SUICOM"

 セメント・コンクリート分野におけるCO2の削減・有効利用技術が,早期に社会実装できる可能性のあるカーボンリサイクル技術として着目されている。本稿では,コンクリート分野でのCO2削減・固定技術に関する世界および日本の動きを示したうえで,コンクリートの炭酸化反応に着目した長寿命化コンクリート,ならびにカーボンネガティブコンクリートの概要,そして今後の展開の可能性について述べる。

【目次】
1.はじめに
2.コンクリートにおけるCO2排出量
2.1 コンクリートの材料構成
2.2 コンクリートのCO2排出量
3.コンクリート分野におけるCO2削減・固定技術に関する世界の潮流
4.コンクリート分野でのカーボンニュートラル達成に向けた日本の動き
5.コンクリートの炭酸化反応とその利用
5.1 コンクリートの炭酸化反応
5.2  コンクリート×CO2を長寿命化のための手段に用いたEIEN
5.3  コンクリート×CO2を目的に(CO2-SUICOM)
6.今後の展開
6.1 コンクリートによるCO2固定量の評価
6.2 炭酸化技術の適用領域拡大

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二酸化炭素を吸収・固定化するダイカルシウムシリケートγ相について
γ-Type Dicalcium Silicate that Absorbs and Fixes from the Reaction with Carbon Dioxide

 セメント使用量を削減でき,出荷時までに炭酸化養生から従来品と同等強度を担保しつつCO2を吸収・固定化させたCO2吸収型コンクリートが実用化している。本稿では,CO2吸収型コンクリートのキーマテリアルである炭酸化混和材の開発と実証,および炭酸化養生から得られる特徴など,これまで得られた知見を記す。

【目次】
1.はじめに
2.炭酸化混和材の開発と実証製造
2.1 炭酸化混和材の開発
2.2  環境負荷低減を目指した炭酸化混和材の設計と実証製造
2.3 炭酸化反応
3.炭酸化混和材と炭酸化養生の組合せに
3.1 耐塩害抵抗性
3.2 環境親和性
3.3 そのほかの高機能化
4.炭酸化混和材の用途展開事例
5.おわりに

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生分解性プラスチックを用いたコンクリート用自己治癒材の開発
Development of Self-healing Material for Concrete Using Biodegradable Plastic

 本稿では,生分解性プラスチックを用いたコンクリート用自己治癒材の開発に関して最近の研究事例を紹介する。特に,生分解性プラスチックとして従来用いられているPLAと海洋分解性を有するPHBVを用いて,アルカリ環境下における生分解性について検討した。

【目次】
1.自己治癒材によるコンクリート構造物の長寿命化
2.生分解性プラスチックを用いた自己治癒材
3.生分解性プラスチックの加水分解性と生分解性
4.今後の展望

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[R&D Report]

炭素循環型社会を志向した新規バイオマス材料:細胞プラスチックス
Novel Biomass Material for Carbon-Recycling Society:Cell-Plastics
 
 炭素循環型社会の実現のために,バイオプラスチックスの開発に関心がもたれている。我々は,新規バイオプラスチックスとして緑藻細胞そのものを素材とする「細胞プラスチックス」の研究開発を行っている。これまで様々な方法で細胞プラスチックスを作製し,それらの力学特性および機能性を評価した研究成果をまとめた。

【目次】
1.循環型社会を志向したバイオプラスチックス
2.種々の細胞プラスチックスの作製と物性評価
3.結論

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[マーケット情報]
コンクリート用化学混和剤工業の市場動向

 全国生コンクリート工業組合連合会によると,2021年度の生コンクリート出荷量は,前年度比2.7%減の7,610万m3となり,基準年度比(平成2年度比)38.4%の低い水準となった。また(一社)セメント協会によると,2021年度のセメント国内需要は3,801万8,000トン,前年度比3.1%減となり,前年に続きマイナスとなった。これら生コン・セメント需要の動きに連動して,2021年のコンクリート用化学混和剤の需要も微減しているとみられる。

【目次】
1.概要
2.種類と性能
3.需要動向
4.技術動向
5.おわりに

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[ケミカルプロフィル]

アセチルアセトン(Acetylacetone)
ドロマイト(Dolomite)
二塩化エチレン(Ethylene dichloride)

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[ニュースダイジェスト]

・海外編
・国内編

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