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月刊機能材料 2025年10月号

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【特集】環境負荷に着目した評価と取り組み

★環境問題への関心が高まる中で,製品やサービスの環境負荷を評価する手法として,ライフサイクルアセスメント(LCA)やカーボンフットプリント(CFP)が注目されております。環境負荷の評価を公表することで,消費者にとっても環境に対する意識の向上や,環境負荷の少ない製品・サービスを選択できる社会の実現につながります。本特集では環境負荷の評価に関する事例や課題・展望について紹介いたします。

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※月刊機能材料は「雑誌版(紙媒体)」と「電子版(DL版)」の2プランにて販売しております。電子版 (税込4,620円)をお求めの方は 電子書籍専用販売サイト「CMCeBook」 よりご注文ください。電子版のご注文は コチラ(別サイトに移動します)

商品コード:
M2510
発行日:
2025年10月7日
体裁:
B5判
ISSNコード:
0286-4835

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著者一覧

松本真哉 横浜国立大学
村上 泰 信州大学
高橋伸英 信州大学
梶原莞爾 信州大学
枝村正芳 信州大学
加用千裕 東京農工大学
福武修太 TOPPAN ㈱
髙澤宇史 TOPPAN ㈱
当麻正明 住友化学㈱
林 真弓 住友化学㈱
丸本一弘 筑波大学

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【特集】環境負荷に着目した評価と取り組み

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研究開発におけるライフサイクル思考の重要性
The Importance of Life Cycle Thinking in Research and Development Activities

 ライフサイクル思考とは,簡単に表現すれば,ある対象の一生を考えることである。専門用語のような振る舞いをしているが,その意味を知ると,ごく当たり前の考え方であることが分かる。しかし,経済活動が国境を越えて拡大することにより,検討対象のライフサイクルを考えることは容易ではなくなった。他方で,企業活動に求められる課題が大きく変容しつつある。例えば,新しい製品などに関する機能性やデザイン性などの従来の検討項目に加え,温室効果ガス排出削減やSDGsに示された様々な社会課題も検討対象になっている。本稿では,この特集号の入り口として,機能材料やその応用製品などの研究開発において検討すべき課題が大きく変わりつつある時代におけるライフサイクル思考の重要性を述べる。

【目次】
1 はじめに
2 企業が意識すべき社会課題の変化
3 関連する企業の取組み事例
 3.1 原材料に関する事例
 3.2 素材や製品に関する事例
 3.3 サプライチェーンエンゲージメントの事例
4 ライフサイクル思考の学びとその意義
5 研究開発業務におけるライフサイクル思考の活用
6 おわりに

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繊維製品の環境負荷に着目したLCAの取り組みと課題
Environmental Impact of Textile Products from the Viewpoint of LCA

 繊維製品の環境負荷に着目し,ライフサイクルアセスメント(LCA)の取り組みと課題についてまとめた。海外における「繊維分野のサステナビリティの現状と課題」を明確にし,「繊維製品のLCAの現状と課題」を述べた。LCAにおいてGHG排出量を求めるためには,既存のインベントリデータを使用するので,「繊維分野のインベントリデータの現状と課題」に触れた。LCA評価結果に基づいて,改善の余地が最も大きい活動分野(ホットスポット)を求めてGHG排出量を削減する方策をまず考えるので,「繊維製品のLCAのホットスポットの特定と課題」としてまとめた。ただし,繊維製品のLCAからだけでは解決できない課題を「繊維製品のつくりすぎをなくすには」として提言した。

【目次】
1 はじめに
2 海外における繊維分野のサステナビリティの現状と課題
3 繊維製品のLCAの現状と課題
4 繊維分野のインベントリデータの現状と課題
5 繊維製品のLCAのホットスポットの特定と課題
6 繊維製品のつくり過ぎをなくすには

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LCAに基づく木材利用の環境影響評価
Environmental Impact Assessment of Wood Use Based on LCA

 持続可能な社会への移行に重要となる再生可能な木材資源の利用を取り上げ,ライフサイクルアセスメント(Life Cycle Assessment:LCA)による環境影響評価の概要と一般的手順,土木構造物への木材利用のLCA研究事例を紹介し,マテリアルフロー分析や森林の炭素動態モデルとの統合によるLCAの発展研究の動向,今後の課題や展望を概説する。

【目次】
1 はじめに
2 LCA
3 LCAの一般的手順
 3.1 目的と評価範囲の設定
 3.2 インベントリ分析
 3.3 影響評価
 3.4 解釈
4 木材のLCA適用事例
 4.1 治山ダム
 4.2 ガードレール
 4.3 橋梁床版
5 発展研究の動向
 5.1 LCAとマテリアルフロー分析の統合
 5.2 LCAと木材・森林の炭素収支評価の統合
6 まとめ

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パッケージ製品の環境負荷を見える化する取り組み
Initiatives to Visualize the Environmental Impact of Packaging Products

 TOPPANは,脱炭素社会と資源循環の実現に向け,環境負荷を低減するサステナブルパッケージの開発進めている。アルミ箔を使用しない「GL BARRIER」や,有機溶剤を削減する印刷・加工技術の確立と並行して,各パッケージ製品の環境負荷の見える化に取り組んでいる。CO2排出量算定ツールの開発・販売や,業界内で連携したCFP排出量算定ルールの策定の取り組みを紹介する。

【目次】
1 はじめに
2 「サステナブルパッケージ」の取り組み
 2.1 透明バリアフィルム GL BARRIER
 2.2 SX生産方式への転換
 2.3 水性フレキソ印刷によるレトルト対応技術開発
 2.4 ノンソルベントラミネート
3 サステナブルパッケージのGHG排出量可視化に向けた取り組み事例
 3.1 水性フレキソ印刷とノンソルベントラミネートを組み合わせたレトルト対応パッケージのGHG排出量算定
 3.2 包装のモノマテリアル化によるGHG排出量削減効果のライフサイクル評価
4 社会実装に向けた取り組み
 4.1 パッケージCO2排出量算定クラウドサービス「SmartLCA-CO2®」
 4.2 SMARTSTMの展開
 4.3 業界連携によるCFP排出量算定ルールの策定
5 最後に


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化学製品のカーボンフットプリント算定ツールCFP-TOMO®の開発と普及,および機能材料のCFP算定の課題
Development and Dissemination of CFP-TOMO ®: A Carbon Footprint Calculation Tool for Chemical Products, and Challenges in Calculating CFP for Functional Materials

 製品カーボンフットプリント(CFP)の重要性が高まる中,住友化学は化学製品のCFP算定を効率的に行えるツールCFP-TOMO®を自社開発し,これを無償で他社に提供している。その取組みについて紹介する。また,特に機能材料のCFP算定では原料情報の取得が大きな障壁となる。明確な正解がない中,現実的な対応方法について概説する。

【目次】
1 はじめに
2 CFPとは
3 CFPを取り巻く情勢
 3.1 海外の動き
 3.2 国内の動き
 3.3 サプライチェーンを通じたデータ交換
 3.4 CFP算定ルールの課題
4 化学製品のCFP算定
 4.1 CFP算定の基本
 4.2 化学製品のCFP算定の難しさ
5 CFP-TOMO®の開発とその特長
 5.1 CFP-TOMO®の開発
 5.2 CFP-TOMO®の特長
6 CFP-TOMO®の無償提供とその普及拡大
7 原料データの取扱いとデータ品質
8 おわりに:サステナブルな社会を目指して

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[Material Report -R&D-]

スズペロブスカイト太陽電池の性能向上機構の解明
Mechanism of Performance Enhancement of Tin-Based Perovskite Solar Cells

 Sn 系ペロブスカイト太陽電池(PSC)は,環境負荷の低さから注目されている。しかし,Sn2+が容易に酸化されるので,光エネルギー変換効率と安定性が低いという課題がある。そこで,薄膜試料と太陽電池の電子スピン共鳴(ESR)研究により,RP Sn系PSCの性能向上メカニズムを考察した。この考察は,高効率で高耐久性をもつPSCの開発に重要な進展をもたらす。

【目次】
1 はじめに
2 RP Sn系PSCの素子構造と構成層のESR信号
3 素子動作状態でのオペランドESR信号と素子性能
4 おわりに

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[Market Data]

コンクリート用化学混和剤工業の動向

【目次】
1 概要
2 種類と性能
3 需要動向
4 技術動向
5 おわりに

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試薬工業の動向

【目次】
1 概要
2 需給動向

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[Material Profile]
エポキシ樹脂
Epoxy Resin

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大阪・関西万博 大阪ヘルスケアパビリオンリボーンチャレンジ
MOBIO (ものづくりビジネスセンター大阪)の取り組み【第6回・終】

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